来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話あらすじ

第16話 洗浄の間

とうとう19話の掲載号が発売されましたね。

かくいう私はまだ読んでおりません。
このブログでの各話紹介を昨日までに書き終えたかったのですが、残念ながら間に合いませんでした。
ですが、先入観を持つのも良くないと思いますので18話まで書き終えてから19話を読んでみようと思います。

いかんせんこの漫画は内容が濃いですからね。
しようがないと自分に言い聞かせながら残り3話、紹介していきたいと思います。


今回のお話はお風呂回です。

お風呂回といっても、近年のアニメにありがちなお色気要素は一切ないですけどね。私としてはシャドーハウスにそういった要素は求めていませんので、ホッとしました。

さて、洗浄の間については以前の大掃除の時に少しだけ触れられています。
真っ黒になったエミリコが現れる直前、上機嫌に踊るミアの発言から確認できます。

ミアはこの洗浄の間で身体を洗うのが好きなんでしょうね。
この日も先日の亡霊騒動の話もそこそこに、エミリコに今日は楽しい日だと陽気に廊下を進んでいきます。

生き人形の見た目や性格付けといった個性がどうやって生み出されているのか、またどう決定されているのかはまだ分かりませんが、恐らく“偉大なるおじい様”なる存在が大きく関わっている可能性があるのは疑いようがないでしょう。

それについての考察はまた後日、書いていこうと思います。

さて、ミアについては少し大人っぽく、かつ明るい優等生みたいな性格付けがなされているようです。しかもエミリコとの絡みを見る限りだと面倒見も良い。亡霊騒動の際の言動・行動を見ても、かなりしっかりとした生き人形のように見受けられます。

果たして入浴中、ミアは自身が生まれつき優秀だと語ります。
普通こんな発言をしたら鼻持ちならない野郎だと反感を買いそうですが、生き人形が作り物という前提があっての発言ですので、そこまで気になりません。
また、エミリコに生き人形のスタートラインはそれぞれ違うと前置きをした上での会話ですので、うまく彼女なりに気を使いながら会話しているようです。
これ一つとっても、頭が良いのが伝わってきます。

対してエミリコは、どちらかというと外見も性格も幼い印象がありますね。
洗浄の間に入る前も、男の子たちが並んでいる後ろに並ぼうとしてミアに止められていたり、人形でも男女別に分かれることに不思議がっています。

エミリコについては、彼女自身が自らを人形だと強く認識していることもありますが、内面はまだ思春期前の少女と考えられます。

ちなみに、エミリコが自身を人形と強く認識している描写として、今回のお話でも洗浄の間に初めて入った日のことに触れていますので、これも彼女の性格の特徴といえるかも知れません。
(ただ単にミアとの知識の差だけかもしれませんが)

さて、洗浄の間を進むとシャワールームで泡を流しますが、この時エミリコはミアの体に付いた痣を目にします。明るい空気で進む今回のお話の中でこの場面だけが特異ですので、いやがおうにも気になります。
もしかしてサラに虐められているのでは…、と勘繰りたくなるような不穏なシーンです。
(しかも外からは見えない位置に痣があることが、余計そう感じさせます。)

シャワーが終わるとまるでエステのような空間になり、そこでは顔のない人形によって生き人形達の身だしなみが整えられています。

そういえば生き人形って主人に仕えてはいるものの、実際の仕事はすす掃除と顔としての役割だけなんですよね。
調理炊事や洗濯などは顔のない人形の仕事です。
よくよく考えてみるとケイトが生き人形はただのメイドじゃないのと言っていましたが、確かに通常考えられるメイド像とは似て非なるものです。
日常業務のみに限れば掃除しかしないわけですし。
(エミリコはケイトの話し相手や裁縫といったこともできますけどね)

これもシャドーハウスという作品の世界観の特徴といえるかも知れません。

暫くすると、エミリコ達の後に洗浄の間に入ったルウが姿を現しました。
その隣には、元気そうなローズマリー‼
亡霊騒動の際にすす病に掛かってしまいましたが、大量に水を飲むという治療(?)の結果、大事には至らなかったようです。

これにはエミリコも嬉しそうです。
きっと、ずっと心配していたんでしょうね。
これでとりあえずは一安心です。
いや、本当に良かった…。

笑顔で終わるエミリコを、久しぶりに見ることができた気がします。

第15話 動く人形

題名を見て、エミリコ達のお話かと思っていたら、どうやら違いました。

今回の主役はエミリコのお友達、パンちゃんです。

 

なんと堂々の扉絵デビューです。

ちなみに、連載時は年明け最初のお話ということで、鏡餅に似たパンちゃんを起用したと公式発表されていました。

 

15話は前回の“亡霊”騒動から暫くしたところから始まります。


朝の呼び鈴が鳴るたびにあの騒動を思い出すエミリコ。
以前であれば朝になると飛び起きていたのですが、よほどショックだったのでしょう。
浮かない顔をしているのは、授業の中断が残念だからという理由だけではなさそうです。

