来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話感想

第169話 新たな五対【感想】

何だか久しぶりに各話感想記事を早く書き上げられた気がします。

なんでこんなに余裕あるんだろうかと考えたんですが、恐らく今回のエピソードは過去話とほぼ関係のない内容だったからでしょう。

つまり、過去話をそれほど振り返らず、目の前のエピソードだけを見て書いたからだと思います。こんな気分で記事を書いたのは、連載初期以来だなあと懐かしくなってきました。


しかし、それは裏を返せばシャドーハウスが新たな局面に入ったことを意味します。

シャドーハウスはそもそも、最新話でも「あれは伏線だったのか!?」と驚かせられることがあるくらい、初期から設定が綿密に練られた作品です。また、伏線だけではなく、過去のキャラ同士のやり取りや何気ない行動・台詞が後々のエピソードでも取り上げられることは数多いです。

さらに、第44話の主人公交代劇、第80話のアニメ化と同タイミングの新章開幕、第107話の事実上の”エピソード0”と、これまで何度も作品全体の大きな展開点がありました。そうしたリスタートを繰り返して本日まで物語が紡がれてきたのです。


ですが、ほぼ新規といえるキャラクターが10名も登場し、しかも主要キャラクターが姿を見せない此度の第169話ほど“新章開幕”という名にふさわしいエピソードはないでしょう。

主人公コンビの顔が遠目にしか、そしてはっきりと描かれていないのはそのせいもあるかも知れませんね。


「さあ お披露目を始めよう」


「特別な生き人形」によって、新たなお披露目が始まりを告げました。続きを読む

第168話 裏工作【感想】

またこの話題かと思われるかと存じますが、原画展についてヤングジャンプ本誌に新情報が掲載されていましたね。

その内容は、シャドーハウスの生みの親・ソウマトウ先生のご挨拶です!

ご挨拶については是非とも本誌をご購入いただき読んで欲しいですが、ソウマトウ先生が漫画家になられてから14年経っていることを初めて知りました。

本年で14年目と言うことは、デビューは平成22年(2010年)ということでしょうか?

ソウマトウ先生の公式HPを見てみますと平成21年(2009年)からの情報が記載されておりますが、その年に発表された作品は電撃大王の漫画賞受賞作品とのことですので、その翌年から本格的に漫画家生活をスタートしたと考えられます。

「黒」の連載期間は2011年~2016年、「ギリギリアウト」は2012年~2018年、そしてシャドーハウスの連載が始まったのは2018年からですので、キャリアのほぼ全ての時間を連載作品に充てられてきたということになります。漫画家の中には、デビューから長い間読切ばかり描いていた、なんていう声も時々聞きますが、そう考えると途切れることなく連載を続けているソウマトウ先生は本当に凄いですね。(ひっし先生はその前からさいとうたかを先生などのアシスタントをされておられたそうですが)


ところで、今号にはソウマトウ先生の原画展のご挨拶以外にも見逃せないものがありました。

「チラ見せ」原稿です。

事前にツイッターにて告知されていましたが、なんと原画展で公開予定の原稿の一部が掲載されたのです!これを見て興奮しないシャドーハウスファンはおりますまい……

内容はオリバー2号を操るエミリコと、作中に出てこないキャラが何名か描かれておりますが、もしかするとルウやリッキーやラムの初期デザインな感じがしました。加えて、ショーンを指していると思われる説明書きもあったりと見れば見るほど気になる事ばかり……。う~ん、早く原画展にて真相が知りたいです!

というか、小出しの割には情報量が多い多いっ!!もうこれだけでお腹いっぱいですよホントに。原画展に足踏み入れたら自分がどうなってしまうか今から心配になってきました。(当日はできるだけ低テンションで行こう)


さて、原画展のお知らせが来てから少々取り乱し気味な私ですが、膨大な情報に触れたら誰しもが多少は混乱することでしょう。そんな経験はどなたにもある筈です。

そして、それは実在する人間だけではなく漫画のキャラクターだって一緒でしょう。

此度のエピソードでは、あまりにも重大で膨大な情報に触れてしまい、驚愕する一対が描かれておりました。

ケイトはそれを武器に、ダグラスにあるミッションを切り出します。続きを読む

第167話 風紀班【感想】

いやあ、とうとうシャドーハウスの原画展が開催決定しましたね!

前記事を引きずるようですが、未だにこの喜びの余韻が抜けません。私はというと、先日から始まった事前予約で早速チケットを入手しました。

勝手な想像になりますが、原画展では名シーンの数々や、本来あればお目にかかれなかったお蔵入り原稿なども拝めるのではないかと予想しています。そうした資料の中には、連載では見ることのできなかったキャラクターの違う側面に触れることもあるかも知れません。早く8月がこないかなあと待ち遠しい限りです。


さて、先程『キャラクターの違う側面』と書きましたが、シャドーハウスでは物語が進めば進むほど、キャラクターの新たな一面が見えることが多いですよね。

ややネタバレになりますが、例えば最初期のミアはエミリコの良きお姉さんでしたが、今では主人のサラと共にケイトとエミリコに歪んだ感情を向けています。

対してパトリックは、登場当初は不遜で尊大な性格と思われていましたが、実は他者を思いやることのできる高潔な少年でした。

このように、読めば読むほどキャラクターの個性に深みが出る作品。それがシャドーハウスなのです。

ストーリーや設定の凄味もさることながら、こうしたキャラクターの掘り下げがあるからこそ、多くの読者がシャドーハウスに夢中になっているのではないでしょうか。いえ、絶対そうに決まっています!


