来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2021年11月

第116話 初めてのお遣い

「おつかい」と書くと可愛らしいですが、実は元々の意味はもっと堅苦しかったりします。

題名の「お遣い」という字を見れば分かる通り、この言葉は「使者」を表しているからです。

例えば、「遣隋使」「遣唐使」もそうですね。小学生の頃に習って今も覚えている方も多いと思います。


神道では、祭祀の際に天皇から「勅使」という遣いが現地に赴く神社を「勅祭社」と呼び、他の神社とは一線を画す存在です。また、キリスト教では神の遣いのことを「御使い」、すなわち「天使」と呼び神聖視しています。
石清水八幡宮
(上画像は勅祭社の一つ・京都市の石清水八幡宮)

このように、宗教上において「お遣い」は重要な使命を課されています。音だけを聞くと子供のお買い物を連想しますが、そんな生易しいものでは決してないのです。


もっとも、考えてみれば当然ですね。「お遣い」を出す立場といえば、高貴な存在と決まっています。そうでないなら、当該者が直接現地に行けば良いからです。

現実世界でも、大企業の社長が毎回取引先との打ち合わせに出ることはほとんどありません。それと同じです。


さて、そうするとシャドーハウスにおける「お遣い」の意味も分かろうというものです。

劇中でエドワードは「“お遣い”もまた重要な儀式」と語っていました。

ケイトが少しずつ目的を達成する中、エドワード達も順調に“3階”への階段を上っていきます。続きを読む

第115話 エミリコ

第114話をご覧になった方はご存知かと思いますが、前話は“名前”が重要なキーワードでした。ケイトの過去編のサブタイトルを振り返ると、まさにそれが示されていると言えるでしょう。

ということは、過去編を締めくくるにあたってはこれ以外のタイトルはありません。


本作品の主人公、エミリコの名が満を持してサブタイトルに登場しました!


ツイッターでは、この件についてソウマトウ先生が裏話を公開しています。
(→114話と115話のサブタイトル)

今回はソウマトウ先生自身がサブタイトルを名付けたとのことでした。
これまでのサブタイトルは担当者様が付けていたと仰っていましたが、今まで似たことってあったのでしょうかね?

もしないとすれば、今話のサブタイトルは作者自身が初めて付けたものとなります。それが主人公の名前とは何という奇遇でしょうか。ひょっとしたら作品を通じて唯一のケースとなるかも知れません。不思議なものです。


第115話では、ケイトがエミリコのことをどう見ていたのかが明かされました。

これまで秘されてきた、我らが主人公・エミリコの名前。

それはケイトの大切な、そして誰よりも近くでケイトを見守ってきた、とある女性から名付けられました。続きを読む

エミリコの「コ」って何?

アニメでは既に明かされていた、ケイトのエミリコへの名付けシーン。
此度第114話でもそれが描かれていましたね。

詳細を書くとネタバレになるので伏せますが、とても感動的なエピソードでした。

「エミリコ」という名については、アニメではその理由が明かされていたのですが、果たして漫画ではどう描かれるのか楽しみです。あと数時間、次はどんなストーリーが描かれるのでしょうね。


ところで、この「エミリコ」という名について、以前から疑問に思っていたことがありました。

それは、検索してもほとんど出てこないこの名前の由来は、一体何なのかという疑問です。検索頂ければ分かるのですが、シャドーハウス以外でヒットするのは数件です。


そこで、かなり以前に「エミリコ」の名前について考察したのですが、時間が掛かった挙句、アニメでその理由が判明したので記事に上げてきませんでした。

ただ今回のタイミングを受けて、まあ供養ではないですが私が考えたことを書いても罰は当たらんだろうと思い少し書いてみます。

よってアニメ第1話で明かされた理由とは異なりますが、こんな意味もあるのではという軽い気持ちで読んで頂けましたら幸いです。

では続きよりどうぞ。
続きを読む

第114話 あなたの名前は

「パラダイムシフト」という言葉があります。

ある分野において、常識とされていたことが覆される様子を指した語句です。

例えば、科学分野ではアインシュタインの相対性理論、歴史ではフランス革命、戦術史では真珠湾攻撃、技術史では蓄音機の発明などが挙げられます。

言い換えれば「既成概念の崩壊」や「発想の転換」とも言えます。

パラダイムシフトにおいては、その発生前後で生活様式は大きく変化します。それだけではなく、パラダイムシフトを境にして物事の受け止め方も違ってきます。

コペルニクスの唱えた地動説は当時の人々の常識を根底から覆し、それが受け入れられた前と後で西洋の天文学は大きく変化しました。たった一つの発見や思想が、過去において正しいと信じられてきたことを180度転換させるきっかけになったのです。


シャドーハウスでも、似たようなことが劇中で頻発しています。読者が連載中に感じていたことが、ストーリーが進み新事実が発覚するにつれて、実は間違っていたなんてことは珍しくありません。

シャドーハウスの読者にとってみれば、何度も「パラダイムシフト」が発生していると言っても過言ではないでしょう。前記事では第113話までの情報を踏まえて1巻を読み返しましたが、連載当初に我々が見ていたものは、氷山の一角でしかありませんでした。

ちなみにシャドーハウスのストーリーを指して「パラダイムシフト」という言葉を思い付いたのは私の発想ではありません。ツイッターで今話の感想を拝見していた時に見つけたものです。

ただこの言葉を読んだ瞬間、シャドーハウスのストーリーを表すにぴったりな言葉だと膝を打ちました。簡潔に言うならその通りです。


そして今回。その集大成と呼ぶべき光景が描かれました。

第24話で描かれた、ケイトの「すべて話すわ」という独白。

その物語がとうとう結末を迎えました。続きを読む
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