来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

18話

エミリコをさがせ! ~引き絵の魅力~ ②

さて、では前記事に続いて引き絵の魅力について語っていきます。

とはいっても、言い残したことを少し加える程度ですので前記事ほどのボリュームはないですけどね。
ですがいつも通り長くなりますので、記事は折り畳ませて頂きます。

では続きよりどうぞ。
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第18話 深夜の見廻りにて

さて、ようやくこの各話紹介も18話まで来ました。
これを書ききれば、残すは今週掲載された19話だけですので頑張っていこうと思います。

今回の扉絵は、暗い大広間に佇む二人の生き人形と、それに向かって歩く長い影が描かれています。
いかにも夜のお屋敷といったようで、怪しさを感じずにはいられません。

まあ正体を明かしてしまうと、前回のバービーの指令により集まった3人なのですけどね。

エミリコが最後に来たことにより、無事三人集合しました。

さあ、それではまずはみんなで元気に自己紹介!

…と言いたいところですが、輝くようなエミリコの笑顔に対し、二人の黒髪の生き人形は無言です。

ちなみに先に言っておきますと、今回のお話はほぼエミリコが喋っています。
本当にこれでもかというくらい一人で喋っています。

なので傍から見ると、独り言をずっと言い続ける変な生き人形に見えなくもないですが、ご安心下さい。彼女は平常運転です。

むしろ黒髪少年と黒髪少女がかなり寡黙なため、エミリコがおしゃべりさんのように見えてしまっているだけです。ここにミアを投入してみたら、かなりやかましいこと間違いありません。
本当に生き人形って、個性的です。

自己紹介を促すエミリコですが、黒髪少女のほうは緊張しているのか口をきいてくれません。
代わりに口を開いたのが黒髪少年、ショーンという名の生き人形です。

やっぱり一人称は「俺」なんですね。
大人しそうな見た目、というか実際冷静沈着なのでしょうけど、内面の方はもっとワイルドなのかも知れません。

とりあえず顔合わせは終わりましたので、いざ亡霊騒動の原因調査に出発です。

しかし、ここでエミリコは重要なことを忘れています。

それは、手掛かりが何もないこと。

なのでショーンは、新人の自分たちだけで解決できるのか疑問のようです。
そう、この子たちって新人なんですよね。

ルウなんかの例もありますので、
新人=お披露目前
というわけではなさそうですが、いずれにせよ経験不足は否めません。

そんな彼の懸念を、

・何かあるはず
・時間はたくさんある
・どうにかなる

と言い放ち、先導を始めるエミリコ。
彼女の“常に前向き”という性格が、いかんなく発揮されています。
さながら探検に行く子供みたいです。
いや、でもこれ、いやな予感しかしないような…

そんなこんなで意気揚々と進むエミリコですが、ショーンが置いてきぼりをくいます。
バービーに対して目が悪いと言っていましたが、あの時のは言い訳ではなくて、本当に目が悪いみたいです。普段はどうやってお勤めしてるんだろう?

なのでショーンを迎えに行くエミリコ。
ところが今度は、黒髪少女の方を置いてきぼりにしてしまいました。

結果、エミリコが両手で二人を引いて歩くという、珍妙なフォーメーションになってしまいました。
エミリコのランプは黒髪少女の持ってる箱に入れてもらったのかな?

兎にも角にも、これが此度の探検スタイルとなったようです。
二日目以降も真ん中エミリコ、脇にそれぞれ一人という並びで館の中を探検していきます。
三手に分かれればもっと探しやすそうなのに、何だかいろいろ残念な状況です。
これで本当に原因が見つかるのでしょうか。
ショーンはこの見廻りが主人の役に立つのか疑問のようで、探検スタイルとは裏腹に、既に心の足並みが乱れています。

二日目が終わり、三日目が終わり、四日目も終わり……

あのエミリコも、さすがにお疲れのようです。
可哀想に、目の下にくまができています。
連日満足に寝られていないのですから、当然といえば当然です。

そうして迎えた五日目、ショーンが大荷物をしょって現れました。
それを目にしたエミリコは役に立つものを持ってきたのかと期待します。

ショーンが持ってきたのは毛布です。
その毛布をエミリコの前で広げ、床に敷きました。

それを一体どうするのか…





と思ったら、いきなりの就寝宣言!

