古代ギリシアの哲学者・アリストテレスの名言に、
“すべての人間は、生まれつき知ることを欲する”
という言葉があります。
人によって『知ることを欲する』内容は全然違いますが、高尚な哲学にせよ低俗なゴシップにせよ、人間の営みの中に“知的好奇心”があることは否定できない事実でしょう。
科学の発展も、知的好奇心・探求心が根源的な動機として発達してきたことは疑いようがありません。
当然ながら、時代ごとに科学の役割には違いがあります。
科学の進歩によって自然を制御し「神の御業の模倣」を試みた近世欧州。
産業の科学化によって現代社会の根幹を作り出した19世紀の米国。
あるいは、我が国が先駆けとなった1970年代のメカトロニクス技術や1980年代のオプトエレクトロニクス技術は、“異業種の組み合わせ”という別分野の科学技術を融合させた手法によって、20世紀の科学産業界をリードしてきました。
しかしそういった大きな時代のうねりの中でも、最前線の研究者にとって最も重要だったのは“知への探求”に他ならなかったと思います。
古代のアリストテレス、中世のガリレオ、近世のニュートン、現代のアインシュタイン……。
目的は違えど、目の前にある事象を解き明かそうとする彼らの原動力は、真実を探求しようとする純粋な好奇心と使命感だった筈です。
万有引力を発見したニュートンは、ある日客人から自身の偉業を讃えられた時にこう返したと伝えられています。
「人間の知らないことは海岸の砂粒程に多く、知っていることはその一握りに過ぎない。そして私は浜辺で綺麗な貝殻を見て無邪気にはしゃぐ子供である」
当時の物理学・数学の大権威であったニュートンの発言を、人々は謙遜と受け取りました。
しかし自然科学を誰よりも深く研究していたニュートンだからこそ、目の前に広がる科学という大海原の広さを、実感を持ってこう例えたのだと思います。
しかしそういったニュートンの考えを当時の多くの人が理解できなかったように、科学者と一般人の考えには隔たりがあります。大抵の科学者が変人だと言われるのも、ある分野を追求するがあまりに、普通の人とは違う光景を見ているからなのでしょう。
今回のお話では、そんな期待に違わない超強烈な個性派集団・研究班の素顔が明かされました。
彼らもまた、先人達と同じくらいに純粋で、変人な科学者たちでした。
“すべての人間は、生まれつき知ることを欲する”
という言葉があります。
人によって『知ることを欲する』内容は全然違いますが、高尚な哲学にせよ低俗なゴシップにせよ、人間の営みの中に“知的好奇心”があることは否定できない事実でしょう。
科学の発展も、知的好奇心・探求心が根源的な動機として発達してきたことは疑いようがありません。
当然ながら、時代ごとに科学の役割には違いがあります。
科学の進歩によって自然を制御し「神の御業の模倣」を試みた近世欧州。
産業の科学化によって現代社会の根幹を作り出した19世紀の米国。
あるいは、我が国が先駆けとなった1970年代のメカトロニクス技術や1980年代のオプトエレクトロニクス技術は、“異業種の組み合わせ”という別分野の科学技術を融合させた手法によって、20世紀の科学産業界をリードしてきました。
しかしそういった大きな時代のうねりの中でも、最前線の研究者にとって最も重要だったのは“知への探求”に他ならなかったと思います。
古代のアリストテレス、中世のガリレオ、近世のニュートン、現代のアインシュタイン……。
目的は違えど、目の前にある事象を解き明かそうとする彼らの原動力は、真実を探求しようとする純粋な好奇心と使命感だった筈です。
万有引力を発見したニュートンは、ある日客人から自身の偉業を讃えられた時にこう返したと伝えられています。
「人間の知らないことは海岸の砂粒程に多く、知っていることはその一握りに過ぎない。そして私は浜辺で綺麗な貝殻を見て無邪気にはしゃぐ子供である」
当時の物理学・数学の大権威であったニュートンの発言を、人々は謙遜と受け取りました。
