来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

感想

第79話 抗う者たち

先々週、都道府県魅力度ランキングが発表されていましたね。
今年で15回目だそうです。

率直に言ってこのランキングに何の意味があるのか良く分かりませんが、各都道府県の担当者がこの「地域ブランド調査」の結果に一喜一憂する様子がTVで流れていました。
北海道が12年連続の1位とのことで、次いで京都府・沖縄県・東京都となっています。

地域によって特色が違うのだから、所詮は一シンクタンクによる恣意的な選出と言ってしまえばそれまでです。しかし、やはりみんな気になるのでしょう。この日の夕方は盛んにメディアで放映されていました。

ところで毎年繰り広げられるこの狂騒ですが、今年は例年と大きく違う点がありました。

それは何かと言いますと、7年連続最下位(14回の調査で13年最下位)だった茨城県が『万年47位』から脱したことです。
最下位でもニュース、最下位を脱しても大ニュースと、かの県にとっては不名誉ではありますが、この時期だけはほぼ宣伝費ゼロでメディアに取り上げられる美味しい立場を獲得しています。

ただ、以前当ブログでも取り上げましたが、茨城県って割と格好良い歴史があるんですよね。

詳細については過去記事茨の城をご覧下さい。シャドーハウスと茨城県の歴史を絡めて書いた、かなり異色の記事となっております。

当時私は、ケイトのシャドーハウスに対する姿勢を見て「もしかしたらケイトは館に対して反抗するつもりではないだろうか?」と考えたのですが、彼女の目論見については第47話で明かされましたね。
ここからようやく作品の主題がスタートしました。


そして今回。
ケイトと同じく、館への抵抗姿勢を鮮明にする存在が姿を現しました。

その人物の出現によって、再びケイトとエミリコは迷宮へといざなわれることとなります。


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花びらは散る 花は散らない~第78話感想~

記事の題名は浄土真宗の僧・金沢大栄の言葉です。
後に、倫理学者の竹内整一氏が著した学芸書のタイトルにも用いられています。

この言葉は更に「形は滅びても人は死なぬ」と続くのですが、検索してみると前半部分だけが引用されることがどうやら多いようです。
恐らく前半の「花びらは散る 花は散らない」だけでも意味が通じるからでしょう。


我々が花の散る姿を見る時、散るのは花びらであって花そのものではありません。

“例え花びらが散りその形が消え失せたとしても、そこに咲き誇っていた花が存在しなかったことにはならない。”

そういった意味をこの言葉は孕んでいます。
近年では浄土真宗だけではなく、仏教思想や無常観を端的に表すものとして目にすることが多くなりました。

それはいくつもの時代を経て、多くの人々が共感する死生観として受け入れられるようになったからかも知れません。


私がこの言葉を題名に選んだのは、第78話を読み終えた後に浮かんだのがこの言葉だったからです。

シャドーハウスにおいて、長い間咲き続けていた二つの花。
とうとうその花びらの散る時がやってきてしまいました。

今回の記事は、これまでの思い出を振り返りながら第78話の感想を書いていきたいと思います。



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第77話 答えのない選択

悲劇に直面した時、人間が最初に抱く感情は“驚き”(驚愕)だそうです。

いきなり悲しみに陥るわけではないということですね。
次いで“疑問”、その次に“戸惑い”、そしてようやくその先に“悲しみ”が待っています。

場合によっては“悲しみ”ではなく“憎しみ”または“怒り”へと転じることもままありますが、一見直情的とも思える“悲しみ”は、いくつものプロセスを経て完成される理屈っぽさを内包した感情ということでしょう。

言い換えれば、理由なき悲しみはほぼ存在しえないといったところでしょうか?


この話はかなり前にラジオで聞いたのを記憶のまま書いているだけですので、現代の心理学や脳科学では正しいのかは分かりません。

ただ自分自身のこれまでを振り返ると、あながち間違ってはいないのかなと思います。

非情と思われることは承知ですが、これまで“悲しい”と感じた時のことを思い返すと、必ずその対象に何らかの感情移入(特別視)がありました。思い入れがあるからこそ“悲しい”と感じたわけです。その逆のパターンはまず思い出せません。


もっとも、何の思い入れのないものに対し“悲しみ”を覚える人の方が稀でしょう。
見聞きしたことのない遠い国の悲劇を悲しむ時だって、無意識の内にその国に住まう人々に対して共感性を抱いている筈です。

結局“悲しみ”とは、何もないところから生まれる感情ではないのです。


今回の第77話では、連載以来最大級といえる悲劇が発覚しました。

多くの輝きを見て、思い出を共有した者だからこそ感じる衝撃と驚愕。

それに比肩しうるエピソードは、一年前に発表されたあの回ぐらいしか私には思い当たりません。続きを読む

第76話 消えない傷

ここ数日ネット回線が不具合でして、更新が滞ってしまいすみません。

ツイッターを覗くくらいなら支障がないのですが、ブログの管理画面を開こうとすると何故か繋がらないんですよね。(この記事も一瞬繋がったのでなんとか更新出来ました)

もしかしたら単に通信制限食らっているだけかも知れませんので、取り敢えず月末が過ぎるまで我慢しようと思います。


さて、いつもならシャドーハウスに関係ありそうでなさそうな話からあらすじ紹介に入りますが、今回はその余裕がないのでいきなり本題に入ります。


こどもたちの棟のリーダーから語られる回想編。

彼女を郷愁に誘ったのは、未だ掴むことのできない憧憬の追憶でした。続きを読む

第75話 約束

「約束」を英語に訳すと、“promise”になります。
中学英語で出てくるので基本中の基本ですね。

日本語だとブリティッシュイングリッシュになぞった「プロミス」と発音する人がほとんどだと思いますが、地域によっては「プラマス」とか「プロメス」といった発音でないと通じない場合もあるそうです。
海外旅行の際は要注意です。

ちなみに昔あった金融会社「プロミス」の社名の由来は、顧客との信頼関係を大事にするという事で付けられたそうです。そのまんまですね。(ブランドとしては継続しています)


ところでこの“promise”という単語を調べていたら、少し面白い豆知識を得られました。

“promise”の語源は“pro”(先=未来に)“mis”(送られる)が合わさったものだそうです。

“mis”と聞いて「送る」という意味があるなんてなかなか発想しづらいですが、“mis”を「送る」という意味で用いた単語として、他に“message”(伝言)があります。

おおっ!これなら成程という気分です。

すなわち「未来に送られた言葉」=“promise”(約束)ということですね。
こうしてみると趣のある言葉に見えてきます。
何だかロマンティックですね。

そしてさらに調べていくと“promise”から派生した言葉で次のような単語を見つけました。

“promising”(前途有望な、見込みのある)


第75話を読んだ方なら私が何を言いたいか分かるかと思います。


かつてシャドーハウスで交わされた、とある二対の「約束」。

それを見て「前途有望」だと話しかけた声の主は、誰もが惚れ込んだあの英雄でした。

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