何だか久しぶりに各話感想記事を早く書き上げられた気がします。

なんでこんなに余裕あるんだろうかと考えたんですが、恐らく今回のエピソードは過去話とほぼ関係のない内容だったからでしょう。

つまり、過去話をそれほど振り返らず、目の前のエピソードだけを見て書いたからだと思います。こんな気分で記事を書いたのは、連載初期以来だなあと懐かしくなってきました。


しかし、それは裏を返せばシャドーハウスが新たな局面に入ったことを意味します。

シャドーハウスはそもそも、最新話でも「あれは伏線だったのか!?」と驚かせられることがあるくらい、初期から設定が綿密に練られた作品です。また、伏線だけではなく、過去のキャラ同士のやり取りや何気ない行動・台詞が後々のエピソードでも取り上げられることは数多いです。

さらに、第44話の主人公交代劇、第80話のアニメ化と同タイミングの新章開幕、第107話の事実上の”エピソード0”と、これまで何度も作品全体の大きな展開点がありました。そうしたリスタートを繰り返して本日まで物語が紡がれてきたのです。


ですが、ほぼ新規といえるキャラクターが10名も登場し、しかも主要キャラクターが姿を見せない此度の第169話ほど“新章開幕”という名にふさわしいエピソードはないでしょう。

主人公コンビの顔が遠目にしか、そしてはっきりと描かれていないのはそのせいもあるかも知れませんね。


「さあ お披露目を始めよう」


「特別な生き人形」によって、新たなお披露目が始まりを告げました。
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過去話を振り返らない、と言っておきながら初っ端から第22話との比較をしますが、当時のエドワードの行動と第169話とでは若干の相違点がありますね。

今話の感想をSNSなどで拝見していると「またエドワード自己紹介でやらかしてる」「ここで『エド』と言わなかったが故にセダンチェア乗るハメになったのに反省してない」といったご指摘が散見されますが、加えて新人たちに対する高圧的な態度も変わりません。

もっとも、今回は遅刻する組がいるわ、なぜか朝4時から集合している組がいるわでエドワードにも同情できる点はありますけどね。こう見てみるとケイト達はまだ大人しい方だったということがよく分かります。


さて、個人的に気になったのが、エドワードが「お披露目を始めよう」と言ったタイミングです。

第22話では栄光の廊下の奥側の扉を開いたところで、今回はこどもたちの棟側の仕切りを開いた時に上記の台詞を言っています。

まあこれは単純に漫画の演出上の違いなのかも知れませんが、しかしエドワードの直前の台詞を見てみるとちょっと面白いなあと感じました。

なぜなら遅刻してきたステラに対し、「開始後の立ち振る舞いによっては取り返しのつかないことになる」と宣告しているからです。

ということは、逆に言えばお披露目がスタートしていない中でのやらかしは、まだセーフとも解釈できます。

第22話でエドワードはエミリコ達に対して「“生き人形”に聞く 『おじい様と共にある棟』に続くこの渡り廊下なぜこんなに長いんだと思う?」と意地悪な質問をしていましたが、彼がお披露目の開始を告げたのはその直後でした。

あの時エミリコとショーンは自分の考えを答え、ルウとリッキーは「“生き人形”が考えることではありません」と回答し、ラムは無言でしたが、今話のエドワードの発言から考えるとあの時の質問は特に審査には影響がなかったのかも知れません。

……てことは、あれはエドワード個人の嫌がらせだったかもですね。本当に嫌な男だなあ。(あと全然関係ないですがルウとリッキー息ぴったりで尊い)

まあ、ただ今回の新人たちは個性豊か(癖が強い)ですので、エドワードには是非ともあの時と同じ質問をして欲しいと思いますし、それに新人たちがどう答えるのかも聞きたいですが。


さて、では前置きはここまでにして今話の内容に移りましょう。

今回のエピソードでは、オスカー組・ロロル組・ダニー組・マチルダ組・ステラ組の五対のお披露目直前の様子が描かれています。彼ら彼女らに関して順に語っていくことにしましょうか。



●オスカー/オスカル組

「一番乗りだッ!」

早朝だというのにテンション高いオスカー。

緊張してるのは分かりますが、これじゃまるでジョンみたいです。ケイトが持っている報告書のステータスグラフだと煤量は少ないのであまり部屋は汚れていませんが、こんな調子ではさぞかし生き人形は大変でしょうね。ショーンと同じく苦労しているさまが伺えます。

しかし、ページをめくるとそこには同じくハイテンションな生き人形が!?

ソワソワしすぎて皿洗いという究極の単純作業をずっとしていたのが、従者のオスカルです。

これじゃオスカルじゃなくてラスカルやないかーい!(と思ったらツイッターでも同じこと呟いてる方いらっしゃいました。)

とまあ、ある意味で息の揃ったこの一対。行動力のステータスグラフも最高値を示しており、思い立ったら即行動!、な性格が見て取れます。

しかしそれが災いしてか、なぜか朝4時過ぎにお披露目に向かうという理解に苦しむ行動に移ります。それも後に判明しますが、集合時間は11時15分だったので驚異の7時間前行動!!

