来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

パトリック&リッキーのキャスト発表!

「シャーリーとラムのキャストが発表されているのにまたかよ」と思われるかもしれませんが、まあ当ブログの反応が遅いのはいつもの事ですのでご容赦頂ければと思います。

さて、いよいよアニメ放映まで2か月を切りましたが、2月4日に4組目のキャスト発表がありました。


パトリック&リッキーのキャストは、川島零士氏に決定しました!


調べてみますと、シャドーハウスと同時期に放映されるNHKアニメ「不滅のあなたへ」で主演を務めるとのことで、立て続けに大役が決定したことを喜ぶファンの声が幾つも見受けられました。


パトリックとリッキーは二人とも内面と外面の差が激しく、おまけにお互いがパートナーの外面を相手の本心と誤解している(裏を返せば、内面はどちらも一部似ている)という、なかなか演じるに難しいキャラクターです。

しかし公式サイトによれば、

趣味:ファッション・海外旅行・読書・美術
ロードバイク、映画、舞台鑑賞
特技:洋服のコーディネート、水泳、ラグビー、場を和ませる
(株式会社AIR AGENCY公式サイト)

と川島氏は非常に幅広い趣味をお持ちです。

ならばその経験に裏打ちされた素晴らしい演技をしてくれることでしょう。

そんな彼がどうパトリックとリッキーを演じるのかとても楽しみですね!


さて、記事の話題からズレるのですが、此度当ブログのカテゴリに「アニメ」を追加致しました。
まだ過去記事への反映は済んでいませんが今後順次追加していく予定です。

思えばブログを立ち上げたのは2年前のちょうど今頃でしたが、とうとう記事カテゴリに「アニメ」という項目を作ることになるとは何だか夢みたいです。


第90話 千載一遇

チャンスを目の前にして冷静でいられるかどうか。
それこそが勝負の分け目と言えます。

1979年の日本シリーズ最終戦は、近鉄バファローズにとってまさに“千載一遇”のチャンスでした。

二リーグ制成立当時から存在していた伝統ある猛牛球団。

球団創設から30年目にして初のリーグ優勝を決めたバファローズは、その勢いのまま日本シリーズを本拠地で連勝、その後広島東洋カープに王手をかけられるものの、再び舞い戻った本拠地で逆王手を掛け、日本一を目指します。

しかし、戦災から立ち上がった広島市民の期待を背負ったカープも、初の日本一を手にするためにあらゆる手を尽くします。

かくして「猛牛球団」VS「市民球団」の決着は、双方譲らぬまま第7戦へと突入しました。


この第7戦の最終回で繰り広げられたのが、名高き「江夏の21球」です。

バファローズは最終回の攻撃でカープのリリーフ・江夏豊を攻め立てるものの、無死満塁というサヨナラ勝ちの好機を生かせず、ついに1点も取れないまま敗北します。

特に、19球目に投じられたストライクゾーンから大きく外れたボールは、現在でも失投だったのか、それともスクイズバントを避けるために敢えて江夏投手が投げたのかは、野球選手・ファンの間で判断が分かれています。

シリーズ終了後、作家の山際淳司氏は当時の関係者の駆け引きを丹念に取材し、それをノンフィクション作品として発表しました。その中で、勝利を収めようと攻勢をかけるバファローズ側と、打たれ続けるうちに冷静さを取り戻す江夏豊投手の様子が明らかになります。

そのドキュメントは野球ファンから大反響を巻き起こし、やがて本の題名から上記の場面は「江夏の21球」と呼ばれるようになりました。

野球に興味のない方も、言葉だけは聞いたことがあるかも知れませんね。


昨年の本日、2月11日に惜しまれつつ亡くなった野村克也氏は、NHKのドキュメントで

「わたくしが考えますには、このプロ野球っていうのは半世紀が流れておりますけども、これ程の格好の場面っていうのは出くわしたことはないんでありまして、これからも恐らく出るか出ないか分からないと思う。それぐらいの名場面が、昭和54年・3年前の広島.近鉄の日本シリーズじゃなかったかと思います」(音声反訳)

と述べています。

また、近鉄バファローズは大阪近鉄バファローズと名前が変わった後も存続しますが、残念ながら2004年の球界再編の煽りを受けて消滅しました。

上記の野村克也氏のコメントや、結局一度も日本一になることができないまま歴史に幕を下ろしたバファローズの悲劇も相まって、今でも第30回日本シリーズは語り継がれています。


さて、この日本シリーズ第7戦最終回の攻防についてですが、まさに勝負を左右したのは『冷静でいられたかどうか』でした。

ドキュメント「江夏の21球」では、前半は失点が許されない状況で守勢しようと奮闘するカープバッテリーと、その隙を突くバファローズの攻撃が描かれます。片や後半は、ピンチを迎えるもののチームメイトの一言で冷静さを取り戻す江夏豊投手と、何としてでも点を取りたいと焦燥するバファローズ側の様子が描かれます。

最後の最後に広島東洋カープが栄光を手にしますが、その闘いは一寸先も見通せない非常にタフな闘いでした。勝負の分かれ目は、最終局面で普段通りの実力を出せるかどうかにかかっていたといえましょう。


今回のお話では、前回と打って変わって、現在のこどもたちの棟の状況は“千載一遇”のチャンスだと賭けに出るケイトの様子が描かれました。

しかし多くの方がSNSで憂慮するように、私もケイトの行動は、今までの彼女からは考えられない衝動的な打算に基づいた行為にしか見えません。

既に次回が待ち遠しいですが、ひとまず第90話を振り返りましょう。続きを読む

第89話 甘言

あまり日常生活では使いませんが、“甘言”という言葉はよく見かけます。

読んで字の如く、口先だけの聞き心地の良い発言を指す言葉です。
そういった言葉を並べることを、“甘言を弄する”などと表現したりします。


この“甘言”と似た言葉に“巧言令色”という熟語があります。
この言葉を用いた文で最も有名なのは、論語の

「子曰く、巧言令色鮮きかな仁。」
(巧みに言葉を飾り人の顔を伺う者には、人徳や情はない)

です。(“巧言令色鮮し仁”とも言います)


論語は春秋時代の中華の思想家・孔子の言葉をまとめた本ですが、2000年前の言葉が現在でも通用するとは面白いものです。結局のところ、人間の本質は案外変わっていないということでしょう。

論語には、現代においても非常に示唆に富む言葉が数多いです。もしも興味がありましたらインターネットで探してみて下さい、幾らでも見つかります。本屋に行けば関連書籍もたくさんありますので手に取ってみてはいかがでしょうか?


さて、シャドーハウスから話題が逸れましたが、論語の中でもう一つ紹介したい言葉があります。

それは、

「子曰く、徳は弧ならず、必ず鄰あり」
(人格者は孤独ではない。必ずそれを仰ぎ、共鳴する者がいる)

です。

シャドーハウスと出会い物語が進む中で、この言葉から私が想起したのはケイトの姿でした。

ケイトの正義を貫こうとする姿勢にエミリコやジョン・ショーンは共感し、当初の孤独だった闘いが様変わりしました。彼女の正しさは、第74話ですっきりとした笑顔を浮かべていた、ローズマリーの表情が何よりも物語っています。

仲間とはまだ言い切れませんが、ルイーズ組やパトリック組とも良好な関係を築いていますし、もしもシャーリーとラムがいればきっと心強い理解者になってくれたことでしょう。

ケイトの志には、それだけの魅力があるのです。


しかしそのケイトの仲間集めも、“甘言を弄する”あの人物によって阻まれることとなります。

あと一歩のところで、ケイトの想いはサラに届きませんでした。



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