来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2020年11月

祝!小西財団漫画翻訳賞ノミネート

11月21日に、シャドーハウスが「小西財団漫画翻訳賞」にノミネートされたという知らせがありました。
フランスで翻訳・発行された漫画が対象となる賞とのことで、今年で第4回目となる賞だそうです。

詳細については公式HPをご覧頂きたいのですが、シャドーハウスの他にも9作品がノミネートされています。
(小西国際交流財団・小西財団漫画翻訳賞の2021年版ページ→Édition 2021 – Prix Konishi pour la traduction de manga japonais en français (konishimanga.fr))


運営元は小西国際交流財団という団体で、当初は日本臓器製薬株式会社の元社長・小西甚右衛門という方が立ち上げた、日本とフランスの医学者の交流を目的とした組織だったそうです。

その後、交流事業の発展に伴って文化事業にも携わるようになり、1983年に外務省の認可の元で正式に国際交流財団として発足しました。
過去には国際音楽会の開催や日中の医学者の交流事業も実施していたようで、多くの研究・文化事業の促進に貢献してきた団体であることがホームページにて解説されています。
是非とも漫画翻訳賞だけではなく、財団の公式HPもご覧下さい。
(小西国際交流財団HP→小西国際交流財団 | Konishi Foundation for International Exchange (konishi-zaidan.org))


漫画翻訳賞のページには翻訳者の Akiko Indei氏とPierre Fernande氏(お二人は過去に東京喰種トーキョーグールの翻訳も手掛けています)のコメントと、推薦者のMickaël Brun-Arnaud氏のコメントがあります。特にAkiko Indei氏は調べてみると評価の高い翻訳家のようでして、そういった一流の方がシャドーハウスの欧州進出に携わって下さるとは嬉しい限りです。


フランス語が分かる方、あるいはブラウザに翻訳機能がある方はシャドーハウス以外にもノミネートされた作品の書評をご覧頂ければと思います。海外から見た日本漫画の視点に、新しい発見があること請け合いです。



恥ずかしながら、これまでこんな賞があったとは全く知りませんでした。

小西財団漫画翻訳賞は投票制ではないので我々読者はただ見守ることしかできませんが、是非ともシャドーハウスには受賞して欲しいですね!
(※一応注意ですが、翻訳賞なので受賞対象は作品ではなくあくまで翻訳者がメインです)


受賞者は、なんとあの有名な漫画イベント・アングレーム国際コミックストリップフェスティバルにて発表されるとのことです。

今回は残念ながら世情によりバーチャル版での発表となるそうですが、2021年1月末の発表が今から楽しみになってきました。


これまで何度となく賞レースで涙を呑んできたシャドーハウス。
今度こそはタイトルを獲得して欲しいですね。

私管理人も、受賞者発表までこの小西財団漫画翻訳賞の動向に注目していきたいと思います!


第82話 エミリコ班

お気づきの方もいるかも知れませんが、今話の構成はいつもと違っています。

何が違うのかといいますと、扉絵が2ページ目以降にあることです。

『扉』絵と言うくらいですから本来は1ページ目にあるのが普通です。ところが今回は3ページ目にあるんですよね。

副題が2ページ目以降に書かれているのは第38話・43話・44話がありますが、扉絵が1ページ目以外で描かれるのは第1話以来です。(第43話も扉絵っぽいと言えば扉絵みたいですが)


ところで、なぜ私がここで扉絵に注視したのか。
理由は簡単です。

ただ単に、ソウマトウ先生のツイッターで上げられた次回予告画像がとても可愛かったからです。(見ていない方はここよりどうぞ)

新生・エミリコ班のメンバーが並んだ絵。個性的な4人が横並びになっているのを見て本編を今か今かと待ち受けていたのですが、そうして読み始めたらある筈の扉絵がなかったので「おやっ?」と思ったんですよね。

ですが読み進めていくとちゃんとありました。そこで扉絵が2ページ目以降にあるのはいつ以来なんだろうと調べてみたら、上記のような結果だったわけです。まあ偶然の成果だったわけですね。

もし第82話を読んで、
『なんてことだ……!これは第1話以来、81話ぶりの希少な構成だ!!』
と瞬時に分かった方がいましたら、トップクラスのシャドーハウスマニアかと思います。ぜひ教えを請いたいです。


さてさて、それはともかくとして何度見ても可愛らしい扉絵ですね。
ツイッターでは彼女達の姿を見て「アイドルじゃん」と呟いている方がいましたが、まさにそんな感じです。私は前述の予告画像を見て『エミリコが持っているのは箒の柄だろうけど、これだとバトンみたい』と思っていました。