さながら『ブレーキ(ショーン)のいないジョン』といった風でしょうか。

あと一番乗りにこだわっていた点、語尾に「ッ」が付くところはルイーズを彷彿とさせました。

でも流石に7時間は早すぎませんかね? これで次のお披露目から「早朝待機は特別な生き人形のご迷惑となりますのでご遠慮下さい」とか栄光の廊下に看板立ってたら確実にオスカーのせいでしょうね。


●ロロル/ルル組

「絶対にお披露目受かりましょうね」

オスカー組から打って変わって、静かな佇まいのこちらのペア。

甲斐甲斐しく主人の世話をする従者のルルに対し、終始無言なロロルがちょっと不気味ですね。真っ先にシャーリーのことを思い出してしまいました。

しかし、もしもロロルが「人格の未習得」だったら落第は避けられそうもありません。そうしたシャドーが辿る運命は第45話で語られています。ライアンは「死ねば朽ちる」と言っていました。

う~ん、辛い!ケイトどうする!?

ですが、ケイトは冒頭で新人たちにお披露目について教えることができたと言っていましたので、恐らく新人五対のことも偵察済みかと思います。そんな中、もしも落第しそうな新人がいたらもっと焦っていることでしょう。なのでロロル組についてはさほど心配いらないのかも知れません。

それにルルの様子を見ると、ラムと違って「ふれあい」(≒お休みのキス)はちゃんとやっていると思われますしね。ここまで甲斐甲斐しくお世話してるのに「ふれあい」なしとはちょっと考えにくいですし、お休みのキスでなくても「ふれあい」は可能(第45話参照)ですので、きっとロロルは少し大人しいシャドーなのでしょう。

また、何よりも上記のようにルル自身がお披露目に受かろうとする気持ちを持っているのは強みです。

生き人形が主人をリードしているという部分は、かつてのパトリックとリッキーを想起させますので、ロロルとルルの今後の関係性の変化にも注目したいです。
(しかし見開きの集合絵を見ると、実にすらっとした長身長髪黒髪少女ですね。推しになりそう)


●ダニー/ダン組

「…よし ダンいくぞ」

部屋の中央には壊れたテーブル。そして颯爽と部屋から出る主人と従者。

あれっ!?たったの1ページでお終い!?しかも台詞は上記の一言だけ!!

待て待て待てー!!なんだこの情報量は…!?(前回のダグラスの真似)(意味は正反対だけどね)

しかし、仔細に見ていくとこのペアについて幾つか知ることができます。まずは、既にすす能力が開花済みという点です。

ステータスグラフを見ると煤量が多いようなのでジョンタイプかも知れません。また、食事量も多い方なのでお腹が減ってしまう心配がないのは利点ですね。(第36話のステータスグラフだとジョンの食事量はやや少なかったのでその比較です。今ではジョンももっと食べているかと思いますが)

でも性格はジョンとは程遠く、少し気難しい感じが致します。無言の筋肉キャラというとシャドーハウスではベンジャミン組が近いかも知れません。

いつかベンジャミン組・ルイーズ組と共に筋トレしてくれたら面白いなあと思いつつ、最後の見開きでオスカー組を睨んでいるのはリッキーのようです。ラストページでオスカーを小突いているのも村時代のリッキーを彷彿とさせますね。

煤量の多さからしてお披露目合格の可能性は高いと推測されますが、教養のなさがどう響くのかは心配なところであります。

あと、ソフィに目付けられませんように!!!


●マチルダ/マーチ組

「おっひろめ♪おっひろめ♪」

いやね、まさかシャドーハウスでこんなに可愛い「お披露目」の言い方があるのかと感激してしまいましたよ。おっひろめ!おっひろめ!!

それにしても、第80話でエミリコがマーチを見ていた時は大人しい子なのかと思っていましたが、主人のマチルダはこんなに明るい少女だったんですね。オスカーにご執心な辺りも、等身大の恋する少女という感じで微笑ましいです。これまでシャドーハウスの恋愛模様は男子ばかりでしたので、その点も非常に新鮮です。(サラのエドワードへのあれはちょっとなんか違うし…)

ただお披露目をピクニック気分で挑むとは、なんとも緊張感がないというか大胆不敵というか、やや危なっかしいです。

ケイトはマチルダ組にどんな説明したんでしょうかね。あまり詳細な説明はできないから「お披露目とはシャドーと生き人形の相性を見る儀式で~」とか「庭園を巡って謎解きをして~」とか曖昧な説明しかできなかったのか、またはちゃんと説明したのにマチルダは「お披露目」「同期」「庭園」という都合のいい部分しか聞いていなかったのか……。なんか後者な気がしてきたなあ。

