来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2023年01月

第154話 使命と責任【感想】

今回の扉絵は、ケイトの部屋の一角が描かれています。

エミリコの肖像画が掛けられた壁際と机。机の上には人型のぬいぐるみがありますね。今更語るまでもないケイトの「大切なもの」です。

ということは、このスペースは第10話でケイトが「ここにあるものは私(ケイト)の大切なものなの!」と言っていた場所と同じということになります。


そんな場所に掲げられたエミリコの肖像画。これはつまるところ、ケイトにとってエミリコも「大切なもの」だということです。

ケイトがエミリコを大切に想うシーンは何度も描かれていますが、こうもさりげなく明示されると微笑ましいですね。ケイトにとってエミリコはベストパートナーなのです。

柱には「大切なものは、特別な場所に」とあるように、ケイトとエミリコが互いに「大切」「特別」だと思い合っていることがとてもよく伝わってきます。部屋に一角だけでこんなにも尊い光景が描かれるとは、何度見てもため息が出てきますね。


ところでこのエミリコの肖像画ですが、「どこかで見たことあるような……」と感じた方は相当なシャドーハウスマニアかと存じます。

実はこの肖像画、単行本第1巻の裏表紙と一緒なんですよね。

気になる方はポーランド語版を出版しているWaneko社の公式ツイッターアカウントが画像を公開しておりますのでそちらからご覧下さい。(Przed Wami obwoluta pierwszego tomu naszej czerwcowej nowości - Shadows House!)


ちなみに1巻発売当時のアニメイトの購入特典はこのエミリコが印刷されたSCFカードでした。

本当は本記事にてそのSCFカードを紹介したかったのですが、部屋のどこを探しても見つからず……。

ケイト嬢はちゃんと大切なものを特別な場所に置いてあるというのに我ながら情けないなあ。そろそろ部屋片づけしないと……。


まあ私の近況は置いときまして、本題にいきましょう。

これまでケイトは自身にとって「大切なもの」を守るために闘ってきたわけですが、そんな彼女の闘いは前回を境に大きく変わる気配を見せています。

なぜなら、扉絵にも描かれている「星」を与えられたからです。

ケイトの過去を振り返れば、自分という存在を問うための旅が、エミリコとの出会いによっていつの間にか「大切なもの」を守る抵抗の日々へと変わっていきました。

それが、とうとう自身を信頼してくれた仲間の期待を叶えるための闘いへと変貌しようとしているのです。劇中において、ケイトはそれを「使命」だと語りました。


ところが、そんな決意をあざ笑うかのように難題が降りかかります。

ケイトの決意はいきなり困難に阻まれました。続きを読む

第153話の票読み

本記事は第153話のネタバレを含みますので、まだお読みでない方はどうかご注意下さい。



さて、では本題へとまいります。

第153話では「星つき」を選ぶための投票が行われていましたね。

60年以上続くシャドーハウスという館の歴史において、「選挙」「投票」という出来事が行われるのは恐らく初めてだったに違いありません。

結果、「星つき」は読者であれば誰もが知っているあの人物が就任することになりました!


しかし此度のエピソードを読んだ方々のコメントを拝見しておりますと、多くの方が知りたがっているものの、作中には描かれていない点が一つありました。

それは、「投票先の内訳」です。


確かに非常に気になります。

作中のこどもたちの様子を見るからに、此度の「投票」は誰が誰に投票したか分からない仕組み(=秘密投票)が取り入れられていたようです。

まあ選挙後のことを考えれば当然といえましょう。投票先を分からないようにすることは、有権者を守るために用いられるごく一般的な手法だからです。

選挙が終わればノーサイド、とりあえず任期期間中は賛成派も反対派もなく、皆が決めたリーダーを長に据えて組織を運営していくのが理想であります。


ただ、選挙後の人間関係が大事なのはわかりますが、それでも読者からすれば「誰が誰を星つきに相応しいと判断して一票入れたか」という疑問は知りたくなっても無理はありません。

……というか私も知りたい!