しかし自然科学を誰よりも深く研究していたニュートンだからこそ、目の前に広がる科学という大海原の広さを、実感を持ってこう例えたのだと思います。
しかしそういったニュートンの考えを当時の多くの人が理解できなかったように、科学者と一般人の考えには隔たりがあります。大抵の科学者が変人だと言われるのも、ある分野を追求するがあまりに、普通の人とは違う光景を見ているからなのでしょう。
今回のお話では、そんな期待に違わない超強烈な個性派集団・研究班の素顔が明かされました。
彼らもまた、先人達と同じくらいに純粋で、変人な科学者たちでした。
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あの人騒がせなお影様・ジョンによって崩壊した建物。
廃屋と思われたその場所は、研究班の秘密基地でした。
あまりの暴挙に、事の発端となった2対を見つめる研究班たち。
ケイトの謝罪も虚しく、無言で指示を出すオリバーと駆け出すオリー、恐怖でひきつるケイトとエミリコという、既視感のある光景が繰り広げられました。
(何のことか分からないという方は、第58話を御覧下さい。)
しかしこの時のオリバーとオリーの狙いは、先日の亡霊騒動で大活躍したエミリコでした。
軽々とエミリコをかっさらうオリーとオリバー。
オリバー2号を見事に操ったエミリコのことを、かなり高く評価していたようです。
流石研究班のリーダーです。
政治的なことは抜きにして、エミリコの能力を見ていてくれたのでしょう。
その代わりではないですが、これ幸いとばかりにエミリコの能力を解き明かそうと実験開始です。
そしてエミリコを守らんとばかりにオリーとエミリコに向かうショーン。
今回のお話では、事件や研究班について話すケイトとオリバーとジョン、スーパー生き人形の謎を解き明かすオリーとエミリコとショーンという二つを軸に、ストーリーが進んでいきます。
まずは前回のラストであったように、研究班の紹介から始まります。
一対目は第56話で初登場したナンシーと、その主人・アンナです。
ナンシーと同じく不安症気味なアンナですが、その様子にジョンはツッコミを入れていきます。
そしてこの後も、ジョンは研究班の奇行に対してツッコミ役として活躍することとなります。
ケイト組とジョン組をもてなすために、紅茶を入れるアンナとナンシー。
その後ろでは、エミリコの身体測定をするオリーと見守るショーンがいます。
ショーンにとっては気が気ではないようです。
片や、きちんと客人をもてなしたアンナ組に角砂糖を与えるオリバー。
ジョンの言う通り、まるで餌付けですね。
ただこの角砂糖を与えるという行為ですが、研究班という特殊性を考えるとさもありなんという気もします。なぜなら、脳の活動に糖分は必須だからです。
恐らくオリバーのことですから、『砂糖には、柔軟な思考と創造的なひらめきを促す効果があるのです!』といった理由で研究班に常備しているのではないでしょうか。
普通の生き人形には砂糖という娯楽品が支給されているとは思えませんので、これは星つき常駐班の特権なのかも知れませんね。
そんな騒々しい中、不穏な台詞を吐く一対が会話に入ってきました。
前回ラストで、建物断面図の左下にいたシャドーと生き人形です。
フラスコを持って何やら実験をしていたのは、リディアとリディという口の悪い一対でした。
そしてこの喧噪の中で眠るのは、男性ペアのジェレマイアとジェレミです。
あまりの変人集団。
あの常識破りのジョンでさえ苛立ちを隠せません。
ジョンに常識の概念があったことに、ケイトも読者も驚きです。
この後も、研究班のフリーダムさは止まりません。
ケイトとの仲が公認になりつつあるのを聞いてジョンは照れますが、それも束の間で、いつの間にか優雅に食事を始めるジェレマイア組にツッコむジョン。
もう何回ツッコミを入れているんでしょうね。
研究班もジョンも良い意味で一貫しています。
従者のショーンも同じように、エミリコのポートレイトを脱がせるオリーに対して焦った様子で注意します。早く何とかしないといけない、といった様子でポートレイトを脱ぐショーンは、まるでエミリコのお兄さんのようです。
