なんと、またあの男が破格の待遇で登場しました。
作品史上21度目のカラー扉。
これまでのカラー扉は、各エピソードの顔として様々に彩られたシーンが描かれてきました。
しかし数多くのカラー扉において、単独で姿を見せたのは第9話と第36話のエミリコだけです。ケイトでさえ一人だけで登場したことはありません。
(第56話も考えようによってはエミリコ単独)
ところが、主人公のみに許された「聖域」ともいえるその領域に、初めて足を踏み入れる人物が出てきました。
その男とは、ケイトの最大の敵・エドワードです!!
TVアニメでも特殊EDが用意され、ラスボスとして描かれ、そして配信イベントでは同期組以外で唯一出演を果たしたエドワード。
それがとうとう原作でもこの扱いです。本ブログのコメント欄でも度々エドワードのスピンオフを期待する声が上がっていましたが、こうなってくると「影の主人公」と言っても過言ではないと思います。
いやはや、作中から抜け出して現実世界でも出世の階段を上がるとは、彼の欲求は留まることを知りませんね。そのバイタリティには見習うべきものがあります。
一体ここまでくるのにいくら積んだんでしょうね?
(いや、そもそもシャドーハウスに通貨の概念ってあるの…?)
さて、どんな立ち回りをすればこんな風に権力を手にすることができるのか不思議ですが、やはりエドワードには才能があるのでしょう。失敗はするしネタキャラに見られがちですが、何だかんだで頭の切れる男だと思います。
同期と共に館のために腐心する姿を見ていると、単純な悪役とは言い切れない魅力がありますよね。
実際に、作中でも偉大なるおじい様にもそれを認められています。
そして、彼は本エピソードでも見事な立ち回りで館の「勢力図」を書き換えに掛かりました。
単独カラー扉に相応しい「完璧な世界」
今回はエドワードのメイン回です。
作品史上21度目のカラー扉。
これまでのカラー扉は、各エピソードの顔として様々に彩られたシーンが描かれてきました。
しかし数多くのカラー扉において、単独で姿を見せたのは第9話と第36話のエミリコだけです。ケイトでさえ一人だけで登場したことはありません。
(第56話も考えようによってはエミリコ単独)
ところが、主人公のみに許された「聖域」ともいえるその領域に、初めて足を踏み入れる人物が出てきました。
その男とは、ケイトの最大の敵・エドワードです!!
TVアニメでも特殊EDが用意され、ラスボスとして描かれ、そして配信イベントでは同期組以外で唯一出演を果たしたエドワード。
それがとうとう原作でもこの扱いです。本ブログのコメント欄でも度々エドワードのスピンオフを期待する声が上がっていましたが、こうなってくると「影の主人公」と言っても過言ではないと思います。
いやはや、作中から抜け出して現実世界でも出世の階段を上がるとは、彼の欲求は留まることを知りませんね。そのバイタリティには見習うべきものがあります。
一体ここまでくるのにいくら積んだんでしょうね?
(いや、そもそもシャドーハウスに通貨の概念ってあるの…?)
さて、どんな立ち回りをすればこんな風に権力を手にすることができるのか不思議ですが、やはりエドワードには才能があるのでしょう。失敗はするしネタキャラに見られがちですが、何だかんだで頭の切れる男だと思います。
同期と共に館のために腐心する姿を見ていると、単純な悪役とは言い切れない魅力がありますよね。
実際に、作中でも偉大なるおじい様にもそれを認められています。
そして、彼は本エピソードでも見事な立ち回りで館の「勢力図」を書き換えに掛かりました。
単独カラー扉に相応しい「完璧な世界」
今回はエドワードのメイン回です。
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ミラーサイドに着いたエドワード達。
村を案内するのは、前話ラストで登場したテイラーでした。
