11月4日(現地時間3日)から、米国大統領選挙の投開票が行われていますね。

共和党は現職・トランプ氏、民主党はバイデン氏が代表として選出され、昨日バイデン氏が当確として勝利宣言しました。

ところが、トランプ氏は9日現在も投開票の是非について訴えており、まだまだ予断を許さない状況となっています。2000年の時と同様、年明けまではこの状況が続くのではないでしょうか。

ただ厄介なのが、米国はこういった状況が続くと大抵、国内の平定のため外部において激越な行動を起こすことが度々あります。他国のことに口出しすべきではないですが、そういった国柄であることをはっきりと認識した上で、適切な付き合い方を考えていく必要があるのではないかと感じています。


ところで、此度の選挙を例に出さずともリーダーの選出には内紛がつきものです。決して愉快なものではないですが、古今東西見渡せば幾らでもこういったケースは見受けられます。

選挙制・世襲制・輪番制・指名制・籤引制と方法の違いはあれど、対立候補が納得せずに争いになる例はこれまで何度も繰り返されてきました。会社の部署の長から一国の首脳まで、規模の大小は問わず一度は見聞きしたことがあるかと存じます。

これらが紛争の種になるのは権益の確保が主な原因ですが、リーダーという地位が権威的な効果を持っているのも問題を複雑にさせる一つの要因だったりします。こうなるともう、解決の糸口を掴むのは困難です。


今回のエピソードも、現実世界で散見される「リーダーの選出」の難しさが描写されました。

かの国と同様、この問題が解決するには幾つもの壁を乗り越える必要がありそうです。



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大広間に集められたこどもたち。
バーバラの“お披露目”と“お呼ばれ”を延期するという報告に、一同はどよめきました。

ただこどもたちの動揺を察したのか、バーバラはすぐさま理由の説明へと移ります。

「“栄光の廊下”の老朽化による修繕期間のみです」


その説明を聞いて、ケイトはエドワードがどうやってあの失態を処理したのか納得しました。
エドワードがどこまで事を公にしたのかは分かりませんが、これならマリーローズ達が転落したことも栄光の廊下が破壊されたことも、不可抗力の事故として片づけられます。この辺りは、流石場数を踏んできただけのことはあります。これまでもこうして修羅場を潜り抜けてきたのでしょう。


続いて、バーバラは班の再編成について話し始めます。マリーローズ達の件もあって人数の変動があったからです。

ところが、人数の変動はそれだけではありませんでした。

ようやく班長になれると喜ぶサラに、水を差すようにバーバラはある一対を広間に招きます。

イザベルです。
我々からは判別できませんが、バーバラが言うのですから彼女達はイザベルとベルです。

バーバラはケイト達の前にイザベル達を案内すると、第10班(初めて判明しましたがこれがケイト達の班です)の新メンバーと告げました。要するに編入です。

イザベルが編入すると聞いて、サラは抗議の声を上げました。

それは当然でしょう。イザベルはミラベルと共にラムの班の班長でした。
恐らくサラは、班長の権限を持ったままイザベルが第10班に所属することを懸念したのだと思います。

二組の班員への仕打ちを見てきた身としては、正直勘弁して欲しいといったところでしょうか。

ただそれ以上に、やっと班長になれると思っていたのにそれを横から掻っ攫われてしまうことに納得いかなかったというのが本音だと思います。ミラベルが欠席であることも併せて、イザベルが班長なのはおかしいとバーバラを問い詰めました。


それに対し、バーバラは冷静に事情を説明し始めました。

まず、イザベルは罰を受けた身として班長の器ではなくなったこと。
そして、ミラベルの生き人形は処分されたという事実です。

それを聞いてケイトとエミリコに緊張が走りました。
この“処分”が何を意味するのかはまだ分かりません。しかしいずれにせよ、何らかの非常事態が起きたことは確実です。シャドーハウスの犠牲になった者がまた一人出たことに、二人は口を真一文字に結びました。

ところがそんな二人とは対照的に、イザベルと生き人形のベルは上の空です。視点も定まっていないように見えます。一体何があったのでしょうか。

常に傍らにいた双子の片方が消えたことでショックを受けているのかも知れませんが、ひょっとしたら別の要因があるとも考えられます。いずれにせよ、先日のすす管清掃はイザベル達に大きな傷を残したと言えます。


