過去にも何度か触れていますが、第59話のサブタイトル「散策」は元々「秘密基地」という題名でした。

上の画像は当時のヤングジャンプ本誌です。
Web版の修正は間に合ったとのことでしたので、このタイトルを目にすることができたのは紙雑誌のみでした。もちろん単行本も正しいタイトルで収録されています。
当時のソウマトウ先生曰く、サブタイトルは担当者の方になんとなく付けて貰っているのでそれほど重要でないと仰っていましたが、それでも第59話の内容を鑑みると「散策」「秘密基地」どちらもしっくりくる気がします。
恐らくそれは、担当者の方が吟味に吟味を重ねてサブタイトルを決定したからでしょう。どちらもふさわしいと感じたからこそ、差し替えが間に合わないくらいギリギリまで悩んでいたのだと思います。
すると、第59話はサブタイトルが二つ存在する稀有な回だと言えそうです。
ただ、稀有だといってもサブタイトルが二つ存在するのは別段問題にはなりません。いずれにせよ第59話のことを指しているからです。「名前」とは物事を識別するための名称なわけですから、サブタイトルが重複しない限り“「特定の話数」=「特定のサブタイトル」”という図式は崩れません。
よって、全く同一のサブタイトルが同一作品の中に現れることはありえないと言って差し支えないでしょう。
それは世の創作作品を見回せば分かります。サブタイトルが同じ場合「○○○前編」とか「○○○①」とか「○○○(1)」などというように、同じサブタイトルでも違う話数だと分かるように工夫されていることがほとんどです。少なくとも私が見聞きしたことある事例は全てそうなっています。もしもそうでないケースがございましたら是非教えて下さい。
しかし、シャドーハウスは「類似作品不在」です。そんな従来の常識など通用しません。此度の第198話では、過去に名付けられたものと全く同じ、同一作品内では前代未聞といえるサブタイトルが現れました。
「独白」
この既視感のある副題は第107話に遡ります。60年前にとある館を襲った陰惨な事件のあらましが、当時を知る女性の口から語られたエピソードでした。それによって、シャドーハウスの前史の一端が明らかになりました。
今回の第198話では、同じ事件が別の人物によって語られます。
それはかつて、理想に燃え、そして夢破れた男性による後悔と諦観が入り混じった回想録でした。

上の画像は当時のヤングジャンプ本誌です。
Web版の修正は間に合ったとのことでしたので、このタイトルを目にすることができたのは紙雑誌のみでした。もちろん単行本も正しいタイトルで収録されています。
当時のソウマトウ先生曰く、サブタイトルは担当者の方になんとなく付けて貰っているのでそれほど重要でないと仰っていましたが、それでも第59話の内容を鑑みると「散策」「秘密基地」どちらもしっくりくる気がします。
恐らくそれは、担当者の方が吟味に吟味を重ねてサブタイトルを決定したからでしょう。どちらもふさわしいと感じたからこそ、差し替えが間に合わないくらいギリギリまで悩んでいたのだと思います。
すると、第59話はサブタイトルが二つ存在する稀有な回だと言えそうです。
ただ、稀有だといってもサブタイトルが二つ存在するのは別段問題にはなりません。いずれにせよ第59話のことを指しているからです。「名前」とは物事を識別するための名称なわけですから、サブタイトルが重複しない限り“「特定の話数」=「特定のサブタイトル」”という図式は崩れません。
よって、全く同一のサブタイトルが同一作品の中に現れることはありえないと言って差し支えないでしょう。
それは世の創作作品を見回せば分かります。サブタイトルが同じ場合「○○○前編」とか「○○○①」とか「○○○(1)」などというように、同じサブタイトルでも違う話数だと分かるように工夫されていることがほとんどです。少なくとも私が見聞きしたことある事例は全てそうなっています。もしもそうでないケースがございましたら是非教えて下さい。
しかし、シャドーハウスは「類似作品不在」です。そんな従来の常識など通用しません。此度の第198話では、過去に名付けられたものと全く同じ、同一作品内では前代未聞といえるサブタイトルが現れました。
「独白」
この既視感のある副題は第107話に遡ります。60年前にとある館を襲った陰惨な事件のあらましが、当時を知る女性の口から語られたエピソードでした。それによって、シャドーハウスの前史の一端が明らかになりました。
今回の第198話では、同じ事件が別の人物によって語られます。
それはかつて、理想に燃え、そして夢破れた男性による後悔と諦観が入り混じった回想録でした。
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ということで、今回はかつてのミラーハウスの当主・アルフレッド公の回想によって物語が進んでいきました。先程もお伝えした通り、モーフが館を襲撃した事件とその前日譚が彼の視点から語られたのです。その中でアンソニーの出生の秘密も明らかになりました。
