来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

パン

第26話 不揃いな道具たち

何とか平成中に出張から帰ってくることができました。

仕事中だというのに、街を歩いては
「エミリコなら『大きい建物がいっぱいです!』とかはしゃぐんだろうなぁ」
とか、ショーケースの中のお菓子を見ては
「エミリコなら『キラキラしてて可愛いです!』とか喜ぶんだろうなぁ」
などど考えながら出張先に滞在しておりました。

一体全体何を考えているんだ、という感じですね。

完全に頭の中がシャドーハウスに支配されつつあるようです。

まだ脳内のエミリコやケイト嬢が話しかけてこないので個人的にはセーフだと思っていますが、社会的にはセーフに近いアウトかも知れません。

さて、先週26話が公開されてからというものの色々な考えが浮かんできてなかなか整理できなかったのですが、ようやくこうやってまとめる時間が取れました。

今回の記事は毎回恒例、お話のあらすじと感想です。

相変わらず気になったことや明らかになったことも多いですが、深く掘り下げたい考察などは令和時代に持ち越しになるでしょう。

幸い次号は5月9日に発売なので、ゆっくり考えていきたいと思います。

では続きよりどうぞ。

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第20話 親切なお影様

ランプに照らされた三人の生き人形。

暗闇にぼんやりと映し出されたその姿は、彼女達が置かれている状況とは裏腹に、優し気な雰囲気を漂わせています。

今週は、久々のカラー扉です。
1巻が発売されて以来でしょうか。
既に6度目のカラーページですから、かなりハイペースですね。

web版で全ページカラーで読めるとはいえ、やはり本誌で大きく扱ってくれているというのは、読者にとっては嬉しいものです。

さて、今話の紹介に参りましょうか 。

なお、毎回のことですが当ブログの記事は長くなる傾向がありますので、今回より記事を畳んでの公開とさせて頂きます。
こんな機能があるなんて知りませんでした。もっと勉強が必要と感じた次第です。

では、続きよりどうぞ。
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第19話 余計なこと

城やお屋敷といった建物は、一般的に言って外部からの脅威に対する防御策が備わっています。

ここでいう"脅威"とは、外敵や侵入者だけではなく、例えば風雨といった気象や自然環境、あるいは疫病などもこの範疇に入るかと思います。

基本的に居住建造物というものは、外部環境からの厄災を防ぎ、中にいる者が快適に過ごす。
大小の違いはあれど、これが 目的の一つといえるでしょう。

一言で言えば、外からの異物を追い払うか排除する。
これに尽きます。

では、それが内側に向けられたとしたらどうでしょうか。
これの典型的な例は刑務所ですね。
刑務所の場合は、社会あるいは社会活動を守るため、収容者を社会に出さないように監視しています。

先ほどの例とは逆ですね。
社会側の人間としては、逃げた収容者側が社会というスペースに入ってきた侵入者、ということになります。

さて、つい小難しいことを長々と書いてしまいましたが、一応シャドーハウス第19話の紹介です。

なにゆえ脅威だとか侵入者だとか不穏な話をしたかと言いますと、今回のお話ではシャドーハウスの秘密の一面、いや一端がとうとう顔を見せたからです。
なお、ここでいう"シャドーハウス"とは作品の題名ではなく、劇中でエミリコ達が住む屋敷のことです。

前回のラストで現れた怪しげな人影に、亡霊かと慌てふためく三人。
しかしショーンはそれを亡霊ではないと見抜きます。

では何者か。
それはシャドー家、つまり"お影様"でした。

普段生き人形が、主人として仕えている側の存在ですね。

ただその風貌はあまりに奇妙です。
前回の記事で私は、シルエットから"顔のない人形"のようだと推測しましたが、まさかこんな格好したシャドー家側の人物とは思いもしませんでした。
だって手の形とか、いかにも怪物的な描かれ方をしていましたしね。
というか、シャドー家なら顔は見えないのだからわざわざ全身を覆うような格好する必要がないと思います。

ちなみに公式側ではこの人物を"ローブシャドー"と呼んでいるようです。
なので、私ももし言及する際にはこの名で呼ぶようにしたいと思います。

さて、そんな怪しい姿が突然出現したら誰でも驚きます。
実際、ラムははぐれてしまいました。

なのでもはや亡霊探しは中止です。
ローブシャドーは夜中に出歩いているのは秘密らしく、エミリコとショーンに口外しないという約束をすると、特に危害を加えるといったこともなく、二人のラム探しに同行することになりました。

道中はぐれたラムの回想シーンや、ショーンのコミカルな描写もありましたが、今回の紹介では長くなるので省きます。


今回のお話で一番注目したいのは、ラストの3ページです。


ラムを探すために、とうとう玄関へとつながる廊下へ足を踏み入れた二人。

ここは扉を開けて侵入すること自体が禁止だと指摘するショーン。
ラムを探したい一念のエミリコ。

ローブシャドーによる、彼女たちの行動を黙認するかのような発言もあって、二人は奥へと進んでいきます。



その刹那。


エミリコの顔を、矢がかすめました。

ショーンのとっさの機転で、髪のリボンが千切れただけで済んだエミリコ。

しかし脇を見てみると、見事に壁に刺さった矢。
その数、11本。

白黒だとより分かりやすいですが、反対側のカーテンには13か所穴が開いているのが見えますので、実際に放たれた矢はそれ以上かもしれません。
しかもエミリコの頭の位置から膝くらいまでまんべんなく刺さっています。
ショーンに引っ張られてもなお、顔をかすめる軌道だったということは、警告・威嚇のためでは決してありません。

