来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話感想

第197話 アンソニー【感想+後半考察】

計画通りに行動をする。

これができる人も、そうでない人も多くいらっしゃるかと思います。

因みに私は出来ない部類の人間です。本ブログをご覧の方は何となく察してはいたかと存じますが、生来の気質と言いますかどうもスケジュール通りに行動するのが苦手です。それもあってか今もこうして最新話ギリギリに各話感想を書いております。(ホントどうにかならんかね……)


しかし、計画通りに行動できる方からすれば、私のような人間など理解できないといった気持ではないでしょうか。

シャドーハウスで言えばそうですね、エドワードなんかはその典型でしょう。彼はケイト達のお披露目の際に様々な画策を企てていました。試験官という立場を利用し、出世のため計略を張り巡らせていたのです。第36話では「私の完璧な世界に狂いは許さん」とまで言っています。



その第36話のエピソードがアニメで描かれたのは一期第8話です。サブタイトルは「手のひらの上」でした。この回では特殊エンディングとしてBGM「私の完璧な世界」が流れて話題になっていましたね。もう三年も前です。何だか懐かしいです。
(そういえば原画展のご挨拶でソウマトウ先生が触れておられた第35話の「見えないから私は想像したいんです」も第8話に収録されています)(あと福岡会場は一昨日閉幕でしたね。関係者の皆様お疲れ様でした)


ところが、そんなエドワードの謀略はイレギュラーなコンビに阻まれます。

我らが主人公・ケイトとエミリコです。

知略と人望を併せ持つ二人の少女の存在が、お披露目で大番狂わせを呼び、同期達を結束させ、やがてこどもたちの棟をまとめあげるまでになりました。そして今もエドワードの目の敵として、ケイトとエミリコは立ちはだかる壁となっているのです。

逆に、ケイトとエミリコから見れば、エドワードは大人たちを攻略するにあたっての第一関門と言えましょう。その先にいる重鎮達や偉大なるおじい様を倒し、ケイトの目的を達成するためには避けては通れない存在です。


しかし、シャドーハウスはそんな単純な二局面だけの闘いではないことが此度明かされました。

ケイトとエミリコ以上にイレギュラーな存在だった、アンソニー。

彼はエドワードとは比較にならないほど、高い計画性で暗躍していたことをケイトに告白します。

その衝撃的事実は、シャドーハウスという物語が持つ時間軸を大きく広げるものでした。

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第196話 クリストファー様【感想】

名高い「復活」といえば、やはりキリスト教における"イエスの復活"でしょうか。

キリスト教といえば真っ先に思いつくのが十字架ですが、イエスが磔刑によって人類の原罪を背負ったとされることから、救済のシンボルとして十字架は最重要視されています。(なんか前にも似た話してますね→「シャドーハウスと宗教について気になっていたこと」)

新約聖書では処刑された三日後にイエスが「復活」し、死から甦った神の子として崇められている様子が記述されています。

人類の祖・アダムが犯した罪が子々孫々の全ての人間に及ぶ、とするキリスト教の考えからすれば、全人類を代表して罪を背負ったイエスが復活した=神から赦された、という教理は信仰の根本原理です。

下の写真はフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(通称:ドォーモ)にあるステンドグラスですが、イエスの「降誕」「昇天」とともにこの「復活」が並んで飾られています。復活祭、いわばイースターがキリスト教圏で大きな盛り上がりをみせることを思えば、信徒の中で「復活」という概念がいかに重要視されているか分かるかと思います。遥か昔に一人の男性が起こした奇跡が今や世界中で祝われているとは何だか不思議なものですね。

大聖堂のステンドグラス↓
ステンドグラス

こちらがサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 ↓
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂外観

ついでに写真漁っていたら出てきたフィレンツェの街並も↓
フィレンツェ街並

さて、聖書に書いてあることなどお伽噺だろうと考える方もいらっしゃるかと思いますが、宗教的観念を抜きにしても「復活劇」には惹かれるものがあります。


大相撲の照ノ富士関、中日ドラゴンズ時代の松坂大輔投手、競馬のトウカイテイオーやラッキーライラック、バドミントンの桃田賢斗元日本代表、「不死鳥」として伝説となった歌手の美空ひばり……


絶対王者が最強の名をほしいままにする、長い不遇を経験した者が栄光を手にする、といったドラマも胸を熱くさせるものがありますが、一度名声を馳せた存在が挫折を経て再び輝きを取り戻すという物語も心動かされるものがあります。

そうした復活劇が人々を惹きつけてやまないことを思えば、聖書における「復活」が奇跡的な出来事として信仰されるのも分かる気がしますね。


ただ、そうした復活劇は人の心を大きく揺り動かすが故に注意すべきでもあります。ドラマ性のある復活劇など簡単に起こらないからです。だからこそ上記のような出来事は「奇跡」と呼ばれているのです。

此度のエピソードでは、とあるカリスマの「復活」によって集団そのものがコントロールされる様子が描かれました。

まるでそれは、2000年前にティベリアスの湖畔で起きた「奇跡」を彷彿とさせるものでした。続きを読む

第195話 新班編成【感想】

椿屋
写真は椿屋珈琲のアイスコーヒーとケーキのセットです。

椿屋珈琲は全国展開してますので馴染みの方もいらっしゃるでしょう。チェーンにも関わらずクラシカルな雰囲気がよく保たれているため、私もお気に入りの喫茶店です。時折通勤途中にある店舗に寄っては、一休みがてらにブログを書いたりと何かとお世話になっております。

