来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

考察・魅力

根本的な「設定」「伏線」における残された謎

これまで217のストーリーが紡がれてきたシャドーハウス。

ミステリーを主題としたこの作品の謎も、今では多く明かされてきました。

作中の世界観やキャラクターの設定が明るみになるにつれて驚かせられることは珍しくなく、その度にソウマトウ先生が仕掛ける脚本・描写の妙に感服しています。

そして明かされた謎を念頭に置いて改めて読み返すと、新たな発見があり、何度も読み返したくなる魅力に溢れています。

ソウマトウ先生の同人活動時代の作品を読んでいると、短いながらに印象的な作品が多く、短編を得意とされているのかななどと考えたりもしますが、上で述べた魅力は長編ならではと言えるでしょう。作品形式を問わず傑作を編み出されるとは凄いです。

今はまだ難しいかも知れませんが、いつの日にかソウマトウ先生の作品集が出版されて欲しいですね。シャドーハウスや黒以外にも面白い作品がいくらでもあるのですからそうでなければ勿体ないです。それだけの価値がソウマトウ先生の過去作にはあると信じています。


さて、話が逸れましたが本記事で語りたいのは、シャドーハウスに残された「謎」についてです。

先ほどは「多く明かされてきました」なんて書きましたが、正直言ってシャドーハウスには謎がまだまだあって数えきれないくらいです。最近はソウマトウ先生ご自身がpixivFANBOXで解説下さっておりますが、それを読む度に、自分では気付けなかった描写がいくつもあることを毎回のように知ります。いやあ、読み込みが足りんなあ……


しかしながら、ごく最近の出来事がpixivFANBOXで明らかになる反面、それ以前の描写については謎のままの場合も多いです。

そして、シャドーハウスを読み返していくと「これって結局何だったんだろう?」という謎が未だ残されているのです。

今回の記事では、今後の展開予想やキャラクターの微細な設定ではなく、ストーリーに大きく関わりそうな「設定」の謎と、「伏線」と思われる描写について、特に私が重要と感じた事柄を挙げていきたいと思います。

それでは第217話までの内容を含みますので続きよりどうぞ。続きを読む

第197話 アンソニー【感想+後半考察】

計画通りに行動をする。

これができる人も、そうでない人も多くいらっしゃるかと思います。

因みに私は出来ない部類の人間です。本ブログをご覧の方は何となく察してはいたかと存じますが、生来の気質と言いますかどうもスケジュール通りに行動するのが苦手です。それもあってか今もこうして最新話ギリギリに各話感想を書いております。(ホントどうにかならんかね……)


しかし、計画通りに行動できる方からすれば、私のような人間など理解できないといった気持ではないでしょうか。

シャドーハウスで言えばそうですね、エドワードなんかはその典型でしょう。彼はケイト達のお披露目の際に様々な画策を企てていました。試験官という立場を利用し、出世のため計略を張り巡らせていたのです。第36話では「私の完璧な世界に狂いは許さん」とまで言っています。



その第36話のエピソードがアニメで描かれたのは一期第8話です。サブタイトルは「手のひらの上」でした。この回では特殊エンディングとしてBGM「私の完璧な世界」が流れて話題になっていましたね。もう三年も前です。何だか懐かしいです。
(そういえば原画展のご挨拶でソウマトウ先生が触れておられた第35話の「見えないから私は想像したいんです」も第8話に収録されています)(あと福岡会場は一昨日閉幕でしたね。関係者の皆様お疲れ様でした)


ところが、そんなエドワードの謀略はイレギュラーなコンビに阻まれます。

我らが主人公・ケイトとエミリコです。

知略と人望を併せ持つ二人の少女の存在が、お披露目で大番狂わせを呼び、同期達を結束させ、やがてこどもたちの棟をまとめあげるまでになりました。そして今もエドワードの目の敵として、ケイトとエミリコは立ちはだかる壁となっているのです。

逆に、ケイトとエミリコから見れば、エドワードは大人たちを攻略するにあたっての第一関門と言えましょう。その先にいる重鎮達や偉大なるおじい様を倒し、ケイトの目的を達成するためには避けては通れない存在です。


しかし、シャドーハウスはそんな単純な二局面だけの闘いではないことが此度明かされました。

ケイトとエミリコ以上にイレギュラーな存在だった、アンソニー。

彼はエドワードとは比較にならないほど、高い計画性で暗躍していたことをケイトに告白します。

その衝撃的事実は、シャドーハウスという物語が持つ時間軸を大きく広げるものでした。

続きを読む

偉大なるおじい様の目的

「シャドーハウスってなんなのでしょうか?」

エミリコが第21話で"考えないノート"に書いていたこの台詞。

思い返せばアニメ一期のPVにも用いられていましたね。もしも覚えていないという方はこちらの動画をどうぞ!



いやー、懐かしいです!

先日ReoNaさんの「ないない」のレコード版ディスクが発売されたとのことですが、音楽や映像を見ていると当時の興奮がよみがえってきそうです。ああ、三期早く来ないかなあ……(何回も言ってるねこれ)

因みにアニメのキャッチコピーは「この館には"秘密"がある」でした。二期は「この館にはまだ"秘密"がある」です。

ケイトとエミリコと一緒にシャドーハウスという謎多き館の秘密を探っていく。

それもシャドーハウスの楽しみ方の一つであります。物語は200回目前ですが、その過程で実に多くの秘密が暴かれシャドーハウスの「影」が明らかになってきました。その中にはケイトとエミリコ自身の「秘密」も明かされています。きっとこれからも、あっと驚く種明かしがあるに違いありません。


