つかの間の休息。いつも掃除で使う踏み台に腰掛けると、少女は物憂げな顔で空を見上げました。

淡いランプに照らされたのは、初めて目にする黒い雪。

それは天からの贈り物ではなく、少女が仕える主人によってもたらされたものでした。

白と黒。

冷たいと温かい。

すべてを覆い尽くす白い雪と、すべてをさらけ出す黒い雪は、なにもかもがあべこべの存在です。

白い雪ならば、季節が廻ればやがて溶けて消えます。しかし黒い雪はいくら時が経とうとも、自然に消えることはありません。

“わたしに何ができるだろう…”

暫時ぼんやりと黒い雪を眺めていた少女は、逡巡ののち、一つの決意を固めます。

少女は主人の心に触れようと、そっと小さな手を伸ばしました……

 

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こんな物語が浮かんできそうな扉絵ですが、残念ながら第4話はこんな幻想的なお話ではありません。というよりむしろエミリコのドタバタっぷりが見られるというか…。

 

かいつまんで説明すると、ケイトに字を教えてもらったエミリコが夜中にはしゃぎだしてしまい、結果的に寝坊してケイトを不機嫌にさせた、というのが今回のお話です。

 

見どころとしては、すすだるまを作っているのをエミリコに見られて恥ずかしがっているケイトや、“こびりつき”を瞬時に発見し退治しているケイトなど、どちらかといえばエミリコよりケイト嬢に注目をしてほしいお話であります。

 

特に圧巻なのが寝坊したエミリコを出迎えるケイトですが、これには一読者という立場なのに、思わず慄いてしまいました。

大変だろうけど、超がんばれ、エミリコよ…。

 

さて、すすだるまやこびりつきなど、以後の伏線が多かった今回のお話。

改めて読み返すと、やっぱりシャドーハウスは物語が緻密だなあとしみじみと思い知らされました。