ところがこのテイラー、癖のある人物です。ショーン達の前で見せていた温厚そうな人柄はどこへやら、エドワードらを一目見るなり「遊び半分で来たのかね?」とさっそく嫌味を言います。
しかも言動だけに留まりません。この後も、彼はずっと不遜な態度を取り続けました。
例えば、村の案内用にと馬車を用意していたのですが、置いてあるのはなぜか二人乗り用の馬車でした。そして白々しく「おおっとしまった」などど言いながら、あぶれたアイリーンとジェラルドを煽るテイラー。エドワードの表情は見る見るうちに険しくなっていきました。
ただ、テイラーには三つの誤算がありました。
一つ目は、アイリーンが強烈な毒舌家だったことです。
テイラーの嫌味を意に介さず、「臭そうだし」と本人の目の前で言い放つアイリーン。品がないと言われようが、テイラーと同じ空間にいたくないという意志を見事一言に凝縮させました。
この時のテイラーの表情は見えませんが、果たしてどんな顔をしていたのか。少し気になりますね。
しかし、馬車の中のテイラーは余裕そうな振る舞いを見せました。エドワードと向かい合わせに座ると、ここぞとばかりにネチネチとエドワードに自慢話と講釈と説教を垂れます。
なぜ彼が横柄に振る舞っているのかと言いますと、どうやらミラーサイドの村の管理者は「大役」だからだそうです。テイラーは単なる校長先生ではないということです。
では彼は一体何者なのかと言いますと、人間のフリをしているシャドーです。詳しく言いますと、ショーン達の前で見せていた「校長先生」というのは表向きの顔で、実際にはシャドーハウスから遣わされた、村全体を統括する責任者だったのです。
驚きました。シャドー家といえば、貴族の物真似をしている一族です。にも拘らず、なぜ貴族たるシャドーが館の外で働いているのでしょうか。そして、それをなぜ得意げに話しているのでしょうか。
また、今話の終盤近くでも、豪華な服を着ているエドワード達に「立派な服に見合っていない中身」とこき下ろしていました。テイラーの管理するミラーサイドは、第103話でショーンが言っていたように館で使用する服を作る工場がありますが、そうするとテイラーは間接的にエドワード達のために仕事していると言っても間違いではありません。
こう考えると正直言って意味不明です。「村の管理人」など、普通であれば屈辱的な人事でしょう。
ただ、それには深い意味がありました。馬車が領内を進むにつれて、テイラーがなぜミラーサイドの管理者を引き受けているのかが徐々に明らかになっていきます。
ミラーサイドがなぜ重要な場所か。
それはまず、館との位置関係が挙げられます。
テイラーとエドワードが狭い馬車に揺られる中、広大な大地を走る馬車。
その馬車の上には、広大な風景に見とれる美男美女がいました。
実に良い画ですね。
まあアイリーンとジェラルドなのだから顔立ちが整っているのは当たり前ですが、こんな風に描写されると馬車の上に乗るのを「品がない」なんてとんでもないです。むしろ、ずっと眺めていたいくらいのシーンです。
さて、そんな真下の馬車の中とは違う雰囲気の中、アイリーンとジェラルドは地図を広げました。
前話のあらすじで、荷物を一杯持っているジェラルドを「深夜の見回りの時のショーンみたい」と書きましたが、何でもかんでも持ち歩く様子はお披露目の時のエミリコみたいですね。枕まで持って来たのを見てアイリーンも驚き呆れています。思わず、庭園迷路で荷車を選んだエミリコと、坂道があったら大変だと言っていたショーンを思い出しました。
更に、ジェラルドはもう一つエミリコらしい行動に出ます。なんと、島の地図を持って来ているというのです。
シャドーハウスで地図と言えば、深夜の見回りと対マリーローズ戦で地図を広げていたエミリコが真っ先に思い浮かびます。
こう見てみると、なんだかジェラルドとエミリコは相性良いんじゃないかと思えてきました。真顔で変なことを考えこむ様子も研究班の後輩・オリバーに似ていますし、もしもジェラルドがまだこどもだったら第60話の研究班みたいに喜んでいたのではないでしょうかね?