......さて、そうすると第198話について語ることはほとんどないですね。モノローグ形式で語られたわけですから描写されていることはほぼ事実なわけですし、内容等々に関しては本編をそのまま読めば良いということになります。その事実を基点に、次回以降どんな物語になっていくのか想像するためのステップがこの第198話だったといえましょう。
しかしそれだとあっけないですよね。
なので僅かではありますが、此度のエピソードについて考えたことを書いていきたいと思います。
まず最初のページにはすす島の外の様子が書かれています。この話をしているのはもちろんアルフレッドです。
彼曰く、当時衰退の一途だったミラー家。その原因はどうやら戦争だったようですね。
これまで外の世界の様子はほとんど描かれていなかったので推測すらできませんでしたが、こうなると俄然外の世界とはどんなのだろうかと想像が膨らみます。
例えば、第109話では育った家を出たケイトがすす島へと足を踏み入れていましたが、その際に船の中にいた人々は「飢えて苦しむ住人がひとりもいないとか」と噂をしています。
ということは、島の外では何らかの理由で食料が十分にいきわたっていないのでしょう。生産量の問題なのかインフラの問題なのかは不明ですが、先程の「戦争」が大きな影響を及ぼした可能性はあると思います。ひょっとしたら同じように衰退していた貴族はミラー家だけではないかも知れません。
一方、エミリコとキャンディがいたサーカスは島の外からやってきました。
サーカスが興業として成り立っているということは、少なくともミラーサイド程度の街が存在し、それなりに豊かな生活を送っている住人がいることになります。
アルフレッドは「領地を奪われ」と語っていますが、ミラー家の領地を奪った一族の中には土地の開発に成功した者もいたのでしょう。そうした豊かな土地や資源の争奪戦によってアルフレッドは兄弟を亡くしてしまったとも考えられます。それは酷く辛い体験だったのではないでしょうか?
となれば、アルフレッドが掲げた「誰でも歓迎されるそんな理想の場所を作ろう」という夢も分からないでもないですね。
「ミラー家」の名がミラーサイドのミラー湖からきているとしたら、今「すす島」と呼ばれている島はミラー家の誕生した土地ということになります。幸か不幸か一族の原点となる場所だけが残され、そして生き残った自分がやるべきことは何なのかとアルフレッドが考えたとしたら、富だとか名誉よりもまずは理想を語りたくなるのも分かる気がします。
妻のキャサリンはアルフレッドの夢物語を面白く聞いてくれたと言いますが、暗い世相の中で夫の無邪気な理想を聞くということは、余程の心の余裕がなければできないと思います。彼が語る通り、キャサリンは強い女性だったのでしょう。
キャサリンが「強い」と聞いて、そういえばモーフの襲撃後にエミリーと逃亡していたキャサリンは毅然としてたっけなあと思い出しました。(第107話)
しかし、「誰でも歓迎される」そんな理想郷を作ろうとしていたのに、それがよりにもよって側近の裏切りによって瓦解するとは気の毒です。
その原因はもちろん60年前のモーフによる襲撃です。それによってアルフレッドは館を追われました。キャサリンとエミリーもその際に散り散りになります。第107話でも描かれた逃走劇の始まりは、当主夫妻の今生の別れとなってしまったのです。
しかも驚くのは、その引き金を引いた人物です。
ジョゼフ。
これまで作中で何度も思わせぶりに登場したシャドーハウスの№2ともいえる人物。
彼がシャドーハウスの誕生の発端を担っていたことには驚くやら納得するやらです。成程それなら今も重鎮という地位に着いているのも頷けますね。
ただ、気にかかるのが、ジョゼフの娘がモーフの襲撃について「発端」がジョゼフだと言っていることです。
「原因」ではなく「発端」ということは、かつてのジョゼフはモーフの襲撃を意図していなかったとも捉えられます。そう考えると当時のジョゼフが娘をアルフレッドに託して逃げろと言っていたのは、何らかのトラブルがあったと考えることも可能ですし、なんなら今まで我々が見てきた「ジョゼフ」とアルフレッドの側近だった「ジョゼフ」は違う人物であるとも推測できます。
ひょっとしたら、ミラーハウス時代のジョゼフは何らかの実験に失敗した結果、モーフの暴走を招き「シャドーハウス」誕生の遠因になったのかも知れませんね。
第198話のラストでは幼き日のアンソニーが笑顔を見せていますが、「発端」の息子であり、「希望の子」でもある“クリストファー”に何が起きて今現在のアンソニーとなったのでしょうか。
本誌の煽り文には「願い」と書いて「のろい」とルビが振られていますが、その「のろい」は現在進行形で館に不幸をばら撒いている最中です。
