本記事は第153話のネタバレを含みますので、まだお読みでない方はどうかご注意下さい。



さて、では本題へとまいります。

第153話では「星つき」を選ぶための投票が行われていましたね。

60年以上続くシャドーハウスという館の歴史において、「選挙」「投票」という出来事が行われるのは恐らく初めてだったに違いありません。

結果、「星つき」は読者であれば誰もが知っているあの人物が就任することになりました!


しかし此度のエピソードを読んだ方々のコメントを拝見しておりますと、多くの方が知りたがっているものの、作中には描かれていない点が一つありました。

それは、「投票先の内訳」です。


確かに非常に気になります。

作中のこどもたちの様子を見るからに、此度の「投票」は誰が誰に投票したか分からない仕組み(=秘密投票)が取り入れられていたようです。

まあ選挙後のことを考えれば当然といえましょう。投票先を分からないようにすることは、有権者を守るために用いられるごく一般的な手法だからです。

選挙が終わればノーサイド、とりあえず任期期間中は賛成派も反対派もなく、皆が決めたリーダーを長に据えて組織を運営していくのが理想であります。


ただ、選挙後の人間関係が大事なのはわかりますが、それでも読者からすれば「誰が誰を星つきに相応しいと判断して一票入れたか」という疑問は知りたくなっても無理はありません。

……というか私も知りたい!


そういうわけで、今回の記事では第153話の「票読み」にチャレンジしてみました。

もちろんあくまで推測ですから合っているとは限りませんが、それでも深く考えると面白い事実も散見されました。

では続きにて書いていきますので、気になる方はどうぞ。

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まず第153話にてこどもたちの棟で行われた「投票」ですが、概要は以下の通りかなと推定しました。


目的:「星つき」解散に伴い、新リーダーを決定する。
会場:こどもたちの棟大広間
被選挙権:現星つき及び懲罰房組以外のこどもたち全員
選挙権:こどもたち全員(男子25対・女子24対)
選挙管理員:現星つき+救護班(ギルバート除く)
選出方法:最も多くの票で指名された人物を当選とする。



選挙権に関してはローレンスの台詞がヒントになりました。

彼は「懲罰房組にも投票権があるし」と驚いていることから、ダグラス班の4人とギルバートにも投票権があったということでしょう。反面、被選挙権があったかどうかは不明ですが、投票権があることに驚いているのに被選挙権に触れないのは不自然ですので、今回の投票では懲罰房組に被選挙権はなかったと考えました。

また、こどもたちの性別の内訳ですが、マリーローズ組が抜けた後に新人がやってきた様子が第80話で描かれているものの、新人の少女はまだお披露目を受けていないと思われます。

ということは、主人のシャドーもまだ部屋から出てこない筈なので、選挙に参加したのは男子25対・女子24対の計49対と考えられます。

加えて、現星つきのバーバラ・ベンジャミン・スザンナ・オリバーに選挙権があったかどうかも不明ですが、これはあった方が考察が捗りましたので、本記事では彼女達も一票投じたと見做します。(我ながらなんて恣意的な考察なんだろう……)


あと被選挙権に関しては、特定の候補者や立候補者がいた形跡はなさそうでしたので、上記の通りとしました。

候補者を立てない選挙と言いますと、代表的なのが我が国の衆参両院における首相指名選挙です。過去には、本人が総理大臣になる気はさらさらないのに多数票を集めてしまい、結局内閣総理大臣に就任した、なんてこともあったりしました。(評価が分かれる人物ですのでここでは明記しません)

逆に言うと、有力者でもないのに自分自身に投票して失笑を買う議員もいます。そんな人間模様を見るのも楽しいので国会中継を見たことがない方は、首相指名選挙が行われる際は見てみることをお勧めします。


さて、投票の条件を述べるだけで長くなりましたので「票読み」にまいりましょう。

私が推測した各人の投票先は以下のようになりました!


