ここ数日ネット回線が不具合でして、更新が滞ってしまいすみません。

ツイッターを覗くくらいなら支障がないのですが、ブログの管理画面を開こうとすると何故か繋がらないんですよね。(この記事も一瞬繋がったのでなんとか更新出来ました)

もしかしたら単に通信制限食らっているだけかも知れませんので、取り敢えず月末が過ぎるまで我慢しようと思います。


さて、いつもならシャドーハウスに関係ありそうでなさそうな話からあらすじ紹介に入りますが、今回はその余裕がないのでいきなり本題に入ります。


こどもたちの棟のリーダーから語られる回想編。

彼女を郷愁に誘ったのは、未だ掴むことのできない憧憬の追憶でした。
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クリストファーの名に違わず、彼は高潔な少年でした。


実はクリストファーの名が出てきた頃、私は勝手に金髪碧眼の美少年を想像していたのですが、前回ラストは良い意味で裏切られましたね。

うまく言葉で言い表せられませんが、ただ容姿端麗なだけではなく、爽やかな好青年といった印象を抱きました。
見た目の美しさももちろんですが、スポーツマンのような熱い面も同時に持ち合わせているかのような、絶妙なキャラクターデザインだと思います。


シャドーハウスはたくさんのキャラクターが登場するものの、誰一人埋没しない個性がそれぞれにあります。
読者感想を眺めているとソウマトウ先生のキャラデザに感嘆する声が時々見受けられますが、クリストファーに関しても同じことが言えそうです。

実際、前回ラストのクリストファー達を見て、彼らのカリスマ性を知らずの内に感じた方も多いのではないでしょうか?
初登場でここまでのインパクトを与えるとは恐るべしです。


ただそれもその筈です。

バーバラ達がお披露目に合格する前から、クリストファーはこどもたちの棟で耳目を集める存在だったからです。


その人望の源となっていたのは、彼の人柄と才能です。


まずは彼の才能です。

冒頭、彼はマリーローズとバーバラに対し“こどもたちの棟の改革”を持ち掛けます。

これまで漫然と行われていたお披露目の合格率を上げるため『新人への教育』を行い、その中心を“星つき”が担おうと言うのです。

つまりこれまで“お呼ばれ”が確定したという意味合いしかなかった“星つき”が、こどもたちの棟の指導者としてまとめていくということです。

脱落した新人達も適切な教育を受けていればあるいは……、と思い至ったマリーローズも興味津々です。その隣で夢中で聞いているバーバラとバービーの顔も輝いています。

クリストファーの才能は幸運にも、弱者の救済と明るい未来へと向けられていました。
これだけで彼達が慕われている理由が解ろうというものです。


しかし彼にはもう一つ、どんな人物でも引き付ける人柄を持っていました。

こどもたちの棟の改革案を話し合う3対。
そこに、ふいに見覚えのある柄の服を着たシャドーが割り込んできました。

若かりし頃のエドワードです。

見た目は今よりずっと若いですが、性格の悪さは変わっていません。

クリストファーの話に異議を唱え、バーバラには「役立たず」と辛辣にこき下ろしました。


ところが、ここでクリストファーのカリスマ性が発揮されます。

エドワードの発言に対し「率直な意見をありがとう」と感謝したかと思うと、その考えも尤もだと賛同したのです。

そしてそれに終わらず、「館は有能なシャドーを求めている」と言ったエドワードの発言を逆手に取って「この改革は長い目で見れば館への貢献になる」と返し、更にエドワードの自尊心をくすぐる一言を加えて場をとりなしました。


まさしく理想のリーダーの姿です。

誰一人傷つくことないように振る舞う彼の行動に、クリストファーというシャドーの人柄がこれでもかと現れていました。


そんなクリストファーとマリーローズを見て、もしかしたらバーバラにはお似合いのカップルに見えたのでしょう。

バーバラはマリーローズと2対っきりになると、こう問いかけました。

「マリーローズとクリストファーは……す…好き合っているのですか?」

しかし突然のバーバラの質問にマリーローズは高笑いし、あっさりと否定しました。

この後のシーンでクリストファーがシャドーと生き人形を別個と捉える発言をしていることから、もしかしたらローズマリーとクリストファーの生き人形には何らかの関係が進展していた可能性もありますが、とりあえずマリーローズとクリストファーには特別な感情はないようです。