しかし、浮ついているように見える彼女達ですが、ステータスグラフを見ると煤量以外は実に優秀です。ルイーズのステータスグラフは描写されておりませんでしたが、ひょっとしたらマチルダ組のステータスに近かったのかなという気がしました。

あと気になったのは、オスカーにご執心な点です。

普通、お披露目前のシャドーが他の組に会う機会はないのですが、マチルダはどこでオスカーを知ったんでしょうか。

ケイトが事前に新人五対の顔合わせをさせたのか、マーチがオスカルからオスカーのこと聞き、それをマチルダに喋ったら一方的に惚れてしまったとか、それくらいしか思いつかないなあ……。

あとあり得るとすれば、勝手に部屋の外をうろついていたらオスカーを見てしまい一目惚れ、というジョンパターンもなくはないです。でもこれだと、オスカーも勝手に外に出ていたということになりますので考えにくいですけどね。もし本当にそうだったら、この新人たち癖が強すぎる……!

しかも最後まで読んでみるとオスカーもまんざらではないようですし、ますますオスカーとマチルダの関係が気になって仕方ありません。もしもマチルダが婚姻の申請制度知ったら真っ先に手続しそうですよね。その際には、是非ともジョンから書き方を教わって欲しいです。


●ステラ/キャンディ組

「ご…ごめんなさい…!」

パニックホラー編でも、前回の169話でも登場したのがステラ組です。こちらの対が最後の最後に登場しました。

遅刻したこと、パンを咥えて走っていること、ステータスグラフでは食事量に全振りしていることなどなど、こちらもツッコミどころが多いですね。

喋り方はマーガレットに近く、ちょっと自信なさげなところはラム、おっちょこちょいなところはエミリコを彷彿とさせます。特に見開きで目を伏せている辺りはお披露目の頃のラムっぽいです。

しかし前回のように、パトリックにお礼をしたいからとルールを破って部屋から出るところなんかは、随分とアクティブな印象を受けます。また、こんな状況だというのにパンを食べているのを見るからに、食い意地は張っているのでいざという時の胆力もあるでしょう。多分お披露目でも、ケイトとエミリコのように粘り強く合格を手にするのではないでしょうか?

あと個人的願望ですが、ダグラス組との絡みが見たいです!



以上、新人五対を見て感じたことを書いてみました。

随分と個性の強い5組(10人)が集まりましたね。いやはや、一体どんなお披露目になるというのでしょうか。

ところで全体を見渡して思ったのが、ひょっとしたらケイトがお披露目について新人たちに教えたことって『ご飯をしっかりと食べること』なんじゃないかとふと思いました。

なんせ、3対も食事に関する描写があるからです。


ケイト達のお披露目ではエミリコ達がお菓子を食べるシーンがありましたが、あれはエドワードが生き人形に栄養補給をさせることで庭園で思いっきり動いてもらい、重鎮達にお披露目を楽しんでもらうといった意図があったのではないかと考えています。

ということは、案外ケイトが教えたことは細かいことではないのかも知れませんね。

『お披露目は大切な儀式だから前の日は早く寝て、朝ご飯はしっかり食べるのよ』みたいな。なんか遠足の準備みたいですね。あっ、だからマチルダ組はウキウキだったのかな?オスカーもそれが楽しみすぎて寝られなかったとか?

あとオスカーについても、オスカルが大量の皿を洗っていましたが、これも夕食をたくさん食べていたからかも知れません。なんだか本当にあり得る気がしてきた……。


或いは、今回のお披露目ではお菓子タイムがなく、それを事前に知ったケイトが予め新人たちに食事を摂るよう命令していた可能性も考えられます。

それだとマチルダ組がサンドウィッチを用意していたのも頷けますし、オスカーに食べさせてあげたいというのも腑に落ちますね。こう考えるとマチルダ健気な子ですね、可愛らしいです。


けど、それだと気になるのがダニーです。彼は登場早々ですす能力を発動させた形跡がありますが、もしもジョンタイプのすす能力だとしたらお腹減ってしまうのではないでしょうか?

お披露目真っ最中のいざという時に『駄目だ腹減りすぎて力が出ないっ!』ってならないかなと心配です。

いや、もしかしたらそこでマチルダのサンドウィッチが回復アイテムになるとか……?(神々の山嶺のクライマックスみたいに)(ネタバレ)


と、まあ段々今後の想像が捗ってしょうがないので今回はこの辺にしておきましょう。

これだけ癖の強いメンバーが集まった此度のお披露目。ケイト同期の時と同じように一筋縄ではいかない展開となることは間違いありません。

そして、それと並行して「ルイーズとルウ奪還作戦」が敢行されるのも忘れてはなりません。

前回は半年以上続いたお披露目ですが、果たして今回はどんなドラマがどれだけ描かれるのでしょうか。

シャドーハウス屈指の傑作「お披露目編」が姿を変え、再び私たちの前にお目見えしました。

新・お披露目編、満を持して開幕です!