それにしても、このポートレイトを脱ぐというシーンは中々に細かいです。
ポートレイトについては、第44話の冒頭でバーバラが説明しています。
“顔”としての役目を果たすときに着用する服装なので私語は慎むように、と言っていた場面です。
そう考えると、エミリコに自由な発言と行動をさせるためにオリーはポートレイトを脱がせたということです。抜け目のない描写にはいつも驚かせられます。
また、少女生き人形はポートレイトを脱ぐといつもの“スタンダート”という服装になりますが、少年生き人形の場合はシャツの色が違うので、いつもとは少し違った姿になります。
黒シャツのショーンも新鮮で良いですね。
服装についての詳細は単行本の1巻と2巻にイラストが載っていますので、お持ちの方は確認してみて下さい。細かい設定に改めて感嘆するかと思います。
また、単行本1巻には巻末のカラーページに生き人形の食事についての説明が書いてありますが、とうとう今回のお話でイラストが出てきました。
少し違うのは、単行本では「粗末なパン」と書かれていたのが「ふすま入りのパン」と描かれていることです。あと他には、果物も与えられると書かれていますね。
しかし生き人形のジェレミが食べていたのは、なんとお肉でした。
その様子を、迫真の表情で眺めるエミリコ。
キャラ紹介で‟食いしん坊”とされている彼女にとって、垂涎の光景だったことでしょう。
それと同時に、恐らくエミリコはケイトから食事を分けて貰っていることが、ここで分かりました。
ケイトはパンだけではなく、おかずもエミリコにあげていたのでしょう。
エミリコにとっては、星つきになる更なる動機となったことと思います。
この後も、アンナから研究班や救護班は仕事ではなくクラブ活動的なものであること、ケイトが機械類を好きなこと(やっぱり!)、煤つららの正体とそれを作ることができるメンバー、と様々な情報がケイトにもたらされます。
秘密の情報を滔々と語るオリバーは、星つきという立場よりも、科学者としての面が本当に強いようです。知識を惜しげもなく教えるその姿勢に、ケイトも大助かりです。
その間にも、エミリコがお手玉をするのを驚嘆しながら観察するオリーと固唾を飲んで見守るショーンなど、見逃せない場面が続きますが長くなるので割愛します。
これより、かなり遠回りした感は拭えませんが、いよいよ本題です。
ケイトが切り出した、第二次亡霊事件の犯人。
オリバーは分からないといいつつも、「男」だと推測しました。
理由は、すす管の扉は重いことから、ベル姉妹では到底開閉できないというシンプルなものでした。
オリバーはそのことが分かっていたから、第58話でケイトに同情する発言をしていたのでしょう。
エミリコに対する評価だけではなく、科学者としての考えがそこにはあったようです。ベンジャミンとは違ってその辺りの分析はお見事です。
(スザンナはすす管の扉を開けたことはなさそうなので、しょうがないかなという気がします。)
ケイトはこの話を聞き、ある人物が思い浮かびました。
ローブシャドーです。
ショーンに、ローブシャドーについて聞くケイト。
綱渡りをするエミリコを気に掛けながら、ショーンはローブシャドーの身長を「高かった」と答えました。
様々な状況証拠。
ケイトは、ローブシャドーはクリストファーではないかという結論に至ります。
ならば、あとはクリストファーの正体を探るだけです。
断片的な情報しかないかつての英雄について、ケイトはオリバーから更に聞き出そうと試みました。
しかし、流石のオリバーもここから先はNGでした。
固く口留めされているのでしょう。もう勘弁してくれと言った様子です。星つきといえども、4対の中で立場が一番下ということが読み取れます。
ただ、それでもなお「アンソニー」という新しい人物の名前がここで登場しました。図らずも、新情報を入手です。
果たしてこの「アンソニー」とはどのようなシャドーだったのでしょうか?
それとも、エミリコと同じく名前の似ていないクリストファーの生き人形だったのでしょうか?
