9月がもう終えようとしていますが、季節はすっかり秋めいてきましたね。

例年ですと、この時期はまだ残暑で暑い日が続いていますが、今年は8月が終わったと途端にあっという間に涼しくなりました。何だか東京2020の頃の猛暑が懐かしいです。


さて、ところで「秋」を英訳するとどんな単語が思い浮かぶでしょうか?

人によっては“Fall”、または“Autumn”のどちらかと思います。

この違いはアメリカ英語とイギリス英語の違いです。

“Autumn”はラテン語で収穫を意味する“Autumnus”が変化したもので、“Fall”は落葉を意味する“Fall of the leaf”が短くなったものだそうです。それがいつしか、米国と英国でどちらか片方が使われるようになったことで違いが生まれたそうです。単語一つですが、こういうエピソードは面白いですね。

個人的には、私は“Autumn”の方が好きです。

何と言いますか、言葉の響きから秋の寂しい雰囲気が感じられるんですよね。ひょっとしたら日本語の「悼む」と響きが似ているからかも知れません。まあこじつけですけどね。


それともう一つ、アメリカ英語とイギリス英語の違いとしてよく挙げられるのが「階数」です。

これも有名な話ですが、アメリカ英語は日本語と同じく「1階=one floor」「2階=two floor」…、と数えるのに対し、イギリス英語では「1階=ground floor」「2階=one floor」「3階=two floor」と数えます。

私もイギリスに行った時、ホテルのエレベーターにこう書いているのを見て、本当にそうなんだと感動した覚えがあります。
(今思えば写真撮ってなかったのが悔やまれる…)


さて、そういえばシャドーハウスでも「階数」が重要なキーワードになっている場所がありますね。

それは「大人」が住む“おじい様と共にある棟”です。

エドワードは「2階」、重鎮達は「3階」にいることが現在までに明かされています。

ただ、それ以外の情報はまだ不明です。普通の漫画なら「1階」の順を追って明かされると思うのですが、やはり類似作品不在の作品だけあります。構成一つとっても一筋縄ではいきません。

しかし謎に包まれた「1階」について考えるうちに、先程のイギリス英語に実はヒントがあるのではないかと思い付きました。

今回の記事では、“おじい様と共にある棟”の「階数」に着目して記事を書いていきたいと思います。

では第110話までのネタバレを含みますので続きよりどうぞ。

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さて、SNSでは第89話が公開してから度々話題になることがあります。

それは『一体化したシャドーが館以外の村に潜んでいるのではないか?』といった考察です。

これはエドワードがこどもたちの棟を視察した際に、ダグラスとサラに語った台詞に基づいています。

あの時エドワードは、シャドーハウスの周りには幾つも村があり、シャドー家はその領主であると二人に語っていました。そしてダグラスとサラに対して「大人になれば外に出てそれのことを実感する日が来るだろう」と述べています。


よくもまあ、独断でこどもたちにここまで秘密を明かすものだと思いますが、まあその辺りの隙の甘さがエドワードらしいといえばエドワードらしいとも言えます。

しかし彼は重要な情報をここで開示してくれました。

なぜなら、大人になれば館の外に出ることができることが判明したからです。


第110話までの描写の中に、シャドーが館の敷地外に出た描写は一つしかありません。第46話でドロシーとライアンが麓の村まですす列車で降りた場面です。

あの時彼らは「選別会」という超重要な任務を帯びて村までやってきました。この村がミラーサイドかどうかは分かりませんが、それはともかくとして館の敷地外なのは間違いありません。

ところが先程のエドワードの語りぶりからすると、「3階」に上がらなくても館の外に出る機会があるとでも言いたげです。それどころかエドワード自身も村に行っていたのではないかと思えてきました。


そこで私は、冒頭で述べたイギリス英語からこう着想しました。


『大人になったばかりのシャドー(一体化したこども)は、“1階”に所属する前に館の外(すなわち”ground”)で暗躍し、それから“1階”“2階”と出世していく』


つまり、大人の権力構造は「1階」「2階」「3階」「偉大なるおじい様」だけではなく、その前に麓の村で働くという段階があるのではないでしょうか?

この仮説を最初に思いついたのは、第103話でショーン達が通っていた学校の校長先生が登場した時です。その前の第102話でも“校長”という単語が出てきた時点で「ん?」と思っていたのですが、第103話で姿を現した校長の姿は違和感が満載でした。

なぜなら、言ってることがシャドーっぽいからです。

他の村人と違ってシャドーハウスに心酔している感じじゃないんですよね。というか、学校が「生き人形」の養成機関だとすれば、その最高責任者にただの村人を置くかという話です。

だとすれば、考えられるのは「“校長”=“シャドー”」だということです。

“学校”がシャドーハウスの出張機関として機能しているのならそう考えた方が自然です。ようは、そこで働く教師はシャドーハウスから出向しているのではないでしょうか。


その観点から第110話を読めば、ケイトが森の中で見た人影の正体も分かろうというものです。

やはりあの人影は、校長と秘密を知る人物(村人の可能性もありそうですがシャドーの気がする)に違いありません。少なくとも、先程のエドワードの発言に照らせばシャドーがミラーサイドにいてもおかしくはありません。これで全ての辻褄が合うと思います。


もう一つ、イギリス英語については脇に置いておいて、私が以上のように考えた理由を述べたいと思います。

実は、過去のエピソードを読み返してみると“おじい様と共にある棟”は3層構造ではないのです!

単行本をお持ちの方は、第4巻の102ページを開いて下さい。
カラー版(電子版)の方は104ページを開いて下さい。
モノクロ版の方は102ページのままで結構です。
アプリで読んでいる方は第44話の6ページ目を見てみて下さい。
(媒体によってページ数違うのなんで…?)


このエピソードはマリーローズ組が初めて揃って登場した回ですが、分からないことは指導すると言っていた通り、彼女は読者にも貴重な情報を教えてくれました。

なんと“おじい様と共にある棟”は地下1階があるのです!


庭から見ると分かりにくいのですが、「お披露目の間」は棟の土台部分にあるそうです。
よって、“おじい様と共にある棟”は4層構造ということになります。

ということは、権力構造もそれと同じと考えられるんですよね。


さて、では長くなりましたが(いつもに比べれば短いかな?)まとめに入りましょう。


「“おじい様と共にある棟”の権力構造は『麓への出向組』『1階』『2階(=エドワード派やトマス派)』『3階(重鎮4人)』『偉大なるおじい様』であり、校長は館から派遣されたシャドーである」


これを本記事の仮説としたいと思います。

まあ冒頭の話ではないですが、「“1階”=“ground floor”」ということで1階のシャドーは校長みたいに麓の村に散らばっている、という考え方もできますが、物語的には敵が多い方が楽しめるので(ケイトごめん!)私は“4層構造”を推していきたいと思います。


しかしこうなるとケイトの相手は強大ですね。

エドワードは第36話で「『おじい様と共にある棟』に来たかと思えば」「更なる階級が現れる」とボヤいていましたが、ケイトからすれば館の謎を解けば解くほど敵が増えていく状態です。

バーバラの側近になっただけではまだまだ道のりは遠いぞ!
頑張れケイト!!