来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話感想

第182話 師弟【感想】

先々週の土曜日、ドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」が地上波にて放送されておりました。

これは今春に列島を沸かせたワールド・ベースボール・クラシックの日本代表(侍ジャパン)に密着した作品で、優勝後の社会現象を受けて映画館でも公開されていました。(公開期間中は忙しすぎて映画館に行けず)(そういえば令和時代になってから一度も映画館行ってないなあ)

私も時々野球観戦するので視聴したのですが、表には出てこなかった激闘の裏側でのやり取りや選手・首脳陣の素顔が見られてとても興味深かったです。贔屓球団の遊撃手がクローズアップされていると聞いてはいましたが、それ抜きにしても楽しむことが出来ました。大晦日にも紅白歌合戦の裏番組で特集があるそうなので時間があればそちらも見てみようと思います。


ところで、2023年大会の侍ジャパンのメンバーは「史上最強」と言われていました。

眺めてみれば、最年少完全試合の佐々木朗希投手、球界のエース・山本由伸投手、2009年優勝大会の胴上げ投手・ダルビッシュ有投手、前年にノーヒットノーランを達成した今永昇太投手と、ピッチャーだけでも錚々たる選手が集まりました。

野手も、世界一のショートストッパー・源田壮亮選手、令和初の三冠王・村上宗隆選手、トリプルスリーの山田哲人選手、レジェンドから背番号を受け継いだ甲斐拓也捕手と、こちらも球史に残る顔ぶれです。

また、メジャーリーグの日系2世のラーズヌートバ―選手が選出されたことは、将来の日本野球の発展や広がりを感じさせる大きな出来事でした。


ですが、何と言っても一番の注目は「二刀流」こと大谷翔平選手です。

先日の移籍報道では1000億円(!?)という超巨大契約で話題になっていましたね。押しも押されぬベースボールの第一人者です。(山本由伸投手の460億円も凄い)

メジャーリーグで大活躍する彼が、決勝でチームメイトかつMLB最強打者のトラウト選手を三振で切って取った瞬間は本大会のハイライトでもありました。今風に言えば、大谷選手は「持ってる男」です。来年以降の活躍も楽しみであります。


さて、ところで豪華メンバーが集まったWBCですが、これほどの選手達が一堂に会したのは指揮官の栗山英樹監督の人徳に尽きるでしょう。

大谷翔平選手は指揮官が誰でも参加するつもりだった、と会見で明かしていましたが、日本ハムファイターズ時代の監督だった栗山氏が代表監督に就任したことは無視できなかったと思います。そんな二人を「恩師」「師弟」と紹介するメディアも多々ありました。


そういえば、シャドーハウスを振り返ると「主従」という関係は沢山ありますが、あまり「師弟」というのは聞かないですね。

まあ当然と言えば当然で、館のシステム自体が「主従」ありきですし、謀略行き交う貴族社会なのですから当たり前です。エドワードとルイスなんかは良い例ですよね。自分より下の存在を目かけてあげたとしても手放しで慕うとは限りません。それこそ主従同士で疑心暗鬼に陥ることもありうるのは、単行本の15巻でも描かれていました。この館の中では「師弟関係」など望むべくもありません。


しかし、それはあくまでシャドーハウス内での話です。

もしも館の外で育まれた師弟関係があるとしたら、それは現実世界と変わらない関係が実っていることでしょう。

今回の第182話では、かつての「師弟」が信頼関係を取り戻し、そして肩を並べて困難に立ち向かい始めるエピソードが描かれました。
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第181話 再試験【感想】

「再試験」ですか……

私事ですが、このサブタイトルを見て嫌なことを思い出しました。

思い出語りで恐縮なのですが小学校4年生の時のことです。

とある授業(確か算数)のテストにおいて、クラス成績が壊滅的だったことから担任教諭が激怒、70点未満の児童は再試験という出来事がありました。

確かその時70点以上だった児童は、普段から勉強ができていた子ばっかりだった気がします。それもあって70点をボーダーラインに設定したのでしょう。私は71点という再試験免除ギリギリの点数でした。


ところが。


なんと再試験対象児童を読み上げていた担当教諭が私の名を呼んだんですよね。

それを聞き、思わず「なんで!?」と叫んでしまいました。普段あまり喋らない質の自分でしたので感情のままに叫ぶなんて普段はしないですし、ましてや教師に対しては常に敬語でいました。大人になった今振り返っても、それほど当時の自分には信じがたいことだったのでしょう。