<投票先:ケイト>
同期組(ジョン・ルイーズ・パトリック)3票
エリザベス班(マーガレット除く)3票
ロレッタ班(ロレッタ他3名)4票
ダグラス班(ダグラス他3名)4票
バーバラ
ベンジャミン
オリバー
エヴリン
ギルバート
イザベルミラベル
ケヴィン
ロバート
ジョージ
ニコラス
(男子13対・女子12対・計25票)


●理由
同期組は解説するまでもなく、ダグラス班もダグラスが「強いものにつくしかないだろ」と言っていますので、4人全員がケイトに投票したと思われます。ダグラスといえば、第119話でこどもたちの棟に視察に来たトマスを見て、エドワードを信頼して良いか迷っていたのが思い出されますね。それもあってとりあえずケイトに投票したのではないでしょうか?

エリザベスとロレッタは無能力者襲撃事件の冤罪をかけられる寸前でしたが、ケイトによってすんでのところで助かりました。あの時彼女達ははっきりと「ケイト側につく」と明言していましたので確実にケイトに投票したでしょう。さらに、エリザベスもロレッタも姉御肌(面倒見が良いという意味ですよ!?)な雰囲気がありますので、ひょっとしたら班員にもケイトへの投票を促していたのではないかなと考えました。

バーバラ・ベンジャミン・オリバーはケイトの活躍を目の前で見ていますので、多分彼女達も投票先はケイトでしょう。

後述しますが、スザンナはひょっとしたらジョンに投票したのではないかと思いましたのでここには入れていません。

エヴリンは今回のエピソードの台詞から、ギルバートは決闘で負けたという事実がありますのでケイトへの投票者として載せました。ギルバートはジョンの可能性もあるかも、と一瞬思いましたが、そもそも彼は決闘前からケイトの能力を評価していたのでこう考えた方が無難かと思います。

ケヴィン・ジョージ・ニコラスは、ケイトというよりはエミリコに対して好印象を持っている面々ですが、それはつまりケイトに対する評価と同じでしょう。また、ロバートから見れば班員を傷つけた犯人を特定したケイトに悪い印象は持っていないと思います。

以上より、男子13対・女子12対の計25票がケイトの獲得票です。

……あれ、もう過半数突破してるじゃん!?


<投票先:オリバー>
アンナ
リディア
ジェレマイア
(男子1対・女子2対・計3票)


●理由
既に当選者は確定していますが、続いてケイト以外に票を獲得したとみられるメンバーをご紹介しましょう。

一人目はオリバーです。

先ほど「現星つきに被選挙権はない」と言ったばかりなのに何を言っているんだ、と思われるのは重々承知ですが、作中でアンナが研究班の懐事情に不安を抱いていたのを見ると、研究費を確保するため研究班の3対はオリバーに投票したんじゃないかなと考えました。

実際、リディアも勝手に星つきを下りたオリバーに怒り心頭ですしね。

というか各話感想を書いていた時は気付きませんでしたが、オリバーの台詞って研究費“維持”じゃなくて研究費アップを頼もうとしてるんですね。あまりの図々さに思わず笑ってしまいました。


<投票先:ジョン>
スザンナ
恋バナコンビ①
恋バナコンビ②
ケイト
(女子4対・計4票)


●理由
ここで意外な人物が票の獲得者に上がりました。
シャドーハウスの王を目指す漢・ジョンです。

完全に妄想になりますが、スザンナって気に入った相手にはとことん世話を焼くタイプに見えますので、ケイトへ恋心を寄せるジョンを応援する意味で投票したのではないかなと思いました。

それと上記の恋バナコンビ①②は、第59話にてケイトとジョンが歩いているのを見て「デート」だとヒソヒソ話していたペアです。

彼女達もスザンナと同じく、「ケイトとジョンが星つきになったら面白そう!」みたいなしょうもない理由で投票してたら面白いと思いこちらに入れました。まあ、こんなノリのシャドーがいたって良いじゃない精神です。49対もいれば2対くらいいてもおかしくないでしょうしね。

そして最後はケイトです。

圧倒的多数の支持を受けるケイトが誰に投票したか?、というのは是非とも知りたいですが、ケイト視点ではジョンをおいて他にはいないでしょう。あと「今回はよく頑張ったからこれはご褒美よジョン」というケイトが見てみたいというのも理由です。我ながら煩悩強いなあ……。


<投票先:パトリック>
マーガレット
(女子1対・1票)


●理由
理由も何も、マーガレットの登場シーンを見ればこう考えるのが自然かなと。

なんせ無能力者襲撃事件の重要な証拠を渡して応援するくらいにパトリックにご執心ですからね。第121話を読んでから153話を読むと、無能力者狩りにおびえているのに、その後に犯人の手掛かりを掴んでいるとはマーガレットの強かさに驚かせられます。

ただパトリックが尊敬しているのはケイト、恋心を寄せているのはエミリコです。

何だか今後マーガレットが一波乱起こしそうでヒヤヒヤしてきました。


<投票先:サラ>
サラ
(女子1対・1票)

作中で何度も「星つき」という地位に憧れている描写がありますので、多分サラは自分に投票したのではないでしょうか?

