来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話あらすじ

第77話 答えのない選択

悲劇に直面した時、人間が最初に抱く感情は“驚き”(驚愕)だそうです。

いきなり悲しみに陥るわけではないということですね。
次いで“疑問”、その次に“戸惑い”、そしてようやくその先に“悲しみ”が待っています。

場合によっては“悲しみ”ではなく“憎しみ”または“怒り”へと転じることもままありますが、一見直情的とも思える“悲しみ”は、いくつものプロセスを経て完成される理屈っぽさを内包した感情ということでしょう。

言い換えれば、理由なき悲しみはほぼ存在しえないといったところでしょうか?


この話はかなり前にラジオで聞いたのを記憶のまま書いているだけですので、現代の心理学や脳科学では正しいのかは分かりません。

ただ自分自身のこれまでを振り返ると、あながち間違ってはいないのかなと思います。

非情と思われることは承知ですが、これまで“悲しい”と感じた時のことを思い返すと、必ずその対象に何らかの感情移入(特別視)がありました。思い入れがあるからこそ“悲しい”と感じたわけです。その逆のパターンはまず思い出せません。


もっとも、何の思い入れのないものに対し“悲しみ”を覚える人の方が稀でしょう。
見聞きしたことのない遠い国の悲劇を悲しむ時だって、無意識の内にその国に住まう人々に対して共感性を抱いている筈です。

結局“悲しみ”とは、何もないところから生まれる感情ではないのです。


今回の第77話では、連載以来最大級といえる悲劇が発覚しました。

多くの輝きを見て、思い出を共有した者だからこそ感じる衝撃と驚愕。

それに比肩しうるエピソードは、一年前に発表されたあの回ぐらいしか私には思い当たりません。続きを読む

第76話 消えない傷

ここ数日ネット回線が不具合でして、更新が滞ってしまいすみません。

ツイッターを覗くくらいなら支障がないのですが、ブログの管理画面を開こうとすると何故か繋がらないんですよね。(この記事も一瞬繋がったのでなんとか更新出来ました)

もしかしたら単に通信制限食らっているだけかも知れませんので、取り敢えず月末が過ぎるまで我慢しようと思います。


さて、いつもならシャドーハウスに関係ありそうでなさそうな話からあらすじ紹介に入りますが、今回はその余裕がないのでいきなり本題に入ります。


こどもたちの棟のリーダーから語られる回想編。

彼女を郷愁に誘ったのは、未だ掴むことのできない憧憬の追憶でした。続きを読む

第75話 約束

「約束」を英語に訳すと、“promise”になります。
中学英語で出てくるので基本中の基本ですね。

日本語だとブリティッシュイングリッシュになぞった「プロミス」と発音する人がほとんどだと思いますが、地域によっては「プラマス」とか「プロメス」といった発音でないと通じない場合もあるそうです。
海外旅行の際は要注意です。

ちなみに昔あった金融会社「プロミス」の社名の由来は、顧客との信頼関係を大事にするという事で付けられたそうです。そのまんまですね。(ブランドとしては継続しています)


ところでこの“promise”という単語を調べていたら、少し面白い豆知識を得られました。

“promise”の語源は“pro”(先=未来に)“mis”(送られる)が合わさったものだそうです。

“mis”と聞いて「送る」という意味があるなんてなかなか発想しづらいですが、“mis”を「送る」という意味で用いた単語として、他に“message”(伝言)があります。

おおっ!これなら成程という気分です。

すなわち「未来に送られた言葉」=“promise”(約束)ということですね。
こうしてみると趣のある言葉に見えてきます。
何だかロマンティックですね。

そしてさらに調べていくと“promise”から派生した言葉で次のような単語を見つけました。

“promising”(前途有望な、見込みのある)


第75話を読んだ方なら私が何を言いたいか分かるかと思います。


かつてシャドーハウスで交わされた、とある二対の「約束」。

それを見て「前途有望」だと話しかけた声の主は、誰もが惚れ込んだあの英雄でした。

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第74話 仲間の価値

「これってもしかして」
「俺たちは夢の中で」
「「入れ替わってる!?」」

といえば、2016年に公開された映画「君の名は」のPVの台詞ですね。

この台詞を見た途端、RADWIMPSの「前前前世」が脳内に流れた方もいるかと思います。

私がこの予告動画を見たのはその年の春でしたが、映画館で見た時「なにやら凄そうな映画がでてきたな」と感じたことを覚えています。
俗に言う「入れ替わりモノ」は世に溢れていますが、何だかそれだけに留まらない雰囲気を感じたんですよね。
今でもこの時の感覚はうまく言語化できません。
ただただ、「面白そうだな」と思いました。

その後の大ヒットは述べるまでもないでしょう。
私も上映中、まだ半分位しか終わっていないというのに心の中で「凄いなあ、これは凄いなあ、これは騒がれるわけだ!」と何度も頷きながら観てました。


私が特に惹かれたのは、この映画が当時の世相をよく反映していたことです。

東京と地方。近代文明と伝統文化。
相反するものがそれぞれ並立あるいは共存しながら成立している様子は、21世紀初頭の我が国をかなり鮮明に映し出していました。

また、物語の主要テーマ「入れ替わり」がファンタジーであることは自明ですが、一昔前なら一笑に付された“ある共同体が自然災害によって一瞬で失われる”という最近になって人々が共有した経験は、作品にこれ以上ないリアリティを与えていたと思います。
巧みな描写により、物語の中に現実世界を投影する効果をもたらしたことが大ヒットに繋がったのではないでしょうか。

もしも私が長生きして、未来の若い人に平成末期はどんな時代だったかと問われれば、迷わずこう答えることでしょう。

「『君の名は』を見れば事足りる」

将来、それくらいの評価を受ける作品だと私は思っています。


さて、相変わらずシャドーハウスから話題が逸れましたので軌道修正します。


夜を徹して続いたマリーローズ  VS ケイトの戦い。

その死闘に終止符を打ったのは、この「入れ替わり」でした。


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第73話 水路の三択

先日の『王様のブランチ』での紹介や無料公開の影響で、再びシャドーハウスが注目を集めていますね。

本ブログも多くの方に見て頂けているようです。
わざわざ足を運んで下さり感謝申し上げます。


こうなってくると「次にくるマンガ大賞」のノミネート落選がつくづく惜しくなってきますが、過ぎてしまったことは致仕方ありません。

小説家・村上春樹氏だって芥川賞を逃しましたが、それをものともしない活躍で今や国民的作家へと登りつめました。

タイトルの獲得は名作であることの十分条件であって必要条件ではないのです。

後に「芥川賞が村上春樹を取りこぼした」と言われているように、シャドーハウスも将来「過去に例のない不思議な人気の広がり方をした」みたいな感じで語り継がれて欲しいですね。


さて、連載2周年を目前にして慌ただしくなってきましたが、実は昨年の今頃も少しだけシャドーハウスが話題になっていました。

何故かといいますと、お騒がせシャドー・ジョンが煤パンチを繰り出したのが丁度一年前なんですよね。

「次にくるマンガ大賞2019」の入賞圏外(昨年はノミネートされてました)で危機感を募らせた読者の方々が、ジョンの衝撃的(笑劇的?)行動を目の当たりにして活気付いていたのがつい最近のようです。
夏の終わりはシャドーハウスにとって運気が良いのかも知れませんね。


そんな運気と連動しているのか分かりませんが、あの時は庭園迷路でお披露目中だったケイト組とジョン組の2対。

彼女らを取り巻く環境は大きく変わりましたが、一年前と同じくケイト達が立っている場所は館の外でした。


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