来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2022年06月

第135話 主従関係

シャドーハウスがどんな作品かと問われた時、「主従関係」を無視して語ることはかなり困難です。

試しに、シャドーハウスの魅力を誰かに教えると想像してみて下さい。様々な切り口で説明したところで、終わった頃には「主従関係」或いはそれに似た言葉を使わなければ成り立たないことを、嫌でも痛感することと思います。


余談ですが、アニメシャドーハウスの一期が初放映されたのは令和3年4月10日でした。

この日はシャ(4)ドー(10)と読むことができる、なんて一部で話題になっておりましたが、実は「主従の日」でもありました。

シャドーハウスのタイトルと内容、両方に関係のある日が偶然にもアニメ第1話の放映日だったのです。

運命の悪戯とはかくもよく転がっているものですね。こういった現実世界とのクロスオーバーはシャドーハウスでは珍しくありません。いつかそれをまとめられればと思っています。(何年後になることやら…)


ところが、よく読んでみると同期組に関しては単純な「主従関係」とは言えない部分もままあります。

私的見解ですが、

ケイト&エミリコ→母娘、親友
ジョン&ショーン→兄弟、相棒
ルイーズ&ルウ →姉妹、級友
シャーリー&ラム→魔女っ娘と使い魔

この4組はこんな風な関係ではないかなと眺めています。もちろんこれは私の考えですので違うという方もいらっしゃるかと存じますが、いずれにせよ「主従関係」という一言では言い表せられない関係性を彼ら彼女らは築いているのです。


すると、パトリックとリッキーは同期の中では稀有と言えそうです。

パトリックは立派なシャドーでいようと心掛ける描写が散見されますし、リッキーは主人のために優秀であろうと努力するシーンが多いからです。

同期組の中で、これほど自己を「主人」或いは「従者」だと自覚しているのはパトリック組が唯一でしょう。ある意味貴重なペアだったわけです。


しかし、此度のエピソードでは本音を語り合うことで、二人は「主従関係」とは違う関係性を発見しました。

それでは本題に移りましょう。

サブタイトルこそは「主従関係」ですが、第135話の主題は「魂の友」(ソウルメイト)です!!続きを読む

第134話 心【感想】

「心」というサブタイトルを見た時、思い浮かんだのは夏目漱石の「こゝろ」でした。

夏目漱石と言えば知らぬ人はいない明治の文豪です。以前は千円札にも肖像として採用されていました。

千円札(夏目漱石)

小説の「こゝろ」も有名です。全編読んだことがなくても、学生時代に国語の教科書で触れた方も多いかと思います。調べてみると、これまでに700万部以上を売り上げた国内で最も売れた本とのことです。
(村上春樹氏の「ノルウェイの森」の方が売れてると思うんですが、どこ情報なんだろう?それとも単巻限定ということでしょうか。)


ところで、実は以前にも本ブログで夏目漱石について触れたことがありました。

第30話のあらすじ紹介です。(第30話 黒い点)

かなり前の記事ですね。偶然でしょうが、100話以上の時を経てあの時と関係のあるエピソードで再び同作家を想起するとは思いませんでした。

当時の記事ではエミリコの献身を「三四郎」の台詞を引用して紹介しています。暫くぶりに読み返してみて、あんな事もあったなあと懐かしくなりました。

第30話が公開されたのは3年前の5月30日ですので、きっと似たような気候が同じような思考を生み出したのかも知れませんね。


ただ、何もかもを偶然で片づけるわけにはいきません。

此度の第134話は純粋な二人がメインのストーリーでした。
公開日の6月9日と同じく、「無垢な」やり取りが繰り広げられます。続きを読む

ショーンとリッキーが仲悪い理由

少し前の話になりますが、第125話ではショーンが普段見せない姿を見せていましたね。

ネタバレになるので詳細は伏せますが、今風に表現しますと「弟ムーブ」をかますショーンが描かれました。

彼はこれまでキャラ紹介の通り「何でもそつなくこなす」様子が散見されていましたが、ここまで万能とは驚きです。意図的に相手に合わせたキャラづくりができるなんて「顔」として優秀過ぎるくらいです。ジョンがキャパオーバー(※)するのもやむなしです。(※第68話より)

むしろ、何ができないんだと言いたいくらいですよ。
強いて言えば目が悪いことくらいでしょうか。

振り返ってみれば、美少年キャラと思いきや力持ちだったり、冷静キャラかと思いきや主人に殴り返したり、爽やかキャラと見せかけてリッキーに殴られたことを根に持ってたり、慎重なように見せかけて結構雑だったり…。

捉えどころのないナイスガイ、それがショーンです。

そして、この間追加されたのが
『お兄さんキャラかと思いきや、弟キャラも板についてる』


う~ん、凄い!

