来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2022年09月

第144話 譲れないもの【感想】

人間は、複数箇所の痛みを同時に感じることができないそうです。

公的な論文や情報源が見つからないので確証はないのですが、「痛み」「同時」「複数」とインターネットで検索してみると、結構多くのサイトやブログがヒットします。

ぱっと眺めると整体やマッサージ関係の記事が目立ちますね。病気とは言えないまでの身体の不調を診ることも多いでしょうから、ある意味外科や内科よりも「痛み」という分野について整体師の方々は詳しいのかも知れません。余談ですが、私も身体が固くしょっちゅう背中や肩が痛くなるので、今度お世話になろうかと考えています。


ところで、最初に書いた「人間は複数箇所の痛みを同時に感じない」の件ですが、私がこのことを知ったのは手塚治虫の「陽だまりの樹」でした。

「陽だまりの樹」をざっと紹介しますと、幕末を舞台とした下級武士と町医者がダブル主人公の物語です。

武士として頑固なまでに実直な伊武谷万次郎と、近所に住む医師の手塚良仙。

時代に翻弄される二人の人物を、実在する歴史上の大物達や大事件と共に描き切った本作は、まるで大河ドラマのような壮大な漫画です。氏の作品としては知名度は低いものの、晩年の代表作の一つと言えましょう。是非ともお勧めしたい傑作の一つであります。


さて、「痛み」について話を戻しましょう。

「痛みを同時に感じない」

これが描写されていたのは、手塚良仙が伊武谷万次郎を治療するシーンです。

このエピソードで刀傷を負った万次郎が良仙の元を訪れるのですが、痛みに喚き暴れる万次郎を前にして良仙は手当てができずにいました。何せ、当時は日本に蘭学が入って来たばかりでエーテルやクロロホルムといった麻酔はまだ一般的ではなかったからです。

で、そこで良仙が何をしたか。
その答えが冒頭の文です。

なんと、手に持っていたひしゃくで「カーン」と万次郎の頭をひっぱたいたのです!

その際に良仙が言ったのが「人間は同時に別々の場所の痛みを感じない」という旨の台詞でした。

私が「陽だまりの樹」を読んでいたのは中学生の時でしたが、そのことを初めて知った時は驚きました。流石は医師免許を持っていた手塚先生なだけあります。ブラックジャック以外にも、手塚作品には氏の医学知識が発揮された作品が山ほどありますので、もしも読む機会があれば探してみると面白いと思います。


そして、今回のシャドーハウス。

偶然にも、とあるシャドーが「痛み」について言及しています。

そのシャドーとは言うまでもありません。未来のシャドーハウスの王・ジョンです。

ギルバードという圧倒的実力差の相手を前に、なす術なく倒れ込んだジョン。もしもこれが格闘技であったなら、


ジョンは?ジョンはサロンで倒れている!?サロンで倒れている!!ジョンピーンチ!!
(参考:某公営競技の今春のTV実況より)


などという実況が聞こえてきそうなほどの大ピンチです。普段はやかましいジョンが無言でいることで、シリアスさが二倍にも三倍にもなっています。

ところが、絶体絶命の戦況の中でジョンを救ったのは、従者の機転と「痛みを同時に感じない」という人体の摩訶不思議な驚異でした。

ジョンらしい過程を経て、待ちわびたあの必殺技が大炸裂です!続きを読む

第143話 実力差

今月8日、英連邦君主・エリザベス女王陛下がお亡くなりになりました。

英国史上最長の70年に亘る在位。大英帝国の崩壊から新時代への変遷という困難な時代の舵取りをしながら連邦各国の君主として君臨する責務は、私のような庶民には想像も及ばない大変な人生だったかと拝察致します。
今はただ、夫のエディンバラ公とともに安らかな眠りにつかれますようお祈り申し上げます。


訃報を聞き、翌々日に半蔵門の英国大使館へ献花しに行ってまいりました。

個人的に英国に親しみを持っていたこと、10年前に行ったロンドンでの思い出が良いものばかりだったこと、そして今も悲しみにあるであろう英国民に少しでも寄り添えられればという思いで現地に赴きましたが、実際に花を手向けてみると思いのほか自身も悲しみにあることを自覚して少し驚きました。他国民に対してもこのような感情を抱かせるとは、女王陛下の存在感の大きさにただただ敬服するばかりです。
英国大使館献花

