今回の見所はなんといっても、コロコロ変わるエミリコの表情ではないでしょうか。

パンちゃんを心配して首を傾ける仕草は愛らしく、オブジェから泥水が出て驚く表情は可笑しく、顔の汚れたショーンを見てショックを受ける泣き顔は、勘違いも相まってユーモラスです。

他にも、動物と生き人形の推理が見当違いと気付いた場面や、オレンジを膝に乗せてラムとショーンを待っている時の笑顔、ベンチの推理が外れた時の驚愕の顔や、ラムの謝罪を遮って訝し気にショーンにツッコむシーン、『亡霊が出た!』と騒ぐ顔や、木登りをしている時の元気な顔など、挙げればきりがありません。
ラストで上を見上げながら(読者から見るとこちらを見ながら)ケイトについて尋ねるシーンは、不思議と美人さんに見えます。

またエミリコだけではなく、ベンチで身を寄せ合って三人で景色を眺めている場面は、三人の仲の良さが良く現れていて、読んでいるこちらも思わずくすりとさせられます。
この格好のまま記念写真を撮りたい位ですね。
“お披露目”の記録係がもし居るのなら、ぜひ立候補したいところです。

あ、でも明るい写真ばっか撮ってライアンに怒られるのは嫌だなあ。
「オマエ、こんな面白くない写真ばっか撮ってくんじゃねえよ!(怒)」とか絶対言いそう…。

それはともかくとして、今回はやや骨休め的な感じのお話でしたが、これまたかなり気になる引きで終わっています。
しかも来週は休載。

ですが落胆することはありません。
シャドーハウスが待ち遠しい日々が続きますが、その分掲載時の喜びは2倍にも3倍にもなります。

次回のお話を楽しむためにも、これまでのストーリーを読み込んで期待を膨らませていきましょう!

ということでまずは今回第31話のおさらいです。
ネタバレを含むため、いつも通り続きからでお願い致します。
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動物のオブジェの前で知恵を絞る、深夜の見廻り三人組。
三人寄れば文殊の知恵とは言いますが、中々鉄格子が開く仕掛けが思い付かないようです。

もっともエミリコはパンちゃんのことを心配していたので、実質ショーンとラムの二人しか謎解きをしていません。
雑念が混ざっているのではいい考えも浮かびませんね。
エミリコにとって、悟りの境地はまだまだ遠いようです。

もっともこの仕掛けを作ったのはエドワードですので、文殊菩薩ほどの知恵がなくても、解き明かすのは可能なはずです。
しかもこちらには深い洞察を得意とする、ショーンがいます。
エミリコから、ショーンなら壁を登れば先に行けると言われても、せっかく合流したのだから一緒に行こうと返すナイスガイです。
彼の推理力を以てすれば、こんな仕掛けなどあっという間に突破です。

ところが、そんな簡単に事は運びませんでした。

まず、オブジェが動くことに気付いたエミリコ。
不用意に動かした結果、ショーンに泥水が浴びせられます。
思わずショーンを失格にさせてしまったと勘違いするエミリコでしたが、ショーンの言う通り、これは特には問題はありません。
汚してはいけないのはシャドーの服であって、生き人形がしてはならないのは、顔に傷をつけることです。
なのでこれはまだセーフです。
もっとも、このやり取りを後ほど再確認する破目になろうとは、彼らは思いもしなかったでしょうけども。

丸い石にまで気を取られているショーンを尻目に、再びエミリコが何かを思い付きます。
それは、5体の生き人形を動物に当てはめていき、6体のうち残った動物のオブジェが鉄格子の鍵になっているという推理です。

そこで次々と各生き人形を動物に当てはめていくエミリコとショーン。
しかし、これものっけから躓きます。

まずエミリコは犬だというショーンに対し、エミリコは自身が鳥だと言い張ります。
ルウは猫だという意見は一致しましたが、ショーンは羊だというエミリコに対し、ショーンは自身に羊要素があるか疑問のようです。
他にも絵だとハリネズミがリッキーで、ウサギがラムという風に当てはめたようですが、ここまできて二人はようやく気が付きます。

この推理は違うのではないか、と。

余談ですが、エミリコがショーンを羊に見立てたのは、イギリスのショートアニメ『ひつじのショーン』の連想からだと考えられます。
エミリコがこのアニメのことを知っていたのかどうかは分かりませんが、シャドーハウスは英国がモデルですので(多分)、ちょっとした小ネタだと思われます。
『ひつじのショーン』には他にも、“シャーリー”と呼ばれる羊が登場するので、何らかのヒントとなった作品なのかも知れません。これについては、また別記事にてまとめたいと思います。