さて、話を戻しましょう。
ジェラルドが持ってきた地図から分かるのは、ミラーサイドがシャドーハウスからかなり近い場所にあることです。シャドーハウスのある崖の上を降りてきて、一番最初の村がミラーサイドです。いわば、館が外の世界に進出するための足掛かりとなる地点と言えましょう。
それだけで、ミラーサイドが重要視されていることが分かります。テイラーの言っていたことはでまかせではなかったのです。
また、地理的要因だけではなく、ミラーサイドが重要視される理由が途中にありました。
それは「森」です。
ケイトが第112話で踏み入れていたこの森。ジェラルドによれば「モーフの森」と呼ばれているそうです。(私もそれに則って、今後この場所を記す時は「モーフの森」と呼びたいと思います。)
途中で馬車を降りて案内するくらいですから、さぞかし重要な場所と想像できますが、実際にテイラーはこの森を指しながら「最も重要な村」である理由はミラーサイドには「モーフの森」があるからだと語りました。
ところでここで一つ感じたのですが、仮にテイラーの言う通り「モーフの森」がミラーサイドを「最も」重要な村に押し上げているとすれば、モーフが生息しているのはこの森だけということになります。
それが故、「聖域」としてモーフと森に関する事柄は詳しく調べられていないようですが、ここでジェラルドがテイラーに尋ねていたように、なぜもっとモーフを研究しないのかが少し疑問です。
テイラーはこの件について、「背徳的で品のない考え」「モーフがシャドーに生まれ変わるのは自然の摂理!」と切り捨てました。
ただ、このジェラルドの疑問は、ひょっとしたら謎多き生命体・モーフの起源の解明に繋がるかも知れません。この辺りも、もし時間があれば考察したいと思います。
さて、そんなこんなでようやく目的地に着いた一行。
玄関の屋根が特徴的な形をしたこの建物は、ショーン達が通っていた学校でした。
ということは、テイラーが寛ぎ、エドワードが機を伺い、アイリーンとジェラルドが窓の外を見ている部屋は、第104話でエミリコが潜入に成功した校長室です。
テイラーは知る由もありませんでしたが、エミリコ達がテイラーを出し抜いたこの部屋で、エドワードも爽快にテイラーに一泡吹かせることとなります。
ソファに腰掛けながら、自身の権力について得意げに放言するテイラー。自分が不利になるなどとは夢にも思っていない彼は、何度も繰り返してミラーサイドを担当する自身の有能さを語り続けます。
「聖域」たるモーフの森、
「光栄」な仕事場であるドレス工房、
「最古」の選別会場
・
・
・
髭を撫でながら品のない笑顔でミラーサイドの重要さを語り、そんな重要な場所の管理人である自分自身も、さも素晴らしい存在だと言うようにテイラーは自賛します。
しまいには、館で出世したいなら媚び諂えとまで言い出しました。
ただ、テイラーは自身の権威が剥がれ落ちそうになっているのに気が付いていませんでした。
なぜなら、やっぱりテイラーはエミリコが選別会に潜り込んだことに気が付いていなかったからです。
幸いエドワードも気が付いていなさそうですが(いや、どうか気付いていないで欲しい)、読者に対してはこの時点でテイラーの無能さが露見しました。偉そうに「管理人」だと言っていますが、生徒のこと、それも選別会の書類さえ管理し切れていないのに何が「管理人」でしょうか。
これまでの胡散臭さが一気に確信に変わった瞬間と言えましょう。
そして、二つ目の誤算がテイラーに襲い掛かります。
それはエドワードが想像以上に高い地位を得ていたことでした。
「こどもたちの棟の管理者である私も肝に命じておきます」
エドワードのこの言葉を聞いた瞬間、テイラーは急に狼狽えます。
それはエドワードが“こどもたちの棟の管理者”という高位にいるだけではなく、トマスの失脚も意味していたからです。
有利と見るや、エドワードは館の現状について滔々と語り始めました。
・選別会のペースが速いのは館がシャドーの増産に舵を切ったから
・島外の移住を促しているのは人間不足を補うため
・子供の選別はこれからより重要になる
・各地域の競争は熾烈になる
・その評価は“お披露目”“お呼ばれ”の結果で明らかになる。
・“お披露目”“お呼ばれ”の選ぶのはこどもたちの棟の管理者
→つまりエドワードの手のひらの上!
・でもミラーサイドはそれでも超重要な村
・ならば管理人も優秀であるべき
・その人事を結果的に左右するのは選別会に出る「献上品」の優秀さ
・「優秀さ」を決めるのは“お披露目”と“お呼ばれ”の結果
→やっぱりエドワードの手のひらの上!
少し私の解釈も入っていますが、概ねこんな調子でエドワードはテイラーを追い込んでいきました。
そして最後は、エドワードご自慢の紅茶がテイラーに差し出されました。
エドワードと紅茶といえば、アニメでも紅茶を愛飲している様子が描かれていましたね。ということは、さぞかし美味しいお茶でしょう。
なによりも、これはテイラーがエドワードを顎で使って淹れられた紅茶です。美味しくないはずがありません。
しかし、恐らくテイラーは全く味がしなかったことでしょう。
顔面蒼白、冷や汗だらけの顔で、握りしめた拳が見えないよう机の下に隠しながら、震える手で紅茶を飲むよりほかはありませんでした。
これぞ、エドワードの「完璧な世界」です。見事完膚なきまでに叩き潰しました!