この謎が捜査に進展をもたらすのか、それとも混迷を呼ぶのかはまだ分かりません。
さて、一連の過程を経てオリーの『スーパー生き人形観察』は終わりを告げました。
オリバーがアンナペアにしていたのと同じように、エミリコに角砂糖を与えるオリー。台詞のせいか表情のせいか分かりませんが、やけにオリーがイケメンに見えますね。
ショーンが心配顔なのは角砂糖に何か入っているんじゃないかといった理由でしょうが、反面オリーにエミリコを奪われないかとヒヤヒヤしているようにも見えて、少し可笑しいです。
ついでに隣のナンシーも心なしか、ムッとしているように見えますね。
オリーによるエミリコの観察が終わったことで、ようやくケイトとショーンという知的ペアがじっくり会話できるようになりました。
ここでリディア組が何の研究をしていたのかが判明します。
それは、香水です。
ケイトは香水から犯人が割れないかと、鼻の良いショーンに香水をかがせ始めます。
余談ですが、この時ショーンに「どう?」と髪をかき上げながら尋ねるケイトが凄い可愛いです。
私がショーンの立場だったらドキドキしっぱなしだったことでしょう。
うん、何度見返しても可愛いですね!
さて、私の本音は置いておきまして、続きを書いていきます。
ショーンの鼻が良いという、第19話のエピソード。
ここであの伏線が活かされるとは凄いです。耳が良いのも今後何らかの場面で活かされるかも知れませんね。
しかしその企み(?)はあえなく、リディアに論破されました。
香水の研究なら誰にも負けないという自信があるのでしょう。
ケイトをマシンガントークで責め立てるリディアは、香水で個人を特定するのは不可能と断言しました。
星つきに啖呵を切ったケイトでさえ、恐れ慄くほどの弁舌。
ここはひとまず、諦めた方が良さそうです。
しかしそれでも、今回の研究班との接触によって貴重な情報を沢山得ることができました。
しかも、夕方だから帰ると言ったケイト達が名残惜しいのか、生き人形の部屋の鍵をオリバーは渡してくれました。
この鍵がどこまで共通なのか分かりませんが、少なくともエミリコの部屋からケイトも出入りが自由になったのは大きい成果です。
おまけに、大歓迎のケイト組とは違う理由であったものの、ジョンにも鍵を渡してくれました。
もし生き人形の部屋の鍵が男女で違ったとしても、エミリコの部屋の分とショーンの部屋の分でどこまでも行き来は自由になります。
それに思い至ったのかは分かりませんが、ケイトは次の一手を練り始めました。
前回の冒頭で、ミア達は洗脳から解けていないことが分かりました。
ならば、まず着手するのはパトリック組とルイーズ組の洗脳の解除からです。
ケイトは二組について性格を分析しながら、難点はあるものの仲間に引き入れるのは不可能ではないと結論を下しました。
そして、アンナが言っていた救護班と研究班が正式な制度上の組織ではないことが、恐らくヒントとなったのでしょう。
ケイトは、「仲間を作る」と「事件を解決する」という目的を同時に達成するため、“同期会”の発足を決意しました。
彼女が描いている“同期会”がどのような組織なのかはまだ分かりません。
救護班や研究班といった特殊班としての“会”なのか、それともニューアイテムの鍵を用いて秘密裏にやり取りをする地下組織としての“会”なのか、はたまた事件の解決を最優先とする捜査組織としての“会”なのか……。
しかしそれもこれも、ケイトが信頼できる仲間を得ることができたからこその決意です。
いつも予期せぬ行動に出ては失敗するジョン。
今話の最後に彼を見るケイトの目は、少し今までとは違った優しい眼差しだったことでしょう。
今回の出来事は、研究班の秘密基地の壁が壊されたことを除けば、全ての登場人物にとって非常に実りある交流となりました。
探偵の枠にとどまらないケイトの動向が、こどもたちの棟にどんな影響を与えるのか。
お披露目以来のケイト組、ジョン組、パトリック組、ルイーズ組の接触がどんな化学変化を遂げるのか、研究班でなくとも楽しみになってきます。
あの人騒がせなお影様・ジョンによって崩壊した建物。
廃屋と思われたその場所は、研究班の秘密基地でした。
あまりの暴挙に、事の発端となった2対を見つめる研究班たち。