なお、この時エミリコは髪を束ねた寝間着姿ですが、この格好が複数コマで描写されるのは第3話以来ですね。寝る時もシャドー家の顔として気を付けないと、朝は寝ぐせやらなんやらで大変な目に遭うのはご承知の通りと思います。

さて、起きてからパンちゃんに笑顔で挨拶をするエミリコ。
とても大切なのでしょう、仕事の時も一緒です。

ところがこの日の掃除中、エミリコはケイトから注意されてしまいます。
(そういえば久々にケイトが登場しましたね)

理由はケイトが大切にしているあのぬいぐるみ。
それが勝手に動いていたとケイトは言いました。

するとエミリコはパンちゃんが朝動いていたのを思い出し、ケイトのぬいぐるみも勝手に動いたと喜びます。
が、突然そんなことを言われたケイトはエミリコがごまかそうとしていると誤解して声を荒げます。
とその時、ロケットのようにポケットから飛び出すパンちゃん。
さすが鳥のぬいぐるみなだけあります。

これにはケイトもびっくりです。
そんな力があることを自覚していなかったケイトは信じられないといったふうです。

いわゆる“偉大なるおじい様”の力が介在する生き人形はともかくとして、自らがぬいぐるみを動かせるはずがないと語るケイト。
それに対しエミリコは、「では、ケイト様に偉大な力があるのではないですか」と、聞く人によってはおじい様に失礼だと叱られそうな台詞とともに、再度パンちゃんを動かせようとケイトを催促します。

確かにケイト様の念により微動するパンちゃん。
やはりケイトが何らかの要因で関わっているようです。

ただ、いろいろ試す中で動かせる人形と動かせないものがあることに二人は気付きます。
動かせる人形に共通すること…。

エミリコは、動かせる人形は自身が手を入れたもので中身がケイトのすすであることに思い当たりました。
これには驚いた様子のケイト。まるで表情が見えるかの如く衝撃を受けています。
だって普通、そんなもの綿の代わりにしないですものね。

大切なものには大切なものを入れたかった、と説明するエミリコ。
どうやらケイトはお気に召さなかったようでそっぽを向いてしまいます。

また失敗してしまったかと焦るエミリコ。
そっけないケイト嬢。

が、やらかしてしまったかのように見えて、実はケイトからすすが出ていないんですよね。
これはいつぞやと同じ、意地悪で怒ったふりをしているケイト様です。
ただの照れ隠しですね。

もうこの頃になると、鍛え上げられた読者でならば、ケイトの表情までもが見えるようになってきています。
かくいう私もその一人です。

なんだかんだで、ケイトを慕うエミリコのことが、ケイトも愛おしいのだろうなと感じるほのぼのストーリーでした。

第14話 亡霊

緊急呼集が掛けられた消防署の如く、生き人形でごった返す掃除の間。

未だ授業気分のエミリコに、ミアは対“亡霊”用装備を急いで整えるよう指示を出します。

ところがそんなあわただしい空気の中、ロビンマスクについてのんびりと解説をするローズマリー。
彼女はこんな時でもぶれないようです。

肝が据わっているのかのんびり屋なのか…。

ミアに先導されて向かった先には、ヤマタノオロチのような形をしたすすの塊がありました。
先着した生き人形もどうしたものかと考えあぐねています。

そこに登場したのが、以前エミリコが窓から手を振った生き人形でした。
なんと、“星つき”という格が上の人形みたいです。

でもこのバービーという生き人形、“亡霊”に怯むことなく指示を出しますが、なんせ口が悪いです。
ローズマリーをぼんくら呼ばわりの上、指示もぶっきらぼうです。

まあ緊急事態ですからそんな生き人形がいた方が頼りにはなるのでしょうが、思うところがあるのかミアは「ほんっと性格が悪いわ」と不満を口に出します。

ただそうも言っていられず、逃げた“こびりつき”とよばれる動くすすを追いかけるローズ班総員。

ある部屋に追い詰めたと思いきや分裂していたようで、ローズがこびりつきの標的となってしまいました。

ローズマリーにまとわりついたこびりつきは蜘蛛のような姿に変形し、気色悪いことこの上ありません。
あげくローズマリーにとどめを刺す構えを見せました。

ローズマリーを助けようとするミアに、これもまた頭部を攻撃するという、生き人形に対して最も効果的な方法で反抗するこびりつき。

ここで機転を利かせたエミリコが花瓶の水をぶちまけるという反撃を行い、なんとかローズマリーからこびりつきを引き剥がしました。
これには普段無口なルウまでもが、すごいねと褒める大活躍。
なんとか最悪の事態は免れました。

