来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話感想

第177話 オリバーの試験【感想】

先週、プロ野球日本シリーズの組み合わせが決まりました。

パ・リーグはクライマックスシリーズで激戦を制したオリックスバファローズが三年連続での進出、セ・リーグはシーズン中の強さを遺憾なく発揮した阪神タイガースが9年ぶりの日本シリーズ進出となりました。

両チームともペナントレースを独走で優勝したチームでしたのでやはり強かったですね。クライマックスシリーズに関して世間では賛否両論あるようですが、私はどちらかと言えば賛成派なのでシーズン終盤から先週までたっぷり楽しむことができました。

オリックスバファローズが2年連続の日本一になるのか、はたまた阪神タイガースが38年ぶりの日本一となるのか。

来週から始まる日本シリーズが楽しみであります。


ところで、阪神タイガースが最後に日本一になった1985年に、とある「事件」があったのをご存じでしょうか?

実は、阪神タイガースが長らく日本一になっていない理由について、その出来事が深く関わっているというのです。

その「事件」とはこちらの“人物”にまつわる出来事です。

カーネルサンダース

皆様ご存じ、ケンタッキー・フライド・チキンのカーネルサンダース像、通称「カーネルおじさん」です!

写真は先日秋葉原に行った際に撮ってきたものです。時期が時期ですのでハロウィン仕様になっておりました。なんか威圧感あるなあ……。

さて、カーネルサンダース像と阪神タイガースの関係は検索すれば幾らでもヒットするのですが、かいつまんで説明すると以下の通りです。


『1985年に日本一になった際、熱狂したタイガースファンが道頓堀にカーネルサンダース像を投げ込んでしまい行方不明になってしまった。すると翌年以降、あれほど強かった阪神タイガースは長期に亘って低迷が続く暗黒時代となった。その原因は、川底に沈むカーネルサンダース像の“呪い”である』


要するに都市伝説の類ですね。因みに1992年は一応2位になっていますので、ずっとBクラスが続いていたというわけではありません。(もっとも1992年のセ・リーグは大混戦だったんですけどね。この年の日本シリーズも語りたいところですが語ると止まらなくなる…)

しかし事実はどうであれ、2003年にリーグ優勝をするまで20年近い間低迷期が続いたのですからファンの方々としては理由付けがしたかったのでしょう。その後阪神タイガースは連年優勝争いに加わるようになりますが、それでも日本一に手が届かないのは「呪い」のせいではないかと今も言われています。

在阪チーム同士の闘いとして注目を浴びる今年の日本シリーズ。

オリックスバファローズが阪急時代以来となる連覇か、はたまた阪神タイガースが「呪い」の呪縛を解く悲願の日本一となるか。いずれにせよ熱い試合を期待したいです。


さて、シャドーハウスと関係ない話題を長々と取り上げましたが、それには理由があります。

なぜなら第177話では「呪い」という語句が登場したからです。

西洋風の世界観からは想起しえない「呪い」

その言葉を放ったのは、「呪い」の名を持つ少女たちでした。続きを読む

第176話 暗示と覚醒【感想】

今まで考えたこともなかったのですが、「暗示」と「洗脳」って違うらしいですね。

「暗示」はコントロールしようとする相手に、無意識に特定の感覚や観念・意図を呼び起こさせる要因(物でも行動でもOK)だそうです。

それに対し、「洗脳」はコントロールしようとする相手に、手段を問わず主義や主張を改めさせることを指します。

用法としては、「暗示」は相手をコントロールするための行動、「洗脳」は相手をコントロールすることそのものを指す、と言い換えても良いかも知れません。なるほどこれまで見聞きした文章を振り返ると確かにそんな気がしてきました。(間違って使っていないか過去記事を取り急ぎ確認中)


ただそれだけではなく、言葉の意味自体も結構違いますね。

上記の意味を読んでみれば、「暗示」がポジティブな意味でも使われるの対し、「洗脳」が良い意味で使われることがないのがよく分かります。

シャドーハウスのこどもたちの棟で行われているのは「洗脳」、これ以上の表現はないでしょう。


そういえば「暗示」に関しては自分自身に行うこともありますね。スポーツ選手や俳優が試合や本番前に「自己暗示」をすることを「アンカリンク」と呼ぶそうです。

現在フランスでラグビーワールドカップ2023が開催されていますが、前々回大会でブームになった五郎丸歩元代表の特徴的なポーズを覚えている方も多いかと存じます。2000年のシドニーオリンピックで金メダルを取った高橋尚子選手も競技前にhitomi氏の「LOVE2000」を愛聴していたというエピソードもあります。

このように自分自身のコンディションを整え、力を100%発揮させるために「暗示」は非常に効果的なのです。


そんな「洗脳」と似て非なる「暗示」が今回のお話では描かれました。

その使い手はもちろん、シャドーハウスの支配や慣習とは無縁のあの少女です。
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第175話 立ちはだかる壁【感想】

少し前の話になりますが、シャドーハウスの単行本売り上げが260万部を突破したそうですね。

前々回の第173話が掲載されていたヤングジャンプ41号だと240万部となっていますので、ここ三週間でいきなり20万部売り上げたのか、または250万部の告知をしそこねたのかのどちらかでしょうか。

