来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2020年03月

第60話 研究班

古代ギリシアの哲学者・アリストテレスの名言に、

“すべての人間は、生まれつき知ることを欲する”

という言葉があります。

人によって『知ることを欲する』内容は全然違いますが、高尚な哲学にせよ低俗なゴシップにせよ、人間の営みの中に“知的好奇心”があることは否定できない事実でしょう。

科学の発展も、知的好奇心・探求心が根源的な動機として発達してきたことは疑いようがありません。


当然ながら、時代ごとに科学の役割には違いがあります。

科学の進歩によって自然を制御し「神の御業の模倣」を試みた近世欧州。
産業の科学化によって現代社会の根幹を作り出した19世紀の米国。

あるいは、我が国が先駆けとなった1970年代のメカトロニクス技術や1980年代のオプトエレクトロニクス技術は、“異業種の組み合わせ”という別分野の科学技術を融合させた手法によって、20世紀の科学産業界をリードしてきました。


しかしそういった大きな時代のうねりの中でも、最前線の研究者にとって最も重要だったのは“知への探求”に他ならなかったと思います。

古代のアリストテレス、中世のガリレオ、近世のニュートン、現代のアインシュタイン……。

目的は違えど、目の前にある事象を解き明かそうとする彼らの原動力は、真実を探求しようとする純粋な好奇心と使命感だった筈です。


万有引力を発見したニュートンは、ある日客人から自身の偉業を讃えられた時にこう返したと伝えられています。

「人間の知らないことは海岸の砂粒程に多く、知っていることはその一握りに過ぎない。そして私は浜辺で綺麗な貝殻を見て無邪気にはしゃぐ子供である」

当時の物理学・数学の大権威であったニュートンの発言を、人々は謙遜と受け取りました。
しかし自然科学を誰よりも深く研究していたニュートンだからこそ、目の前に広がる科学という大海原の広さを、実感を持ってこう例えたのだと思います。


しかしそういったニュートンの考えを当時の多くの人が理解できなかったように、科学者と一般人の考えには隔たりがあります。大抵の科学者が変人だと言われるのも、ある分野を追求するがあまりに、普通の人とは違う光景を見ているからなのでしょう。

今回のお話では、そんな期待に違わない超強烈な個性派集団・研究班の素顔が明かされました。

彼らもまた、先人達と同じくらいに純粋で、変人な科学者たちでした。


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第59話 散策

現在30歳以上の方々は、映画「タイタニック」と聞いた時、あるシーンが真っ先に頭に浮かぶかと思います。

映画の前半で、ジャック・ドーソン(レオナルドディカプリオ演)がローズ・デウィット・ブケイター(ケイト・ウィンスレット演)を船首に招いて手を広げさせる、あのシーンです。

ポスターやプロモーションビデオにも用いられ、公開当時は四六時中テレビで流れていた記憶があります。
それどころか、眺めが良い場所に行くと必ずや何組かのカップルが物真似をしていました。

ちなみにこの時のローズの台詞で「私、飛んでるわ!」という名言があるのですが、物真似の際にそれを叫ぶのが一種のお約束でしたね。

主題歌の‟My Heart Will Go On”と共に、映画を象徴する場面であります。


さて、ところでこの名シーンは、ある彫刻がモデルになっていることを皆様は御存知でしょうか?


その彫刻とは、パリ・ルーブル美術館に展示されている「サモトラケのニケ」です。
(写真は、管理人がルーブル美術館に行った時に撮影したもの)

サモトラケのニケ

19世紀にエーゲ海のサモトラケ島で発見された彫刻で、およそ紀元前1世紀前後に制作されたと考えられています。正確な年代や作者は不明なものの、全身大理石のこの彫像はギリシャ彫刻の最高傑作とされてきました。

像のモチーフは、勝利の女神・ニーケーです。船の舳先を模った台座に置かれていたと推定されたことから、現在の台座も同じような形となっています。

ルーブル美術館ではメインとなる階段踊り場に飾られており、モナ・リザと並んで破格の扱いを受けています。


さて、ある年代の方々には懐かしいこの映画。
第32話以来のほのぼの回となった今回は、それを連想させるシーンがありました。
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ケイトの部屋を駆ける煤

いよいよ名探偵ケイトの、第二次亡霊事件(第55話~57話)の犯人探しが始まりましたね。

本人は緊張感でいっぱいですが、緊張感や不安を感じているというのは、彼女が思慮深い何よりの証拠です。ジョンみたいに何も考えていなければ不安も何もないですからね。

その重要な手掛かりとしてケイトは、エミリコが深夜の見廻りをしていた時の地図に思い当たりました。これについては、再びエミリコの機転が役に立ちましたね。具体的な場面は続きからで述べていきますが、該当の場面は58話の6ページ目です。

今回は、第48話でケイトの部屋を意味深に動いていた煤の正体について考察していきます。


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第58話 犯人候補

今回のお話も、既刊の単行本を手放せないストーリーでしたね。

シャドーハウスは過去のちょっとしたエピソードが後々大きく関わってくるので、何度読んでも見飽きません。それでいて自然に進行していくのですから凄いですよね。本当にこの作品をリアルタイムで読むことができて幸せです。

さて、今回は第57話で爆誕した名探偵ケイトの捜査が始まりました。

次々と捜査線上に現れる、第二次亡霊騒動の容疑者たち。

しかしその捜査の過程で、彼女達は事件が残した深い傷跡を目の当たりにします。


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こどもたちの棟の甚大な被害

第57話が収められた週刊ヤングジャンプ13号のソウマトウ先生のコメントを、皆様はご覧になったでしょうか?

ソウマトウ先生も初めて明かしたというその内容は、なんと過去に劇画漫画の先駆者・さいとうたかを氏のアシスタントをしていたという衝撃の告白でした!!

さいとうたかを氏といえば、ゴルゴ13や鬼平犯科帳など超硬派な作風で知られる大御所ですが、あまりに意外な事実に暫し唖然としてしまいました。

確かに氏は漫画制作にプロダクション形式を取り入れたことで有名ですし、アシスタントの中にはその後各分野でプロになった方も多いです。
しかし、まさかソウマトウ先生もその一員だったとは驚きです。
どこで誰が繋がっているか分からないものですね。

さいとうたかを氏の代表作といえばゴルゴ13が筆頭に挙げられますが、この作品では当然ながら軍事的要素が良く出てきます。読んだことのない方は、大抵古い食堂の本棚に置いてあるので読んでみて下さい。えらく緻密に描かれた機器類に、ソウマトウ先生の作品との共通点を見出すことができるかと思います。


さて、軍事的要素から無理矢理繋げるわけではないですが、第55話から続いた第二次亡霊騒動(便宜的にこう名付けます)でこどもたちの棟が受けた被害は、実は軍事的観点から見ると計り知れない規模の損害だったことが分かりました。

今回の記事ではいつもと少し違う角度から、如何に現在のこどもたちの棟が危機的状況であるかを解説していきたいと思います。

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