来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

感想

第38話 合格

まさかシャドーハウスを読んでいて、腹を抱えて笑う日が来るとは思いませんでした。

詳細は伏せますが、とにかく予想外の出来事が頻発する怒涛の展開に圧倒され、読後は暫くの間「何だったんだこれは?」という感想しか出てきませんでした。

いつもでしたら、最新話を読む時は最初から見落としがないように慎重に読み込んでいるのですが、今回はそれをさせないほどのスピード感に溢れていました。

完全にしてやられましたね。
私の考察魂なぞ寄せ付けない勢いに、ただただ完敗でした。

こんな力技までもが展開されるとなると、もうこの作品には一つの隙もないんじゃないですかね?
そんな見所満載のお話です。

暫くはシャドーハウス成分を摂取しなくても十分なくらいお腹一杯ですが、とりあえずあらすじの紹介をしていきたいと思います。

では続きからお願い致します。
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第37話 「顔」

“忠誠こそは我が誇り”、というフレーズをご存知でしょうか?

かつてのナチスドイツの下部組織・親衛隊のモットーです。

敵対組織の討伐に貢献した親衛隊を、ヒトラーが称賛した言葉が由来とされています。
あるいはミュンヘン一揆の際に、自ら盾になってヒトラーを護衛した隊員を顕彰した言葉とも言われています。

『忠誠』という言葉は所属する団体・権力者に対する献身や服従を指しますが、それは時として自らの命に替えてでも対象のために尽くすという意味です。
良し悪しは別として、歴史上こういった例を探し出すことは比較的容易です。

半ば強制されたように見える例も数多いですが、それは権力者側が集団組織の存続を優先した結果と考えられます。
反面、個人自身の忠誠心による自発的な行動の場合は、後世を生きる人間に対してさえも強く訴えかけるものがあるのも事実です。

いずれにせよ、『忠誠』を貫くには強い覚悟が必要です。
さもなくば自身の存在を“無”とする悟りの境地か、そもそも最初から何も考えずにいた方が幾分か楽といえるでしょう。

エドワードが演出する“お披露目”は、生き人形のシャドーに対する『忠誠心』が試されているように思えます。
ところがそれは、3階の重鎮達の物議を醸しだす諸刃の剣でした。

(今回もネタバレ等含みますので、まだ本編を読んでいない方は注意して下さい。)
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第36話 試験官

扉絵を見て、一瞬最終回かと思って焦りました。

エミリコが笑顔でこちら側に手を伸ばしている絵です。
まるで「大団円!」みたいな煽り文句が書いてあってもおかしくはないくらい、眩しい表情です。

でももちろん、そんなことはないですよね。
もしこれが最後ならば、彼女達の日常の象徴である制式メイド服を着用しているべきでしょうから。

冷静に見てみれば、彼女が着ているのはお手製のエプロン。
シロツメクサで飾り付けられた、エミリコ特製・即席メイド服です。

これは庭園迷路にいるエミリコの姿だとすると、ケイト視点から見た、迎えに来たエミリコの姿でしょうか。
それとも、不安に苛まれるケイトの願望が生み出した幻覚なのでしょうか。
今はまだ、誰も知る由はありません。

さて、まばゆいばかりの今回の扉絵ですが、ヤングジャンプ本誌でもカラー絵ですので是非御覧下さい。
光を背負って笑顔を向けるエミリコの神々しさに、心奪われるのは必至です。

私は普段、荷物が重たくなるため帰宅時に本誌を購入しているのですが、このエミリコのあまりの美しさに惹かれてしまい、朝立ち寄ったコンビニで思わず買ってしまいました。

一昨日からたまに眺めては、ため息をつくことの繰り返しです。
単行本ではどうせ白黒になってしまうのですから、電子版といわず、是が非でも雑誌を手に取って、皆々様も御購入されてはいかがでしょうか?
多分この絵には、それだけの価値があると思います(当ブログ比)。

さて、いよいよお披露目も佳境かと思ったのですが、どうやらそうではないようです。
今回のお話では、あの“特別な生き人形”、エドワードに再びスポットライトが当てられました。

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第35話 見えないから

いよいよ第三巻のラストへ向け、物語が動いてきましたね。
坂道を自転車で駆け下りていくかのような疾走感は、まるで爽やかな風を頬に受けているのではないかと錯覚しそうなほどです。

