本記事では、雑誌連載時と単行本第9・10巻に収録された各シーンの相違点や修正箇所をご紹介したいと思います。

なお、9巻の内容を確認し終わらないうちに10巻の発売日を迎えてしまったため今回はまとめて書かせて頂きます。

9巻・10巻

さて、本題に入る前にいつも書いていますが、改めて誤解がないよう書いておきます。


毎度お伝えしておりますが、単行本における修正というのはネガティブな理由とは限りません。


何故あらかじめこんなことを言うのかといいますと、過去の事例の中には、台詞や表現に重大な問題があったがために単行本で修正が入った、なんていうケースもあったりするからです。

ですので、もしも事情の知らない読者がシャドーハウスの連載時と単行本に違いがあったと知ったら、何か後ろめたいことがあったんじゃないかと誤解する可能性は無きにしも非ずです。

よって本ブログでは、リアルタイムで読んでいる読者の一人として、連載当時も特段問題はなかったとお伝えするために何度もこの注釈を書かせて頂いております。

いつも本ブログを読んで下さっている方にはしつこいと思われるかと存じますが、どうぞ御承知のほど宜しくお願い致します。


さて、では本題にまいりましょう。

先程も言った通り、9・10巻でもいくつか修正箇所はありましたが、それらに関しましては問題になるような箇所は全く見受けられませんでした。

よって、此度の修正は全てソウマトウ先生の拘りによるものです。

例えば、単行本には不必要なモノローグの削除や、これまでの設定や描写を統一するための台詞の変更などがありました。

ちなみに、修正点の中には単なるルビや網掛けの追加などかなり軽微な変更も見受けられましたが、ここではまとめて書かせて頂きます。

そのためやや揚げ足取りになってしまう箇所もありますがその点はご了承下さい。

では続きよりどうぞ。

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<9巻>
●第103話1ページ(単行本89ページ)
雑誌連載時は、一コマ目(扉絵)に「エミリコのことが上手く思い出せない」というショーンの吹き出しがありました。

第102話のラストにもショーンの同じ台詞があるので、単行本では重複を避けるために消したと思われます。

なお、第102話の「上手く」には雑誌も単行本もルビがないのに、なぜか雑誌の第103話にはルビが振ってあります。


●第104話12ページ(単行本116ページ)
最後のコマのエミリコの台詞が、雑誌では「もしかして今朝の…!」でしたが、単行本では「貴女は今朝の…!」に変更されています。

連載当時、エミリコがこの場面で話しかけた相手について『もしかしてモーフではないか?』といった考察がSNSで見受けられましたが、当初から単行本と同じ台詞であったならこうした意見は生まれなかったかと思います。

誤解を生まないよう単行本では修正したのか、はたまた意図的にミスリードを誘うために雑誌版ではあいまいな台詞にしたのか。

こればかりはソウマトウ先生と担当者の方のみ知るところでしょう。


●第106話1ページ(単行本137ページ)
雑誌では冒頭の帽子の脇に「サーカス公演初日の朝」とモノローグが挿入されていましたが、単行本では消えています。

雑誌では振り返りのため記述されていたのが、単行本では不要と判断されたのだと思われます。


●第106話5ページ(単行本141ページ)
エミリコの台詞が「もしかして今朝の…!」から「貴女は今朝の…!」に変更されています。

104話の同じ場面の台詞ですね。


●第106話12ページ(単行本148ページ)
最後のコマで、ケイトの前に立つエミリコの台詞が修正されています。

雑誌では「こっそり選別会の名簿に書いた名前…」となっていましたが、単行本では「名簿に書いた選別会直前に覚えた名前…」と変更されています。

…う~ん。こういうことは言いたくないのですが、ちょっと回りくどくなってしまっているような……。

確かに文字を書けない当時のエミリコの説明としては単行本の方が正確ですが、なんか説明的な台詞に感じます。個人的には雑誌の方がシンプルで好きです。

ただ、エミリコが目の前にいるケイトを“ミラーサイドで会った少女と同一人物”だと確信し、文字を教えて貰ったことを強調していたとすればこういう言い回しになるのかなとも思いました。

おお、奥深いなあ……。



<10巻>
●第108話12ページ(単行本14ページ)
エミリーの祖母がかつて住んでいたという家の煙突が、雑誌連載時と単行本で形状が異なっています。

言葉で説明するのが少し難しいのですが、エミリーの祖母の家の煙突は、屋根の一角に煉瓦でできた四角い囲い(水切りというらしいです)があり、そこからパイプが突き出ています。

