あの謎めいた雰囲気はどこへやら。

第25話で、一気に小物臭を全開に漂わせたエドワード。

それもその筈。
5組の新人たちの前では “特別な生き人形” などと強調しておきながら、実は自身も評価される側の立場だったというのですから、噴飯ものです。

こんなことが5人のお影様に知られたならば、間違いなく馬鹿にされることは必至でしょう。
私がジョンの立場だったら、エドワードを翻弄するために、ありとあらゆる手段で“お披露目”を引っ掻き回しますよ。

まああまり派手にやりすぎると墓穴を掘るので、目立たないようにやらなくてはなりませんけどね。

でも、パトリックの人形を荒々しく扱っただけで抗議したジョンのことです。
今のエドワードの立場を知ったならば、必ずや心外な気分になるでしょう。

他の4人と協調して、エドワードをとっちめ始めるかも知れません。

実際に、路地で立ち止まって物思いにふけるエドワードの横を5人のシャドーが通り過ぎていく描写がありますしね。
(背景の石畳の模様が変わっていないことから、エドワードが立ち止まっていることが分かるかと思います。)

順番的に、庭園を見てみたいとはしゃいでいたルイーズが最初に姿を消し、次に男子二人組、次いでケイトが、最後に未だ何もしゃべらない不思議なお影様・シャーリーが歩を先に進めています。

これで次回、
‟思い思いに庭園を駆け巡る5人を制止できない試験官”
なんていうコミカルな展開になったら、きっと胸がすく思いでしょう。

ぜひとも、相手が‟特別”とはいえ、そして自分達が“半人前”とはいえ、生き人形に従うことはないなんていう毅然とした態度をとる5人を見てみたいなと思います。


とりあえず次回の願望は置いときまして、本題です。

エドワードが今回の“お披露目”で務めている“試験官”という肩書ですが、既に触れた通り、彼もまた何者かによって審査の対象となる立場のようです。

ということは、当然エドワードよりも地位の高い、より上位のシャドーと生き人形がいるということになります。

果たしてそれはどんな存在なのでしょうか。

他の話で出てきた断片的な情報を基に、想像していきたいと思います。
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“試験官”という肩書の立ち位置について考える前に、少し(かなり)回り道をしたいと思います。


生き人形の肩書としては、既に“星付き”という地位が何度か取り上げられています。

具体的に言葉として出てきたのが、第14・17・20・21・22話です。

各場面ごとに、
“星付き”
“星つき”
と表記が異なるのですが、今記事では“星付き”で統一させて頂きます。

まずは14話です。
この時はバービーが亡霊騒ぎにおいて、前線で指揮を執っていますね。
ローズマリーの発言から、何かトラブルがあった際に指示を仰ぐのが“星付き”のようです。


次が17話です。
バービーが、過日の亡霊騒ぎについて生き人形に尋問しています。
生き人形達の前に出る際に、同じく星を付けた少年の生き人形がお立ち台を準備していることから、“星付き”は複数人居るようですね。
または、男女各1名ずつ任命されているのかも知れません。
この話の中で、バービーに反抗的な態度をとったショーンをリッキーが“面汚し”と罵って殴っていますが、この描写から、

“星付き”>普通の生き人形

という図式が成り立っていることが分かります。
また、ミアのエミリコに対する忠告から、バービーの主人も実力者であることが判明しています。

バービーが“星付き”だから主人も出世したのか、それとも主人の七光りでバービーが“星付き”に抜擢されたのかは分かりませんが、とにかく目を付けられないようにしなければいけないようです。


3度目が20話の終盤です。
見廻り三人組の成果をバービーが公表した後、ミアがはしゃぎながらエミリコに話しかけているシーンです。
この時ミアは、すす処理の間の中間施設は"星付き"の管轄だと言っています。
つまり、"星付き"と普通の生き人形とでは、与えられる情報に差があるようです。


4度目の21話では、エミリコもそう認識していると伺わせる描写がありました。
“お披露目”を翌日に控えているのに眠れないエミリコが、『余計なことは全部ノートに書いて忘れちゃおう』をした時のことです。
もっと色々なことが知りたい、と屋敷の外のことに思いを馳せるエミリコ。
そこで考えついたのが、"星付き"になることでした。

なお、この回でエミリコは天井を指さして、『目標は‟星付き”!』と高らかに宣言していますが、その指がさす上の階では、まさにその時サラが、“星付き”になりたいがあまりに、ミアにお仕置きをしていました。

サラの発言からは、より具体的なことが分かります。

まとめてみると、
・“星付き”には努力次第でなることができる。
・“星付き”になることは、“偉大なるおじい様”に認められるということである。
・そのためには、生き人形の力が欠かせない。