しかしそんなケイト組とイザベル組とは違い、バーバラの説明を聞いてサラは胸をなでおろしました。息を一つついて、いつもの「うふふ」笑いです。

因みに、イザベルとミラベルが所属していた班の班長にはエリザベスが就任しました。ラムがいた班は9班だったようです。

こちらはケイト達の班とは違い、正真正銘他の班員が班長として編入した形となります。マーガレットとマギーの表情が何だか浮かないように見えますね。サラと違ってこちらは抗議の声は上げていませんが、きっと心の中では面白くないのでしょう。この不満が、今後パトリック達との関係に何か影響を与えるかも知れませんね。


さて、イザベルが班長の権限を剥奪されたということは、第10班の班長は年長のサラか、お披露目で首席だったルイーズかに絞られました。

ただ順当に考えればサラでしょう。そもそもルイーズは直前に、班長になるのは嫌だと言っています。本人は面倒だからと言っていますが、ひょっとしたら第65話でのベンジャミンとの会話も影響しているかも知れませんね。


しかし心躍らせるサラに対して告げられたのは、到底受け入れられない結果でした。


「班長は… ケイト 貴女です」


突然の宣告に驚くケイトとエミリコ。
対してサラとミアは顔面蒼白です。サラは煤を出しながらケイトの胸倉に食って掛かりました。彼女の言う通り、まさに「ありえない」任命でした。

およそ貴族とは言えない行動に出たサラ。
それをバービーのハンドベルが制します。

バーバラはサラのそうした態度が班長になれない原因だと諭しました。
ここに至っては、流石のサラも何も言い返せませんでした。ミアは額に汗を浮かべて、ただただ気まずそうにするだけです。


バーバラはこどもたちの前に向き合い直すと、最後の報告へと移りました。

その報告とは、こどもたちの棟に大人が視察に来るという内容です。
他のこどもたちは誰が来るのかと暢気にはしゃぎますが、「管理者」というからには十中八九エドワードでしょう。こんなに早くエドワードと相対することになろうとは、ケイトでも予想外だった筈です。再びケイトとエミリコに緊張が走りました。

バーバラは粛々と棟の規律正しさを示せば良いと語りますが、恐らくそう簡単にはいかないでしょう。早速、新たな難関がケイトとエミリコの前に現れました。


以上三つの発表を以て、報告会は終わりました。この後こどもたちは各自の部屋に戻ったのでしょう。
ケイトとエミリコも自分達の部屋に戻りました。


その道中、ふいにケイトの前にバーバラが現れます。

集会の後にケイトを呼び止めるバーバラといいますと、第二次亡霊事件直後の第57話が思い出されます。

ところが、あの時ケイトを疑いの目で見ていた時とは違い、バーバラの態度は正反対のものでした。

亡霊事件の解決の暁には大きな評価を与えると約束していたバーバラ。
それこそが班長の任命でした。

また、栄光の廊下でエドワードと交わした同意書も役に立ったと感謝の意を表しました。
やはりあの同意書はケイトが進言したものだったのです。

それもあってか、驚くことに今後ケイトの知恵を借りることもあるかも知れないと告げます。しかも「期待しています」という暗に信頼を寄せる一言付きです。

これは、バーバラが星つきになった時、マリーローズと決別したことを後悔しているからこその行動だと私は考えています。バーバラにとっても、あの過ちを繰り返したくないという想いがあったのかも知れません。


いずれにせよ、ここまでくるとケイトはバーバラの側近と言っても過言ではないでしょう。
二人は部屋に戻ると、暫しの喜びに浸りました。

これからも色々な困難が待ち受けていますが、きっと二人なら乗り越えられる筈です。
手を握り合わせながら今後の奮闘を誓う彼女達の姿に、エミリコだけではなく読んでいる方も思わず笑顔がこぼれます。

特にケイトが評価されたことで喜ぶエミリコが可愛いですね。
そういえば第59話でエミリコが少年たちに褒められていた時、ケイトは「エミリコを評価してくれる子もいて嬉しい」と言っていましたが、互いの事を自分のように喜ぶことのできるケイトとエミリコは本当にベストカップルだと思います。