ケイトの謝罪も虚しく、無言で指示を出すオリバーと駆け出すオリー、恐怖でひきつるケイトとエミリコという、既視感のある光景が繰り広げられました。
(何のことか分からないという方は、第58話を御覧下さい。)
しかしこの時のオリバーとオリーの狙いは、先日の亡霊騒動で大活躍したエミリコでした。
軽々とエミリコをかっさらうオリーとオリバー。
オリバー2号を見事に操ったエミリコのことを、かなり高く評価していたようです。
流石研究班のリーダーです。
政治的なことは抜きにして、エミリコの能力を見ていてくれたのでしょう。
その代わりではないですが、これ幸いとばかりにエミリコの能力を解き明かそうと実験開始です。
そしてエミリコを守らんとばかりにオリーとエミリコに向かうショーン。
今回のお話では、事件や研究班について話すケイトとオリバーとジョン、スーパー生き人形の謎を解き明かすオリーとエミリコとショーンという二つを軸に、ストーリーが進んでいきます。
まずは前回のラストであったように、研究班の紹介から始まります。
一対目は第56話で初登場したナンシーと、その主人・アンナです。
ナンシーと同じく不安症気味なアンナですが、その様子にジョンはツッコミを入れていきます。
そしてこの後も、ジョンは研究班の奇行に対してツッコミ役として活躍することとなります。
ケイト組とジョン組をもてなすために、紅茶を入れるアンナとナンシー。
その後ろでは、エミリコの身体測定をするオリーと見守るショーンがいます。
ショーンにとっては気が気ではないようです。
片や、きちんと客人をもてなしたアンナ組に角砂糖を与えるオリバー。
ジョンの言う通り、まるで餌付けですね。
ただこの角砂糖を与えるという行為ですが、研究班という特殊性を考えるとさもありなんという気もします。なぜなら、脳の活動に糖分は必須だからです。
恐らくオリバーのことですから、『砂糖には、柔軟な思考と創造的なひらめきを促す効果があるのです!』といった理由で研究班に常備しているのではないでしょうか。
普通の生き人形には砂糖という娯楽品が支給されているとは思えませんので、これは星つき常駐班の特権なのかも知れませんね。
そんな騒々しい中、不穏な台詞を吐く一対が会話に入ってきました。
前回ラストで、建物断面図の左下にいたシャドーと生き人形です。
フラスコを持って何やら実験をしていたのは、リディアとリディという口の悪い一対でした。
そしてこの喧噪の中で眠るのは、男性ペアのジェレマイアとジェレミです。
あまりの変人集団。
あの常識破りのジョンでさえ苛立ちを隠せません。
ジョンに常識の概念があったことに、ケイトも読者も驚きです。
この後も、研究班のフリーダムさは止まりません。
ケイトとの仲が公認になりつつあるのを聞いてジョンは照れますが、それも束の間で、いつの間にか優雅に食事を始めるジェレマイア組にツッコむジョン。
もう何回ツッコミを入れているんでしょうね。
研究班もジョンも良い意味で一貫しています。
従者のショーンも同じように、エミリコのポートレイトを脱がせるオリーに対して焦った様子で注意します。早く何とかしないといけない、といった様子でポートレイトを脱ぐショーンは、まるでエミリコのお兄さんのようです。
それにしても、このポートレイトを脱ぐというシーンは中々に細かいです。
ポートレイトについては、第44話の冒頭でバーバラが説明しています。
“顔”としての役目を果たすときに着用する服装なので私語は慎むように、と言っていた場面です。
そう考えると、エミリコに自由な発言と行動をさせるためにオリーはポートレイトを脱がせたということです。抜け目のない描写にはいつも驚かせられます。
また、少女生き人形はポートレイトを脱ぐといつもの“スタンダート”という服装になりますが、少年生き人形の場合はシャツの色が違うので、いつもとは少し違った姿になります。
黒シャツのショーンも新鮮で良いですね。
服装についての詳細は単行本の1巻と2巻にイラストが載っていますので、お持ちの方は確認してみて下さい。細かい設定に改めて感嘆するかと思います。
また、単行本1巻には巻末のカラーページに生き人形の食事についての説明が書いてありますが、とうとう今回のお話でイラストが出てきました。
