先々週、日本漫画史が大きく動きました。

今年度の文化勲章受章者に、ちばてつや氏が漫画家として初めて選ばれたのです。

漫画文化は昭和から平成にかけて発展を遂げてきましたが、かつては「漫画害悪論」とでも呼ぶべき偏見によって、芸術として認められない時期も多くありました。

それ故、娯楽として評価された後でさえも「文化」「芸術」とみなされず、市民権を得た今もなお、他の芸術分野と比較して軽く扱われるケースもしばしば見受けられます。

しかしながら、これまでの長い歴史の中で、表現技術を確立し大きな評価を受けた漫画家は数多くいました。


昭和の漫画家達に大きな影響を与えた田河水泡、漫画の神様・手塚治虫、「天才」藤子・F・不二雄、漫画の帝王・石ノ森章太郎、ギャグ漫画の王様・赤塚不二夫、アシスタント制度の先駆者・さいとうたかを、永遠のヒーローの生みの親・やなせたかし、妖怪と人間の架け橋・水木しげる、世界のレジェンド・鳥山明…………


このほかにも、社会や世界に大きく貢献した漫画家はいくらでもいます。しかしこれらの巨匠が、文化人にとって最大の栄誉である「文化勲章」を与えられることはありませんでした。我が国の文化の発展に大きく寄与したのは間違いないというのに、その功績が認められるまでに多大な時間を要したのです。

それだけに、此度のニュースは格別でした。

ちばてつや氏は文化勲章受賞について「全ての漫画家たちの創作活動に対してご評価をいただいたのだと、とても嬉しく、誇らしく思います」とコメントされていましたが、それは単なる謙遜ではなく、漫画という娯楽を「文化」と呼ばれる水準まで押し上げたこれまでの漫画家の姿を見てきたからこそでしょう。改めて、此度の出来事が画期的だったと感じますね。


さて、というわけで、ちばてつや氏の代表作「あしたのジョー」のモデルになった山谷に行ってまいりました!

泪橋

あしたのジョー

恥ずかしながら「あしたのジョー」を読んだことがないのですが、そんな私でも主人公の名前や、ジョーが真っ白に燃え尽きたシーンくらいは知っています。むしろ日本人のほとんどが知っていると言っても過言ではないでしょう。

南千住からほど近い山谷は、現在では綺麗に整備され普通の下町といった風情ですが、それでも所々に古い簡易宿泊所や銭湯などが見受けられました。「ドヤ街」と言われていた頃の名残は僅かでも、「泪橋」の交差点やジョーの像がこれからも、高度経済成長期という時代を語り継いでいくのだろうと思いました。


ところで「あしたのジョー」といえばボクシング漫画ですが、シャドーハウスにもパンチを得意技とするシャドーがいます。

言わずもがな、ジョンのことです。

彼が通称(?)「ジョンパンチ」を披露したことは何回もありますが、第51話ではすす能力ではなくただの殴り合いをするなど、実に個性的なシャドーです。そういえば当時のニコニコ静画では「あしたのジョン」なんていうコメントもありました。拳で語る熱き漢、それこそがジョンです。


今回のエピソードでは、暫く見せ場の少なかったジョンが元気な姿を見せてくれました。

しかし、こどもたちの棟に復帰したジョンが目にしたのは、「勲章」によって正気を失いつつあるこどもたちの姿でした。



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