昨晩、TOKYO MXとBS朝日でアニメシャドーハウスの最終回が放送されましたね。

昨年10月16日のアニメ化発表から9か月。長いようであっという間でした。

ここ最近は雨続きですが、少し前の暑い日が続いた頃はティザーPVを見ながら「公開時は年末だったなあ」と思いながら涼んでいました。
それからは怒涛の情報解禁ラッシュで、毎日が慌ただしかったです。


ただ、今振り返るとそんな日々が一番楽しかった時間だったと気付かされます。

各キャラのアニメビジュアルの発表を待ち侘び、キャスト公開に驚きや喜びの声を上げ、本放送の日に心躍らせる……。

好きな作品の一大イベントを楽しみにする毎日は、本当に輝いていました。

またそんな時間が訪れるよう、これからも精一杯応援していければと思います。


ところで、本当に楽しい時間というものは「準備をしている時間」なんてよく言われますよね。

例えば、旅行なんかも実際に現地を訪れている間も楽しいですが、あれやこれやと期待に胸膨らませながら旅支度している時の感覚も捨てがたいものがあります。

私も旅行や登山をするのが好きなので、もちろん面倒なことも多々ありますが、それらの準備も旅の一つとして楽しんでいます。

また、資格試験なんかも取得した後よりも勉強していた時間の方が有意義に感じますし、結果だけではなくその過程の時間も大事なのでしょう。

夢や憧れは、手に入れた時よりもそれを目指して進んでいく時の方が楽しいのかも知れません。


そしてそれは、今回のエピソードでも一緒でした。

まだ見ぬ幸せを夢見る少年少女達。

その顔は希望に満ち溢れていました。


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前回ラスト、サーカスの舞台で華やかな姿を見せていたエミリコ。
今回も冒頭から華麗な姿を見せています。

何と綱渡りだけではなく、その上でお手玉をしているのですから凄いです。歓声を浴びるのも当然と言えましょう。第60話でオリバーの前でお手玉をしていたのも納得です。


そしてお手玉が終わると、次は大技を披露しました。

なんと、綱の上での逆立ちです!
しかも片手で手を振っているではないですか!!


これにはお客さんも大喜びです。

ショーンも妹もそれを見て歓声を上げ、弟に至っては両手で拳を握りしめています。また、サーカスに行かないと言っていたラムも笑顔です。小さなお手手を合わせて喜ぶ顔が可愛いですね。


ところが、客席に笑顔を向けていたエミリコに異変が襲います。

何かを見つけたように一点を凝視すると、それに気を取られたのか手を滑らせてしまったのです。

セーフティネットがあったので大事に至りませんでしたが、彼女のミスにすわ事故かとどよめきが起こりました。


ただ、ここは司会役の団長が機転を利かせます。

セーフティーネットに落ちたエミリコをピエロ役に回収させると、そのまま舞台裏へと連れて行かせたのです。

「使えないゴミは回収~!」という言葉に、これまでのシャドーハウスの「処分」という言葉が想起させられて胸が締め付けられますが、エミリコは笑顔で客席に手を振りました。

それもあってか、皆はあれも演出なのかとホッとします。大歓声と拍手でエミリコを送り出しました。トラブルはあったものの、プログラムは大成功です。


しかしそれにも関わらず、一連のエミリコに腹を立てている人物がいました。

舞台でエミリコをフォローした団長です。

エミリコと同じベストを着ているものの、この人物はエミリコとは元々関わり合いのある人物ではありませんでした。彼曰く、サーカスで仕事をさせることで身寄りのないエミリコに“飯を食わせてやっている”とのことです。
やはり、エミリコに家族はいなかったのです。

ですが、そんなことはこの強面の団長には関係ありません。エミリコに掴みかかると、怒りに任せて叩きつけます。挙句の果てに、雑用も芸もできないのだったら雇う理由はないと、クビを言い渡しました。

このサーカスがミラーサイドでは「初公演」という重大情報があったものの、正直読んでいてエミリコに感情移入してしまい、それに関しては二の次になってしまいました。エミリコの境遇を想うと可哀想で仕方ありません。


そんなエミリコとは対照的に、閉演したサーカスのお土産売り場では賑やかに話をする子供達がいました。ショーン達です。

サーカスのグッズを覗き込みながら和気藹々としています。その話題には、エミリコの綱渡りもありました。同い年くらいの女の子だったので印象的だったのかも知れませんね。

結局ショーンはお手玉を、ルウはピエロのぬいぐるみを買ったようです。ショーンの妹と弟もルウと同じぬいぐるみを持っていますね。この時のショーンからは、少しだけジョンへと写った要素が垣間見えました。


ただ、こんな風に後のシャドーの姿が思い出される光景はこれだけではありません。

この後、彼ら4人の性格がありありと分かるシーンが次々と描かれることとなりました。


そのきっかけとなったのは、ショーンがエミリコを見つけたことです。

柵で仕切られているというのに躊躇なくそれを越えて近づく悪ガ…、ではなくショーン。ラムは汗をかいて良いのかなと迷っているのに、ルウもリッキーもノリノリでそれに続きました。実にこの年齢の少年少女の行動っぽくて懐かしささえ感じます。


しかしそうしてエミリコの元へと駆け寄った4人が見たものは、舞台にいたような笑顔のエミリコではなく、一人寂しく泣くエミリコの姿でした。

膝を抱えて俯きながら泣いていたエミリコ。

4人を見て立ち上がり笑顔を見せますが、すぐに団長の「ヘラヘラ笑うな!」という言葉を思い出すと、顔を叩いてその笑顔さえ消してしまいます。幼い女の子にとってはさぞかし辛いことでしょう。