しかし。

それでも一向に見えてこないのが、シャドーハウスという館が何を目的に存在しているかです。

言い換えれば館の主「偉大なるおじい様」の目的です。


今回の記事では、かの謎の存在が何を考えているのかについて考察していこうと思います。

では単行本15巻までのネタバレを含んでいますので続きよりどうぞ。
続きを読む

第189話 一体化の儀式【感想+考察】

シャドーハウスの魅力・楽しみ方は人ぞれぞれかと思いますが、やはり1番の特徴と言えば「顔の見えない一族」が主要キャラクターであることでしょうか。

他の作品でも顔の見えないキャラクターが登場するのは珍しくないものの、シャドーハウスにおいては約半数が顔の見えないキャラクターで占められています。

こんな作品は恐らく、古今東西見回しても例がないでしょう。影絵であればともかくとして、それ以外ではまず思い当たりません。もしあれば教えて頂きたいくらいです。

シャドーハウスという作品を紹介するにあたって「類似作品不在」というキャッチコピーが用いられることは多いですが、それが誇張でないことは本ブログにお越しの方は存じていらっしゃるかと思います。

そんな「顔の見えない一族」のキャラクターの表情や感情、そしてそれに付随する様々なストーリーをああだこうだと想像し、語り合い、次話のエピソードの更新を楽しみにする……。

それがシャドーハウスの楽しみ方の一つであることは間違いありません。


しかし、一方でキャラクターの表情が読めないというのは不気味です。

ソウマトウ先生はシャドーハウスを「ファンタジーミステリー」(過去ツイート)と仰っておりましたが、謎に包まれた舞台やストーリーもさることながら、顔の全く見えないキャラクターが跋扈しているという設定もミステリアスさをより倍増させています。

この点について個人的に好きなのは第89話のラストですね。

過去記事でも書きましたが(「第89話 甘言」)、最後のページでケイトに挨拶をするサラの顔はもちろんとして、隣にいるミアの姿が意図的に隠されたことによって全く彼女の表情が読めず、どんなことを考えているのか一目では分からないようになっています。

当然ながら、我々読者は神の視点から見ているわけですからサラが何をしようとしているのかは把握していますが、しかしそれでもなお、表情が見えないだけでここまで不穏な光景になるのかと当時は驚きました。一面的な意見なのは自覚していますが、「顔の見えない」という設定が活かされたシャドーハウス有数のシーンだと思っています。


さて、しかしそうすると「シャドー」と呼ばれる面々が何を考えているのかを知るにはどうしたらいいのかという話になりますが、読者からすれば彼ら彼女らのモノローグがあれば間違いなく分かります。会話シーンでは登場人物同士の駆け引きもあるでしょうが、モノローグであればよほどのことがない限りキャラクターの本心が書かれていますからね。

もしそうでないのであれば、キャラクター自身が自分を誤魔化したり誤解しているとか、そういった説得力ある設定や描写(伏線)が必要になるかと思います。いずれにせよ、読者からすれば物語を読み込んでいればまず読み間違えることは少ないと言えるでしょう。


ただ、逆に言えばこのモノローグがなければお手上げともいえます。

シャドーハウスではその代表がルイーズでした。

なぜなら、お喋りな彼女にはほとんどモノローグがなく、口数とは裏腹に本心が掴みにくいキャラクターだからです。SNSではそういった感想がこれまでに多く見受けられました。特に「一体化」に関しては、彼女が何を考えているのか分からないと危惧する声も少なくなかったです。


しかし、此度のエピソードではルイーズが「一体化」についてどう思っていたかその種明かしがなされました。

そしてそれと同時に、謎に包まれていた「一体化」の儀式の様子が描写されました。

第37話でソフィが「館の重大な秘密」と語っていた秘儀の一端がついに明らかになります。
続きを読む

単行本1巻の表紙について色々考えてみた

先月、アニメ一期放映から二年を迎えました。

ソウマトウ先生のイラスト投稿があった2019年・2020年、一期放映中の2021年、二期放映直前の2022年と比べると、今年はいささか静かなゴールデンウィークです。アニメ続編の朗報はまだまだ先と言ったところでしょうか。

また、漫画の方も合併号の影響で休載です。

少し寂しい気分ですが、先日のpixivFANBOXでは何やら新規イラストを執筆中とソウマトウ先生が仰っていましたので、その公開を楽しみに待ちたいと思います。(でも先生方の連休がなくなったそうで。先生休んで下さいー!!)


さて、漫画は丁度キリの良いところで休載ですのでさほど待つもどかしさはありません。それこそネタバレになりますが、第106話で重要人物が「私の名前は〇〇〇・〇〇ー」と衝撃発言した時に比べれば全然平気です。


思い返せば、あの頃は物語の大転換点を目の当たりにして、雑誌やアプリで追っている読者は大混乱でした。

しかもそんな事実を前にして1か月以上のお預けだったわけですから、作品界隈はさながら珈琲の切れたこどもたちの棟のようでした。あの1か月は非常に長かった!


ところで、物語の急展開を受けて、当時大きく注目されたイラストがありました。

単行本1巻の表紙です。

ケイトとエミリコが指を突き合わせてこちらを向く、赤を基調とした表紙。

上にある箔押しの題字も含めて、見れば見るほど「シャドーハウス」の世界観が凝縮されていますね。単行本はこれまで13巻まで発刊されておりますが、個人的に1巻の表紙が一番好きです。(次点は3巻)


ただ、10巻までの内容を読んだ方ならご存知でしょうが、実はこの1巻の表紙には後々明かされる様々な描写が散見されます。

そこで今回の記事では、シャドーハウスのスタートとなった単行本第1巻の表紙をクローズアップし、これまでの物語を振り返りながら、その中に隠されていた事柄を紹介したいと思います。

単行本10巻及びアニメ二期最終話までのネタバレを含みますので、まだ読んでいない方はご注意下さい。

それでは続きよりどうぞ。続きを読む
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