凄いどうでもいい話ですが、エドワードのスーツってかなり派手ですよね。

初登場の頃から「悪趣味」とか「目がチカチカする」なんて言われていましたが、黒地に黄色という配色の時点でかなり奇異です。
しかもそれが花柄というのですからもうお腹いっぱいです。胸やけがしてきそう…。


ちなみに「花柄」と「スーツ」でWeb画像を検索してみると、これまた賑やかな写真がずらっと出てきます。どれも街中ではまず見ないデザインばかりです。というか、どうみてもカタギの人が着る服では…(以下自粛)

ただよく見てみると、ほとんどが「演出服」「舞台服」「ステージ衣装」として出品されています。
要するに普段使いではないということですね。言われてみれば、確かに舞台映えしそうではあります。

服飾史に詳しくないので何とも言えませんが、近世欧州ではこういった服が流行っていたのかも知れません。そうすると現代人の目には奇異に映る服も、“貴族のまねごと”をするシャドーハウスでは至って普通なのでしょう。

ソウマトウ先生はpixivFANBOXで参考資料を紹介していましたが、その本の中に英国の服装に関する資料が数点ありました。もしかしたらその中にはケイトやジョン、そしてエドワードが着ているような服も載っているのかも知れませんね。


しかしフィクション、それも二次元とはいえ、あのスーツを着こなしているエドワードはある意味凄いと思います。現実世界ではどんなに美麗な男性でもあの柄が似合う人なんていないんじゃないですかね?
強いて言えばTHE ALFEEの高見沢氏とかぐらいでしょうか。海外の俳優とかまで調べてみればもうちょっといそうですが、それでもごく少数でしょう。


シャドーハウスは容姿端麗なキャラクターしか登場しませんが、漫画やアニメでよく見受けられる「イケメンしか出てこない」「美少女しかいない」といった批判を、物語の設定で無効化しているのは非常に巧みだと思います。その上で通常の人間であれば到底似合わない服をサラッと着せるとは実に策士ですね。

前話でバービーは「ケイト様は少し策士過ぎる」なんて言っていましたが、ソウマトウ先生の一方は頭から煤を出す赤いドレスのお嬢様なのではないかという考えが、再び頭をもたげてきました。


第86話は、そんなハイレベルなこどもたちの棟での権力争いを制し、“二階”まで辿り着いたエドワードが主役のお話です。



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性格が悪いなんて言われるエドワードですが、目上に対してはちゃんと敬意を払っています。

“2階”の住人であるエドワードの目上といえば、この二つです。


一つは、シャドーハウスの絶対権力者である“偉大なるおじい様”

もう一つは、“3階”の重鎮方。


冒頭でエドワードの前で煙草を燻らせているのはその重鎮の一人、ジョゼフです。こどもたちの棟を視察したいと説明するエドワードの話を静かに聞いています。

内容は以下の通りです。


・視察は明日
・理由は亡霊騒ぎ(こびりつきの大発生)が起きたから
・これは“星つき”の管理が行き届いていない可能性が考えられる
・よって管理者として直接見に行きたい
・一体化の秘密は洩らさない
・そのため一人で行き、かつ顔も名前も出さない


これを聞いてジョゼフは納得したのか分かりませんが、偉大なるおじい様の役に立つために働けと返しました。

「偉大なるおじい様のお役に立つべく働くが良い」という言い回しは、エドワードの申し出に賛同したのか、それとも消極的な後押しなのか、はたまた黙認なのか不明ですが、とにかくGOサインは出ました。

失敗した時に言い逃れができるような余地を残しているのが気がかりですが(視察が失敗した場合『偉大なるおじい様の役に立つという条件の下で許可を出した』とか言い繕ってエドワードを見捨てるとか)、何はともあれ許可は取ったのですからあとは実行あるのみです。

この未だに顔を出していないジョゼフの正体も気になるところですが、取り敢えずエドワードの直属の上司という立場のようです。一体どんな“顔”をしているのかは今後の楽しみにしておきましょう。


