なにやらハードボイルドなタイトルですが、特に歴代の作品群とは関係ありません。

ただ単に、今回の記事の内容を簡潔に表すのにはこれで良いか、と軽い気持ちで付けただけですのであまり気にしないで下さい。


エミリコはといえば、明るさがトレードマークですよね。
最近のキャラクター紹介では『元気・丈夫・食いしん坊』という緊張感のない解説がされていますが(逆にケイトの紹介が非常に重い)、概ね合っているので微笑ましいです。

見た目美少女ですが、紹介文だけ見ると少年ジャンプの主人公みたいですね。

淑女感満載のケイトと比較するのは気の毒ですが、下手するとリッキーよりも少年度(?)が高い気がします。まあ流石に、ジョンみたいに木の棒拾って「カッ、カッ、カッ」はしないでしょうけども…。(第59話参照)

とにかくエミリコは元気満載な少女です。陰謀渦巻く作品の主人公とは思えませんが、彼女がいるからこそ、共に楽しみながらシャドーハウスという館の謎を解くことができるのです。

ケイトも言っていた通りエミリコに救われた登場人物は多いですし、もしもエミリコがいなければその名の通り鬱屈とした“影の屋敷”だったことでしょう。(これ、前も書いたな…。)


もっともその性格が逆にピンチを招いたり、更にはチャンスを呼び込んだりすることもあるのでケイトも冷や冷やものですけどね。


ところが、そんな彼女が思ったことをすぐ口には出さず、口を閉ざした場面がありました。

『ぐぬぬっ』でも『冷や汗ダラダラ』でもなく、真顔のまま無言で、です。

今回の記事では第58話でエミリコが見せた表情にスポットを当てたいと思います。



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件のシーンは、第58話の7ページ5コマ目です。ミアのお見舞いに行こうと話しているシーンです。

私が最初にこの絵を見たのはソウマトウ先生のツイッターでの事前予告でしたが、その時点でいつもと違うエミリコの様子に悪い予感しかしませんでした。

今改めて読むとそこまで深い意味はなさそうですが、普段は考えていることが手に取るように分かるエミリコが無言・無表情でいるのは非常に珍しいと思います。

恐らく、過去を振り返ってみても似た表情はないのではないでしょうか?

少なくとも私は見つけられませんでした。(きょとんとしている場面はありますが)


そのせいもあって、第58話のあらすじ紹介では「ケイトとエミリコの関係に何か変化が生じたのではないか」と書きました。これまでケイトを信頼しきっていたエミリコが隠し事をするのは、非常事態だと感じたのです。

ただ第62話のショーンとの会話を聞く限りではそんなことはなさそうですね。
ケイトとエミリコの絆は固く結ばれています。


では一体、エミリコはあの時どんな言葉を飲み込んだのでしょうか?

それを解くため、直前の会話から以下の3つの可能性について考えていきたいと思います。


①「目」について
②「顔」について
③「ミア」について


これらはすべて、エミリコが無言だったページに出てきた言葉です。

一つずつ考察していきましょう。



①「目」について

一見何の問題もなさそうな言葉ですが、この「目」について、実は第1話で興味深い発言をケイトはしているんですよね。

まあ、こういってはアレですが、これは私が気付いたというよりは、以前ブログにコメント頂いた方から指摘があって気付いたんですけども…。
(何かついでみたいな感じになりますが、いつもコメント下さる皆様ありがとうございます!)


そのケイトの発言とは、単行本1巻の8ページ目のシーンです。
ケイトが初めて喋ったシーンの次の次ですね。

その時のケイトの台詞は「私(ケイト)ね 人の目を見て話すの苦手なの」でした。

当時は何とも思いませんでしたが、よく考えてみるとこれ、おかしいですよね?

私も指摘頂くまではスルーしてたり、最近になっても『煤でぼんやりしたエミリコの目が苦手だったんだろうな』と思っていました。
でも第1話のエミリコは既に洗脳から解けつつありました。第46話とは全く様子は異なります。
それでもなお、なぜケイトは先述の台詞を漏らしたのか…。


エミリコは恐らく、いつの間にか自然とエミリコと目を合わせて喋っているケイトに、疑問を持ったのではないでしょうか?
そしてエミリコはその疑問が持つ意味を瞬時に察知し、それを問わなかったと考えられます。

なぜか。


それは、ケイトが過去に、目を持った“何者か”と遭遇していた可能性を示唆するからです。


その重大さに気が付いたので、あえて口をつぐんだのかも知れません。



②「顔」について

「目」と同時に出てきた言葉に、「顔」がありました。

エミリコはじっとケイトの顔を見ていたので、何かケイトの「顔」について聞こうとしていたと考えられます。

では何を聞きたかったのか。

中々口にはしづらいのですが、ひょっとしたら
「私の顔とケイト様の顔は一緒なのでしょうか?」
と言おうとしていたのではないか、と私は考えます。


この件については年始に書いた「まだまだ残っている謎(第51話まで)」という記事でちょこっとだけ触れたのですが、実は何点かそれを疑うシーンが作中にあったんですよね。

これはかなり重要な事ですので、具体的な考察は別記事にて書きます。


思うに、仮にそれを口にしたとしたら、ケイトとの信頼関係を崩しかねない、そうでなくともケイトに余計な負担を掛ける問いかけとなったことでしょう。

第62話でエミリコは「余計な負担はかけたくないんです」と語っています。
それはこのことだったのかも知れませんね。


③「ミア」のこと

これについては、ツイッターでも触れている方がいらっしゃいました。

なのでブログで私の考察として述べるのはいささか心苦しいですし、一応言い訳すると表で発信するのが後になっただけで盗用ではないのですが(信じて!)、少し書かせて下さい。


実は過去のエピソードを読んでみると、エミリコはミアについてケイトに話していないことがあると推測されるんですよね。

その話していないこととは、ミアの体に付いた痣のことです。

第16話の洗浄の間での一シーンに、エミリコがミアの背中の痣を見つめている場面がありました。

和やかなこのお話の中で唯一不穏なシーンでしたが、これについては作中でも第21話で触れられているだけで、他では全くそれを匂わせる台詞すらないんですよね。
あまりにも第21話のサラとミアのシーンがインパクトありすぎるのですが、注意して読むと嘘かと思うくらい描写されていません。

当然ながら、エミリコもすっかり忘れていたことでしょう。


第48話でケイトがエミリコに話を聞いているシーンがありますが、その時ケイトは「“お披露目”であったことを全て聞かせて頂戴」と言っていますので、話題の中心は二人が別々になった庭園迷路での出来事だった筈です。

そうすると、それよりも前の出来事については情報共有できていないのではないでしょうか?

恐らくエミリコも、ケイトから「その調子で気付いたことはどんどん教えて頂戴ね」と言われて初めて思い出したのかも知れません。

しかし直後にミアに会うとしたら、ケイトはそのことについてミアに質問してしまう可能性があります。

それを考慮して、この時だけはケイトに何も言わないでおこうと考えた。

それがあの沈黙に繋がったのかも知れません。




さて、以上3点挙げましたが、果たして真相はどれでしょうか?
それとも、これ以外の理由がエミリコにはあったのでしょうか?


この時エミリコが黙っていたことが、後々ケイトとの誤解を生み出さなければ良いのですが…。

そんな心配をふとしてしまう、さり気ないシーンでした。

(ローブシャドーについてのことか?、とも考えましたが、彼については最重要人物であることから、多分エミリコはありったけの情報をケイトに話していると思います。よって、ここでは除外致しました。)