でもそうすると、開票時のこどもたちの反応が気になるなあ……。

きっと「おいサラの一票って誰が入れたんだよ?」「サラが自分で入れたんだろ」みたいな会話が大広間で交わされていたのが容易に想像できてちょっと辛いです。(共感性羞恥心)



さて、以上が投票先を推測できたメンバーとなります。ツッコミどころも多いかと存じますが、そこは大目に見て頂けますと幸いです。

しかし問題が残っています。

それは、名前の判明していないこどもたちが誰に投票したか分からない点です。名前も分からないということは性格も判然としないので正直決め手がございません。うーむどうしたものか……。


ところが、下記の名前が判明しているメンバーと、その他の性別を見ていくうちにあることを思いつきました。

<投票先:性別:票合計>
ケイト:男子13対・女子12対:計25票
オリバー:男子1対・女子2対:計3票
ジョン:女子4対:計4票
パトリック:女子1票:計1票
サラ:女子1票:計1票

残り:男子11票・女子4票:計15票
(バートラム・ウィリアム・ヘンリー他)



男子の票が多く残っていて、女子の支持もそこそこありそうな人物……。
そして名前が判明しているのがバートラム・ウィリアム・ヘンリー……。

もしかして残りの票、エヴリンが獲得した可能性高くありません?


いや、もちろんあくまで想像ですので正しいかどうかはソウマトウ先生の胸三寸です。

しかし「おすすめ女子ランキング1位」という美貌を持ち、かつ救護班で世話になったこどももいるであろうことを考えると、「男子11票・女子4票」という獲得票数がエヴリンだと凄くしっくりくるんですよね。

加えて、バートラムは作中でこんなことを言っています。


「エヴリンもあるかと思っていましたよ」


これはエヴリンが新リーダーになる可能性があったことを指しているのでしょう。

確かに15票という数字はケイトに次ぐ多数票です。おまけに、もしもエヴリン本人、ギルバート、ダグラス班が投票先を変えていたら結果はこうなっていた可能性があります。

エヴリン(男子16対・女子5対)獲得票21票
ケイト(男子8対・女子11対)獲得票19票

なんと、6対が投票先を変えただけで逆転です!!

オセロと一緒で、大差をつけたと思っても簡単にひっくり返るのが選挙の怖いところです。ましてや少人数だとその影響は顕著に現れます。

これを鑑みると、バートラムの台詞はもっともですし、何気にダグラス班が一致してケイトに票を入れたのも重要だったことが分かります。


まあ、ダグラス班がダグラスに投票していたら結果は変わりませんけどもね。

でもその場合も、ケイトが19票に対してエヴリンは17票と大接戦です。もしも自民党総裁選みたいに「過半数を獲得しない場合は決選投票」みたいなルールがあったら、ケイトのリーダー就任も危なかったかも知れません。ケイト過半数突破の決定打となったダグラス、やっぱり優秀な気がしてきましたよこれは……。

もしくは、星つきの人数に変動がなければ、獲得投票数上位のケイト・エヴリン・ジョン・オリバーの新体制になることも考えられるかも知れません。

ん、このメンバーでの活動めっちゃ見たいぞ……?


さて、これ以上妄想膨らませると長くなりますのでこの辺にしましょう。

それにしても、各こどもたちの投票行動を想像してみると色々な可能性が思い付くので考えているだけで楽しかったです。

それもこれもシャドーハウスでは、個性的なキャラクター達がただの背景や記号ではなく生き生きと描かれているからに他ならないでしょう。

そんな様々な個性を持つ面々が、これからどう活躍していくのかますます楽しみです。