ジョゼフへの説明を終えたエドワード。
廊下を歩く彼に難癖をつける者が現れました。

前こどもたちの棟の管理者・トマスです。

相変わらずの不精髭に、何故か葡萄を房ごと持ち歩くという奇妙な格好でエドワードを呼び止めました。
エドワードは面倒な奴が来たとばかりに冷徹な視線をトマスに向けます。


トマスがエドワードを呼び止めた理由は「詮索」と「警告」です。

エドワードが此度行おうと考えているこどもたちの棟への視察は、管理者として前例のない行動です。
その予定を聞きつけたトマスは、何か疚しいことがあるのではないかとエドワードにしつこく絡みました。

しかしエドワードは平静です。ひたすら沈黙を貫きます。
恐らく話をする価値さえないと思っているのでしょう。

黙ったまま冷たい目でトマスを見やります。


動揺さえ見せないエドワード。
挑発するトマス。


先に痺れを切らしたのはトマスの方でした。
いきなり手に持っていた葡萄を噛み千切るや否や、大声を張り上げます。


「小僧が調子に乗るなよ!!」


そして床に転がった葡萄を踏み潰しながら、お前らもせいぜい潰されないよう気を付けろと言って去っていきました。


場面は変わって、舞台はエドワードの部屋へと移ります。(左奥にピアノが描かれています)

エドワードが呼び寄せたのか、ジョゼフの部屋に行っていたエドワードを待っていたのか分かりませんが、そこには立ったまま話を聞くアイリーンとジェラルドがいました。

エドワードは腕を組んで難しい顔でソファに座っています。


トマスとの会話の内容を聞いたのでしょう。
アイリーンとジェラルドは、その場にいなかったというのに不快感を露にしました。

殺意を隠そうともしていません。
エドワードの制止がなければ、今すぐにでもトマスに決闘を挑みそうな勢いです。

そういえば第72話でトマスがシャドー化したのを見て即座に反応したのも、アイリーンとジェラルドでした。あの時はトマスが臨戦態勢になったのを見ての行動だと思ったのですが、どうやらアイリーンとジェラルドは血気盛んな性格のようです。

特にアイリーンは、前回トマスをかなり挑発していました。その上今回は登場してすぐの「殺してやろうかしら」発言ですから、かなり頭に血が上りやすいタイプと見受けられます。


もしもケイトと対峙したらと考えると、さぞかし壮絶な舌戦が繰り広げられそうですね。
現場にいたら心が耐えかねそうです。見たいような見たくないような…。
あ~~、想像しただけで恐い恐い!


ところが、以前は3階に上がるのは自分達だと大口を叩いていたエドワードですが、今回は慎重な姿勢を崩していません。実をいうと、エドワード達にはすぐに攻勢をかけられない理由があったのです。


それは2階のパワーバランスです。

長らくこどもたちの棟の管理者だったトマスに対し、2階に上がったばかりのエドワード達はまだ立場が弱いため、思うように動けない状況だったのです。


おまけに、詳細は明らかではありませんが2階の現況は“トマス派”が多数だそうです。

2階の住人が何人いるのかはまだ描かれていません。
しかし、トマスがクリストファー時代からこどもたちの棟の管理者だったとすれば、かなり長い間実権を握っていたのは間違いないでしょう。

エドワードが管理者になったからといって、2階の先住者達がおいそれと新参者に与しない複雑な事情があるということです。こうなるとトマスの肩を持つだけではなく、積極的にエドワードを追い落とそうと狙う人物もいるかも知れません。