少し違うのは、単行本では「粗末なパン」と書かれていたのが「ふすま入りのパン」と描かれていることです。あと他には、果物も与えられると書かれていますね。
しかし生き人形のジェレミが食べていたのは、なんとお肉でした。
その様子を、迫真の表情で眺めるエミリコ。
キャラ紹介で‟食いしん坊”とされている彼女にとって、垂涎の光景だったことでしょう。
それと同時に、恐らくエミリコはケイトから食事を分けて貰っていることが、ここで分かりました。
ケイトはパンだけではなく、おかずもエミリコにあげていたのでしょう。
エミリコにとっては、星つきになる更なる動機となったことと思います。
この後も、アンナから研究班や救護班は仕事ではなくクラブ活動的なものであること、ケイトが機械類を好きなこと(やっぱり!)、煤つららの正体とそれを作ることができるメンバー、と様々な情報がケイトにもたらされます。
秘密の情報を滔々と語るオリバーは、星つきという立場よりも、科学者としての面が本当に強いようです。知識を惜しげもなく教えるその姿勢に、ケイトも大助かりです。
その間にも、エミリコがお手玉をするのを驚嘆しながら観察するオリーと固唾を飲んで見守るショーンなど、見逃せない場面が続きますが長くなるので割愛します。
これより、かなり遠回りした感は拭えませんが、いよいよ本題です。
ケイトが切り出した、第二次亡霊事件の犯人。
オリバーは分からないといいつつも、「男」だと推測しました。
理由は、すす管の扉は重いことから、ベル姉妹では到底開閉できないというシンプルなものでした。
オリバーはそのことが分かっていたから、第58話でケイトに同情する発言をしていたのでしょう。
エミリコに対する評価だけではなく、科学者としての考えがそこにはあったようです。ベンジャミンとは違ってその辺りの分析はお見事です。
(スザンナはすす管の扉を開けたことはなさそうなので、しょうがないかなという気がします。)
ケイトはこの話を聞き、ある人物が思い浮かびました。
ローブシャドーです。
ショーンに、ローブシャドーについて聞くケイト。
綱渡りをするエミリコを気に掛けながら、ショーンはローブシャドーの身長を「高かった」と答えました。
様々な状況証拠。
ケイトは、ローブシャドーはクリストファーではないかという結論に至ります。
ならば、あとはクリストファーの正体を探るだけです。
断片的な情報しかないかつての英雄について、ケイトはオリバーから更に聞き出そうと試みました。
しかし、流石のオリバーもここから先はNGでした。
固く口留めされているのでしょう。もう勘弁してくれと言った様子です。星つきといえども、4対の中で立場が一番下ということが読み取れます。
ただ、それでもなお「アンソニー」という新しい人物の名前がここで登場しました。図らずも、新情報を入手です。
果たしてこの「アンソニー」とはどのようなシャドーだったのでしょうか?
それとも、エミリコと同じく名前の似ていないクリストファーの生き人形だったのでしょうか?
この謎が捜査に進展をもたらすのか、それとも混迷を呼ぶのかはまだ分かりません。
さて、一連の過程を経てオリーの『スーパー生き人形観察』は終わりを告げました。
オリバーがアンナペアにしていたのと同じように、エミリコに角砂糖を与えるオリー。台詞のせいか表情のせいか分かりませんが、やけにオリーがイケメンに見えますね。
ショーンが心配顔なのは角砂糖に何か入っているんじゃないかといった理由でしょうが、反面オリーにエミリコを奪われないかとヒヤヒヤしているようにも見えて、少し可笑しいです。
ついでに隣のナンシーも心なしか、ムッとしているように見えますね。
オリーによるエミリコの観察が終わったことで、ようやくケイトとショーンという知的ペアがじっくり会話できるようになりました。
ここでリディア組が何の研究をしていたのかが判明します。
それは、香水です。
ケイトは香水から犯人が割れないかと、鼻の良いショーンに香水をかがせ始めます。
余談ですが、この時ショーンに「どう?」と髪をかき上げながら尋ねるケイトが凄い可愛いです。
私がショーンの立場だったらドキドキしっぱなしだったことでしょう。
うん、何度見返しても可愛いですね!