しかしこれで解決したかと思われた瞬間、ローズマリーが異常な行動に出ます。
すす病と呼ばれる病気で、救護班でないと対処できない病気になってしまったようです。

そのローズマリーを心配そうに見送るエミリコ。

今回の事態には、さすがのエミリコも最後まで動揺を隠せずにはいられなかったようで、不安げな様子で今回のお話は幕を閉じました。

第13話 授業

12話で一呼吸を置き、いよいよ今回の第13話から物語が大きく動き出します。

 

この日は、3回目の部屋の外のお話です。

とはいっても前回は、事故によるイレギュラーな件でしたね。

正式な手続きの上では2度目の部屋の外でのお勤めです。

 

ただ今回はお仕事ではなく“授業”、勉強としての外出です。

向上心の高いエミリコは日記に楽しみだと綴ります。

…あれ、エミリコって字書けたんだ……。

 

さて、再び同じ班での行動となると、気になるのがミアのことです。

前回会った時のサラの隣にいたミアの姿が、エミリコの脳裏に浮かびます。

 

ところが、廊下で会った彼女は最初に出会った時と同じ、あの陽気なミアでした。

 

これにはエミリコもほっとしたようで安心します。

ミアは仕事として主人の顔を演じていたのですね。

エミリコはまだまだねと笑うミア。

撮影が終わった女優が、役から抜けて素顔を見せているかのようです。

 

そうしているうちに集合した四人。

年長のローズマリーの号令で授業スタートです。

まずは新人のエミリコに合わせ、屋敷の中の案内から始まります。

なんだか楽しそうでいいですね。

 

掃除の間、顔のない人形の仕事場(行く必要なし byルウ)、学びの間、等々…

 

所々、明らかに掃除に使わなそうな道具があったり、必要のない場所のことは今後考えなくてもよいと語るローズマリーなど、少し引っかかるところがありながらも授業は進んでいきます。

 

そしてさり気なくルウもまだお披露目前であることが明かされます。

屋敷が二重構造であることも判明しました。

 

今回のお話は屋敷の内部を考察するにあたって、多くの情報が描かれていますね。

 

授業が滞りなく進行する中、たまったすすに気が付くエミリコ。

掃除した方が良いか聞く彼女を、ローズマリーは気に入ったようです。

 

すかさず関心ねえとエミリコを抱きしめるローズマリー。

 

いいなあ、ローズマリー。エミリコを抱きしめられて…。

いいなあ、エミリコ。ローズマリーにギュッとして貰えて…。

 

失礼しました、つい邪な想いが頭をよぎってしまいました。

 

そうこうしていると、お披露目の間という部屋に辿り着きました。

仕切りがあるので普段は使われていないのでしょう。中もよく見えません。

 

自然とお披露目の話になりますが、お披露目でうまくいかない場合どうなるかについては口を濁す二人。

なんだかいつも無表情なルウも、不安げな様子に見えます。

 

そこで質問を変えるエミリコ。

が、話が進む中で生き人形のNGワードを口に出してしまいました。

 

このことに関して忠告するローズマリーは、口調こそは変わらないものの、普段とは違う真剣な顔をしています。

 

…いや、これエミリコは悪くないですよね。

“偉大なるおじい様”という言葉が使ってはいけないなんて、普通思い及びもしません。

 

すると、廊下に置かれた鈴が突然鳴り出しました。

すわ、エミリコの失言が原因か!?

 

と思いきや、なんとその鈴は亡霊が現れた時の緊急の呼び鈴でした。

いきなり亡霊といわれて訳の分からない様子のエミリコ。

我々読者も同じです。

 

かくして、連載以来最も緊迫した状況のまま、次回へと話は続きます。

第12話 汚しながら

今回のお話、連載中はあまり評価が高くありませんでした。

単行本の準備があったとはいえ、休載明けで前回の続きはどうなるんだろうと待ち構えていたところに今回のエピソードでしたから、なんだか肩透かしを受けたような気分になったという意見がネット上では散見されました。

かくいう私もその一人でして、コマいっぱいに描かれたエミリコの笑顔や、髪をなびかせながら嬉しそうに掃除するエミリコの躍動感に心奪われたものの、前回との落差に少し物足りなさを感じたものでした。

ところが発売された単行本1巻を読んだ時、このお話を第12話に持ってきたことに納得すると同時に、打って変わって好きなお話の一つとなりました。

詳細についてはあえて触れませんが、このお話があることで単行本第1巻が一つの作品として締まりのある完成品へと昇華されています。

まるでこれまでの11話がこの第12話のためにあったかのようです。

内容はケイトから出るすすをエミリコが掃除する、という単純極まりないお話ですが、考えてみればこれこそが二人の一番自然な関係なんですよね。

二人がつつがなく平穏な毎日を送る。
これ以上何を望むといえましょうか。

二人の元気な姿を見られる。

それだけで幸せではないかと、改めて思い知らされたお話でした。
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