私も見ているだけなのに、辛い気持ちでいっぱいになってしまいました。


そんな彼女にショーンは何があったのかと聞きます。

エミリコはそれに答えたのでしょう。事の顛末を聞くと、4人はクビになったことについて驚きと同時に憤りを露にしました。

おまけに話をさらに聞いてみれば、名前さえ付けられていないというではありませんか。「綱渡り」「雑用」と呼ばれていたというエミリコの話を聞き、リッキーは「退団はむしろ正解」とまで言い切り、ショーンも眉をひそめて腕を組みます。

エミリコのサーカスでの扱いに対する二人の言動や行動は、後のジョンとパトリックを彷彿とさせる姿でした。


しかし、そんなエミリコの救いとなるであろうイベントが翌日に控えていました。

選別会です。

エミリコなら余裕だというリッキーの台詞を聞き、エミリコは興味を持ったようです。
加えて、ショーンとルウの説明を聞くと、エミリコもシャドーハウスに行きたいと瞳を輝かせました。


ただ、一つ問題があります。

選別会に参加するには「学校」に通う必要があることです。勉強もしたことがない、年齢も分からない、ましてや自分の名前さえ分からない村外の子供が選別会に参加する余地はありませんでした。


ところが、ここでルウが大胆な提案をします。

「ねえ!勝手に入っちゃえば?」

仕草といい発言といい、ルイーズを想起させる姿ですね。これで語尾に「っ」が付いていたらルイーズそのものの台詞です。今のルウからは想像もできない発言でした。


それに真っ先に呼応したのはリッキーです。
ですが、慎重なショーンは参加者はもう決定しているのではと疑問を挟みます。
片やルウは、校長は選別会に直接顔を出していないと指摘しました。

もはやエミリコが参加することはできないのか……。


その答えを出したのは、これまでずっと口を開いてこなかったラムでした。

実は、彼女は前回の選別会の当日、校長がライアンに名簿を渡していたのを見たというのです。


そうとなれば話は決まりました。自分なんかが参加して良いのかと躊躇するエミリコに対し、4人は口々にエミリコを励まし、そして5人でシャドーハウスで幸せになろうと語り掛けます。

これこそが、今の5人の始まりでした。

皆から背中を押されたエミリコは、決心がついたのか笑顔でお礼を言うと、さっそく荷物をまとめてくるとテントの中へと戻っていきました。


いざシャドーハウスへ参らんと袋に私物を詰め込むエミリコ。
ところが、この時不可解なシーンが描かれます。

なぜなら、正体不明の人物がテントの中にいたからです。

小道具の隙間から逃げ出そうとする、不可思議な人影。
エミリコは肩を掴んで顔を見ると、当日の朝に出会った人物であることを仄めかします。


ミラーサイドの描写において、サーカス当日の朝の様子は描かれていません。
ということは、この場面に関しては伏線となるようなシーンは見当たりませんので、考察しようにも全くのノーヒントです。

シャドーハウスでは珍しい構成なだけに、今後このシーンがどう活かされるのか楽しみであります。


さて、テントの中でそんな出来事が起こっているとは知らない4人は、エミリコが出てくるのが遅いと案じます。

ついさっき出会ったばかりだというのに、全員がテントの入り口を見て心配顔です。あのエミリコへの励ましは本心から出た言葉であることが、ほんの一コマで表現されていました。


そうこうしていると、ようやくエミリコが出てきました。背中には大荷物です。

ケイトは以前、エミリコはなんでも取っておく性格だからと言っていましたが、ひょっとしたらこの頃からそうだったのかも知れません。一体全体、中に何が入っているのか気になるところですが、それはここでは描かれませんでした。


エミリコが合流すると、5人は校長室へと向かいました。ラムの言っていたことが本当なら、当日シャドー家に渡す名簿も部屋の中にある筈です。それにこっそりエミリコの名前を書きこもうと、扉や窓に手を掛けました。


ところが、そう簡単にはいきません。当然ながら出入口には鍵が掛かっていたからです。

ルウは「校長しっかりしてるなあ…」と呑気ですが、これではどうしようもありません。ようやくあと少しでエミリコを選別会に参加させられるのに、歯痒いものです。


ですが諦めるのはまだ早いです。当事者のエミリコは、空を見上げると絶好の入り口を見つけました。


煙突です。


軽々と屋根へと駆け上がると、4人に手を振りながら煙突から校長室へと侵入しました。


さて、暖炉から部屋へと突入することに成功したエミリコ。既視感のある光景(2話の服で床を拭くシーン、92話の珈琲豆保管室の侵入)が、彼女が間違いなくエミリコであることを示しています。

幾分かして机の引き出しを漁ると、名簿らしきものがありました。
やりましたね、あとは名前を書くだけです。


ところが、ここでまたもや難題が降りかかりました。
この時のエミリコには、まだ名前がないからです。

どうしようと焦るエミリコ。そもそもケイトに仕え始めた時からほとんど文字も読めなかったわけですから、書く方に至っては絶望的でしょう。名簿を前にして頭悩ませます。


しかし、暫し逡巡すると、思いついたようにとある名を書き始めました。

「これなら書ける…」

何とも言えない表情で、目を細めて一生懸命に筆を動かすエミリコ。

恐らく彼女の胸中には、まだ見ぬ幸せと、励ましてくれた4人との新たな生活が思い描かれていたことでしょう。


そこに記された3文字。

それは我々にとってはなじみ深い、“ケイト”という名前でした。