ソウマトウ先生も、今回のお話はおさらいのようなものと仰っているので、そういう位置付けの回なのでしょう。
ただ、それにしても多くの情報が詰め込まれているため、正直言って混乱しております。
第21話で語られた数々をできるだけ紐解きながら、記事を書いていきたいと思います。
なお、今回の記事はいつもに比べて更に長くなっております。
では、続きよりどうぞ。
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エミリコとミア。
生き人形同士では最も深い関係を築いている二人が、今回の扉絵です。
煽り文は、『横顔から滲む、“表情”―――』
ケイトは以前、横顔・洋服・生き人形 がシャドーの個性と言っていましたが、それは生き人形でも同じです。
人間でもそうですが、目を合わせていないからこそ、横顔からは心の奥底がより良く見えます。
正面とは違い演技ができない分、ごまかしも効きません。
(僕はこの瞳で嘘をつく、なんていう歌が某デュオの作品でありましたね。)
さて本編へまいりましょう。
亡霊の原因探しが終わったエミリコですが、ケイトから重大な事を告げられます。
なんと明日が “お披露目” だと。
エミリコが忙しそうだったから伝えそびれていたと言っていますが、ケイトの優しさがここにきて裏目に出てしまいました。
言おうと思えば一週間前の夜に、エミリコが出かける際に伝えれば良かったのですからね。
多分、丸々一週間毎晩出掛けるとは思ってもいなかったのでしょう。
余計なことは言わずにおこうと決めていたら、あれよあれよという間に残り1日になってしまったのかもしれません。
しかし勉強どころか、エミリコは寝不足でやつれた状態です。
ケイトもそれを察してか、寝るのが仕事だと言いました。
とはいいつつも、ケイトも不安からかすすが出ています。
エミリコも同じく、不安そうな面持ちで自分の部屋に戻っていきました。
この時エミリコが考えていたのはミアのことです。
優秀なミアなら、主人のことを全部分かっていて迷惑など掛けないのだろうなと思いながら階段を下りて行きました。
おそらく同日同時刻のことでしょう。
確かに、ミアはサラのことをよく理解していました。
いや、理解しすぎていると言えますね。
前回荒らされていた自室を見て察したのでしょう。
自身の主人が何を考え、何を望んでいるのか。
そして自分はどんな行動をとるべきなのかも。
まさにサラにとって、それが望んでいた答えだったのでしょう。
ミアの申し出を受けると、彼女が手にしたのは折檻用の棒。
これもミアが差し出したものです。
ミアにとって辛い場面がこの後続きますが、文章に起こすだけでも心に堪えますので、ここでは割愛させて頂きます。ミアの方が辛いのは十分承知ですが。
洗浄の間でエミリコが目にした痣は、やはりサラによるものだった、とだけ書いておきます。
さて、エミリコの方はといえば、寝なくてはいけないのに目が覚めてしまったようです。
いろいろ考えすぎて逆に頭が冴えてきてしまう、あの現象ですね。
そこで気を落ち着かせるために思いついたのが、
「余計なことは全部書いて忘れちゃおう」作戦です。
ここでエミリコが、心に移りゆくよしなしごとを そこはかとなく書き綴っていきます。
ローブシャドーのこと、こびりつきのこと、シャドーハウスのこと…
ここで管理人は重要なことを見逃していたことに気づきました。
設定ではシャドー家は皆、一人称が自身の名前なんですよね。
これは単行本1巻にちゃんと明記されています。
散々以前の記事でローブシャドーについて書いていたのに、そのことについて全く思い及びませんでした。
まだまだ修行が必要ですね。恐るべし、シャドーハウス。
これに気づいたエミリコは、いくつかの自説をノートに書き込んでいきます。
こびりつきのことやシャドーハウスについても同じです。
余計なことは考えちゃいけないのですが、次から次へと疑問が浮かんでは消えるようです。
その想像はやがて、館の外にいるはずの“人”にまで及びました。
そこでエミリコが立てた目標が、”星付き”になること。