私自身は不器用なので、絵を描いたり音楽を奏でたりなんてことは到底できない人種です。
しかし、それが故にゼロから芸術を生み出すアーティストやクリエイターは尊敬してやみません。

シャドーハウスも勿論ですが、着想した物語に世界観を与え、生み出したキャラクターに命を吹き込み、そして描き上げた絵に臨場感を持たせて、観た人の心を動かす……

そんな作品を作り上げるには、とてつもない時間と労力と才能が費やされていることは、想像に難しくありません。

今回のお話は、エミリコやラムの声が聞こえてくるのではないかと思うほどの迫力に満ち溢れていて、心にこみ上げてくるものがありました。
改めて、ものづくりに携わる方々への敬意を新たにした次第です。


さて、以前は第2巻のラストとなる第24話が掲載された後、一旦休載となっていましたが今回はどうなのでしょうか?

前回は単行本発売に向けての休載とアナウンスされていましたが、どうせなら仕事のための休載だけではなく、本当の休養という意味での休載はできないものなのかなと、思ってしまいます。

一読者なのに差し出がましい意見ですし、中々業界の競争や慣習として難しいことなのかも知れませんが、作者先生には万全の状態で思った通りの筋書きで作品を描いて欲しいと思っています。

昔、某アイドルの歌詞に
「なにしろ身体だけは資本ですから 大事にしましょう」
というフレーズがありましたが、これは誰にだって当てはまると思います。

ファンはこれからの展望さえあればいくらだって待ちますし、幾らでもお金は出す訳ですから、どうかお気を付けて!、という気分です。

いや、幾らでもお金を出すなんて言うちょろい人間は私だけかも知れませんね。
まあそれでも良いですけど(既に掌で転がされてる)。

すみません、大分長くなってしまいましたね。
これからが本番です。

今回のお話では、これまで見えなかった登場人物たちの感情の発露が、力強く描かれていました。

ではいつも通り続きからどうぞ。
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第34話 いつもの姿

今話のとなりのヤングジャンプのサムネイル画像は、エプロンを付けて「いつもの姿に!!」と言っているエミリコでした。

確かに、生き人形の少女といえばまず真っ先に思い付くのはこのエプロン姿です。彼女達のいわば制服といえるでしょう。

同時に、シャドーと生き人形の日常の象徴とも言えるかも知れません。

最近は‟お披露目”という非日常が続いていましたので、久しぶりに見たせいか少しほっとした気分になりました。
もしもケイトがこのエミリコの姿を見たならば、大分リラックスできるのではないでしょうか。

ケイトを救出する根本的な解決策とはならないでしょうが、この先どのくらい続くか分からない“お披露目”を乗り切るためには、少しくらい緊張をほぐす瞬間が欲しいところです。

お手製のエプロンを見せつけるエミリコに対し、『なっ、何を見せにきてるのよ(クスッ』と笑うケイトの愛らしい姿を是非見てみたいものです。

ちなみに、今回エミリコがエプロンを着た理由はもう一つあります。
まだ詳細は伏せますが、それはあるものを退治するためです。

制服やユニフォームを着ることによる実用的効果はいくつかありますが、精神的効果も少なくありません。エミリコが意図したのかどうかは分かりませんが、この場面でのエミリコの闘いっぷりを見る限りでは、『職業的役割意識』の効果が働いていたと考えられます。

警察官がプライベートでは飛び込むことの出来ない危険な現場に行けるのは、職務中は制服が象徴する社会的役割と警察官個人を同調させているからだそうです。


そう考えると、制服を着たことでエミリコは果敢に闘うことができたのではないでしょうか。
(※警察官の例えについては、古今東西良くも悪くも例外は多くあります。)

この辺について詳しく勉強したいという方は、
‟制 服 についての社会心理学的考察” (帝塚山大学 西川正之氏)
という論文がありますので興味があればご覧下さい。

今回のお話はアクションシーンが多いので、いつにも増して躍動するエミリコとラムを堪能することができます。
その姿は‟深夜の見廻り組”ではなく、幕末の見廻組を見ているかのようです。

ところが、物語のラストは予想をはるかに上回るあまりに衝撃的な告白でした。

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