これには、なぜ!と絶叫するエミリコ。

ここのやりとり、勢いがよくて私は好きなのですが、それはそれとして原因捜索はどうするんだと問い質したくなります。

しかし、これには彼なりの理由がありました。

この深夜の見廻りによって日常の業務に支障をきたしている、と。

それを言われたエミリコも心当たりがあるようで、どうやら寝坊して失敗をしてしまったそうです。

今回の命令は、バービーが意地悪で主人と仲違いさせたいだけだと主張するショーン。
それだけでなく、そもそもやつれた顔では本来の顔としての務めもままならないだろう、といって毛布に転がり込んでしまいました。

そんなショーンにエミリコは、館の地図を広げて見せます。
なんとこれ、描いたのはミアです。
しかも上階に住んでいるのを利用して、窓から紐でつるしてエミリコとやり取りをしたようです。
この窓の形からすると、生き人形の部屋の窓から受け取ったのでしょう。
さすが優秀なだけあります。願わくば、今後その現場をバービーやその取り巻きに見つかりませんように……

けれども、彼は動きません。梃子でも明日まで寝るつもりなのでしょう。
まあ仕方ない気がします。

やむを得ず二人で調査に行こうとするエミリコ。

それをショーンは呼び止めます。

二人の毛布も用意したから寝たければ寝ろ、と。

なんだかんだで彼女達を気にしてくれていたのでしょうね。
エミリコも黒髪少女が眠たそうなのを見て、今晩はひとまず寝ることにしたようです。

大広間に川の字になって寝る三人。
もちろん真ん中はエミリコです。

夜の大広間に彼女の声だけが響き渡ります。

まるで修学旅行で気分が高揚している子供のようです。

途中、エミリコが毛布を持ってきてくれたことや先日助けてくれた出来事に感謝しますが、ショーンは照れ隠しなのか、自身がバービーにムカついただけだといって目も合わせません。

でも、そんなことはお見通しとばかりに優しく微笑むエミリコ。

やっぱりショーンは、なんだかんだで根はいい性格なんでしょうね。

ところがその時、黒髪の少女が嗚咽を漏らします。
二人の気遣いに耐え切れなくなったのか、そして申し訳なさからでしょうか。
それはすぐに号泣に代わりました。

曰く、見廻りなんかもうやめましょう、と。

自分のために二人を巻き込んでいるのが心苦しいのかも知れません。
今もこうして気を遣わせていることが申し訳ないのかも知れません。
そして迷惑をかけているという事実が情けないのかも知れません。

彼女が、自ら自分は要らない子なのだからと叫ぶまでに至った経緯と胸中を思うと、言葉が見つかりません。

今晩は寝ると決め込んでたショーンも、彼女のその姿を見て流石にやりきれない表情です。

しかし、誰もが同じようなまなざしを向けるであろうこの状況下、凡人の域を超えた反応を見せた存在がありました。

そう、我らが主人公、エミリコです。

十人中十人が、彼女をどう慮ろうと考えるであろう場面で、エミリコは黒髪の少女が喋ってくれたことに大喜びです。
そして今回の出来事は迷惑ではないこと、仲良くなるきっかけになって嬉しいこと、エミリコ自身も失敗作といわれたことがあることなどを、黒髪少女に語り掛けます。


これでやっと心開いたのか、自らの名前を「ラム」と答える黒髪少女。
それにエミリコは無邪気に「ラム!!」と返します。
この無垢な笑顔、ようやくいつものエミリコが見られた気がします。

二人のやり取りを間近で見ていたショーンも、かすかではありますが笑みを浮かべます。
やっぱり良いやつだな、ショーン。

紆余曲折を経て結束が固まったかに見えた三人でしたが、それを見ていたかのように、大広間の入り口に黒い影が現れました。
カーテンに手をかける指は怪物のようであり不気味です。
また、背丈もかなりあるようです。
シルエットからは、普段生き人形達がお世話になっている顔のない人形に似ている気もしますが、これだけでは何だか分かりません。

この正体不明の影が幸をもたらすのか厄をもたらすのか。
亡霊騒ぎの原因の解き明かしと共に、彼女たちに難題が降りかかる予感を秘めて、次号に続きます。

さて、これで前回まで各18話の紹介が終わりました。
ああ、ようやく19話を読めるぞ!楽しみです。
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