巨人の星ならぬ、シャドーハウスの星です。
でもその指がさす方向では、今まさに、サラが星付きを目指すべくミアにお仕置きをしていました。
なんという落差。
こういうところの演出がすごいですね。
場面が場面なだけに、思わず鳥肌が立ちました。
アニメ化したら、きっと画面の切り替えでエミリコの指とサラの持つ棒が重なる、そんなシーンになることでしょう。
もし叶うならば、私が監督をやりたいくらいです。
同時に、“星付き”というのがシャドー家にとっても名誉ある称号なのがここで分かりました。
てっきり、バービーの主人が実力者だからバービーも“星付き”になったのかと思っていましたが、そうではないようです。
“星付き”になることはすなわち、“偉大なるおじい様”に認められるのと同じ事のようです。
シャドーにとってのステータスともいえます。
そのためには「失敗作」と遊ぶのではないと、私を輝かせるために余計なことはするな、とミアを叩くサラ。
ミアが痛みに耐えている中、エミリコはケイトのことについて、そして“お披露目”がもし失敗したらということについて、はっと気づきます。
もし処分されてしまったら、ケイトとも二度と会えなくなる。
その事実に気づいたエミリコの目にも涙が…
涙を流すエミリコとミアの姿が見開きの両ページに描写されているのを見て、初めて読んだ時は思わず目を背けてしまいました。
それくらい、いつもは天真爛漫なエミリコと陽気なミアが泣いているこの場面には辛いものがありました。
もしこの構成が計算ずくだとしたら、やるなあ、ソウマトウ先生…。
こんな風に辛い描写が多かった今回のお話ですが、一つだけ心安らぐ場面がありました。
部屋に戻ろうとするエミリコをケイトが呼び止めたシーンです。
ここでケイトは、エミリコの顔をじっと見て、「笑って」「悲しんで」 と命じます。
その言葉通り、面白いように反応を示すエミリコ。
そのエミリコを見て、くすっと笑うケイトでしたが、エミリコには何がなんなのか分からなかったようです。
それを見てまた楽しそうなケイト。
実はここで、ケイトから出るすすの量が減っています。
エミリコと話すことで、少し不安が和らいだのでしょうね。
でも同時に、エミリコが落ち込まないようにというケイトなりの気遣いのようにも感じます。
これまで、ことあるごとにエミリコを気に掛けてきたケイト。
“お披露目”という人生の左右される儀式を目前としても、その姿勢はぶれてはいません。
そう考えると、先ほどのケイトの行動も少し違って見えてきます。
近くに来て、と言ってエミリコの顔をじっと見つめるケイト。
その様子はまるで、これから遠い場所へ赴く子供の顔を、名残惜しそうに見つめる母親の姿のようであります。
親子のようであるといえば、今回のミアとサラの関係もある意味親子のようですね。
シャドーハウスという閉鎖環境の中で暮らす彼女達ですから、通常の社会通念上の解釈はここではしません。
しかしそれを抜きにしても、二組の関係の違いをうまく浮き彫りにしてるなあと唸るばかりです。
徐々に核心に近づいていきシリアスなシーンが増えてきたシャドーハウス。
今後もこんな雰囲気で進んでいくのかなと思いきや、どうやら先生のツイッターでは、
「このままただ辛く暗い話に向かうわけではないので読者の方にはエミリコと一緒に前向きにシャドーハウスのことを知っていってもらえるといいなと思います。」
とのことでした。
良かったです。
ずっとこういう路線で行くのかなと心配だったので、少し安心しました。
何はともあれ翌日に“お披露目”を控えたケイトとエミリコ。
当然二人の行く末も気になりますが、話の展開の中で明かされるであろう館の内部や儀式の詳細など、注目すべき情報がたくさん出てくるのは疑いがないでしょう。
そしてルウやラム、ショーンやリッキーも次回以降登場するのか…
ますます物語が広がるであろう次回も、必見の一話となるでしょう。
次はどんな謎が出てきて、そして明かされるのか楽しみです。
と、最後に。
ここでエミリコに一言。
前にもあったけど、髪そのままにして寝たら、また大変なことになっちゃうよ!!