それと更に余談ですが、ウサギの耳を付けたラムはきっと可愛いことこの上ないと思いますので、是非機会があれば、大きいコマで描いて頂けないかなあと思います。


失礼しました、どうやら私も雑念が生じていたようですね。
余談はここまでにして、先に進みたいと思います。

二人の推理が行き詰ったところで、ふいにラムが口を開きます。

それは、ベンチに座るエミリコと、ランタンが埋もれるほどに一杯になった荷車に驚くショーンを見ての思い付きでした。
曰く、ベンチの重さが何らかの仕掛けになっているのではないか、という推理です。

その推理にショーンは、三人掛けのベンチなのだから三人で座れば鍵が開くのではないかと言って、さっそく皆でベンチに腰を掛けました。

ところが、何も起こらず…

エミリコも迫真の顔で、「何も起こりません!」と叫ぶくらい、何もなかったようです。

自分で言っておきながら、そもそもベンチの三人掛けには何も意味はなかったと呟くショーン。
謝ろうとするラㇺを遮って、ショーンにツッコむエミリコの珍しい姿が見られました。

しかしただでは起きないショーン。照れ隠しに語った蘊蓄が、仕掛けの解明に繋がりました。

ベンチからじっくり景色を眺めたエミリコは、植栽の一部がウサギに見えると指摘します。
その様子を見ようと、エミリコに引っ付くラムとショーン。
実に微笑ましい光景です。

この何気ない一言で、とうとう鉄格子を開けることができました。
先へと急ぐ一同が向かうは、爆発音のあった黒い点のあった場所です。

しかし辿り着いた場所には、四散した木屑しかありませんでした。
そして、そこには男とみられるシャドーの足跡…

ショーンはそれを見て、すぐにジョンの足跡だと気付きます。
いつもは冷静なショーンも、煤焦げた現場を見て平静ではいられないようです。
彼にしては珍しく、焦った様子で足跡を追いかけます。

その先には、視界が悪いほど鬱蒼とした林がありました。
しかも、地図上では小屋と印があった場所には『フォリー』という作り物があり、ここも一筋縄ではいかない場所のようです。

なお、この『フォリー』については、よく “無意味な建物” とか、“鑑賞以外に用途がない建物”といった説明があるのですが、厳密にはこれを指し示す定義はありません。
実にふわふわした言葉です。
ただこれも、イギリス庭園によくみられる構造物です。

それにしても、ショーンは博識ですね。
ガレット・デ・ロワの時やベンチの時もそうですが、所々で彼の知識が問題解決に役立っています。
ショーンの目が悪いのは、もしかしたら勉強のし過ぎが原因なのかも知れませんね。

そんな彼ですので、エミリコがフォリーで遊んでいる間も、次の行程を練るのに一生懸命です。
真面目そのものです。

ところがショーンが探す主人は、実はエミリコの傍にいました。

ごく自然に会話に混ざって登場するジョン。
日差しを背にして、決めポーズで参上です。

主人が無事でほっとするショーン。
しかしその安堵は、長くは続きませんでした。

ショーンが目にしたのは、煤で汚れに汚れた、ジョンの服でした。

その姿に凍り付く見廻り三人組。

やはりジョンは、何も知らされていなかったようで、とても悔しがります。
しかしそんな状況でも、ケイトに知らせなくてはいけないと叫ぶジョン。

これが親切心から出た言葉なのか、ケイトに対する恋心が言わせた言葉なのか分かりませんが、少なくともジョンは一人だけが“お披露目”に合格しようなどとは考えていないことが伺えます。

そして、ケイトに会ったという言葉に食いついたのは、もちろんケイトの生き人形・エミリコです。

さて、ここからエミリコがケイトに出会うまでに、一体どのような道筋を辿っていくのでしょうか。
そして、ケイトの閉じ込められている姿を見て、エミリコはどうやってケイトを助け出そうとするのでしょうか。

5人の新人シャドーの立ち振る舞い・ルウ&パトリック組の動向・すすバトを寄越した上位のシャドーの思惑・エドワードの謀略…

これらの要素が複雑に絡み合いながら、まだまだ庭園迷路の冒険は錯綜が続きそうです。