来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

考察・魅力

綱渡りの合流劇

合流劇と書きましたが、第30話の話ではありません。
ここで取り上げるのはもっと前、第27話の出来事です。

深夜の見廻りを経て、今現在も苦難を共にするエミリコとラム。

この二人が再び行動を共にしたきっかけは、互いが互いに会いたいと思って歩いていたからでした。

なんと素晴らしい関係でしょうか。
例え“お披露目”という舞台でも、彼女達には『蹴落とし合い』などという言葉は似合いません。
“お披露目” が終わった暁には、友達どころか『戦友』と呼ぶ間柄になっていることでしょう。

まるで運命を思わせるような、エミリコとラムの合流劇。
ところが、よくよくこのシーンを見てみると、実はかなり危うい綱渡りだったことが分かりました。


※この記事は連載時の情報をもとにした記事のため、単行本第3巻で描き直しされている内容を含みます。
あくまで、『当時はこんな見解があった』といった風に見て頂けますと、幸いです。
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庭園迷路 途中経過(第29話終了時点)

第27話から始まった “お披露目 庭園迷路編”。

何とも嬉しいことに、進行状況が地図と併せて描かれております。
誠に親切なことこの上ありませんね。

よって、当ブログでわざわざ進行状況を追うというのも正直、あまり意味はない作業だと思います。

ところがストーリーを考察するにつれて、色々と気付いたことや疑問点が多々出てきました。
そこで、今回は作中で触れられていないことや明記されていないことに着目して、新人達の動きを推察していこうかと思います。
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不揃いじゃない、"不揃いな道具たち"

第26話で、5人の新人生き人形達が選んだ道具たち。

ルウは巨大鋏、リッキーはすすコート、ショーンはルーペ、ラムはランタン。
そして我らがエミリコは荷車でしたね。

様々な道具が置いてある中で、5人それぞれが、それぞれの考えで選んだ道具です。

実は、これらの道具についてはこれからのストーリーを推測しながら、どんな場面でどんな道具が役に立っていくのかを記事にまとめようとしていました。

多種多様な道具が置かれていた……。
そこには何らかの意図があると思ったからです。

ところが、第28話で“お披露目”を眺めるお影様達の話を聞いていて少し気になる部分がありました。

それは、この庭園迷路を作ったのはエドワードである、という会話です。
つまりこの試験は、試験官エドワードのオリジナル審査だということです。

こんな庭園を作り上げたエドワードの造園の腕前には驚嘆せざるを得ませんが、同時に第26話で出てきた道具について一つの推測が思い浮かびました。

題名で、‟不揃い”と言われた一連の道具たち。

もしかしてこれ、エドワードが庭園を作る際に使った道具なのではないでしょうか?

巨大鋏はもちろんとして、例えば汚れないように作業中はすすコートを着ていたとか、日没後の作業の時にランタンを使用していたとか……。
荷車だって植木を運ぶときに使うし、ルーペは細かい仕掛けを作る時に使っていたとも考えられます。

棚の上に置いてあるマッチは切った剪定枝や葉を燃やすためであり、鍵は温室を管理するためのもの、パンは携行食だったかも知れません。
水入れだってありますし、掃除道具も“お披露目”の日を迎えるにあたって、各施設を掃除していた時のものでしょう。

鏡や櫛はどうなんだという話になりますが、これはエドワードが身だしなみを整えるために使っていたものを、面倒くさがって置いておいたものだと勝手に解釈しましょう。

以上を踏まえると、実は“不揃いな道具たち”とは、“造園作業道具一式”だったという見方もできますね。

そう考えると、この中に役に立たない道具はなかったといえます。
ある意味、どれを選んでも正解だったというエドワードの意地悪だったのかも知れません。

生き人形の名付けの基準

第23話の終盤にクローズアップされた、生き人形の命名についてのシャドー家の慣習。

ルイーズ曰く、普通は主人たるシャドーの名前と近いものを付けるという話でしたね。
それが故、ケイトはエミリコを愛していないと槍玉に挙げられてしまいました。

この生き人形の命名については私も興味深かったので、
・「エミリコ」という名前
・おっとり穏やかお姉様~ローズマリーについて~
・おっとり穏やかお姉様~ローズマリーについて~②

の3つの記事で、生き人形の名前の検証やそれに伴う謎の考察を書かせて頂きました。

なぜなら、生き人形に限らず、所有物に対する名付けには当人の思想や考え方が色濃く反映されるものだからです。

実際に第24話のケイトの独白でも、彼女のエミリコに対する想いが描かれていました。

なので、生き人形の名付けの基準とそれに伴う主人=シャドーの姿勢・思想は、決して見逃してはならない重要なキーだと私は考えていたのです。


そう、第2巻を読むまでは……

ここから先はネタバレを含むため、続きからでお願い致します。
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プロモーションビデオ 検証

発売日に突如、週刊ヤングジャンプの編集部ツイッターに投下された動画。
なんと、シャドーハウスのプロモーションビデオでした。

全く想像もしていなかったので、見た瞬間に驚きやら興奮やらで暫く何も手につきませんでした。
ソウマトウ先生も以前にSNSで、2巻も凝ったプロモーションをすると語っていたのですが、それはこのことだったのかと合点が行きました。

PVの内容も、エミリコが動いていることは衝撃的でしたし、物語の明と暗の落差を全力で活かした構成には背筋がぞっとしました。
やっぱり編集部も、可愛い絵柄と不穏な内容という“ギャップ”がこの作品の強みだと認識しているのでしょうね。

PVを作成したのは、アニメ・漫画・ゲームのPVを多く手掛ける、牛丼氏という方だそうです。
さすがプロ、短い中でこれでもかというくらい、シャドーハウスの魅力が詰め込まれています。

一つの作品で落差のある動画といえば、昔ヤングジャンプに掲載されていた‟エルフェンリート”という作品を思い出しました。

この作品のアニメ番宣動画は、サスペンス版とラブコメ版の二つあったのですが、雰囲気が全然違うと話題になったそうです。
(私も見たことがありますが、確かにどちらも間違いではなかったです)

ソウマトウ先生もツイッターで、編集部と自身のPR方法が違いすぎると突っ込んでいましたが、成程どちらも正解ではありますね。

願わくは、将来シャドーハウスでも二パターンの動画を別々に作っては頂けないでしょうかねえ、集英社さん…?(チラッ

さて、今回話題になりつつあるこのPVですが特に注目したいところがあります。

それは、PVで使用されている絵はほぼすべて既出のものだということです。
劇中に出てくる絵やコマや台詞が、そのまま出てくるということです。

字幕や台詞については多少編集や再構成がされていますが、絵に関してはうまく切り取ったり配置したり、場合によっては全く同じ絵を何枚も並べたりと、巧みな演出で音楽に合わせています。

既にある材料でここまで見ごたえのある動画を作るとは、まったく前線で活躍するプロはさすがだなあと呻らずにはいられません。
同時に、動画に耐えうる絵柄やコマ割りを漫画で表現するソウマトウ先生もすごい漫画家なんだなあと、改めて認識させられました。

そこで、今回の記事ではPVで使用されている絵が作品内のどこの部分なのかを検証していきたいと思います。
短い動画ですが、探してみるとかなり多くの場面が出てくるのが分かりました。

詳細は続きからでお願いします。
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