(多分「お遣い」というのは、館の現状を島内のシャドーに伝えることを意味していたのだと思います。ということは、エドワードはここでようやく本題に入ることができたということでしょうか?よく耐えてましたね)
そして最後のテイラーの誤算は、ジェラルドが研究班出身の天然キャラだったことです。
今話の随所でズレた性格を発揮しまくっていたジェラルド。アイリーンの「臭そう」という台詞を本気にしていたのか、テイラーにとあるお土産を渡しました。
去り際に渡したその品は、研究班ご自慢の香水です。
(そういえば第117話公開直前に、シャドーハウスの香水グッズが発表されてましたね)
出鼻をアイリーンに挫かれ、エドワードに叩きのめされ、最後は皮肉とも本気とも言い切れないジェラルドの嫌がらせ。
あれだけ馬鹿にしていた若者たちが去っていくというのに、テイラーには立ち上がる気力さえなくなっていました。
ミラーサイドを後にして、汽車に乗って談笑するエドワード達。
その表情は実に明るいです。テイラーにやり返した爽快感と、“こどもたちの棟の管理者”という地位が案外有用だと分かって、今後が楽しみで仕方ないと言ったところでしょうか。行きの列車では三人とも離れて座っていましたが、もしかしたらあの時は全員緊張していただけだったのかも知れませんね。
そしてエドワードは、留守になったこどもたちの棟へと思い馳せます。
“こどもたちの棟の管理者”の代理という大役を任されたルイス。
エドワードの期待に同調するかのように、自信に満ちた眼差しでバルコニーに立ちます。
彼が今受けている風は、果たしてケイトにとっての追い風か向かい風か。
ひょっとしたら、それは棟を巻き込む「狂風」になるのかも知れません。
ミラーサイドに着いたエドワード達。
村を案内するのは、前話ラストで登場したテイラーでした。
ところがこのテイラー、癖のある人物です。ショーン達の前で見せていた温厚そうな人柄はどこへやら、エドワードらを一目見るなり「遊び半分で来たのかね?」とさっそく嫌味を言います。
しかも言動だけに留まりません。この後も、彼はずっと不遜な態度を取り続けました。
例えば、村の案内用にと馬車を用意していたのですが、置いてあるのはなぜか二人乗り用の馬車でした。そして白々しく「おおっとしまった」などど言いながら、あぶれたアイリーンとジェラルドを煽るテイラー。エドワードの表情は見る見るうちに険しくなっていきました。
ただ、テイラーには三つの誤算がありました。
一つ目は、アイリーンが強烈な毒舌家だったことです。
テイラーの嫌味を意に介さず、「臭そうだし」と本人の目の前で言い放つアイリーン。品がないと言われようが、テイラーと同じ空間にいたくないという意志を見事一言に凝縮させました。
この時のテイラーの表情は見えませんが、果たしてどんな顔をしていたのか。少し気になりますね。
しかし、馬車の中のテイラーは余裕そうな振る舞いを見せました。エドワードと向かい合わせに座ると、ここぞとばかりにネチネチとエドワードに自慢話と講釈と説教を垂れます。
なぜ彼が横柄に振る舞っているのかと言いますと、どうやらミラーサイドの村の管理者は「大役」だからだそうです。テイラーは単なる校長先生ではないということです。
では彼は一体何者なのかと言いますと、人間のフリをしているシャドーです。詳しく言いますと、ショーン達の前で見せていた「校長先生」というのは表向きの顔で、実際にはシャドーハウスから遣わされた、村全体を統括する責任者だったのです。
驚きました。シャドー家といえば、貴族の物真似をしている一族です。にも拘らず、なぜ貴族たるシャドーが館の外で働いているのでしょうか。そして、それをなぜ得意げに話しているのでしょうか。
また、今話の終盤近くでも、豪華な服を着ているエドワード達に「立派な服に見合っていない中身」とこき下ろしていました。テイラーの管理するミラーサイドは、第103話でショーンが言っていたように館で使用する服を作る工場がありますが、そうするとテイラーは間接的にエドワード達のために仕事していると言っても間違いではありません。
こう考えると正直言って意味不明です。「村の管理人」など、普通であれば屈辱的な人事でしょう。
ただ、それには深い意味がありました。馬車が領内を進むにつれて、テイラーがなぜミラーサイドの管理者を引き受けているのかが徐々に明らかになっていきます。
ミラーサイドがなぜ重要な場所か。
それはまず、館との位置関係が挙げられます。
テイラーとエドワードが狭い馬車に揺られる中、広大な大地を走る馬車。
その馬車の上には、広大な風景に見とれる美男美女がいました。
実に良い画ですね。
まあアイリーンとジェラルドなのだから顔立ちが整っているのは当たり前ですが、こんな風に描写されると馬車の上に乗るのを「品がない」なんてとんでもないです。むしろ、ずっと眺めていたいくらいのシーンです。
さて、そんな真下の馬車の中とは違う雰囲気の中、アイリーンとジェラルドは地図を広げました。