献花を終えて帰ろうとすると、二人の幼いお子さんを連れたお父様が私の後にやって来ました。

神妙な面持ちで花を手向ける父親と、すぐ脇で「女王様亡くなっちゃったねー」と呟くお嬢さん、それに構わず門の周りで歩き回る小さい男の子……。

彼らを見ながら、お父さんはどんな思いでお子さんを連れてきたのか、少女と少年は将来、この日をどんな風に振り返るのだろうかと感じながら帰路に着きました。

子供達が大人になる頃は、偉大な女王でさえも朧げな記憶にしか残っていないかも知れません。

そう考えると否応なしに時代は動いているんだなあと、当たり前のことを改めて思いました。


さて、話をシャドーハウスに切り替えると、何の因果か奇しくも「エリザベス」というキャラクターの登場が最近増えていますね。

言うまでもなく、こどもたちの棟のメンバー・エリザベスのことです。

生き人形のリズと行動を共にする彼女は、現在9班の班長です。ケイトと同じタイミングで昇格しました。つまり、ある意味班長としての同期ですね。

そんな彼女は紆余曲折あってケイトと歩調を合わせることになったわけですが、登場する機会が増えるだけではなく、今後はさらなる掘り下げも期待したいところであります。


では前置きはこの辺にして、感想にまいりましょう。

続きよりどうぞ。

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第142話 学びの成果【感想】

さあ、今週のシャドーハウスはなんと巻頭カラーです!

カラー扉は年に何回かありますが、巻頭カラーとなると2018年の新連載時と2020年10月のアニメ発表時の2回だけでした。

ということは、今回は2年ぶりの巻頭カラーとなるわけですね。どうせならアニメ2期放映後に劇場版が発表されて、2年後の2024年には映画公開と同時に4回目の巻頭カラーを飾って欲しいところです。

さあこい、劇場版シャドーハウス!


まだ見ぬ願望(私欲?)は置いておきまして、第142話の扉絵は背中合わせのケイト組とジョン組が描かれています。エミリコとショーンは主人の「顔」でいるところでしょうか?ポートレイトを着ているのできっとそうでしょうね。ショーンの表情がなかなかレア!

しかし描かれているのはこの二組だけではありません。

後ろをよく見てみると、時計回りにルイーズ組・シャーリー組・パトリック組、そしてオリバー組もいます。

これはケイトの今の味方です。似たようなイラストとして単行本4巻の表紙と第56話の扉絵がありますが、あの時背景に描かれていた人物達は敵か味方か判然としない者ばかりでした。それを思うと、今回の扉絵はなんと明るいことでしょうか!

エミリコの言葉を借りれば、これこそが仲良しリレーの成果です。当初は一人ぼっちだったケイトですが今ではこんなに仲間ができました。

ただ、それでもまだまだ先は長いです。こどもたちの棟だけでもたくさんのシャドーと生き人形がいますし、大人達との対決に至っては遥か遠くです。この扉絵にもっと多くの仲間が増えた時こそが、ケイトが本格的な反抗を始める時なのでしょう。それまでケイトにはぜひ頑張って欲しいです。


ところが、現状そのこどもたちの棟をまとめるだけでも相当難儀です。同期でさえ味方につけるのに苦労したのですから当然と言えましょう。

そして、やはりこどもたちの中にも敵対せざるをえない相手が現れました。

今回のエピソードでは、ケイトの絶対的味方・ジョンと、棟のエリート・ギルバートの決闘の火ぶたが切られました!!

(アニメ9話までのネタバレもやや含みますのでご注意下さい。)続きを読む

祝!連載四周年記念日!!

いつも当ブログをご覧頂き、どうもありがとうございます。

もう翌日まで1時間を切ってしまっていますが、本日9月6日は2018年にシャドーハウスが初掲載された記念日です。
つまり、シャドーハウスの誕生日です。

ソウマトウ先生おめでとうございます!!


