来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

感想

第74話 仲間の価値

「これってもしかして」
「俺たちは夢の中で」
「「入れ替わってる!?」」

といえば、2016年に公開された映画「君の名は」のPVの台詞ですね。

この台詞を見た途端、RADWIMPSの「前前前世」が脳内に流れた方もいるかと思います。

私がこの予告動画を見たのはその年の春でしたが、映画館で見た時「なにやら凄そうな映画がでてきたな」と感じたことを覚えています。
俗に言う「入れ替わりモノ」は世に溢れていますが、何だかそれだけに留まらない雰囲気を感じたんですよね。
今でもこの時の感覚はうまく言語化できません。
ただただ、「面白そうだな」と思いました。

その後の大ヒットは述べるまでもないでしょう。
私も上映中、まだ半分位しか終わっていないというのに心の中で「凄いなあ、これは凄いなあ、これは騒がれるわけだ!」と何度も頷きながら観てました。


私が特に惹かれたのは、この映画が当時の世相をよく反映していたことです。

東京と地方。近代文明と伝統文化。
相反するものがそれぞれ並立あるいは共存しながら成立している様子は、21世紀初頭の我が国をかなり鮮明に映し出していました。

また、物語の主要テーマ「入れ替わり」がファンタジーであることは自明ですが、一昔前なら一笑に付された“ある共同体が自然災害によって一瞬で失われる”という最近になって人々が共有した経験は、作品にこれ以上ないリアリティを与えていたと思います。
巧みな描写により、物語の中に現実世界を投影する効果をもたらしたことが大ヒットに繋がったのではないでしょうか。

もしも私が長生きして、未来の若い人に平成末期はどんな時代だったかと問われれば、迷わずこう答えることでしょう。

「『君の名は』を見れば事足りる」

将来、それくらいの評価を受ける作品だと私は思っています。


さて、相変わらずシャドーハウスから話題が逸れましたので軌道修正します。


夜を徹して続いたマリーローズ  VS ケイトの戦い。

その死闘に終止符を打ったのは、この「入れ替わり」でした。


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第73話 水路の三択

先日の『王様のブランチ』での紹介や無料公開の影響で、再びシャドーハウスが注目を集めていますね。

本ブログも多くの方に見て頂けているようです。
わざわざ足を運んで下さり感謝申し上げます。


こうなってくると「次にくるマンガ大賞」のノミネート落選がつくづく惜しくなってきますが、過ぎてしまったことは致仕方ありません。

小説家・村上春樹氏だって芥川賞を逃しましたが、それをものともしない活躍で今や国民的作家へと登りつめました。

タイトルの獲得は名作であることの十分条件であって必要条件ではないのです。

後に「芥川賞が村上春樹を取りこぼした」と言われているように、シャドーハウスも将来「過去に例のない不思議な人気の広がり方をした」みたいな感じで語り継がれて欲しいですね。


さて、連載2周年を目前にして慌ただしくなってきましたが、実は昨年の今頃も少しだけシャドーハウスが話題になっていました。

何故かといいますと、お騒がせシャドー・ジョンが煤パンチを繰り出したのが丁度一年前なんですよね。

「次にくるマンガ大賞2019」の入賞圏外(昨年はノミネートされてました)で危機感を募らせた読者の方々が、ジョンの衝撃的(笑劇的?)行動を目の当たりにして活気付いていたのがつい最近のようです。
夏の終わりはシャドーハウスにとって運気が良いのかも知れませんね。


そんな運気と連動しているのか分かりませんが、あの時は庭園迷路でお披露目中だったケイト組とジョン組の2対。

彼女らを取り巻く環境は大きく変わりましたが、一年前と同じくケイト達が立っている場所は館の外でした。


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第72話 やさしさ

一昔前の常識が現代の非常識になることはままあります。

例えば、プールに入った後に目を洗うことは眼球を傷つける可能性が高いため、最近では厳禁とされているそうです。

これを書くと年齢がバレそうですが、私が小学生の頃は学校のプールに洗眼水栓(目の間隔で蛇口が二つ付いた、上向きに固定された水栓)があって、授業後はこれで目を洗い流していました。

当時は疑いもしなかった行為が今では禁止されているとは不思議な感覚です。

ただ理由を調べてみると、水道水との浸透圧の違いや水流の勢いに問題があるらしいので疑問を挟む余地はなさそうですね。
昔は塩素を流すという説明に納得していましたが、案外尤もらしい理由さえあれば人はそれを信じてしまうのかも知れません。物事の判断とは難しいものです。

プールといえば、最近は暑い日が続くものの流行り病の影響で閉鎖しているところも多いそうです。
一時の混乱とはいえ夏の風物詩が消えてしまうのは寂しいものがありますが、来年の今頃にはこれまでと変わりない景色が見られることを願っています。


さて、久々の更新でシャドーハウスに関係のない話を長々とするのも難なので本題に入ります。

おじい様と共にある棟で衝撃的な出来事が起こる中、庭園で続くマリーローズの「最後の授業」。

窮地に追い込まれるケイトとジョンを救ったのは、エミリコの大好物でした。


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第71話 お呼ばれとお迎え

第71話では、久々に試験官三人組が登場しました。

エドワードとアイリーンとジェラルドです。

彼らは試験官という与えられた役割を全うし、“お披露目”で偉大なるおじい様から評価を得ることができました。
念願の“3階”行きこそはなりませんでしたが、それでも“2階”の住人の中では出世頭でしょう。こどもたちの棟の管理権限はエドワードによって握られることになりました。

ここまでくれば彼らの地位は安泰と思われます。
事実、第36話では“2階”でも十分な権力があると書かれていました。


ところが、三人はそれだけでは満足していませんでした。

さらなる高みを目指すべく、次の一手を練るエドワード達。
その理由は今回のエピソードで描かれた衝撃的な光景が雄弁に物語っています。

“お披露目”の準備をしながら「突き進むべきなのだ」と明言していたエドワード。

文字通り『死』と隣り合わせのシャドーハウスでは、戻ることも留まることも落命を意味していました。続きを読む

第70話 最後の授業

本ブログの来館者が、どのような職業、あるいはどのような学校に通っているのかは分かりませんが、敢えて社会人の方々に聞いてみたいと思います。


学生時代、最後に受けた授業のことを覚えているでしょうか?

恥ずかしながら、私は全然覚えていません。

「最後」という括りがなければ幾らでも思い出せるのですが、不思議と一番最後に受けた授業が何かと問われると何故か思い浮かばないんですよね。


よくよく考えると、「最後の授業」は学生生活の終盤だったため、迫りくる環境の変化に気を取られて印象に残っていないのかも知れません。
私のように覚えていないという方も多いのではないでしょうか?

もっとも、ちゃんと気を引き締めて学生生活を過ごした方が大多数かと思いますので、そんな緊張感のない人間は私も含めて少数だとお叱りを受けるかも知れません。そういった方ならば「最後の授業」は学生生活のピリオドとして、大切な思い出となっていることでしょう。


ところが今回のお話で繰り広げられた「授業」は、そんな議論さえ付け入る隙のないインパクトを我々に与えました。

ケイトにとっては、これが最後であろうとなかろうと、生涯絶対に忘れ得ない授業だった筈です。



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