現在30歳以上の方々は、映画「タイタニック」と聞いた時、あるシーンが真っ先に頭に浮かぶかと思います。

映画の前半で、ジャック・ドーソン(レオナルドディカプリオ演)がローズ・デウィット・ブケイター(ケイト・ウィンスレット演)を船首に招いて手を広げさせる、あのシーンです。

ポスターやプロモーションビデオにも用いられ、公開当時は四六時中テレビで流れていた記憶があります。
それどころか、眺めが良い場所に行くと必ずや何組かのカップルが物真似をしていました。

ちなみにこの時のローズの台詞で「私、飛んでるわ!」という名言があるのですが、物真似の際にそれを叫ぶのが一種のお約束でしたね。

主題歌の‟My Heart Will Go On”と共に、映画を象徴する場面であります。


さて、ところでこの名シーンは、ある彫刻がモデルになっていることを皆様は御存知でしょうか?


その彫刻とは、パリ・ルーブル美術館に展示されている「サモトラケのニケ」です。
(写真は、管理人がルーブル美術館に行った時に撮影したもの)

サモトラケのニケ

19世紀にエーゲ海のサモトラケ島で発見された彫刻で、およそ紀元前1世紀前後に制作されたと考えられています。正確な年代や作者は不明なものの、全身大理石のこの彫像はギリシャ彫刻の最高傑作とされてきました。

像のモチーフは、勝利の女神・ニーケーです。船の舳先を模った台座に置かれていたと推定されたことから、現在の台座も同じような形となっています。

ルーブル美術館ではメインとなる階段踊り場に飾られており、モナ・リザと並んで破格の扱いを受けています。


さて、ある年代の方々には懐かしいこの映画。
第32話以来のほのぼの回となった今回は、それを連想させるシーンがありました。
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悲しみに暮れる少女と、それをそっと慰めるもう一人の少女。
寂しげな二人の後ろ姿から物語は始まりました。

涙で俯いているのはエミリコで、隣にいるのはケイトです。

ショッキングなシーンで幕を閉じた前回。居たたまれなくなった二人は、すぐに治療室から出たのでしょう。部屋の外のベンチに静かに座っていました。


しかしケイトが励ましの言葉を掛けると、すぐにエミリコは笑顔になりました。その表情に、エミリコのケイトへの信頼が伺えます。


ケイトは犯人探しと並行して、今回の騒動で珈琲の洗脳が解けていないか確認しました。
一旦すす病の治療を受けたのなら、洗脳が薄れていてもおかしくないからです。

ところが、エミリコから見たミアの様子を聞いてケイトは残念そうな声を出しました。

以前とまるで変っていないということは、洗脳されたままだからです。

全く同じ言葉を繰り返すエミリコですが、その言葉の意味を理解すると彼女も残念そうに俯きました。


私自身の考えとしては、ミアは洗脳されていなくてもあの明るい性格だと思っているのですが、これもただの憶測です。ケイトの言う通り、洗脳されたミアの性格が前回の描写とも考えられます。

個人的にはエミリコを可愛がるミアの姿こそが自然体だと考えたいですが、果たして真実はどうなのかまだ分かりません。


治療室での面談を終えると、ケイトは自分達で地図を作ることを思い付きました。

さすがケイトです。何事も全体像の把握と現場確認が重要です。
早速現場検証も兼ねて大広間へと繰り出しました。


大広間で、エミリコの証言をもとに現場を調査するケイト。
やっぱり探偵みたいですね。

ついでに、なぜ自分が疑われるのか理解できないと煤を出しているのが可愛いです。

最初の頃は不気味でしかなかった「煤を出す」というシャドーの特徴ですが、今となっては彼女達の感情をありありと映す、なくてはならないものへと変わってきました。


実際にこの後の場面でも、エミリコを評価するシャドーに会った時のケイトは煤を出していませんし、印象の悪いダグラス班の面々を目にしたケイトからは煤が出ています。
もしかしたら、性悪なシャドー達がすす能力を持つ実力者であることに苛立ちを感じているのかも知れません。