バーバラやケイトの前では余裕そうな態度を崩さないエドワードですが、大人の棟ではまだまだ不安定な立ち位置であることが分かりました。


現状を踏まえ、エドワードは第一にトマスを再起不能にすべく対策を練り始めました。

廊下での難癖を見てもそうですが、トマスはエドワードのやることを逐一気にかけています。エドワードから見ればやりにくいことこの上ないでしょう。

それに重鎮達を引きずり下ろすことも大事ですが、こちらはトマスに比べれば喫緊の課題ではありません。なぜなら、管理者として業務報告をしても特にうるさいことは言われないからです。
ライアンでさえ、マリーローズの“お呼ばれ”が失敗したと聞いても、嫌味を言うだけでそれ以上は何も咎められはしませんでした。

それなら一気に3階を目指すよりも、降りかかりつつある火の粉を払うことの方が優先です。


しかしここでエドワードは手詰まりになりました。

トマスの地位を崩すには彼の失態を明らかにすれば良いのですが、その効果的な方法である『バーバラからの権力の剥奪』は難しいのが実態だからです。


マリーローズが館への反抗心を持っていたことは既知の事実です。

そしてマリーローズと親しかったバーバラも、エドワードから見れば“反乱分子”の可能性は否定できません。例えそれが事実でないとしても幾らでも濡れ衣を着せることは可能です。ならば管理者としてバーバラを“星つき”から解任すれば話は早いでしょう。

ところが、館全体の6割もの煤を生産するバーバラはシャドーハウスにとって非常に重要な役割を担っていました。即ち、館のエネルギー供給を左右する存在だからです。

すす出しはこどもたちの役割であり、その観点から見ればバーバラを失うことは館にとって多大な損失となることでしょう。それはまず推奨されない行為です。

かといって、星つきでもないシャドーが長い間処分もされずにこどもたちの棟にいるのは不自然です。ましてやバーバラは最年長ですから、星つきでなくなった瞬間に棟の中で非常に浮いた存在となるでしょう。バーバラの星つきの解任はできれば避けたい事態です。


そうすると、バーバラに関しては現状維持が最善策となります。

トマスがバーバラを星つきに据えたことで、トマスの盤石な駒として機能していることにエドワードは臍を嚙みました。この件に関しては打つ手なしです。


するとエドワードに残された選択肢は一つしかありません。


ケイトを反乱分子だと立証し、一気に2階と3階の先住者達を出し抜くことです。


しかし言うは易く行うは難しです。
ジェラルドはエドワードに勝算はあるのかと問いました。

その問い掛けに対し、エドワードは不敵な笑みを浮かべます。


「内側から壊せばいい」


視察とはただの名目であることがここで発覚しました。確かに裏工作を仕掛けるだけなら、姿を見せず名前を名乗らなくても“視察”は可能です。ようはケイトを罠に嵌めるだけでいい訳ですからエドワードにとってはローリスクハイリターンな手段です。

星つきが機能してようがしていまいが、そんなことはどうでも構いません。
狙うはケイトただ一人です。

ニタリと笑うエドワードの視線はこどもたちの棟へと向けられました。


大人達と同じく、権力争いを繰り返すこどもたちの棟。
そこには、ようやくまとまりを見せた第10班の姿がありました。


ケイトを中心に和やかな空気で歩く9人の少女達。


せっかくケイトが作り上げたこの班は、エドワードによって瓦解してしまうのでしょうか。

それとも、それをきっかけに更なる強固なチームとなるのでしょうか。


こどもたちの棟の管理者とは言えども、一瞬たりとも気を抜けない。
それがシャドーハウスです。

そんな運命に放り投げられたエドワードには一応同情はしますが、だからといって彼女達の日常を壊す資格は一切ありません。ましてや相手が可憐な少女であれば尚更です。


エドワードがどんな手を放つのかは色々想像できますが、いずれにせよ愉快な作戦ではないことでしょう。

そしてそれを迎え撃つケイトの脳裏には、どんな奥の手が隠されているのか。三度エドワードのやられた顔を見るために、ケイトだけではなく彼女を取り囲むキャラクター達にも大活躍して欲しいですね。


数多の登場人物が躍動するシャドーハウスの新章がどんな道筋を辿るのか、これからも楽しみです。