さて、私の本音は置いておきまして、続きを書いていきます。
ショーンの鼻が良いという、第19話のエピソード。
ここであの伏線が活かされるとは凄いです。耳が良いのも今後何らかの場面で活かされるかも知れませんね。
しかしその企み(?)はあえなく、リディアに論破されました。
香水の研究なら誰にも負けないという自信があるのでしょう。
ケイトをマシンガントークで責め立てるリディアは、香水で個人を特定するのは不可能と断言しました。
星つきに啖呵を切ったケイトでさえ、恐れ慄くほどの弁舌。
ここはひとまず、諦めた方が良さそうです。
しかしそれでも、今回の研究班との接触によって貴重な情報を沢山得ることができました。
しかも、夕方だから帰ると言ったケイト達が名残惜しいのか、生き人形の部屋の鍵をオリバーは渡してくれました。
この鍵がどこまで共通なのか分かりませんが、少なくともエミリコの部屋からケイトも出入りが自由になったのは大きい成果です。
おまけに、大歓迎のケイト組とは違う理由であったものの、ジョンにも鍵を渡してくれました。
もし生き人形の部屋の鍵が男女で違ったとしても、エミリコの部屋の分とショーンの部屋の分でどこまでも行き来は自由になります。
それに思い至ったのかは分かりませんが、ケイトは次の一手を練り始めました。
前回の冒頭で、ミア達は洗脳から解けていないことが分かりました。
ならば、まず着手するのはパトリック組とルイーズ組の洗脳の解除からです。
ケイトは二組について性格を分析しながら、難点はあるものの仲間に引き入れるのは不可能ではないと結論を下しました。
そして、アンナが言っていた救護班と研究班が正式な制度上の組織ではないことが、恐らくヒントとなったのでしょう。
ケイトは、「仲間を作る」と「事件を解決する」という目的を同時に達成するため、“同期会”の発足を決意しました。
彼女が描いている“同期会”がどのような組織なのかはまだ分かりません。
救護班や研究班といった特殊班としての“会”なのか、それともニューアイテムの鍵を用いて秘密裏にやり取りをする地下組織としての“会”なのか、はたまた事件の解決を最優先とする捜査組織としての“会”なのか……。
しかしそれもこれも、ケイトが信頼できる仲間を得ることができたからこその決意です。
いつも予期せぬ行動に出ては失敗するジョン。
今話の最後に彼を見るケイトの目は、少し今までとは違った優しい眼差しだったことでしょう。
今回の出来事は、研究班の秘密基地の壁が壊されたことを除けば、全ての登場人物にとって非常に実りある交流となりました。
探偵の枠にとどまらないケイトの動向が、こどもたちの棟にどんな影響を与えるのか。
お披露目以来のケイト組、ジョン組、パトリック組、ルイーズ組の接触がどんな化学変化を遂げるのか、研究班でなくとも楽しみになってきます。

次回でなくとも"同期会"なのでパトリックの出番が増えることになると思います。
前回からケイトとジョンの関係について知っている人物の反応を見ると、シャドーの恋愛は珍しいことではないようですね。
公認のカップルというものが何組かあるのでしょうか。
そして研究班の面々はジョンを常識人にしてしまうほどの変わり者揃いでした。
ケイトが生き人形のショーンに話しかけることを誰も気にしないのは、班長のオリバーがシャドーと生き人形を個別に扱っているのもあるのでしょう。
オリバーからもらえた情報のなかにあった新しい人物の名前。クリストファーと関係のある人物なのかそれとは別に名前を出してはいけない人物なのか。
そしてオリバーの様子からは「星つきの気にさわる」という理由だけでクリストファーに関する発言を禁じられているようには思えませんでした。
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