しかし、今回のお話でもっともケイトから煤を出させたシャドーが直後に登場します。

現状、最もケイトの予期せぬ行動に出る『上を目指す男』。
ショーンの主人・ジョンです。


雨樋を伝って降りてくるという、あまりに予想外の姿で現れたジョン。
ケイトも呆れて、もはや何も言えないとまで口にするほどです。

ところが、ジョンはケイトから一通り話を聞くと、地図作りを手伝うと言い出しました。

ここでも煤を出すケイト。
ですが、エミリコは腹話術で歓迎です。エミリコの新たな特技が花開きました。


エミリコが腹話術を身に付けたのは、勝手に生き人形が喋っていると思われない様にするためだったようです。そこで『喋らない様にしよう』ではなく、『口を開けないで喋ろう』と考えるエミリコは凄いですね。彼女の柔軟な思考はとどまることを知りません。

ここで、エミリコが外部からの目を気にしていると知ったケイトは、何か察知したのか視線を感じます。

ケイトが庭園の隅で目にしたのは、じっとこちらを見つめる2対の少女でした。

すわ監視か。ケイトの緊張が高鳴ります。

しかし少女達の関心は、ケイトの行動ではなく、ジョンとケイトが一緒にいるという事実でした。

ケイトから見られていると感じ取ると、2対はこそこそ喋りながらそそくさと去っていきます。
「婚約者」「デート」という、ケイトには我慢できない言葉を置いてです。


その二人の会話に、火山の如く煤を噴出するケイト。
部屋の中だったら煤つららができていたことでしょう。その姿にエミリコはたじたじです。

ただ、好きの反対は無関心です。事実、ダグラス達を見ていたケイトの煤の量はあまりありませんでした。そう考えると、現状もっとも多くケイトの煤を出させるジョンは、もっともケイトから関心を持たれていると捉えて間違いないでしょう。
ジョンにはこれからも頑張って欲しいものであります。
(但しこの考え方は、現実では一歩間違うとストーカーになりますので注意です。)


さて、そんなぐだぐだな状態で始まった地図作りですが、意外とショーンの助けもあってかすんなり進んでいきました。

一方、小学生のように木の枝を持ち歩くジョンは…。
まあ、ショーンが怪しまれずにケイトと行動するために役立っていると考えましょう。とりあえず地図は概ね出来上がりました。書いたのは、もちろんケイトです。絵だけではなく図面を作るのも上手いんですね。エミリコが羨ましがるのも分かります。


しかし将来のシャドーハウスの王は、全くの役立たずではありませんでした。

地図の空白地帯・メインハウスの3階に行く、外階段を見つけたのです。

意気揚々と階段を上がろうとする3人に対して、まだ歩くつもりなのかと尋ねるケイト。

そういえばお披露目のラストで、ケイトはエミリコを支えきれずに転んでいました。
力強い意志とは裏腹に、彼女はか弱い乙女なのです。

しかしそれが聞こえなかったのか分かりませんが、3人は階段を上っていきました。

最初に到着したのはエミリコです。欄干に手を付いて眺めを堪能します。

テンションが上がったのか、更に欄干の一部に足を掛けて手を広げてみせるエミリコ。
それを危ないからと後ろから支えるのは、面倒見役のショーンです。

記事冒頭のタイタニックの話題はこのシーンのことです。
先程の2対の少女たちがこれを目にしたら、ケイトとジョンの関係はもっと噂になったことでしょう。

ただタイタニックとは違って惜しいのは、エミリコが足を掛けた部分が高すぎることです。
映画ではこのシーンの時にジャックとローズがキスをするのですが、これではショーンとエミリコに身長差があっても届きません。

エミリコにとって、ラブロマンスはまだ早いようです。


ただこの後、エミリコは地図が出来ていくのを見て「楽しー!」と言っていますが、記憶では彼女が丁寧語を使わないで話しているのはこれが初めてです。エミリコのはしゃぎぶりに自然と笑顔が零れますね。
前回のミアもそうですが、生き人形が主人以外のお影様と一緒にいる時は違う一面が見えて、読者にとっても「楽しー!」です。


