来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2022年12月

人間って 人間って いいな

本ブログをご覧の方でしたら、記事の題名を見てすぐにお分かりになったことでしょう。

「人間って 人間って いいな」

言うまでもなく、アニメシャドーハウスの二期オープニングテーマ「シャル・ウィ・ダンス?」の歌詞です。
シャル・ウィ・ダンス?


例年、本ブログでは年末を締めくくりに名曲の歌詞を紹介してきましたが、今年はとうとうシャドーハウス関連の楽曲を取り上げることとなりました。

それもこれも、シャドーハウスがアニメ化され、素晴らしい楽曲がもたらされたからに他なりません。

漫画だけではなく、様々な媒体でシャドーハウスを楽しめるだなんてなんと素晴らしい日々でしょうか。

ソウマトウ先生にも、アニメスタッフにも、声優の皆様にも、そしてReoNa氏を始めとする楽曲関係の方々にも感謝です。


特に、シャル・ウィ・ダンス?という作品は音楽ですから、日々の暮らしの中で触れることが多かったです。

二期アニメが公開日は7月8日深夜でしたが、実はその翌日私は西日本に行っていたこともあって、道中ずっとシャル・ウィ・ダンス?を流しておりました。(西日本のどこかの山中でシャル・ウィ・ダンス?を流している車があったら、多分それは私が運転してた車です)

また、アニメ放映中も何かにつけて良く聞いていました。今もシャル・ウィ・ダンス?を聞くと、当時の暑かった毎日が思い出されます。

さらに余談ですが、今年の仕事納めの際は、仕事先から会社に戻る道中で車内で流していたのもシャル・ウィ・ダンス?でした。(東日本のどこかで28日にシャル・ウィ・ダンス?を流している車があったら、多分それは以下略)

今年もシャドーハウス漬けの日々を送ることができて楽しかったです。来年もそんな風に過ごせればいいなあなんて夢想しております。

さて、では長くなりそうなので、続きでは今年のシャドーハウスを振り返りつつ、ちょっとした雑感でも書いていきたいと思います。

雑感という通りたわいもないことですし、途中ちょっとネガティブな内容もちらほら書きます。

ですので、年末の挨拶でこういう言い方は失礼でありますが、現実世界の出来事に関して見たくないという方はお控え下さい。

なお、今年のシャドーハウスの本格的な振り返りについては、昨年同様に年始の挨拶の際に書かせて頂きます。

ではでは、先については続きよりどうぞ。続きを読む

第152話 真実【感想】

写真は、ローマにある「真実の口」という彫刻です。以前イタリアへ旅行に行った時に撮りました。
真実の口

元々はローマ市内にあった寺院の集水器の蓋(=マンホール蓋)だったそうですが、それが紆余曲折あって教会内の外回廊に安置されるようになったらしいです。(詳細分からずですみません)

モデルとなった顔は、海神・オーケアノス。言われてみるとギリシャ神話らしい荒々しい見た目ですね。

余談ですが、私が幼い頃は東武動物公園にこの彫刻のレプリカがあり、壁に厳つい男性が埋まっているという構図から気味悪くて近づかなかった記憶があります。一口100円の占い器だったんですが、なんか低音で喋ってくるんですよね。子供から見たら怖いよ……。

さらに余談ですが、上の写真がなぜ正面から撮られていないかと言いますと、スケジュール通りにローマ市内を観光できなかった結果、「真実の口」があるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に着いたのが夜になってしまったからです。なんかこの彫刻、つくづく良い思い出がないなあ……。


さて、ところでこの彫刻がなぜ「真実の口」と名付けられているのかと言いますと、偽りの心を持つ者が真ん中の口に手を入れると嚙み千切られてしまう、という伝説があるからだそうです。

こんな伝説がなぜ生まれたのか詳細は分からずじまいで申し訳ないのですが、この伝説が広く知れ渡るきっかけになったのは名画「ローマの休日」で間違いないでしょう。

この映画では、新聞記者を演じるグレゴリー・ペックが「真実の口」に手を入れるシーンがあるのですが、彼は撮影中に本当に手がちぎられた振りをして、王女役のオードリー・ヘプバーンが素で驚いた、なんていう微笑ましいエピソードがあります。

東武動物公園の占い器も、その伝説に関連したアトラクションだったのかも知れませんね。


それはともかくとして、シャドーハウスに話を戻しましょう。

「真実の口」は偽りの心を持つ者を成敗する彫刻ですが、現実世界では逆に「真実」こそが人を傷つけることがあります。だからといって嘘をついてばかりではいけませんが、「嘘も方便」なんていう諺があるくらいに人間の生活において「嘘」は多いです。