前話のあらすじで、荷物を一杯持っているジェラルドを「深夜の見回りの時のショーンみたい」と書きましたが、何でもかんでも持ち歩く様子はお披露目の時のエミリコみたいですね。枕まで持って来たのを見てアイリーンも驚き呆れています。思わず、庭園迷路で荷車を選んだエミリコと、坂道があったら大変だと言っていたショーンを思い出しました。
更に、ジェラルドはもう一つエミリコらしい行動に出ます。なんと、島の地図を持って来ているというのです。
シャドーハウスで地図と言えば、深夜の見回りと対マリーローズ戦で地図を広げていたエミリコが真っ先に思い浮かびます。
こう見てみると、なんだかジェラルドとエミリコは相性良いんじゃないかと思えてきました。真顔で変なことを考えこむ様子も研究班の後輩・オリバーに似ていますし、もしもジェラルドがまだこどもだったら第60話の研究班みたいに喜んでいたのではないでしょうかね?
さて、話を戻しましょう。
ジェラルドが持ってきた地図から分かるのは、ミラーサイドがシャドーハウスからかなり近い場所にあることです。シャドーハウスのある崖の上を降りてきて、一番最初の村がミラーサイドです。いわば、館が外の世界に進出するための足掛かりとなる地点と言えましょう。
それだけで、ミラーサイドが重要視されていることが分かります。テイラーの言っていたことはでまかせではなかったのです。
また、地理的要因だけではなく、ミラーサイドが重要視される理由が途中にありました。
それは「森」です。
ケイトが第112話で踏み入れていたこの森。ジェラルドによれば「モーフの森」と呼ばれているそうです。(私もそれに則って、今後この場所を記す時は「モーフの森」と呼びたいと思います。)
途中で馬車を降りて案内するくらいですから、さぞかし重要な場所と想像できますが、実際にテイラーはこの森を指しながら「最も重要な村」である理由はミラーサイドには「モーフの森」があるからだと語りました。
ところでここで一つ感じたのですが、仮にテイラーの言う通り「モーフの森」がミラーサイドを「最も」重要な村に押し上げているとすれば、モーフが生息しているのはこの森だけということになります。
それが故、「聖域」としてモーフと森に関する事柄は詳しく調べられていないようですが、ここでジェラルドがテイラーに尋ねていたように、なぜもっとモーフを研究しないのかが少し疑問です。
テイラーはこの件について、「背徳的で品のない考え」「モーフがシャドーに生まれ変わるのは自然の摂理!」と切り捨てました。
ただ、このジェラルドの疑問は、ひょっとしたら謎多き生命体・モーフの起源の解明に繋がるかも知れません。この辺りも、もし時間があれば考察したいと思います。
さて、そんなこんなでようやく目的地に着いた一行。
玄関の屋根が特徴的な形をしたこの建物は、ショーン達が通っていた学校でした。
ということは、テイラーが寛ぎ、エドワードが機を伺い、アイリーンとジェラルドが窓の外を見ている部屋は、第104話でエミリコが潜入に成功した校長室です。
テイラーは知る由もありませんでしたが、エミリコ達がテイラーを出し抜いたこの部屋で、エドワードも爽快にテイラーに一泡吹かせることとなります。
ソファに腰掛けながら、自身の権力について得意げに放言するテイラー。自分が不利になるなどとは夢にも思っていない彼は、何度も繰り返してミラーサイドを担当する自身の有能さを語り続けます。
「聖域」たるモーフの森、
「光栄」な仕事場であるドレス工房、
「最古」の選別会場
・
・
・
髭を撫でながら品のない笑顔でミラーサイドの重要さを語り、そんな重要な場所の管理人である自分自身も、さも素晴らしい存在だと言うようにテイラーは自賛します。
しまいには、館で出世したいなら媚び諂えとまで言い出しました。
ただ、テイラーは自身の権威が剥がれ落ちそうになっているのに気が付いていませんでした。
なぜなら、やっぱりテイラーはエミリコが選別会に潜り込んだことに気が付いていなかったからです。
幸いエドワードも気が付いていなさそうですが(いや、どうか気付いていないで欲しい)、読者に対してはこの時点でテイラーの無能さが露見しました。偉そうに「管理人」だと言っていますが、生徒のこと、それも選別会の書類さえ管理し切れていないのに何が「管理人」でしょうか。
これまでの胡散臭さが一気に確信に変わった瞬間と言えましょう。
そして、二つ目の誤算がテイラーに襲い掛かります。
それはエドワードが想像以上に高い地位を得ていたことでした。
「こどもたちの棟の管理者である私も肝に命じておきます」
エドワードのこの言葉を聞いた瞬間、テイラーは急に狼狽えます。
それはエドワードが“こどもたちの棟の管理者”という高位にいるだけではなく、トマスの失脚も意味していたからです。
有利と見るや、エドワードは館の現状について滔々と語り始めました。
・選別会のペースが速いのは館がシャドーの増産に舵を切ったから
・島外の移住を促しているのは人間不足を補うため
・子供の選別はこれからより重要になる
・各地域の競争は熾烈になる
・その評価は“お披露目”“お呼ばれ”の結果で明らかになる。
・“お披露目”“お呼ばれ”の選ぶのはこどもたちの棟の管理者
→つまりエドワードの手のひらの上!
