来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

第30話 黒い点

見返りを求めずに誰かのために尽くすことは、なかなか難しいものです。
ましてやそれが、自身に関係のない他人のためなら尚更です。

世の中には無償の奉仕というものもあるにはありますが、その場合も奉仕者自身の立場が確立されていなければほぼ成り立ちえません。

夏目漱石は小説『三四郎』で、
「人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ。」
と書いていますが、裏を返せば、人は自身の心身に余裕がなければ親切もままならないということをよく表しています。

身を削る献身とはそもそも、生物としては『余計な』行動とも考えられます。
ならば漱石の言葉は、百年前、いやそれ以上前から変わらない人間の本質なのかも知れません。


今回のお話は、そんな当たり前のことが当たり前ではない、しかし誰もが心のどこかで願っている理想像が描かれていました。
もしもこれを明治の文豪が目にしたなら、果たしてどのような感想を抱いたでしょうか。
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庭園迷路 途中経過(第29話終了時点)

第27話から始まった “お披露目 庭園迷路編”。

何とも嬉しいことに、進行状況が地図と併せて描かれております。
誠に親切なことこの上ありませんね。

よって、当ブログでわざわざ進行状況を追うというのも正直、あまり意味はない作業だと思います。

ところがストーリーを考察するにつれて、色々と気付いたことや疑問点が多々出てきました。
そこで、今回は作中で触れられていないことや明記されていないことに着目して、新人達の動きを推察していこうかと思います。
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迷路とグレッグ・ブライト氏

前々回の記事(第29話 不完全な地図)の冒頭で、地図と迷路は相反するものという話をしました。

かなり昔に読んだ本の内容だったため記憶はあやふやだったのですが、思い出してみると不思議なもので、久々にその話が載っていた本を読みたくなってきました。

そこで試しに実家の本棚を漁ってみたところ、幸いすぐに見つかりました。

題名は、
「反世界 もう一つの世界はあるか」(産報デラックス刊行)
という本です。
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昭和53年に発行された本で、宇宙や物理についての最新研究を学者・有識者がオムニバス形式で持論を述べています。
他にもショートショートが収録されていたりと、時代を感じさせる部分もあります。

件の迷路の話は、桑原茂夫という文学研究家の方が書いた評論に書かれています。
見開き2ページくらいのエッセイなのですが、それについて読んでいくと、当時は気に掛けていなかった文章に目が留まりました。

迷路に魅入られ、数々の名作を残した奇才。
グレッグ・ブライトという男の生き様です。
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