今回のエピソードでも、とあるキャラクターの知られざる側面が明かされました。

第1班班長・ダグラス。

彼は過去にケイトやイザベル、ミラベルを揶揄したことがあり、とかく相手を貶める行動や言動が多いです。特に生き人形のダグの方は登場人物紹介で「利己的」「性格が悪い」と書かれています。ということは、その影響を受けているダグラスも同じようなものでしょう。ケイトは彼について「嫌い」と述べていました。(第59話)


ところが、ダグラスにも彼なりの事情があったことが此度判明します。そして彼の魅力である1班の結束力、彼の特徴であるあの髪型は、過去に起こった悲劇が大きく関わっていました。

その事情を知った後となっては、ダグラスの見方が変わることは間違いありません。

彼もまた、シャドーハウスという館でもがく一人の少年でした。続きを読む

第166話 手段と目的【感想】

「高貴さと愛くるしさの同居だ」

こんな台詞が出てきたのは、お披露目真っ最中の第32話の時でした。

発言の主はジョン。そしてこの台詞が指しているのは、彼が愛してやまないケイトのことです。

当時はジョンの一途な思いに微笑ましさが感じられたシーンでありますが、今見てみても実に絶妙な表現ですよね。直前に「ガーッ バン ドカンだよ」なんていう語彙力皆無の台詞を放っていた人物の発言とは到底思えません。

なぜこの語彙力が普段の発言に活かせないのか……。


まあそれについては、ケイト関連になるとジョンの知能が倍増すると仮定しておきます。なにせエミリコのことを見ながら「ケイトの顔としては少し幼さが気になる」なんてかなり鋭い発言もしていますからね。

この発言についてはネタバレになるので詳しくは触れませんが、とにかくケイトが関わった時のジョンの凄まじさと言ったらありません。それは第144話のVSギルバード戦でも遺憾なく発揮されていました。


さて、最初のジョンの発言に戻りますが、このケイト評は彼女の魅力を端的に示していますよね。

高貴さは普段の振る舞いから明らかですし、そうかと思えば煤だるまを作るなんていう可愛らしい一面もあります。第80話でちゃっかりエプロンを着て部屋掃除を手伝う姿もキュートでした。


ただ、ジョンに異を唱えるわけではありませんが、ケイトには他にも魅力があると思います。

例えばそうですね、作中に随所に見受けられる勇ましい姿もそうでしょうか。第50話でスザンナのすす能力を見破ったエピソードや、第57話で星つきに啖呵を切ったシーン、第67話でローブ様を論破した推理劇はとても格好良かったです。

「いつも行き当たりばっかり」「感情的だし…本当に嫌になるわ」、なんて本人は言っていますがとんでもないです。その激烈さもケイトの魅力でしょう。

時には高貴に、時には可愛らしく、時には凛々しく、時には勇ましい。

それがケイトという少女なのです。


ところで、ケイトは星つきに啖呵を切ったシーンでテーブルを勢い良く叩いていました。アニメでも溜めに溜めて描かれていたため、印象に残っているという方も多いでしょう。ケイトの勇ましさを象徴するシーンです。

そこでケイトって机とか叩くシーンって多いよなと思って調べてみたのですが、意外や意外。


・エミリコに怒ってテーブル叩く(第15話)
・星つきに啖呵を切る(第57話)
・水路で星つきに思い出し怒りして水面を叩く(第73話)
・「シャドーの教え」を読みながら床を踏み叩く(第113話)


これだけしかありませんでした。

パトリックやローブ様やギルバードと論戦交わしている時も、議論が激しいだけで実はそこまで手を出しているわけではありません。イメージとは違ってそこまで気が短いわけではないようです。勝手に変なイメージを抱いてごめんなさいケイト嬢……。


しかし、逆に言えばケイトがこうした行動をとる時は怒り心頭と見て間違いないでしょう。煤だけではなく、彼女の怒りのバロメーターを測る指標とみて良いかも知れません。

ケイトが机を叩く時、それは彼女の心の中に怒りの炎が灯されたと同義です!!


そうした観点から見た時、此度のエピソードも興味深いです。

なぜなら、作中5度目となる本気で怒りを露わにするケイトが描かれていたからです。続きを読む

第165話 悲劇と好機【感想】

サブタイトルを要約すると、「ピンチはチャンス!」みたいなものでしょうか。(いやちょっと違うか……)

ところでピンチと言えば、私事ですが先週は再び流行り病にやられて寝込んでいました。

先週はシャドーハウスが休載だったため、本当だったら幾つか記事を上げたかったのですが、残念ながら何も手に付かず。結局はご覧の通り(いつも通り)更新ギリギリでの記事アップと相成りました。ううん、なぜいつもこうなる……。

まあ、愚痴っていても仕方ありませんね。此度の出来事をチャンスに変えられるよう“好機”を逃さないようにしていこうと思います。


さて、副題に話を戻しますが、ここでいう「悲劇」とはパニックホラー編の顛末となります。読者から見ても衝撃的なエピソードでした。

そして「好機」とは、ケイト達の運命を変えたあの一日が再びやってくることを指しています。

ケイトやエミリコ、同期の皆々が躍動した「お披露目」。

星つき就任からとかく忙しいケイトですが、今度は立場を変え見届け人としてあの儀式に挑むこととなりました。続きを読む
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