悲しいことですが、建前と本音、それらを使い分けてようやく成り立つのがこの世界なのです。


しかし。

建前、とりわけ「嘘」をつくのであれば、それを以て幸福や安定に繋げるのが嘘をついた者の責務と言えましょう。誰かの心の安寧のために嘘をついたのであれば、それを貫き通し、生涯かけて決して悟られないよう努めるのが筋というものです。

そんな「優しい嘘」ならば、積極的に賛成はできませんが理解はできるところであります。


ですが此度のエピソードでは、ある少女が「真実」を告げられたが故に心の支えを失い、またもや絶望に突き落とされました。

癒えかけていた傷は空しくも、再び惨禍をもたらしました。続きを読む

第151話 笑顔【感想】

「顔」という言葉を知らぬ人はいないでしょう。

辞書を引くと、「頭部の前面部」「顔立ち・容貌・容姿」「おもて側」といった様々な意味を持ち合わせている語句です。

しかし、それらに共通するのは、その人物やモノを代表する部位だということです。

例えば「顔色を窺う」「顔に出る」「彼はイベントの顔だ」といった慣用句や言い回しを想像して頂ければ、「顔」という言葉が持つ意味合いの幅広さを実感できるかと思います。


さて、シャドーハウスにおいても「顔」という言葉が良く見受けられますね。
単行本第1巻でもケイトがしょっちゅう「顔」について言及しています。

第1話では「横顔」、第2話では「顔の替わり」、第5話では「私の“顔”」などなど……。


しかし、シャドーハウスにおける「顔」という言葉には、現実世界と全く異なる意味があります。

「顔」とは「生き人形」、つまりエミリコ達のようなシャドーの従者を指すからです。

作中において、このようなシャドーハウス独特の意味合いで「顔」という言葉が用いられた例は幾つもあります。例えば、第7話のサブタイトル「別の顔」は、劇中で登場したミアとバービーを婉曲に表した副題でした。

こんな風に通常とは異なる意味で用いられているのに、「顔」=「生き人形」だと読者が受け入れられたのは、第6話冒頭のエミリコのモノローグがあったからこそだと思います。まんまとソウマトウ先生の術中に嵌ってしまっていたわけですね。いやはや凄いです。


ところが、あのサブタイトルにはもっと深い意味があった、と思わせる出来事が此度描かれました。

もちろん、当時のサブタイトルを手掛けた担当者と現在の担当者の方は別人ですので、ただの偶然でしょう。

しかし、そんな偶然さえも作品の一部にしてしまうのがシャドーハウスという作品の力です。

今回のエピソードでは、第7話の「別の顔」が「笑顔」になるハートフルストーリーが紡がれました。続きを読む

第150話 決意の証

今号の週刊ヤングジャンプは、なんとシャドーハウスが巻頭カラーです!

前回の巻頭カラーは2020年10月でしたから、二年振りということですね。

因みにその前だと2018年9月の連載開始時まで遡りますので、ほぼ二年おきにシャドーハウスが巻頭カラーを飾っていることになります。

こうなると2024年の秋が楽しみですね。

シャドーハウスが四度目の巻頭カラーを担うのか、はたまたソウマトウ先生の次回作が華々しくスタートするのか……。

思わずそんなことを考えてしまいました。


ただ、此度の巻頭カラーは過去二度とは違う点がありました。

それは一回目の「連載スタート」や二回目の「アニメ化決定」といった、目玉となる新情報がなかったからです。

一応200万部突破記念と銘打っていますが、それについては既に12巻の帯に書いてあります。しかし、かと言って150話という節目を以ても、巻頭カラーの理由としては些かインパクトに欠けます。それなら第50話や第100回で巻頭カラーを飾っていてもよさそうなものです。(どちらも中間カラーだったものの、巻頭カラーは逃しています。)


すると、答えは一つです。


“名実ともにシャドーハウスが週刊ヤングジャンプの看板作品になった”


そういうことでしょう。でなければ、シャドーハウスが2023年一月号という重要な号の巻頭に登場した理由は説明できません。

長寿漫画のキングダムやメディアミックス作品のウマ娘シンデレラグレイを例外とすれば、二期までアニメ化されたシャドーハウスだって他の話題作に引けを取りません。

未だ漫画としての栄誉に恵まれないシャドーハウスですが、いつかタイトルを獲得した暁にはその勲章を肴に祝杯を上げたいものです。


さて、勲章といえばシャドーハウスで真っ先に思いつくのは“星つきの勲章”ですね。

語るまでもない、こどもたちの棟の指導者の証です。これまでもこの勲章を巡って様々なエピソードが語られてきました。


“星つきの勲章”を付ける者・見る者・狙う者……


今話においても、三者三様のこどもたちの思惑が描かれることとなります。
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