来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

あらすじ

第69話 理由

題名を見て最初に思い出したのは、小説家・宮部みゆき氏の同名の作品でした。

直木賞受賞作品であることと三度の映像化で知名度の高い小説ですが、何よりも大きな特徴は登場人物が多いことです。

普通、小説の主要人物は多くて十数名ですし、名前が出ていても物語に実質関わらない脇役も多いです。それに文章で表現されるため、漫画でいう“モブキャラ”は省略されるのがほとんどです。

そういった意味では、数十人もの人物が登場する宮部みゆき氏の「理由」は特異な作品と言えますね。
初めてWebで検索したのですが、サジェストで「相関図」と出てきたのでクリックしたら沢山の相関図が出てきて思わず笑ってしまいました。
ミステリー好きな人の多さを改めて思い知りました。


さて、シャドーハウスも登場人物が多い作品ですね。

漫画では先程も書いた“モブキャラ”が描かれるため、小説よりもキャラクターが多くなるのは必然といえます。
しかしそれを差し置いてもかなりの大人数だと思います。
幾らシャドーと生き人形がペアで登場するので倍々に増えていくとはいえ、100名以上のキャラクター全てに名前と性格が与えられているのは珍しいと思います。

ベル姉妹はともかくとして、マーガレットとマギーまで物語に大きく関わってくるとは正直予想外でした。(期待はしてましたけど)


そんな同名の傑作を彷彿とさせた今回のサブタイトル。
その意味は、前話を読んだ方なら何を示しているのかご存知かと思います。

寂しげに「どうしてなの?」と問いかけたケイトの疑問。

その真相は、愛しき者のために心強くあろうとした、切ない願いでした。



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第68話 亡霊騒ぎの犯人

久々のカラー扉でしたね。4巻発売以来でしょうか。
満を持して、ジョンとショーンが彩りを伴って初登場しました。

彼らが腰掛けている風変わりな椅子は、ウィスパリングチェアまたはキッシングチェアと呼ばれる椅子です。
何の用途に使うのかは字面から想像して下さい。
まあ普通は男女で座る椅子ですね。

でも貴族が暗殺の情報を交わしたことからアサシンチェアとも呼ぶみたいですので、この扉絵ではそちらの方が似合います。
本を伏せて従者の声に耳を澄ませるジョンが格好良いですね!
(絶対本読んでないだろうけど)


今回のお話はそんな扉絵が似合う、同期にすら明かせないケイト組とジョン組だけが知る秘密が暴かれました。


沈黙の後に告げられた犯人の名。

伏し目がちにその名を呟いたケイトの胸には、どんな感情が去来していたのでしょうか。
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第67話 ローブ様について

ちょっとした疑問なのですが、第18~20話にかけて登場したあの怪しげなお影様って何て呼べばいいんでしょうね?
本ブログではずっと“ローブシャドーと”書いてきたのですが、実は劇中では一度もこう呼ばれていないんですよね。

じゃあ何でこのブログでは“ローブシャドー”と書いてきたのかと言いますと、第19話最終ページの次回予告で“ローブシャドー”と書かれていたからです。
表記がブレている場合、私は先行して使用された言葉を優先しているため(例:星付き→星つき)あのお影様も“ローブシャドー”と呼んできたのですが、登場人物は全員“ローブ様”と呼んでいます。


ちなみにWikipediaのシャドーハウスのページでは何故か“フード様(仮)”と書かれています。(令和2年6月18日現在)
言いたいことは分かりますが、一度も使われていない呼称はちょっと……。

それと蛇足ですが、ニコニコ大百科では紹介すらされていません。


いずれにせよ、あの親切なお影様については何もかもが謎であるということですね。
物語の序盤で登場したのに、正体不明のまま70話が目前とはある意味凄いです。しかもお披露目中はその違和感が全くない展開でしたし、多彩なストーリーが並行して進んでいくので正直存在を忘れそうになった時期もありました。影が濃いのか薄いのか分からないですね。


