前回の記事では、ユング心理学における「シャドー(影)」という概念をもとに

『なぜシャドーと生き人形の性格は一致しないのか』

という疑問を考察しました。


今回はその結果を踏まえつつ、果たして本当にそれが合っているのかどうかを、各ペアごとに分析していきたいと思います。

では続きよりお願い致します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




前回の記事の結論は、

『シャドーの性格は、「生き人形」の性格のコンプレックスや隠された面が反映されている』

でした。

果たして本当にそうなのかどうかを、これから見ていきましょう。

今回の分析対象となったのは以下のペアです。

①ケイト&エミリコ
②サラ&ミア
③ルイーズ&ルウ
④マリーローズ&ローズマリー
⑤ジョン&ショーン
⑥パトリック&リッキー
⑦バーバラ&バービー

この7組です。
シャーリーとラムについては、十分な情報がないため残念ながらここでは分析できません。また、一体化が済んでいる2階以上の方々も除外します。

では、①のケイトとエミリコは最後に取っておきますので、②のサラとミアから書いていきます。


②サラ&ミア
このペアは以前にも書きましたが(サラとミア)、正反対の性格ですね。

片や、面倒見も気量も要領も良い、優秀な美少女。
片や、自分の願望のため他者にきつく当たる、嫌みな少女。

……。
のっけからいきなり躓きそうです。
さて、これをどう見た方が良いのでしょうか。

単純に、ミアと正反対の性格がサラである、と見るべきか。
それとも、ユング心理学の観点から見て、ミアの心の奥底に隠された暗部がサラに反映された、と見るべきか。

う~ん、ユング心理学とか小難しいこと言わずに、「『生き人形』の影が『シャドー』である」とした方が簡単だったかも知れないですね。

これだと、見方によってはミアが陽気で良い子なのか、それとも深層心理に暗いものを抱えた少女なのか、判別が付きません。

まあ、でもサラとミアの性格が真逆だということは分かりましたし、とりあえず陽気で良い子なミアと正反対のサラ、という風に明るい方向で考えたいと思います。


③ルイーズ&ルウ
今更語るまでもないですね。

無口なルウ。やかましいルイーズ。

これだけでもう、全く正反対なのが見て取れます。
庭園迷路で猿ぐつわされてたのも、エドワードが「こいつうるせえ…」って絶対思ってたからだろうと私は推測しています。


④マリーローズ&ローズマリー
男勝りではきはきとした口調、きびきびとした動き。
これがマリーローズです。

片や、おっとりまったり穏やかなお姉様。
これがローズマリーです。

この二人も、文句なしに正反対ですね。
ウインクするローズマリーも可愛かったですが、マリーローズの「顔」としてキリっとしたローズマリーも見てみたいものです。

しかし、どちらもケイトとエミリコに親切に接しているのが不思議と同じです。

うまく表現できないですが、性格は同じだけども表現の仕方が違う、と言った方が正確かも知れませんね。根底にあるものは、二人とも同じ気がしてきました。

もしかしたらローズマリーは、家庭の躾で女の子らしくいなさいと育てられたものの、実は格好いいものに憧れる少女だったとか?
そして、そうやってひた隠しにしてきた本性が、マリーローズとして具現化されたのかも……。

ケイトと一緒で、機械類を見て「格好良いわぁ」と言ってしまう系の女の子だったら魅力倍増ですね!


⑤ジョン&ショーン
“お披露目”以来、絶大な人気を誇るジョン。
そして、度々ファインプレーをするナイスガイ、ショーン。

この二人もまあ、反対といえば反対ですね。
ただ、先程のマリーローズとローズマリーと同じように、完全に真逆ではない気がします。
このペアも、根っこにあるものは一緒という印象です。

これをユング心理学に当てはめるとしたら、恐らくこうなるでしょう。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ショーン「俺は絶対、アホみたいに感情をむき出しにしたり、考えなしに動い
たり、勉強もせずフラフラするような馬鹿野郎にはならないからな!!」
   ↓
ジョン様爆誕
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

根本にある考え方は同じでも、行動や表向きの態度の違いはショーンのこういった部分からきているのではないと思いました。

ジョンはジョンで良い性格していると思うけどなあ……。


⑥パトリック&リッキー
このペアは逆に、一番相性が合っています。これについては重鎮達も認めていました。
でもこの二人も、根っこの部分は同じでも、細部に違いが見受けられますね。

パトリックとリッキーを比較した時、これまでの考察を参考にすると、一つの推測が思い浮かびました。

それは、ジョン&ショーンと同じで、リッキーがなりたくない人物像=パトリックだったのではないか、という考えです。

パトリックもリッキーも、表向きはどちらも不遜な態度で周りを見下しています。
ただこの二人の決定的な違いは、リッキーは優秀なのに対し、パトリックは我儘で臆病な面があるという点です。これは第30話を読んで頂ければ分かると思います。

ケイトはパトリックとリッキーを見て、性格が似てて息が合うので、リッキーがパトリックをうまくリードできていると評していました。(第24話)
これは裏を返せば、パトリックの足りない部分をリッキーがフォローしているということです。

そうすると、リッキーの叶わない願望や憧れではなく、リッキーの理想像にそぐわない部分が反映されたのが、パトリックなのではないかと思います。

確かに、リッキーが地団駄踏んだり、寂しくて泣いているなんて光景は想像できないですしね。
どちらかといえば、リッキーはそういうのは嫌いなんじゃないかと思います。

でも「生き人形」だからこそ、パトリックに忠実に仕えているのでしょう。
その忠誠心は、洗脳によるものではないと信じたいです。


⑦バーバラ&バービー
主従共に、怒りっぽいコンビの登場です。
でもこのコンビも一つ、決定的な違いがありますね。

それは、バービーがすぐ手が出るのに対し、バーバラはそうではないところです。

バーバラは、ケイトと話していた時も言葉遣いは丁寧でした。
ケイトがそつのない返答に終始したことが気に食わなかったのか、説明後に少し愚痴るような発言をしたものの、ケイトに対してではなくイライラを抑えるために吐き捨てているように見えます。

心中では凄い苛ついていたのかも知れませんが、ちゃんと自身をコントロールできていますね。

バービーが精神的に成長した姿がバーバラである、と解釈すると納得しやすいと思います。
バービーの未熟な部分を反映したのが、バーバラだということです。



さて、ここまで6対のペアを見てきましたが、生き人形とシャドーの性格の違いが関連付けられているのがお分り頂けたかと思います。

正反対のようでいて実は繋がりがあったり、似ているようで実は違っていたり、或いはほんの少しだけ相違点があったり……。

一見バラバラのように見えますが、シャドーの性格が生き人形を反映したものであることに疑いはないでしょう。


では、いよいよ本命です。

ただ、今回も記事が長くなってしまいましたね。
一旦ここで区切ります。

次回の記事は、ケイトとエミリコ。
主人公コンビについて書いていきたいと思います。

では失礼します。