ですがその教師は「当たり前でしょ!」と一喝するとそのまま不合格児童の読み上げを再開しました。その時の教師の顔は今も忘れられません。

思えば、それ以前にも歴史のテストでクラス全体の成績が悪かった時、100点を取った児童以外は叱責という出来事がありました。その時私が取ったのは98点だったのですが、それを思うと多分目付けられていたのでしょうね。3番目の児童の点数は60点台でしたから。

暗く何を考えているか分からない物知りな児童よりも、朗らかでとっつきやすい秀才を可愛がるというのは良くある話です。

子供だった当時は分かりませんでしたが、あの担当教諭は大学を出たばかりの20代前半という若さでしたし、大人になった今考えると教師といえども感情に振り回されることも多々あったのでしょうかね。

たとえ学校の先生という存在でも、一人の人間であり聖職者ではないというのを早いうちから知ることができたのはある意味良かったと思っています。強烈な体験でしたが後の糧になる出来事でした。
(なお、当時の担当教諭とは現在も年賀状のやり取りをしていて関係は良好ですのでご心配なく)(あ、そろそろ年賀状の準備しなきゃ……)


さて、暗い話をしてしまいましたが、「再試験」あるいは追試というものは大抵身から出た錆であることがほとんどです。ちゃんと勉強をしていればそんな目に遭うことはまずないですからね。

しかしその反面、そうでない理不尽な理由も稀にですがあります。そんな事態に直面した当事者が納得するのは100%不可能でしょう。憤怒といったらこの上ないです。例えば、数十年前の話なのにこうやって当時の事をブログで語る私のように……(だからやめい)

法治国家であり、順法精神がある程度行き渡っている我が国でもこういう理不尽なことは多々あるのです。ならば、シャドーハウスという謀略と権力闘争が繰り広げられる館であれば、弱き者を権力者が都合よく振り回すことは日常茶飯事であります。


ですが、今回のエピソードではそんな非道に遭ってもなお強固な意志で立ち向かう少女の姿が描かれました。

ではソウマトウ先生の事前告知をお借りして、あの頃の私の憤りを鎮めるために「師匠」の後押しをしましょうかね。

理不尽な判定にキャンディ、キレる!!
(12/14発売ヤングジャンプ2号)
画像


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第180話 策略【感想】

もう師走ですね。

お盆が終わった頃は、次の大型連休は年末年始だから先が長いなと思っていましたが、何だかあっという間でした。毎年同じ感覚を繰り返していますが不思議なものです。

さて、今年を振り返ると色々ありました。シャドーハウス絡みだと原画展開催が一番の話題だったでしょうか。原画展終了後してからまだ次報はありませんが、きっと来年には他の地方でも開催してくれることでしょう。その時は旅行がてら私も足を伸ばしたいですね。今からもう楽しみであります。(そういえば原画展の額装そろそろ届くかな?)


しかし、それでも令和5年はまだ20日も残っています。

実は今年中に書きたいと思っていた記事が未だに二つほどあるのですが、何とか間に合わせられるよう頑張りたいです。(一つは純粋な自慢記事になりますが)


ただ、その前にまずは各話感想からまいりましょう。

遂に第200回まであと「20回」と迫ったシャドーハウス。

こどもたちのトップと大型新人の直接対決となりました。続きを読む

第179話 呪いの正体【感想】

30代以上のアニメ愛好家の方なら、このCDジャケットを見ただけで作品名を当てられるかと存じます。
Trust You Forever

1994年に放映された「機動武道伝Gガンダム」の主題歌「Trust You Forever」です。

「Trust You Forever」は本編後半からオープニングソングに採用されていますが、物語が核心に迫り始めてから最終回までという重要な期間に流れていましたので、個人的には前半OPよりも印象に残っています。なお、歌手の鵜島仁文氏はギタリストとしても活躍しておりましたが、昨夏残念ながら鬼籍に入っています。


因みにこのCD、私の物ではなく兄が発売当時に買ったものです。此度ブログを書くにあたって引っ張り出してきました。今では8㎝ディスクなんてほとんどお目にかかれませんよね。私も改めて見て「こんなに小さいんだ!?」と驚きました。平成時代の残滓を見た気がします。