・でもミラーサイドはそれでも超重要な村
・ならば管理人も優秀であるべき
・その人事を結果的に左右するのは選別会に出る「献上品」の優秀さ
・「優秀さ」を決めるのは“お披露目”と“お呼ばれ”の結果
→やっぱりエドワードの手のひらの上!
少し私の解釈も入っていますが、概ねこんな調子でエドワードはテイラーを追い込んでいきました。
そして最後は、エドワードご自慢の紅茶がテイラーに差し出されました。
エドワードと紅茶といえば、アニメでも紅茶を愛飲している様子が描かれていましたね。ということは、さぞかし美味しいお茶でしょう。
なによりも、これはテイラーがエドワードを顎で使って淹れられた紅茶です。美味しくないはずがありません。
しかし、恐らくテイラーは全く味がしなかったことでしょう。
顔面蒼白、冷や汗だらけの顔で、握りしめた拳が見えないよう机の下に隠しながら、震える手で紅茶を飲むよりほかはありませんでした。
これぞ、エドワードの「完璧な世界」です。見事完膚なきまでに叩き潰しました!
(多分「お遣い」というのは、館の現状を島内のシャドーに伝えることを意味していたのだと思います。ということは、エドワードはここでようやく本題に入ることができたということでしょうか?よく耐えてましたね)
そして最後のテイラーの誤算は、ジェラルドが研究班出身の天然キャラだったことです。
今話の随所でズレた性格を発揮しまくっていたジェラルド。アイリーンの「臭そう」という台詞を本気にしていたのか、テイラーにとあるお土産を渡しました。
去り際に渡したその品は、研究班ご自慢の香水です。
(そういえば第117話公開直前に、シャドーハウスの香水グッズが発表されてましたね)
出鼻をアイリーンに挫かれ、エドワードに叩きのめされ、最後は皮肉とも本気とも言い切れないジェラルドの嫌がらせ。
あれだけ馬鹿にしていた若者たちが去っていくというのに、テイラーには立ち上がる気力さえなくなっていました。
ミラーサイドを後にして、汽車に乗って談笑するエドワード達。
その表情は実に明るいです。テイラーにやり返した爽快感と、“こどもたちの棟の管理者”という地位が案外有用だと分かって、今後が楽しみで仕方ないと言ったところでしょうか。行きの列車では三人とも離れて座っていましたが、もしかしたらあの時は全員緊張していただけだったのかも知れませんね。
そしてエドワードは、留守になったこどもたちの棟へと思い馳せます。
“こどもたちの棟の管理者”の代理という大役を任されたルイス。
エドワードの期待に同調するかのように、自信に満ちた眼差しでバルコニーに立ちます。
彼が今受けている風は、果たしてケイトにとっての追い風か向かい風か。
ひょっとしたら、それは棟を巻き込む「狂風」になるのかも知れません。

テイラーの「4人」発言が後々どう効いて来るのかも楽しみな回でしたね。
一見、お披露目に受かったのが4人なので違和感を感じないかもしれません。しかし、トマスの失脚を知らないテイラーがお披露目の結果を知ってるわけはないでしょう。そこにエドワード・アイリーン・ジェラルドが後々気がつくか、ヒヤヒヤします。
shadowsblog
が
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