とのことです。

どうやらシャドーにとって、“星付き” になることは名誉のようです。


このことについては、5度目となる22話でリッキーの主人・パトリックが触れています。

“お披露目”だけではなく、既にその先の“星付き”への道も見据えて話す二人。
そのためならば、他のシャドーと生き人形を蹴落とすことも厭いません。

パトリックの語り口から察するに、“星付き”とはただの名誉だけではなく、“偉大なるおじい様”に愛される資格・称号でもあるようです。

まるでそれこそが、シャドーとして生まれ、生きていく目的そのものとでも言いたげです。

少なくとも、サラとパトリックが“星付き”を目指しているということは、他にも“星付き”になりたがっているシャドーがいてもおかしくはありません。

“偉大なるおじい様”が一体どんな存在なのか分かりませんが、ローズマリーが授業の際に『シャドーハウスの王』とか、『生き人形の生みの親』と言っていることから、この館の絶対的な支配者であることは疑いようがないでしょう。

この“偉大なるおじい様”からの寵愛を得ること。

それ即ち、シャドーとしての生きる意味なのかも知れません。

数年前に、ヤングジャンプで“ローゼンメイデン”という作品が連載されていました。
魂を持った人形が創造主である“お父様”からの寵愛を得るために姉妹と闘う、という作品でしたが、それと少し似ていますね。
(現在、ウルトラジャンプにて新シリーズが連載中です)

すみません、話が逸れてしまいました。

さて、ここからが本題です。

今まで“星付き”について書いてきましたが、ここで二つの疑問が生じます。


一つは、サラやパトリックがこれほどまでに渇望する“星付き”という地位。
これについてケイトがエミリコに、全く話をしていないことです。

もちろん我々が見ている外で話をしているのかも知れませんが、エミリコはケイトが“星付き”を目指しているのかどうかすら知らないと21話で語っています。
だとしたら、話をしていたとしてもほんの一言二言でしょう。

また、11話でサラと会うまでは“偉大なるおじい様”の存在も知らなかったようなので、ケイトからは何も教えて貰っていないようです。

24話の最後にケイトは、これまで話さなかった秘密を全部エミリコに打ち明けようと決心していました。
もしかしたらその内容とは、シャドーハウス内におけるお影様の権力争いやその歴史についてなのかも知れません。


二つ目の疑問が、ここまで絶大な地位を誇る“星付き”という肩書。
この肩書は、シャドーハウスの中でどのくらい高い地位なのでしょうか。

今度こそ本当に、本題に入ります。

シャドーや生き人形が他人を蹴落としてまで掴みたい“星付き”という地位。

ずばり、

‟星付き”

とは、実は生き人形の中で最上級の称号なのではないでしょうか。

そして、“特別な生き人形”は、“星付き”よりも下に属する地位なのではないでしょうか。


私管理人がなぜこんなことを思ったのかというと、当初は、

“特別な生き人形”>“星付き”

と漠然と考えていました。

ところが第25話を読んでみると、その割にはエドワードの態度が、“偉大なるおじい様”の側近とは思えないほど焦っているのが不思議でした。

仮にサラやパトリックが、“星付き”という肩書に過大な期待を寄せているだけなのであれば、ケイトが無関心なのも含めて説明はつきます。

ですが二人の話を信じるのであれば、この二つの地位の力関係は、

“星付き”>“特別な生き人形”

とするのが自然ではないでしょうか。

見かけの印象からは、バービーよりもエドワードの方が偉いように見えます。

ですが、実はエドワードの方がバービーよりも下位だと考えれば、辻褄は合います。


以上のことから、この“試験官”という肩書は、“星付き”になるための前の段階だと推測できます。
そして、“お披露目”の腕前が十分だと認められたら“星付き”に昇格できるというシステムなのではないでしょうか。


もしこの仮説が正解であれば、ラムの班の生き人形の少女の発言も納得がいきます。

『過去に‟生き人形”を処分に追いやったこともあるみたい』
『要らない“生き人形”をね』

これはバービーが、“お披露目”の試験官時代に何人かのシャドーを落とし、生き人形を処分したことを指しているのかも知れません。

なるほど、それならばバービーが恐れられるのも分かる気がします。


しかし、そうなるとエミリコは大変な目標を掲げてしまったものだと思います。

ひょっとしてケイトは、そういった争いごとにエミリコを巻き込みたくなかったから何も話さなかったのかも……。
ケイトの性格からして、この可能性はかなり高いと思います。

下手したら、“試験官”が自らの地位のために、必ず一人は落第させていることにも気付いているかも知れません。


権謀術策渦巻くこの館で、果たして何が行われているのでしょうか。

シャドーハウスという名の如く、物語の行く末もまだ真っ暗で、何も分かりません。