因みにこの写真を撮ったのは渋谷の椿屋珈琲です。

実を言いますと、先月中旬にソウマトウ先生が登録して下さっていたネットプリントを期限切れで印刷しそこねるという痛恨のミスをしてしまったのですが、ツイッターでお世話になっているフォロワーさんから余ったプリントを分けて下さるというありがたい申し出を頂き、それで渋谷で落ち合うこととなったというのが経緯です。

幸い私の方も、フォロワーさんがお持ちでないネットプリントを保管してましたので交換取引と相成ったのですが、それだけだと味気ないかなと思い暫しお茶に付き合って頂きました。その際に注文したのがアイスコーヒーセットだったというわけです。


ところで、人の集まりにおいて食事や飲み物が伴うケースはよく見受けられます。

家族や友人、職場の仲間や同好の士、或いは恋人や集団でも、歓談の場に飲食が供されることは珍しくありません。飲食は生命維持のためだけでなくコミュニケーションの一ツールと言えましょう。実際にシャドーハウスでも、第74話で一仕事終えたエミリコがパンでの祝杯を提案しています。まあ、あの時賛同していたのはジョンだけでしたけどね……(気になる方は単行本第6巻をどうぞ!)


さて、そろそろ本題に入りましょう。

人の集まりに欠かせない飲食。

此度の第195話でも、お祝いということで豪華な食事が用意され、多くのこどもたちが舌鼓を打つ様子が描かれました。それもあってか物語は和やかに進んでいきます。

しかし、とある飲み物が現れた途端に雲行きは怪しくなりました。

今やシャドーハウスの象徴とも言える漆黒の液体。

"珈琲"が姿を見せるや否や、遂にあの男もこどもたちの前に姿を見せました。続きを読む

第194話 水面下【感想】

こちらの写真に写っているのはセイタカシギという鳥です。六年前に多摩川河口近くで撮影しました。(かなり離れていたのでブレてますがご容赦を!)

六年前というと、丁度シャドーハウスが連載開始した年ですね。

この写真のセイタカシギも羽色から若鳥と思われますが、当時のシャドーハウスも知る人ぞ知る漫画作品でありました。

今ではアニメ3期も期待されるヒット作となったシャドーハウス。このセイタカシギもきっと、今頃は立派に成長して大空を飛んでいるに違いありません。

セイタカシギ

ところでこのセイタカシギ。

上の写真だとごく普通の水鳥に見えますが、彼らが“セイタカ”(背高)と呼ばれる秘密は「水面下」にあります。

ということで、地上にいるセイタカシギの姿をどうぞ!

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セイタカシギ2

脚長っ!!

この脚の長さがセイタカシギの大きな特徴です。彼らの生息する干潟は潮の満ち引きによって水深が変わりますが、セイタカシギはこの長い脚のお陰で浅瀬から深いところまで広範囲に動き、効率的に餌をとることが可能となっています。

なお、英名のStilt(スティルト)も「竹馬」の意味だったりします。考えることはみんな変わりませんね……


さて、サブタイトルにも「水面下」とあるわけですが、これの意味は「ものごとの表面に出てこない部分」を指す言葉です。セイタカシギの脚の長さのように、水の下にあるものはなかなか認識することが出来ないのと同じですね。

今回のエピソードでは、まさにそんな「水面下」で蠢く様々な出来事が描かれました。

館で暮らす全ての者たちが、それぞれの思いを胸に動き始めます。
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第193話 作戦の結末【感想】

先日、仕事の研修で京都を訪れた際に八坂神社へ参拝しに行きました。

なぜこんなポピュラーな場所に行ったのかと言いますと、一度も足を運んだことがなかったからです。

京都には何度か旅行したことはありますが、八坂神社はあまりにも有名ですので「いつでも行けるからいいや」と毎度後回しにしがちだったんですよね。ですので長期休暇などで京都に行った際は、あまり観光客がいないような場所を選ぶことが多かったのです。

しかし研修当日は午前中だけ自由時間があったので、それなら普段はまず行かない場所、そして京都駅から近い場所ということで、東本願寺・京都護国神社・八坂神社へと向かったわけです。特に八坂神社は祇園という京都の中心地に位置していることもあってか、修学旅行生や外国人観光客でごった返しておりました。


それともう一つ、こちらの絵馬が有名と聞き見てきました。

京都 八坂神社

なんとも珍しいハート形の絵馬です!

八坂神社は境内に、縁結びの神様として知られる大国主命(出雲大社と同じ)、美の神様として知られる宗像三女神(厳島神社と同じ)を祀る祠があることから、恋愛成就を祈願する参拝者が多いのだそうです。私が訪れた時も多くの女学生がハート形の絵馬を前にして、真剣な顔つきで筆を運んでおりました。(直前に参拝した護国神社では国を憂う内容が多かったのとは対照的だったのが印象深いです)


ただ、私がハート形の絵馬を見ようと思ったのは恋愛成就のためではなく、第193話で「ハート」が描写されたことが動機でした。そしてこの「ハート」こそが、長きに亘ったとある作戦の成功を呼び寄せる決定打となりました。


では本題に入りましょう。

今回の記事では第193話だけではなく、大阪で開催中のシャドーハウス原画展のネタバレも一部に含みますのでご注意下さい。

続きよりどうぞ。続きを読む
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