さて、そんな長らく謎の存在であった“ローブシャドー”。

ケイトのもとに集められた情報によって、その正体が徐々にあぶりだされてきました。



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第66話 婚姻について

花は生活に彩りを添えてくれます。

生物学的に『花』とは種子植物の繁殖機能を備えた器官となりますので、マツやヒノキ、苔やシダといった植物の地味な生殖器官も厳密にいえば『花』です。

花粉症の季節が迫ると、花粉をふんだんに湛えたスギの花がテレビ等で放映されますので見たことがある人も多いでしょう。
あの茶色くて丸い実のようなものがスギの花です。一般的にイメージする花とは結構様相が違いますね。


我々が思い描く『花』が地球上に誕生したのはジュラ紀、今から約1億4000年前です。白亜紀以降、地上に広く分布し始めました。
それまで繁栄していた『裸子植物』と対比して、このグループを『被子植物』といいます。

構造上の違いは挙げると長くなりますので割愛しますが、この二つのグループの何よりの相違点は『花』の形態です。

花粉の輸送を風や水に頼った裸子植物に対し、被子植物は虫や動物に花粉を運搬させるため、目を引くよう色は煌びやかに、そして香り高い『花』を付けるようになりました。

運任せの裸子植物に比べて、生存戦略に磨きをかけていった被子植物は勢力を拡大します。比例して、花の形態も多様化の一途を辿りました。

悠久の時を経て、その生存戦略が繁栄を遂げた一種族の目に留まり、更なる多様化へと突き進んでいくとは進化の過程は面白いものです。


そして現在。
花は鑑賞・装飾・贈呈に欠かせない人間生活の必需品です。

昨年、平成時代最大の流行歌としてSMAPの「世界に一つだけの花」が話題となりましたが、これも私達の生活に花が身近な存在だったからだと思います。

つい最近、相次ぐ式典の中止により苦境に立たされた花屋を救おうと、多くの方々が声を上げていたのも記憶に新しいですね。


シャドーハウスも至る所に花が登場します。

ケイト嬢のシンボルは赤薔薇ですし、ルイーズやバーバラも花の装飾品を身に着けています。
そういえば、エドワードのスーツの柄もスズラン(?)ですね。
(まだ未確定)

マリーローズやローズマリーのように花の名を持った人物もいますし、直接の由来ではないもののベンジャミンとオリバーの名前も植物と関係があります。

お披露目ではシロツメクサがエミリコの象徴として扱われていました。


物語に頻繁に登場する『花』。

今話ではこの『花』が、とあるシャドーの運命を翻弄します。


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第65話 お呼ばれについて

‟If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”


これは20世紀初頭に活躍した小説家・レイモンドチャンドラーの作品に登場する主人公の台詞です。

日本語では、
「強くなければ生きていけない 優しくなければ生きる資格がない」
と訳されており、様々な場面で引用されることの多い言葉です。

大抵、力を持った者が自らを律するために用いるか、粗暴な者を諫めるためにその人物の師が発することが多いような気がします。
ちなみに私がこの言葉を知ったのは高校の時、とあるノンフィクション作品でした。

ただ原文が英語であるが故、訳し方によってニュアンスが若干異なる場合もあるようです。
様々な意味合いに取れることも、名台詞たる所以なのかも知れませんね。


この言葉が登場したのは「プレイバック」という小説の作中においてです。
1958年の発表ですから、かれこれ52年前になります。

ところが多くの価値観がひしめき合う現代においては、ますますこの言葉の重みが感じられる毎日です。半世紀以上経った今も名言として残っているのは、我々が無意識の内に身につまされることを実感しているからでしょう。

残念ながら、この言葉は今後も色褪せることなく受け継がれていくことと思います。


一見シャドーハウスとは無縁そうなこの台詞。
しかし今回のお話では、それを想起させるような生き様を貫く一人の少年がいました。

我々が生きる世界と似た言葉が、同じ重みを持つシャドーハウスの世界。

深く知れば知るほど、単純な勧善懲悪に与さない魅力を持つ登場人物が目白押しです。



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