さて、こうやって書くと暫く3人は屋上で遊んでいたように思えますが、そうするとケイトがいないのが気になってきますね。
恐らく、結構な時間が経っていたことでしょう。


するとそれを証明するかのように、ケイトが息を切らせて登場しました。
手すりに手を掛け、膝に手を置いたグロッキーな姿で参上です。

先程のショーンと同じく、こんな時は男の子の出番です。
すかさずケイトに駆け寄ると、ジョンはケイトに手を貸そうとしました。


ところが、その手を叩かれるジョン。
しかも触るのも面倒なのかすす能力でそれを振り払います。
煤の形が手の形なのは、ケイトのせめてもの情けでしょうか?
(ケイトにだったら、鞭型の煤でもジョンは喜びそう…)


そんなイライラが募るケイトでしたが、屋上で風を頬に受けると少し気分が晴れたようです。

欄干に肘をついて暫しの休息をとるケイトは、気持ちよさそうに目を瞑るエミリコと同じ表情だったことでしょう。口には出しませんが、秘かにジョンへの好感度はアップです。


ところが、そのジョンへの好感度が、またもや下がる出来事が起きてしまいます。

エミリコが屋上で、不意に見つけた廃屋。
秘密基地にしようと再びジョンは歩き出しました。
おまけに、頼みのエミリコも同調する有様です。

今度こそはエミリコとショーンが同行してケイトをフォローしますが、おかまいなしにジョンは進んでいきます。もしかしたら、ジョンは藪を先に進んでいくことで男気を見せようとしたのかも知れませんが、ここでは関係ありません。スカートの裾を上げながら進むケイトの頭からは、やはり煤が出てしまっています。

そしてこの後、ジョンはとうとう決定的なやらかしをしでかします。


廃屋に着いたものの、鍵が掛かっているから入れないと語るショーン。

それに対し、良いところを見せようとジョンはドアに手を掛けました。
ケイトへの愛を叫びながら、ドアを乱暴にいじるジョン。


すると、力自慢の主従に屈したのか、壁ごと廃屋が崩れてきました!

すぐに逃走体勢に入るジョンとショーン。
そして、疲れて動けないケイトとエミリコ。

倒れてきた壁が2対を襲います。
絶体絶命です。


しかし運が良かったのか、窓枠が丁度ケイトとエミリコがいた位置にあったことで二人は難を逃れました。
二人を助けようとして身を挺したショーンも無事です。

そしてこの事故を起こした張本人はというと…。


ドリフターズのコントの如く、壁を突き破って直立不動です。


ケイトを助けようとしたのか単純に逃げ遅れたのか分かりませんが、ショーンの言う通り因果応報でしょう。ケイトもジョンのやらかしに怒り心頭です。


ですが、さすがのジョンも壁に頭をぶつけた衝撃で星が舞っています。
同じ星でもこんな星つきにはなりたくないですね。

ショーンのけなし気味なフォローもあって、ケイトは怒りながらもジョンから視線を逸らし辺りを見回しました。


しかし廃屋と思われた建物は、なんと研究所でした。
もちろん中にいたのは、オリバー組をはじめとする研究班員です。

改良・メンテナンス・実験・休息と、各々の時間を過ごしていた班員たち。
突然の出来事にオリバーもケイト達もビックリです。


「せっかくなので研究班の皆を紹介します」という次回予告には期待感しかありません。

果たして、個性的と思われる班員たちの素顔とはどのようなものなのでしょうか。そして、間違いなくエミリコはオリバー2号や煤マスクに夢中になることでしょう。

それに乗じて、テンションMAXのジョンと呆れるケイトが見られるのか。

それとも、オリバー2号を見て「格好良いわ」と言うケイトに「素直だな 気に入ったぜ」と話しかけるジョンが見られるのか。

是非とも、次回もほのぼの回であることを願いましょう!