来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2025年02月

第212話 イヴからのお呼ばれ【感想】

世界で最も有名な看護師と言えば、やはりナイチンゲールではないでしょうか。

看護師、というよりも一昔前の“看護婦”は「白衣の天使」などと称されていましたが、これはナイチンゲールが「クリミアの天使」と呼ばれていたことに起因しています。

看護婦=ナイチンゲール、というイメージがいかに一般的だったか分かりますね。献身的な活動で傷病者を見守った彼女の影響力は今もなお大きいです。


しかし、ナイチンゲールの功績は戦地における慈愛活動だけではありません。

というより、「当時の欧州における女性の社会進出の先駆者」「男性社会だった軍隊内での女性の地位向上」「衛生概念の普及」「“看護”という業務を医学専門性の高い職業にした」「看護業務の可視化のため統計学を用いてかつ実用性の高いものにした」「衛生学を基本とした病棟の提案」……

等々等々、戦地での直接的な看護業務を遥かに超えた実績を誇っています。もしナイチンゲールがいなかったとしたら、これらの業績はもう少し経ってから複数人の手によって成し遂げられていたことでしょう。そんな社会の大変革を一人の女性がもたらしたというのですから驚きです。


我が国の看護教育は西新橋にあった有志共立東京病院(現在の慈恵大学敷地内)から始まっており、その発祥の碑が建てられています。(先日行ってまいりました)
看護学校発祥の地

こちらの碑文には東京慈恵会医科大学の創始者・高木兼寛氏と米国のM・E・リード女史の名が刻まれておりますが、当地にあった看護教育所はナイチンゲール看護養成所を基に設立されたと言われています。

そう考えると、我が国においてもナイチンゲールの影響というのはやはり大きいと感じさせられますね。


ところで、ナイチンゲールにはもう一つの別称があります。

「ランプの貴婦人(the lady with the lamp)」です。

今から丁度170年前の2月8日、クリミア戦争の経過を知らせる新聞(タイムズ)にてこの名が掲載されました。こちらの呼び名をご存じの方も多いかと存じます。


奇しくも、その170年後の二日前。

シャドーハウスでは「白衣の天使」のメイン回が掲載されました。

では本題に入りましょう。

第212話の主役はエヴリン、そしてイヴです!!


※今回の記事には第212話までの内容のほか、原画展のネタバレが含まれます。ご注意下さい。続きを読む

第211話 お見舞い【感想】

「お見舞い」といえば、シャドーハウスの作中でもよく描かれていますよね。


……と書こうとしたのですが、読み返したらそれが誤りであることに気がつきました。

なんとお見舞いが描かれたシーンは第58話と第146話しかありません!


作中ではしょっちゅう生き人形が「すす病」に罹っていたり、バーバラが心労で臥せっていたり、ジョンが大怪我をしたりと、何かとキャラクターが療養するエピソードが多いので「お見舞い」が行われるシチュエーションも珍しくないと思い込んでおりました。

ところがよく見てみると、それらは治療の場面だったり、或いは従者の生き人形や救護班による看病だったりと、患者の面倒を看る人物と一緒の場面ばかりなんですよね。

ということで、療養している患者の元へ親しい者が「お見舞い」に行く、というエピソードは厳密にいえば上記の2度しかありません。いやあ、まだまだシャドーハウスの読み込みが足りんなあ、精進せねば……


因みに、思い出せない方向けにどんなエピソードだったのか記述しますと、第58話は第二次亡霊事件で被災したミアをケイトとエミリコがお見舞いに行った回です。

当時のケイトは、星つきから亡霊事件の犯人と疑われていたことから、真犯人を捜すべく動いていました。その捜査の一環として、病床のミアのお見舞いに行ったのです。

あの時のミアといえば、エミリコに悪戯をするお茶目な一面がありましたね。お見舞いに来てくれたのが嬉しかったのか、エミリコのことを抱きしめてはしゃいでいました。

しかしまあ、今見ると切ないですなあ……。

あの時エミリコもとても嬉しそうにしていましたけれど、ケイトも微笑ましいと感じたのか黙ってその様子を眺めているんですよね。アニメでもこのシーンは描かれていましたが、ミアがエミリコを「うりうり~」「ぐりぐり~」みたいに抱きしめている描写がカットされていて悲しかったのを思い出しました。(いやホントにこのシーン好きなので残念で仕方なかった……!)


それともう一つの第146話は、大怪我したジョンをケイトがお見舞いに行った回です。

ギルバードとの戦いで重傷を負い、「救護の間」での療養を余儀なくされたジョン。そんなジョンの元へ、ケイトは花束を携えて様子を見に訪れていました。

当時のジョンはといえば、ケイトが来てくれたことが嬉しくてその優しさに感動していたり、ケイトが持ってきた花を近くで見たいとはしゃいで患部を痛めたりと元気いっぱいでした。

先ほどのミアもそうでしたが、親しい人物がお見舞いに来てくれるというのは何だかんだで嬉しいものなのでしょう。

「お見舞い」というシチュエーションは、何らかの形で病気や怪我を負っている患者がいなければ成り立たないわけですから手放しで喜ぶわけにはいきません。しかしながら、第58話と第146話の「お見舞い」は、殺伐としたストーリーが展開される中で描かれた、ホッとできる貴重なシーンでした。


ところが今回の第211話では、とある人物達が「お見舞い」をしようとしたものの、相手から拒絶されるというエピソードが描かれました。

拒絶されたのは、ジョンとパトリック。

そのお相手は同期のルイーズでした。
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