そのパイプが、雑誌では複数本(4本?)あるのに対し、単行本では1本となっています。

第109話では単行本と同じ形状ですのでそれに合わせたのでしょう。10巻の扉に描かれている家の煙突も同様の形状となっています。

なお、15ページ目(単行本17ページ)の煙突が描かれているシーンも同じように修正されています。


●第109話10ページ(単行本46ページ)
この部分に関しては、偶然にもツイッターの公式アカウントで画像が投稿されておりました。

ですのでこの箇所については雑誌掲載時の画像を掲載致します。

第109話画像(公式ツイッターより)

(シャドーハウス公式アカウントより→【最新8巻大好評発売中‼️】)

非常に分かりにくい部分ですが、ケイトの鞄の蓋部分(画像の左側)が雑誌版では網掛がありませんが、単行本では本体と同じように網掛けが追加されています。

多分これ、今まで見つけた連載時と単行本の相違点の中でトップクラスの地味さです。


●第111話1ページ(単行本103ページ)
冒頭、ケイトはモーフのいる穴を覗き込んでいますが、雑誌では「これがミラーハウスで人間を襲ったという…恐ろしいモーフ…!?」というモノローグがありました。

ところが単行本では削除されています。

110話のラストでケイトは「これがモーフ…!?」と似た台詞を発しているので、重複を避けたものと思われます。


●第113話2.3ページ(単行本104.105ページ)
以前、ケイトとエミリコは同期の中で何番目にペアが成立したのかを考察しましたが、その際に112話では部屋に誰も残っていないことから、一番最後に成立したと推測しました。
(→ケイトとエミリコは何番目?(第112話考察))

ところが、113話ではエミリコが寝ているベッドの横にルウとラムも寝ていたため、二番目か三番目にペアが成立した可能性が出てきました。
(→前記事「ケイトとエミリコは何番目?(第112話考察)」の追記)


しかし、単行本では113話の冒頭で変更点がありました。なんと、エミリコの横で寝ていたルウとラムがいないのです!

ということは、112話の描写と矛盾が生じたため変更したのでしょうか。
やはりケイトとエミリコは最後にペアが成立したのかも知れませんね。


●第113話9.13ページ(単行本111.115ページ)
エミリコとケイトの部屋を繋ぐ隠し扉。

この絵柄が、エミリコがケイトの部屋の中にいる時といない時とで違うのをご存じでしょうか?

答えを書くと、花の一枚絵が飾られた壁が室内に向いている時はエミリコが部屋にいない時、黒い絵が数枚飾られている壁が室内に向いている時はエミリコがケイトの部屋にいる時です。
(上の方に掛けてある刀はそのままです)

ところが、雑誌連載時はエミリコがまだケイトの部屋に来ていないのに、回転扉の位置に黒い絵が飾られていました。

さらに、13ページ目でこの隠し扉が回転しているのですが、エミリコが挨拶している脇に花の一枚絵が飾られています。

最初読んだ時はいつもと違う描写だったため『この隠し扉の絵柄にも何か意味があるんだろうか?』と深読みしていましたが、114話では1ページ目の時点で従来通りの描写に戻っていましたので、特に意味はなかったようです。

この隠し扉の件に関しては、あらすじ紹介の「第114話 あなたの名前は」でも触れておりましたので比較的探しやすい相違点でした。


●第114話6ページ(単行本126ページ)
エミリコの台詞が雑誌掲載時の「お影様」から、単行本では「ご主人様」に修正されています。

この台詞については当時から既に『第8話でミアに教えて貰うまでエミリコは“お影様”という言葉を知らなかったのになぜ?』とツイッターで指摘されておりましたが、その設定と統一するため修正されたと思われます。

私としては、8話時点のエミリコは114話当時の出来事を覚えていなかったでしょうから、説明は一応つくと考えていました。

ですが修正されたということは、やはり7話までエミリコは“お影様”という言葉を知らなかったということになりますね。

あ、もしかしてこれもエミリコが学校に行ってなかった伏線だったとか……?

だとしたら凄いです!


以上が、私が見つけた雑誌連載時と単行本での相違点です。

9巻と10巻では、単行本収録にあたって削除されたモノローグが数箇所ありましたが、それだけではなく描写にも大きな変更がいくつも見受けられました。

ただ、9巻から10巻にかけてのエピソードはアニメ放映中だったり、二期制作発表などがあった時期ですので、恐らくはソウマトウ先生はご多忙だったかと存じます。

にも拘らず、それでも過去のエピソードと設定が合致するよう単行本では修正下さるのですから、読者としては大変ありがたい限りです。


なお、もしかしたら私が見逃している箇所もあるかも知れませんので、他にも見つけられた方は教えて頂けますと嬉しいです。