しかしそんな二人を複雑な表情で見つめる1対がいることに、ケイトとエミリコはまだ気付いていませんでした。

実は、バーバラがケイトを相談役にすると話していた際、階段の上からサラとミアがそれを見つめていたのです。

あれだけ星つきを渇望していたサラ。

彼女にとって、今回の人事は承服しかねるものでした。

そしてサラの生き人形たるミアも、残念ながら同じような目をエミリコに向けることとなります。


ケイトが班長に任命されてから一夜明け、エミリコは起きぬけにようやく重大なことに気が付きます。


「私も… 班長ってことですか…!?」


……はい、その通りですね。読者含め、多分エミリコ以外は全員その認識だったかと思います。

しかしその事実にエミリコは慌てふためきます。班長って何をすればいいんだと呆然です。

ですが今はそんなこと考えている場合ではありません。なぜなら「生き人形の朝は早い。」からです。(第54話の連載時の冒頭柱文より)
ベルの音に急かされて急いで朝の掃除に向かいました。いざ班長就任一日目です。


待ち合わせ場所着くと、既にミアとルウがスタンバイしています。
ミアは腕を組みながら「班長の初日は遅刻ね」と言いました。

それに焦ったのか、寝ぐせのまま号令をかけるエミリコ。

しかしベルがいません。それに対し、ミアは「ねぇ 一体来てない」と指摘しました。

やはり班長になりたてですので、エミリコは色々と抜け落ちてしまっています。最初からうまくはいかないようです。

それに加えて、新班長にもう一つ難題が押し寄せます。

ベルが掃除に行きたくないと駄々をこね始めたのです。

裁縫道具を投げて嫌だと抵抗するベル。ルウのすす管清掃と勘違いしているという推測を聞いてエミリコはそーっとベルに近づくものの、ベルは壁に身を寄せて動きません。

暫くして、ようやくエプロンに着替えたベルをルウと一緒に部屋から引きずり出しました。


ですがエミリコはいつだって前向きです。

動揺している場合ではないと、絶対に班長をやり遂げると、エドワードの視察を乗り越えるんだと心の中で誓いました。


しかしそれ以上の難題が、エミリコの知らない場所で勃発しようとしていました。

一連の様子をじっと眺めるミア。
エミリコが起きてからずっと隠されてきた彼女の表情が、とうとう最後のコマに描かれていました。


額に眉間を寄せ、眉を吊り上げ、口を噤む……。

どう見ても好意的な表情ではありません。
サラだけではなく、ミアもまたケイトとエミリコの班長の就任に納得がいっていなかったのです。


初めてエミリコが屋敷で会った“生き人形”
ミアはこれまで、ずっとエミリコの良きお姉さんでした。


「こんにちは」をしたら「こんにちは」を返してくれたミア、
バービーに抗議しようとしたエミリコを制止してくれたミア、
深夜の見回りのために地図を描いて窓から渡してくれたミア、
お見舞いに来たエミリコに悪戯しつつ抱き締めてくれたミア。


あの素晴らしい光景はもう戻ってこないのでしょうか。

第13話の時のように「あれはサラ様の感情よ、うふふ!」となって欲しいところではありますが、今回のエピソードを見る限りそれは期待できないでしょう。


果たして、二人の関係はどうなってしまうのでしょうか?

少なくとも、前の日の晩にサラとミアがどんな行動をしていたのかと想像すると、この件については簡単に解決できないことは明白です。


ただ一つの救いは、エミリコの班にルウがいることです。
ルウの慈愛に満ちた笑顔を見ていると、ひょっとしたら彼女の洗脳は解けつつあるのかも知れません。

そしてルウの主人・ルイーズはサラと良好な関係を築いていました。

今回発生したケイトとエミリコ・サラとミアの確執を乗り越える鍵は、ルイーズとルウにあるのかも知れません。


お披露目でリッキーをこき下ろしていた時は、まさか彼女達に癒しと期待を求めることになろうとは想像だにしておりませんでした。

エミリコ班に生じた“分断”を解消するため、ルイーズとルウには是非とも頑張って欲しいです。


あ、でもルイーズのことだから「面倒臭そうだしやだなっ」とか言いそう……。