しかし、いずれにせよシャドーハウスがヒットしていることに変わりはありません。どうせなら今年中にあと40万部売り上げて、「2023年・300万部突破・3期決定」のトリプルスリーで本年をフィニッシュして欲しいものです。

ちなみにシャドーハウスは現在、ソウマトウ先生の連載作品の中では「3番目」に長い連載作品です。ただ、仮に10月12日(木)のヤングジャンプでシャドーハウスが掲載されると、前々作の「黒」を抜いて2番目の長期連載作品となります。

普段お祝い事があっても文章つらつらと書き連ねるのが本ブログの常ですが、当日は少し趣向を凝らしてイラスト的なのを投下しようかなと思います。さーて、ここでそう書いたからには本腰入れて準備せねばなりませんね。頑張らねば…(でも期待しないで下さい)


さて、それでは本題に入りましょう。

こどもたちにとって一世一代の儀式、お披露目。

しかしこの儀式をお膳立てするのはこどもたちではなく「大人」と呼ばれるシャドーです。

今回のお話では2階の出世街道をひた走る、あの3人が描かれました。続きを読む

第174話 私たちの秘密【感想】

自分の知らない世界を覗き見るのって何だかワクワクしますよね。

私などは一般庶民ですから、普段見られないような高級旅館とか大きい屋敷に行ったときなどは、可能ならばあちこち回って好奇心満たしてます。(我ながら庶民根性丸出しだなあ……)


しかし現代では、栄華を誇った特権階級の暮らしを間近に見られることは珍しくありません。

例えば、美術館として知られるパリのルーブル宮殿やフェレンツェのピッティ宮殿は、観覧料を払えば誰でも立ち入ることが可能です。

また、今でも宮殿として機能しているものの、バチカンのサンピエトロ寺院やロンドンのバッキンガム宮殿も観光のため開放されています。

それだけではなく、情報化社会の現代では実際に足を踏み入れられなくとも、自らと違う暮らしを知ることは容易です。それこそパソコンやスマートフォンで検索すればそうした情報は山ほど現れます。

サンピエトロ寺院
サンピエトロ寺院2
↑上の写真は10年ほど前に行ったサンピエトロ寺院です。豪華絢爛の極み。


ただ、それはあくまで現実世界の話です。

そうでない世界、つまりシャドーハウスの作中では、一般庶民が貴族の生活を垣間見ることなど不可能です。第110話でとある男性は、シャドーハウスを見学したいと話す少女に対し「それは無理だ領主様だぞ?そうそう会えるはずがない」と返していました。これが普通なのです。


ところが、そうした常識をものともしない、大きな野心を胸に秘めた人物が登場しました。

「面白いじゃないか」

真っ直ぐな視線を向けた少女の瞳の先には、「決して叛意は許されない」あの館がありました。続きを読む

第173話 結束【感想】

「結束」と聞くと仕事柄「結束バンド」を思い浮かべてしまうのですが(ぼっち・ざ・ろっく!の方じゃないですよ!)、もちろんサブタイトルとは関係ありません。

というかそんな便利なもの、そもそもシャドーハウスにないでしょうしね。

結束バンドは1956年に米国で発明されたそうですが、当時から材質はナイロンだったそうです。ということはシャドーハウスの作中にプラスチックはなさそうなので、当然結束バンドもないでしょう。

オリバーとオリーが現実の結束バンドを見たら興奮必至だと思いますが、シャドーハウスで再現するにはナイロンの開発から始めねばなりません。まずは基礎研究からだ!頑張れオリバー&オリー!!


それと余談ですが、海外の感想記事を見ると「今回のエピソードは“THE END”というタイトル通りのストーリーが展開……」と書かれていたので何の事だろうと一晩考えていたのですが、多分これ「結束」と「結末」の見間違いかも知れませんね。

感想記事を書いた方が日本語(漢字)に精通していたからこそのミスかと存じます。日本人でも見間違えそうですし。

ただ当方全く英語分かりませんので、英語ご堪能な方はこんな風にサブタイトルを誤解している海外の読者を見かけましたら「今回は“end”じゃなくて“union”だぜ!」と是非お声掛けしていただければ幸いです。(いや“union”で合ってるのかも分かりませんが)


さて、ではこの辺で本題に入りましょう。

シャドーハウスで度々描かれる「絆」

これはサブタイトルのように「結束」と言い換えることもできるかと思います。ケイトとエミリコは論理的に、そして時には情緒的に他者と向き合い仲間を増やしてきました。そうやって皆々と理解を深めながら信頼関係を築き、遂にはこどもたちの棟のトップに上り詰めたのです。

いけ好かない男の台詞を拝借しますが「君にはリーダーの資質がある!!」としか言いようがありません。

偉大なるおじい様の覇道とは真反対の王道を歩む者、それこそがケイトです。


ですが、今回の173話ではこれまたケイトとは違う、強烈な怒気によってグループをまとめあげる人物が描かれました。

誰もが予想もし得なかった事態。

甘かったのはそのキャラクターの名ではなく、我々読者の認識でした。



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