音楽隊にせよアイドルにせよ、こんな娘たちが集まったグループなら大ヒット間違いなしですよね。
もしも彼女達がブレイクしなかったとしたら、所属事務所のプロデュースが100%悪かったと断言します()

ただ残念なのが、本来ベルのところに立っている筈だったローズマリーがいないことでしょうか。
得意げに腰に手を当てたローズマリー見たかったなあ……。

それともう一つこの扉絵を見て思い出したのが、エミリコが初めて朝の大掃除に参加したエピソードです。第8話で“すす掃除の唄”(管理人が勝手につけた仮称)を朗らかに歌っていたローズマリー班ですが、思わず当時の雰囲気に似ているなあと感じました。
アニメであの歌にメロディーが付いていたら楽しいでしょうね。


さて、そろそろ本題に移りましょう。

前回の終盤で発足したエミリコ班。その船出は、前途多難なものでした。続きを読む

第81話 新しい班長

11月4日(現地時間3日)から、米国大統領選挙の投開票が行われていますね。

共和党は現職・トランプ氏、民主党はバイデン氏が代表として選出され、昨日バイデン氏が当確として勝利宣言しました。

ところが、トランプ氏は9日現在も投開票の是非について訴えており、まだまだ予断を許さない状況となっています。2000年の時と同様、年明けまではこの状況が続くのではないでしょうか。

ただ厄介なのが、米国はこういった状況が続くと大抵、国内の平定のため外部において激越な行動を起こすことが度々あります。他国のことに口出しすべきではないですが、そういった国柄であることをはっきりと認識した上で、適切な付き合い方を考えていく必要があるのではないかと感じています。


ところで、此度の選挙を例に出さずともリーダーの選出には内紛がつきものです。決して愉快なものではないですが、古今東西見渡せば幾らでもこういったケースは見受けられます。

選挙制・世襲制・輪番制・指名制・籤引制と方法の違いはあれど、対立候補が納得せずに争いになる例はこれまで何度も繰り返されてきました。会社の部署の長から一国の首脳まで、規模の大小は問わず一度は見聞きしたことがあるかと存じます。

これらが紛争の種になるのは権益の確保が主な原因ですが、リーダーという地位が権威的な効果を持っているのも問題を複雑にさせる一つの要因だったりします。こうなるともう、解決の糸口を掴むのは困難です。


今回のエピソードも、現実世界で散見される「リーダーの選出」の難しさが描写されました。

かの国と同様、この問題が解決するには幾つもの壁を乗り越える必要がありそうです。



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第80話 日常

鳥は自由の象徴と言われています。

それを明確に謳っている組織や宗教、文化はないのですが、なぜかそういった認識は古今東西見受けられます。

恐らく、翼を持ち大空を翔る姿が自由を連想させるからでしょう。キリスト教では鳩が救済の象徴として扱われていますが、天に最も近い場所を飛ぶ彼らを、昔の人は神の使いとして見ていたのかも知れません。宗教画に描かれる天使に翼が生えているのもそういった理由からだと思われます。

少し話は変わりますが、私がシャドーハウスのケイトを初めて見た時に脳裏に浮かんだのは「パンをふんだむすめ」という影絵劇でした。

同名のアンデルセンの童話を原作とした影絵劇で、30年ほど前にNHK教育で数回放映されていました。現在30~40代の方は観たことがあるという方もいらっしゃるかと思います。恐怖を煽る主題歌が印象に残っている人も多いでしょう。劇自体は、横浜を拠点とする“劇団かかし座”という超一流劇団の制作なので完成度はかなり高いです。一度でいいので劇場で見てみたい作品です。

ネタバレになりますが、この「パンをふんだむすめ」にも救済の象徴として小鳥が登場します。原作にはない描写らしいですが、元々の童話はかなり宗教色が強いものだということですから、それを考慮した上での脚色だったのでしょう。キリスト教徒が大多数ではない日本人に向けて、アンデルセンの意図をうまく組み込むための演出だったのかも知れません。私も大人になってから振り返って、当時の自分がその演出によって作品の主題を知らずの内に感じ取っていたことを思い出しました。機会があれば一度ご覧頂きたいです。


さて、節目となる第80話は冒頭で鳥が登場しました。

嬉しそうに鳥へと手を伸ばす少女。

しかしその手は僅かに届かず、自由の象徴は陽光へと消えていきました。



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