そういうわけで、今回の記事では第153話の「票読み」にチャレンジしてみました。

もちろんあくまで推測ですから合っているとは限りませんが、それでも深く考えると面白い事実も散見されました。

では続きにて書いていきますので、気になる方はどうぞ。

続きを読む

第153話 投票結果

民主制の歴史は長いです。

近代においては、一般的に専制政治から民主制へと移行する例が多いため、民主主義の成立は最近になってからという風に受け取られる場合も多々あります(私も子供の頃はそうでした)。

ところがそうではありません。

制度上はさておき、その思想哲学が生まれたのは古代ギリシャ・ローマ時代にまで遡るのです。

ペリクレス

こちらの人物は、古代アテナイ(アテネ)の政治家・軍人のペリクレスです。

写真は以前イタリアに行った時に、バチカン博物館内に展示してあった彫刻を撮影したものです。(前回といい、結構イタリアの写真ブログで取り上げること多いな…)


彼はアテナイの発展に寄与したことで有名ですが、ペリクレスが現在まで名を馳せているのは、「民主主義」の原点といえる演説をしたことが理由として大きく挙げられます。

詳しくは「ペリクレスの葬送演説」で検索して頂くとして、平たく説明しますとこの演説が称賛されるのは「自立」「平等」「自由」の必要性に言及した点と、「市民」の役割を明確にした点が挙げられます。

特に、政治思想や言論の自由を法の下に認め、少数の権力者による政治の独占を排するとした部分は、民主制の根幹と言える原則です。

反面、政治に参加する市民の義務として、共同体(ポリス)の防衛や公に尽くす義務も強調しています。


また、政治参加する者の前提として、市民自身にそれを判断するだけの知性と品性を求めている点も重要です。

一定以上の知識・見識・常識を持った集団でなければ、ただの「多数決」によって間違った方向に進んでしまう危険性があるからです。

生まれた時から民主主義とその権利を有している我が国からすれば、実に耳が痛い指摘です。それだけ「民主制」とは個人と集団の鍛錬が必要な制度なのです。それがなければ、誤った判断による破滅、或いは少数の専制政へと取って代わられてしまうことは歴史が証明しているところです。


さて、では翻ってシャドーハウスのこどもたちの棟はどうでしょうか?

こどもたちの棟では、これまで「星つき」という4対の指導者グループによって統治されていました。イコール、専制政治と言ってもよいでしょう。その中でこどもたちは「余計なことを考えてはいけない」という掟もあって、表面上はつつがなく過ごしてきました。


しかし、ケイトとエミリコ、そして同期達の活躍により、こどもたちの洗脳は薄れ自ら物事を判断できるようになりました。

加えて「星つき」達もこれまでの体制に疑問を持ち、改革の必要性を強く認識し始めました。

つまり、「民主制」を実施しうるだけの土壌がまさに整い始めたのです。


此度の物語では、その集大成と言える象徴的な出来事が描かれました。

こどもたちの棟、いやシャドーハウスの歴史において初の民主的なリーダーが誕生しました。続きを読む

新年のご挨拶&写真やツイッターで振り返る令和4年のシャドーハウス

本ブログにご来館の皆様へ

明けましておめでとうございます。
いつも本ブログを御覧頂き、どうもありがとうございます。
昨年も大変お世話になりました。


大晦日の記事でも触れましたが、令和4年はシャドーハウスの話題が目白押しの一年でしたね!

アニメも漫画も、公式企画も関係者様の動きも、少し目を離しただけで見落としてしまいそうなほどのシャドーハウス漬けの毎日でした。

今年はアニメ放映がないので少し落ち着いた年にはなるかと思いますが、それでもケイトとエミリコの活躍に心躍される一年になるのは間違いありません!!


令和時代になってからもう5年になりました。

外に目を向ければ騒がしい世の中ではございますが、そのさらに外側の世界に視界を広げ、目についた明るいものを集めながら歩く。

そんな一年にしていければ、と思っております。

今年こそは喜ばしいことが多い一年になると信じています!!


取り敢えず個人的な目標としては、昨年は体調不良が多かったので健康にまず注意かな……。

シャドーハウスが世に広まるにつれて情報量が多くなってきて喜ばしい反面、追いかけるだけで大変になってきましたからね。無理せず自分のペースでシャドーハウスを応援していければと思っています。

令和5年も、本ブログが皆様のシャドーハウスの考察の一助や、ささやかな暇つぶしとしてご協力できましたら幸いです。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

         令和五年1月2日 来客のない奇妙な館管理人 影野 知高



ところで昨年もそうでしたが、今年も挨拶だけでは寂しいので、続きより令和4年のシャドーハウスの動きを振り返ろうと思います。
(ブログでは紹介しきれなかったイベント等もあったので)

本当は12月下旬にやりたかったのですが、そこは新年のおめでたい日ですのでそれに免じてご容赦下さい!

興味ありましたら是非ともご覧頂けましたら幸いです。

では続きよりどうぞ。続きを読む
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