さて、ところでなぜこんな懐かしい楽曲を持ち出してきたのかと言いますと、第179話を読んで「Gガンダム」のことを思い出したからです。

「Gガンダム」はガンダムシリーズの一つでありますが、人気シリーズであるにも関わらず当時は酷評されていました。その理由は「異色」だったからです。

詳細についてはネット上に沢山情報が転がっていますので見て頂ければ分かるのですが、とにかく「Gガンダム」は従来のガンダムシリーズとは一線を画したアニメでした。

例えば、SFと戦争のリアリティを追及していた過去シリーズとは違いガンダムが武道大会で戦っていたり、これまで受け継がれてきた「宇宙世紀」という設定を使わなかったり、パイロットが操縦席に座ってガンダムを操作するのではなく、搭乗者(格闘家)の動きに合わせてガンダムが動く仕様(Vtuverが「中の人」の動きをトレースするアレ)だったりする等々……

これらが原因となって、それまでのガンダムファンからは「(シリーズに対する)冒涜」とまで呼ばれてしまったという逸話を持ちます。

ですが、それでも脚本やキャラクターの魅力によってそれらの批判は徐々に払拭され、ファン層の拡大に繋がります。現在では「マンネリ化していたシリーズに変革をもたらした」「後々の作品の多様化を呼んだ」とまで評価されるようになりました。


「異色」の作品が発表当時は理解されず、段々と少しづつ人気を獲得していき、そしてヒットへと駆け上がるという点ではシャドーハウスと似ていますね。

……いや、無理矢理シャドーハウスと繋げたかったわけではないですよ!?


さて、本題に移りましょう。

今回「Gガンダム」の話をしたのは、研究班班長のオリバーが開発した「ロボット」の操縦方法がGガンダムとそっくりだったからです。

彼は科学技術を駆使し、「呪い」を口にする少女に立ちはだかりました。


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第178話 それぞれの戦い【感想】

こちらの画像は、昨年の春に青森県五所川原市金木町に行った際に撮ってきた壁掛式電話機です。

壁掛け式電話機

こういった型式の電話機を骨董市や博物館などで見たことがあるという方は多いでしょう。ただ、実際に使った経験があるという人は少ないかと存じます。

もっとも固定式電話機さえも使われなくなっているご時勢ですからね。私も黒電話はギリギリ使ったことがありますが、流石に壁掛式電話機を使う機会には未だ恵まれておりません。(多分これからもないかな……)


さて、上でご覧頂いた壁掛け式電話機。東北地方出身の方は地名を見てピンときたかも知れません。
そう、この電話機が置いてあるのはこちらの歴史建造物です!

斜陽館

国指定重要文化財「斜陽館」です!

文豪・太宰治の生家として知られるこちらの建物。見れば分かる通り豪邸です。悲壮感漂う作品を数多く残した太宰治ですが、その作風とは裏腹に、県下有数の富豪の元に生まれるという恵まれた環境で誕生しました。

その後の彼の人生については様々な媒体で語られているので省略しますが、もしも青森県を訪れる機会があれば寄って頂きたい場所です。読書家の方はもちろん、太宰治の資料や建物自体にも見所満載ですので十分楽しめると思います。


ところで、上記の電話機の話題をなぜ出したのかと言いますと、この電話機も太宰治の実家・津島家の財力を物語っているからです。

大正9年(1920年)に金木町で町制が施行した際、その記念事業として電話線が架設されたのですが、その時津島家にも早々取り付けられたのが写真の電話機だったそうです。

当時の当主・津島源右衛門は衆議院議員や金木銀行(現在の青森銀行)の頭取などを務めており、電話機を持っていてもおかしくないと言えばそうなのですが、しかし世間一般にはまだまだ「電話」が馴染みのない時代です。そのような中でいち早く最先端の通信機器を備えた津島源右衛門には、先見の明があったといえるでしょう。

現に、今では固定式電話機はスマートフォンへと形を変えて、私たちの生活に欠かせない必需品となっています。


さて、そんな風に現代社会では「電話」という形で通信機器は普及していますが、シャドーハウスの作中にそういった機械は見受けられません。ただ単に描写されていないだけかも知れませんが、アイリーン嬢が「すすバト」という回りくどい通信手段を用いているのを見ると、電話機は存在していないとみて間違いはないと思います。明治時代の我が国と同様、シャドーハウスにおいて通信機器はまだ未発達なのです。

ところが、今回の物語ではそれを一気に解決する「すす能力」が登場しました。

「電話」を模倣した能力を開花した人物の本性は、その能力を持つに相応しい性格をしていました。続きを読む
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