思えば昨年。ちょうど今頃はアニメ一期の放映終了から暫く経った時期でした。

シャドーハウスの勢いはとどまることを知らず、3周年記念日は多くのお祝いツイートとファンアートで彩られていました。まさに、アニメによって多くの方がシャドーハウスを知り、その魅力の虜となっていった半年間を過ごしていた最中だったのです。


ですから、そうして迎えた5日後の二期制作発表の朗報は格別なものでした。

振り返ってみると、あれからわずか一年後に二期放映が始まり、そのクライマックスを迎えようかというタイミングで連載記念日を祝うことができるとは大変幸運な巡り会わせです。

それも、アニメ放映中に「となりのヤングジャンプ」の10周年企画でシャドーハウス×「黒」の読切が掲載されたり、「黒」のフランス語版製作が発表されたりと、ソウマトウ先生の他作品も注目を集めるとは何たる奇遇でしょうか?

おまけに、今月19日は先生の前作「ギリギリアウト」の連載10周年でもあります。

昨年もアニメ放映中に「黒」が連載10周年を迎えていましたが、ここまで偶然が重なるともはや宿命といっても過言ではありません。

本当に、シャドーハウスは不思議で素敵な星の元に生まれた作品です!


また、「原作」そして原典たる漫画も累計180万部を突破しました。

ここまできたら本年中に200万部は軽く超えることは間違いないでしょう。物語の進行とともに、これからも世界中に広まっていくシャドーハウスの明るい未来は約束されたも同然です。

アニメ三期を願い、更には劇場版シャドーハウスを目にするためにも、ささやかながら弊ブログももっと応援していきたいと思います。


ただ、その前に忘れてはならないことがあります。

私達がシャドーハウスを楽しむことができるのは、実に多くの方々が作品に携わって下さっているからこそだからです。

シャドーハウスの魅力を信じてこの世に送り出した前担当者様や、今もなおシャドーハウスを間近で見守る現担当者様、その他の編集部の方々や集英社の販売部様、昼夜問わず輪転機を回す印刷所の方々、単行本とアニメの両方でデザインを手掛ける芥先生、我々にシャドーハウスをお送り届けて下さる書店や販売店の方々など……。

これらの方々の存在無くして読者が作品を楽しむことなど到底できません。


ですので、毎年申し上げておりますが本年も声を大にして言いたいと思います。

作品に携わる全ての方々に感謝します、いつもありがとうございます!!


そして、何よりもシャドーハウスの生みの親であり、ご多忙な中シャドーハウスを執筆下さるソウマトウ先生には感謝してもしきれません。

毎日の楽しみを与えて下さり、どうもありがとうございます。


さて、記事を書いているうちに9月6日が終えるまであと30分となってしまいました。

この現状をご覧頂ければ分かるように、今年に入ってから「あらすじ紹介」を休止したり流行り病で更新が滞るなど、思うように弊ブログを書いていくことが難しくなりつつあるのが歯痒いばかりです。

しかし、そうした中でもこのブログに多くの方が足を運んで下さるのはとても嬉しいですし、本ブログにコメント下さる方々とやり取りできることは大きな喜びとなっています。

また、昨年以上に各書店の店員さんの熱意に触れたり、ツイッターで活躍する絵師様や字書き様にお会いする機会に恵まれるなど、シャドーハウスを応援する皆様から良い刺激を頂くことも多くなりました。

いつもは申し上げる機会がないのでこの場にて感謝申し上げます。
どうもありがとうございます。


当ブログ貢献度は決して高くはありません。しかし、それでも尚シャドーハウスを応援したいという想いが消えたことはありませんし、無謀ながらも10周年までは続けていきたいと考えています。
ですので、四年目も“シャドーハウス第一宣言”をモットーに応援していきますので、どうぞお付き合い頂けましたら幸いです。


とにもかくにも本日は記念日です。連載四周年本当におめでとうございます。

シャドーハウスの5年目も、今まで以上に最高の一年になることをここに宣言します!!

【おまけ】
DSCN0918
↑JR渋谷駅のサイネージ広告(既に終了)

この広告は、8月下旬から9月4日までJR渋谷駅のハチ公改札内で流れていたものです。

昨年は水道橋や神保町でシャドーハウスの看板が設置されていましたが、こうして再び街中でケイトやエミリコの姿を見ることができて嬉しかったです。昨年同様、連載初期から夢見ていた光景が叶いました。

しかし、ケイトとエミリコの闘いが終わっていないように、私の夢もまだ終わっていません。

世界中にシャドーハウスの、そしてソウマトウ先生の作品が溢れる日が来ることを願っています。


第1話
↑毎年載せてますが、平成30年週刊ヤングジャンプ40号です。
あれから4年、早いものです。


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