ということで、今回はかつてのミラーハウスの当主・アルフレッド公の回想によって物語が進んでいきました。先程もお伝えした通り、モーフが館を襲撃した事件とその前日譚が彼の視点から語られたのです。その中でアンソニーの出生の秘密も明らかになりました。
......さて、そうすると第198話について語ることはほとんどないですね。モノローグ形式で語られたわけですから描写されていることはほぼ事実なわけですし、内容等々に関しては本編をそのまま読めば良いということになります。その事実を基点に、次回以降どんな物語になっていくのか想像するためのステップがこの第198話だったといえましょう。
しかしそれだとあっけないですよね。
なので僅かではありますが、此度のエピソードについて考えたことを書いていきたいと思います。
まず最初のページにはすす島の外の様子が書かれています。この話をしているのはもちろんアルフレッドです。
彼曰く、当時衰退の一途だったミラー家。その原因はどうやら戦争だったようですね。
これまで外の世界の様子はほとんど描かれていなかったので推測すらできませんでしたが、こうなると俄然外の世界とはどんなのだろうかと想像が膨らみます。
例えば、第109話では育った家を出たケイトがすす島へと足を踏み入れていましたが、その際に船の中にいた人々は「飢えて苦しむ住人がひとりもいないとか」と噂をしています。
ということは、島の外では何らかの理由で食料が十分にいきわたっていないのでしょう。生産量の問題なのかインフラの問題なのかは不明ですが、先程の「戦争」が大きな影響を及ぼした可能性はあると思います。ひょっとしたら同じように衰退していた貴族はミラー家だけではないかも知れません。
一方、エミリコとキャンディがいたサーカスは島の外からやってきました。
サーカスが興業として成り立っているということは、少なくともミラーサイド程度の街が存在し、それなりに豊かな生活を送っている住人がいることになります。
アルフレッドは「領地を奪われ」と語っていますが、ミラー家の領地を奪った一族の中には土地の開発に成功した者もいたのでしょう。そうした豊かな土地や資源の争奪戦によってアルフレッドは兄弟を亡くしてしまったとも考えられます。それは酷く辛い体験だったのではないでしょうか?
となれば、アルフレッドが掲げた「誰でも歓迎されるそんな理想の場所を作ろう」という夢も分からないでもないですね。
「ミラー家」の名がミラーサイドのミラー湖からきているとしたら、今「すす島」と呼ばれている島はミラー家の誕生した土地ということになります。幸か不幸か一族の原点となる場所だけが残され、そして生き残った自分がやるべきことは何なのかとアルフレッドが考えたとしたら、富だとか名誉よりもまずは理想を語りたくなるのも分かる気がします。
妻のキャサリンはアルフレッドの夢物語を面白く聞いてくれたと言いますが、暗い世相の中で夫の無邪気な理想を聞くということは、余程の心の余裕がなければできないと思います。彼が語る通り、キャサリンは強い女性だったのでしょう。
キャサリンが「強い」と聞いて、そういえばモーフの襲撃後にエミリーと逃亡していたキャサリンは毅然としてたっけなあと思い出しました。(第107話)
しかし、「誰でも歓迎される」そんな理想郷を作ろうとしていたのに、それがよりにもよって側近の裏切りによって瓦解するとは気の毒です。
その原因はもちろん60年前のモーフによる襲撃です。それによってアルフレッドは館を追われました。キャサリンとエミリーもその際に散り散りになります。第107話でも描かれた逃走劇の始まりは、当主夫妻の今生の別れとなってしまったのです。
しかも驚くのは、その引き金を引いた人物です。
ジョゼフ。
これまで作中で何度も思わせぶりに登場したシャドーハウスの№2ともいえる人物。
彼がシャドーハウスの誕生の発端を担っていたことには驚くやら納得するやらです。成程それなら今も重鎮という地位に着いているのも頷けますね。
ただ、気にかかるのが、ジョゼフの娘がモーフの襲撃について「発端」がジョゼフだと言っていることです。
「原因」ではなく「発端」ということは、かつてのジョゼフはモーフの襲撃を意図していなかったとも捉えられます。そう考えると当時のジョゼフが娘をアルフレッドに託して逃げろと言っていたのは、何らかのトラブルがあったと考えることも可能ですし、なんなら今まで我々が見てきた「ジョゼフ」とアルフレッドの側近だった「ジョゼフ」は違う人物であるとも推測できます。
ひょっとしたら、ミラーハウス時代のジョゼフは何らかの実験に失敗した結果、モーフの暴走を招き「シャドーハウス」誕生の遠因になったのかも知れませんね。
第198話のラストでは幼き日のアンソニーが笑顔を見せていますが、「発端」の息子であり、「希望の子」でもある“クリストファー”に何が起きて今現在のアンソニーとなったのでしょうか。
本誌の煽り文には「願い」と書いて「のろい」とルビが振られていますが、その「のろい」は現在進行形で館に不幸をばら撒いている最中です。