それも天然ではなく計算の上なんですから末恐ろしいです。アプリやツイッターの感想を眺めておりますと、スージーだけでなく多くのお姉様方がショーンの笑顔に陥落しておりました。いやあ、罪な少年だこと…。


さて、彼の演技があまりに真に迫っていたことから、巷では「ショーンにはかつて姉がいたのでは?」なんていう呟きが幾つか見受けられました。
確かに、非常に興味深いですね。なるほどという気がしました。

ただ、私はショーンの「弟ムーブ」を見た時、実の姉ではないけれども、もしかしたら“姉と呼ぶべき身近な存在”がかつていたのかも知れないと感じました。

今回の記事では、そのことについて書いていこうと思います。

ではでは、当然ながら第125話までのネタバレを含みますので続きよりどうぞ。続きを読む

第133話 無二の存在【感想】

タイトルに「無二の存在」とありますが、ケイトとエミリコにとっては互いこそが「唯一無二」の存在であることは疑いないでしょう。

23度目のカラー扉となった今号のシャドーハウスは、ケイトとエミリコが背中を向け合ったイラストでした。(週刊ヤングジャンプの公式ツイッターから一部見られます→【カラー扉付】)

単行本第8巻と同じく、背中を預け合うことのできるケイトとエミリコの信頼関係は強固です。揺るぎありません。

ケイトとエミリコが多くの困難を共に乗り越えてきた証。まさにそれが表現された構図だと思います。


さて、振り返って自分はどうなんだろうと考えましたが、今のところ私にとっての「無二の存在」はシャドーハウスかなと考えています。

娯楽作品を「無二の存在」と言い切ってしまうのはいささか危ういかと思いますが、それでもぱっと浮かんだのはこの漫画でした。我ながら随分と入れ込んだものだなあと感心(呆れて?)しています。

まあ、それでも後悔はしないと確信していますからこれで良いかなというのが率直な思いです。人ぞれぞれ答えが違っていて当たり前でしょうからね。


今回のエピソードでは、ケイトとエミリコ以外のキャラクターも「無二の存在」がいることが描写されました。

ところが、とある人物に関しては予期しない形でそれが判明してしまいます。
続きを読む

第132話 奥の手【感想】

本ブログでは、これまで「シャドーハウスはサブタイトルも凄い!」と散々繰り返してきましたが、シャドーハウスはサブタイトル以外にも本編とは関係のないところにネタが潜んでいます。

例えば「煽り」です。

雑誌で読んでいる方はご存じかと思いますが、毎回冒頭やラストには編集部(担当者でしょうけども)が考えたと思われるコピーが掲載されています。

個人的に今までのラストページの煽り文で好きなのは、「……これぞ真のシャドーボクシング…?」です。

これだけでどんなエピソードだったのかお分かりでしょう。言うまでもなく、ジョンとショーンが夕日を浴びて殴り合ってたあの第51話です。
うん、ただの駄洒落ですね…。

そういえば、前々回ラストの「勘のいい子は…。」という煽り文も結構な反響がありましたよね。元ネタは人気漫画・鋼の錬金術師の「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」という台詞ではないかと推測されておりますが、真相はどうなのでしょうか。

本当だとすれば、わざわざ他出版社の作品のパロディを編集部は…(以下自粛)


さて、今回なぜ煽り文について書いたかと言いますと、第132話のラストも元ネタがあると思しき煽り文だったからです。

それはこちらの画像に関係のある人物です。

北町奉行所 看板
北町奉行所跡

こちらは東京駅八重洲北口の北町奉行所跡です。
現在はビル群に囲まれていますが、江戸時代の名奉行・遠山景元などに縁のある場所として知られています。

“奉行所”と“遠山”……。そうとくれば、勘のいい方はピンときたかも知れません。

実は、時代劇「遠山の金さん」は実在の人物がモデルとなっており、それが遠山景元なのだそうです!

恥ずかしながら、この場所はしょっちゅう通っているのに知りませんでした。シャドーハウスを通じてまたもや一つ勉強になりました。


「これにて一件落着」


此度用いられたこの煽り文は、「遠山の金さん」がお開きになる時の恒例の台詞です。

桜吹雪ならぬ煤を散らし、ケイトはマッドサイエンティストを相手に見事に事を収めてみせました。続きを読む
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