そして意趣返しとばかりに君はどうなんだと返すマリーローズに対し、今度はバーバラがクリストファーは『憧れ』だと答えました。

どうやらマリーローズにもバーバラにも恋愛感情はなかったようです。

バーバラの肩を抱いて笑顔を向けるマリーローズ。
同期同士に和やかな時間が流れました。


暫くして、とうとう名実共にクリストファーがこどもたちの棟のトップになりました。
“星つき”の称号です。

後にバーバラが、この勲章がこれほどまでに輝いていたことはないと語った黄金時代が到来しました。

いよいよここからクリストファーの改革は本格化していきます。


まず星つきとマリーローズ組・バーバラ組が中心となって、それぞれの得意分野を活かした“授業”を行っていくこととなりました。

流石のエドワードもクリストファーの頼みとあれば断れなかったのでしょう。
めでたく識字と音楽の教師を務めることになりました。


また、クリストファーは生き人形の個性にも注目し、バービーをスポーツの教師に任命します。

やる気を出したバービーは明るい笑顔でランニングの掛け声を上げました。
その生徒の中には、今よりも遥かにスマートなベンジャミンとベンがいます。


こんな風にして、どんどんこどもたちの棟は賑やかになっていきました。


アイリーンの救護班にはスザンナが所属しました。

エドワードが手を焼くオリバーとオリー、ジェレマイアとジェレミ、リディアとリディはジェラルドの研究班へと迎え入れられました。


それ以外のこどもたちもクリストファーの授業に夢中です。

クリストファーのお話会に参加する幼い少年少女の中に、サラ組とダグラス組、ウィリアム組、ヘンリー組の姿がありました。

彼女達にもこんな時代があったのです。

これこそが、サラが以前語っていた「あの頃はみんな楽しかった」というクリストファー下のこどもたちの棟でした。


星つきになったことで一層こどもたちの人気者となったクリストファー。

姿を見かけたら誰もが声を掛けずにはいられないその様子は、彼らが強い求心力を持っていた何よりの証です。

クリストファーによって確実に変貌を遂げたこどもたちの棟。

彼が描いた変革は見事実を結びました。



しかし、そんな輝かしい時代は長くは続きませんでした。



クリストファーの“お呼ばれ”によって絶対的指導者を失ったこどもたちの棟。
そこにはかつてのように目を輝かせて集まるこどもたちの姿はありませんでした。

代わりに館を支配するのは静寂のみです。

雨音だけがこだまする館の中を、バーバラとバービーは肩を落として歩き続けるほかありませんでした。


本来であれば、バーバラと共にこどもたちの棟をまとめる筈だったマリーローズも、クリストファーがいなくなってから人が変わったように塞ぎ込んでしまっています。

マリーローズの部屋の扉の前で涙を流すバーバラの姿は悲痛そのものです。
この時の彼女の心中は察するに余りあります。
最早バーバラにとってこどもたちの棟に頼れるものは一つもありませんでした。


そしてとうとう、バーバラは取り返しのつかない過ちを犯してしまうこととなります。

落胆しながら歩くバーバラ。
そんな彼女の横には、これまで誰よりも傍にいたバービーも一緒にいました。

悲しみに暮れる主人を、何とか勇気づけようと必死に肩を抱く従者。

しかしこの時のバーバラにその気遣いが届くことはありませんでした。


突如大量に噴出したバーバラの煤。

至近距離でそれを受けたバービーは、当然無事では済みませんでした。


降りしきる雨の中、悔恨に嗚咽を漏らすバーバラ。

彼女に抱かれて横たわるバービーの額には、深く切り裂かれた傷がありました。


それと同時に、バーバラに植え付けられた心の傷。


クリストファーの喪失と共に刻まれた『消えない傷』は、そのままこどもたちの棟に残されました。