ショーンの言う通り、掟を破った生き人形は即処分、という意味です。

これまで、作中では何度も不穏の片鱗を覗かせたシャドーハウスという館。
幾度となく不気味な描写があり、これからの物語の行方に、不吉な予感を感じさせてはいました。

その館が、とうとうエミリコ達に牙を向いたのです。

そしてその罠を知っていたかの如く、不敵な笑みを浮かべていそうなローブシャドー…


この仕掛けは外敵から館を守るためではありません。
ましてや、来客のない館なのですから。

かといって、生き人形たちが悪意を持って、凶行を目的に屋敷の外へ出ていくとも考え難いです。

ならばその目的は何か。

ただただ、この館を支配する存在が、生き人形達を生きたまま外に出すよりは即処分した方が良いと判断している。
そういった意図があるとしか、今のところ考えられません。

今回放たれた矢は、これまでの和やかな日々が夢だったといわんばかりに鋭く、そして深く物語に突き刺さりました。

第5話 空腹

第2話でパンを食べることを覚えたエミリコ。

とうとう隠れ食いまで覚えてしまったようです()。

 

とはいっても、ケイトにはバレバレだったみたいですね。

「盗み見るのは得意よ」と、恐らくはシャドー家で使い回されているであろう鉄板ジョークを繰り出すケイト嬢。

エミリコの一切合切を見抜いていたようです。

 

ケイトの余ったパンを勧められて、「いじきたない生き人形にはなりたくありません」と熱弁振るうエミリコですが、自分の顔がおいしそうにパンを食べるところが見たいというケイトに押されて、とうとうパンを食べることになります。

ケイトの気遣いが見て取れるいい場面です。

それよりもエミリコ、隠れ食いも十分意地汚いと思うぞ…。

 

かくしてケイトのパンを頂戴したエミリコでしたが、どうやら生き人形用のパンとは違っているらしく、「おいしー!!!」とはしゃぎまわります。さっきまで体裁を気にしていたのが嘘のようなはしゃぎっぷりです。

しかも普段自分が食べているパンを食べても「でもおいしい」と語るエミリコ。

まるで“前向き”という感情が人の形をしているかのような姿に、思わず読んでいるこちらも微笑まざるをえません。

今回のお話の売りは、この元気いっぱいのエミリコでしょうね。

食事を運んでくる顔のない人形には話しかけなくても良いと諭すケイトに対し、お礼を言いたいと返すエミリコに至っては、まるで天使を見ているかのようです。

 

さて、この第5話ではこの館の食事事情が見えてきました。

エミリコ達生き人形には顔のない人形からパンが運ばれてきますが、ケイト達シャドー家にも顔のない人形が食事を運んでくるようです。

ただその内容は違っていて、細かいところは見えませんが、パンのほかにフルーツや調味料、何らかのメインディッシュ(魚か?)がテーブルに並べられています。

見切れているもののコップも描写されていることから、飲み物も付いてくるみたいですね。

貴族らしい豪華なメニューです。

1巻巻末には、生き人形の食事としてパン以外のものもあると記載されていますが、それにしても身分に伴う格差が、食事一つとっても見受けられます。

 

これを見ると、食事は顔のない人形が調理しているのでしょうけど、食材はどこから持ってきているのかという疑問がわいてきます。館の敷地内に農園や生簀でもあるのだろうか…

 

う~ん、分からない…。

 

この館、「何か」がある…!


第2話 壊れた人形は

続いて第2話です。まずは各話一つずつ紹介しようと思っているのですが、なかなか先が長そうです。果たして連載に追いつく日は来るのだろうか・・・。


それは置いとくとして、このお話は題名の通り、人形=生き人形=エミリコが壊れてしまった!?、というストーリーです。まあ実際は壊れていなかったんですけどね。

詳細については、となりのヤングジャンプにて無料公開されていますのでそちらをお読み下さい。
今現在、1~3話までと1巻収録分以降に連載された各話が公開中です。

 

さてこのお話について、改めて読み返してみると

「生き人形って本当に人形なの?」

という疑問が浮かんできます。連載当初は1話で生き人形と紹介されていましたし、こちらもそういう先入観で読んでいたので特に疑問に思わなかったのですが、よくよく見てみると人形要素が全然ないんですよね。
それどころか、ご飯は食べる・痛みはある・体に人形的な機構は外観上見受けられない、etc…。

これではまるで人間です。

ケイト曰く、シャドー一族に似ていて動けて顔があるので生き人形は人に似せている、と理由づけていますが、それにしては凝りすぎな気がします。だからといって、生き人形は人間だと結論を出すのもまた早計でありますが、少なくとも我々が現世で考えうる人形とは全く違った存在と考えて間違いはなさそうです。

 

ちなみにエミリコはこの会話の中で、「ケイト様は人ですか?」というド直球、インハイぎりぎりを突くような質問を投げかけますが、ケイトは真正面から拒否します。多分彼女もよく分かっていないのでしょう。ケイトは本を読んでいる姿が多く描写されていますが、まだエミリコというパートナーを持ったばかりのいわば新参者の彼女は、勉強しなければならないことがいっぱいあるのだと思います。


にも拘らず、失敗をしてしまうエミリコをやさしく諭すケイト・・・。


読者でも彼女の表情を読み取ることはできませんが、所々でエミリコを気遣うその姿は人格者であり、お嬢様と呼ぶに相応しいと感じさせます。

もっとも最後はエミリコの勘違い(思い込み?)によって、珍しく慌てふためくケイト嬢でしたが、二人の距離は縮まりつつあるのだなと見て取れるオチでした。


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