来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

2019年10月

第44話 成人になるということ

これほどまでに、次のページをめくる手が重かったことはありません。

物語の中で、幾つもの天真爛漫な笑顔を見せてきたエミリコ。
彼女の裏表ない明るい性格は、主人のケイトが度々語ってきたように多くの登場人物を救い、そして変えてきました。

それはシャドーハウスという作品の根幹の一つと言っても過言ではないでしょう。

ところが、この第44話ではその笑顔が消えました。
いや、正確に言えば描写されませんでした。


今までエミリコの表情が意図的に隠されたシーンは、2回あったと記憶しています。

一つ目は、第32話でショーンやラム・ジョンに感謝の言葉を述べたシーン。
この後彼女は、力強い表情で、ショーンは自身の主人を救うべきだと語っていました。

二つ目は、第39話のラストシーン。
ケイトの檻の前でこぶしを握り締め、そして堂々と佇む姿を覚えている方は多いと思います。

この二つのシーンは、台詞や直前までのシーンから、ある程度エミリコがどんな顔をしているのかは分かりました。少なくとも、憂いを覚えるようなことは全くありません。

しかし今回のお話の後半は、これまで繰り広げられてきた勇気と絆の熱い展開から、一気に不穏の谷へと転がり始めました。

徐々に明かされる、狂気の館の一端。
その狂騒は、容赦なく生き人形に襲い掛かります。

そしてそれは、我らが主人公・エミリコも、また例外ではありませんでした。


米国の絵本作家、エドワード・ゴーリーは、その緻密なタッチと不条理な世界観によって高い評価を得ています。そのナンセンスかつ芸術的な作品は、今もなお多くの人々を魅了するほどです。

その彼は、このような言葉を残しています。

「どういうわけか、人生におけるわたしの使命は、人をできるだけ不安にさせることなんですよ。人はみんなできるだけ不安になるべきだと思うんです。世界というのは不安なものだから。」

先日のツイッターで、ソウマトウ先生はこの考えに共鳴してやまないと語っていました。

今思えば、これは読者に対して、覚悟しておくようにという警告だったのかも知れません。
続きを読む

エミリコ着せ替えイラストカード

いつも堅苦しい考察記事ばかりですので、少し息抜きしたいと思います。

まずはじめに、単行本第3巻を書店『とらのあな』以外で購入した方はごめんなさい!
たぶん蚊帳の外になるので、先に謝っておきます。

今回の記事は『とらのあな購入特典のイラストカードで遊んでみた!』です。

幸運にも手に入れた、という方もいらっしゃると思いますが、実際に切り取って遊んだ方はまだいないのではないでしょうか。

なので、折角このようなイラストカードを作成頂いたわけですから、やってみなけりゃ勿体ない!精神で作ってみたので、是非御覧下さい。

写真はツイッターでも挙げる予定です。

では続きからどうぞ。
続きを読む

第43話のラストページについて

タイトルからしてお分かりかと思いますが、本記事は第43話のネタバレを含んでおりますので、ご注意下さい。
(いつもでしたらタグで明示するだけで済ませますが、今回は内容が内容なので最初に書かせて頂きます)

さて、第43話の最後のページを見た時、混乱しなかった方は恐らくいなかったのではないでしょうか?

私は今もなお、疑問が浮かんでは消えるのを繰り返しています。

そこで、少し頭の整理をするために気になった点をまとめてみました。

ただ、今回は考察といえるほどの記事ではないですし、あの場面をむやみやたらに語ることに対し、不愉快に感じる方も多くいらっしゃると思います。

ですので、おこがましい言い方になりますが、未読の方やまだ第43話について見たくも聞きたくもないという方、あるいは二週間後の次回を読んでから考えたいという方は、ブログをそっと閉じて下さい。

私もこの件に関しては、当記事を最後に二週間後まで静観したいと思います。
(コメントへの返信はさせて頂きますが、あまり掘り下げた返答は出来ないと思います。)
(それと他の話題については更新はします。ただ、精神状態を安定させるために軽い内容の記事を上げていくことになりますので、それも見たくないという方はご注意下さい。)

では宜しくお願い致します。
続きを読む

第43話 最後の一対

更新日の朝は、何とも言えない気分で目が覚めました。
今回のお話を読んでから暫く経つというのに、まだ胸のざわめきが止まりません。

言葉を失うとは、このような事を言うのでしょうか。
少なくない衝撃を受けている自分自身に、改めて衝撃を受けています。

第43話は、まさしく前回の煽りである『クライマックス』でした。

疾走するように進んでいく序盤と、神々しさ・意外性溢れる中盤、ようやくエミリコやケイトのホッとした表情を見られた安堵感に満ちた終盤……。

各場面ごとに描写される情報量の多さに、まだ考えが整理できていません。


ただ、既に今回のお話を読んだ方はお分かりかと思います。

なぜ、私が今もなお動揺しているのか。

あえてミスリードを誘うかのような副題。
そして、正視するにはあまりにも受け入れがたい現実が、そこにはありました。

全ての出来事に理由があるのならば、このラストには一体どんな意味があるとでもいうのでしょうか?
続きを読む

生まれついての「丈夫」な娘

さて、ここで問題です。

ケイトが住んでいる部屋は何階でしょうか?



2階と答えたあなた、不正解です。


第7話(エミリコが窓に挟まり、ミアが初登場した回)の10ページ目を見てみて下さい。渡り廊下を通るバービーに、エミリコが手を振っているシーンです。

この時エミリコは、バービーを見下ろす位置の窓にいました。
そして、バービーはどこにいるのかというと、渡り廊下の二段目です。

前のページの建物外観の描写を御覧頂ければ分かりますが、装飾や柱の状況から、バービー達が歩いているのは渡り廊下の上の段です。

よって、この渡り廊下は向かいの棟の2階へと続いていることから、エミリコが手を振った窓=ケイトの部屋は、3階だと考えられます。

ちなみに、1段目はどこに繋がっているのかというと、2階の床下だと思います。なぜなら、第13話でローズマリーは、館は二重構造をしていると話していたからです。
きっと、2階に住むシャドーの生き人形が暮らす空間でしょう。

さて、以上の考察で本記事を終わらせても良いのですが、私はケイトの住む部屋の階が知りたかったわけではありません。

では本題は何かというと、『果たして生き人形はどのくらい丈夫なのか?』が知りたかったのです。

第11話でエミリコは、窓から落ちてもほぼ無傷でした。
そこで、ケイトの部屋の窓の高さが分かれば、生き人形がどれほど頑丈なのかが判明すると考えたわけです。

ところが、この観点からの考察は挫折しました。
階数が分かっても、具体的な高さは分からなかったからです。

おまけに、エミリコは下階の雨避けにぶつかって転がった後、生垣→植込みへと落ちていきました。
生身の人間でも、運が良ければ切り傷・擦り傷で済む場合もありそうなケースです。

生き人形のスペックは、永久に未解明のまま終わるのか……

そう思っていた時、第41話でとんでもないシーンが描かれました。

全読者の歓喜を巻き起こしたあのシーン、実は驚きの真実が隠されていました。
続きを読む
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