来客のない奇妙な館 ~シャドーハウス考察ブログ~

ヤングジャンプで連載中のソウマトウ先生作、“シャドーハウス”の考察ブログです。

各話感想

第172話 ひとつめの試験【感想】

長かった8月が終わりましたね。なんと今年の東京は観測史上初めて全日真夏日だったそうです。学生の皆様は夏休みが終わり、厳しい陽射しの下で通学していることと思います。先日、ソウマトウ先生も急病により臥せっていたとアナウンスがありましたが、まだ暑さが残っていますのでくれぐれも体調にはご注意下さい。

反面、社会人は夏休みなどとっくに終わっており、お盆が遠くに感じる方がほとんどではないでしょうか。かく言う私も8月13・14日は何か月振りかの連休でしたが、もう遠い昔です。正直、シャドーハウスの原画展がなかったらモチベーションを保てなかったに違いありません。


さて、立場の違いがあれこそすれ、夏は様々なイベントが目白押しでした。

花火や祭り、海水浴といった古くからある行楽に加えて、最近だとサブカルチャー系の催し物も盛り上がっています。コミックマーケットなんかはもう「伝統行事」に片足を突っ込んでいる感がありますね。横浜で執り行われたポケモンワールドチャンピオンシップでは日本人がゲーム部門三冠を独占したとして話題になっていました。度重なる台風によって残念ながら中止になるイベントも多々ありましたが、やはり夏の思い出は格別な感があります。


また、そうした大人数が集うイベントだけではなく、商業施設や交通機関でも夏休みならではの企画が開催されていました。

毎年夏休みになると、JRの駅々をポケモンのスタンプを求めて子供達が駆け巡る姿はもう珍しくありません。こうした企業主体のささやかなイベントも見ているだけで楽しいものです。

スタンプラリーといえば、シャドーハウスの原画展が行われた西武渋谷店でこんなコーナーを見かけました。

西武渋谷店 世界名作劇場

ネロとアロアとパトラッシュ、そしてラスカル。

言わずと知れた世界名作劇場の人気キャラクターです。西武百貨店(今は名前に「百貨店」と付かないらしいですが紛らわしいのでこう表記します)は今年の夏、世界名作劇場とのコラボで「SUMMER MEMORY~思い出に残す、夏~」という企画をしており、スタンプラリーもそのうちの一つだったそうです。

こうしたイベントを見ると、贅沢ではありますがシャドーハウスでもこんな催しがあったらなあなんて思ってしまいます。以前のアニプレックスステージ(アニメジャパン2022)で、鬼頭さんや酒井さんがファン参加型の「影踏みイベント」がしたいなんて仰っていましたが、様々なイベントが実現するようシャドーハウスをもっと盛り上げていきたいですね。


しかし。

そんな平和でのどかな催し物が、まさか作中で描かれるとは思いもしませんでした。

「お披露目」という弱肉強食の競争の場。

その舞台でエドワードが告げたのは、世界観(人物像?)にそぐわない「スタンプラリー」という言葉でした。



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第171話 キング【感想】

メインキャラクター達を差し置いて、サブタイトルに新顔シャドーの名がお目見えしました。

かつてダグラスが所属していた班の班長・キングです。

これまでサブタイトルに名前が採用されたキャラクターは数名いますが、どの回も傑作と評判の高いエピソードばかりです。記憶に新しいところだと第149話のルイス、第160話のマーガレットが挙げられましょうか。シャドーハウスにおいて、キャラ名副題回に外れはありません!


そんな名だたるキャラたちに早速肩を並べたキング。第167話の初登場から僅か5話での大抜擢です。第1話の「ケイトとエミリコ」を除けば、初登場が第116話、サブタイトル回が第149話のルイスが最短でしたから恐るべき早さですね。

フィンを除くと、キングより後に登場したのは第169話のオスカー・ロロル・ダニー・マチルダの4人だけです。彼らが残り2話でサブタイトルに抜擢されるとは思えないので、今後新キャラクターが現れない限りキングのこの記録は当分破られないでしょう。なんとも珍しい記録が生まれました。


しかし、あくまでこれは作品の外の話であって作中とは関係ありません。キングが活躍するかどうかはソウマトウ先生の胸三寸、そしてキング自身の頑張りにかかっているのですから。

その結果については、お読みになった方はもうご存じでしょう。

彼の人となりがよく分かる回ではありましたが、残念ながら「活躍」と呼べる働きはできませんでした。


サブタイトル回。


栄光が約束されたエピソードの活躍を手にしたのは、文字通り「星」を胸に付けた三対のスターです。

ケイトとエヴリン、そしてダグラスが素晴らしいチームワークを見せました。続きを読む

第170話 舞台裏【感想】

ここのところ暑い日が続いていますね。

先週は関東甲信越と東北地方で梅雨が明け、全国に夏が到来しました。きっと今年も、例年と同じく40℃に迫る猛暑日が続くことでしょう。熱中症には注意したいですね。


ところで、温度を表す「あつい」という言葉には「暑い」と「熱い」の二通りの漢字があります。

この使い分けについて、「暑い」は空気中の高温、「熱い」は物体の高温を示すと思っていたのですが、詳細を調べるとどうやら違うそうです。

厳密に言うと「暑い」は気温のみを指し、太陽光や蒸気や湿気といったものの温度は「熱い」と書くのが正しいからだそうです。こうなるともう、違いは文脈や場の状況から判断するしかなさそうですね。一つ勉強になりました。


さて。

なぜこんな初等教育の話をし始めたのかと言いますと、第170話のあるシーンでケイトが「熱っつ…」と呟き手で顔をシーンがあったからです。

この場面を見た時、一瞬「暑い」の間違いではないかと思ったのですが、思い込みは良くないと調べたらそんなことはありませんでした。この時のケイトの周りでは「顔の見えない人形」がせわしなく働き、室内には蒸気や煙が充満していたからです。

恐らくケイトはそれについてぼやいていたのでしょう。こんなちっぽけな言い回しでも、あの時のケイトの気分が良く伝わってきました。


それでは、前置きはここまでにして本題に移りましょう。

ケイトが思わず「熱い」と零すほどの室内。これほどまでに「顔の見えない人形」が動いているのは、彼ら彼女らが大量の食材を調理し運んでいるからです。

その数、ほぼ50人前。

こどもたちの棟の夕食は一同に会して摂るのが普通らしいですが(第61話と第126話参照)、今回描かれたのはそれとは違います。

ケイトが陣頭指揮を執って準備しているのは、お披露目合格後のパーティーです。

あのパーティーについては第44話で描かれていますね。シャドーハウスの主人公交代劇が鮮やかに繰り広げられた名エピソードです。この回を以て、物語の主軸はエミリコからケイトへと移りました。(そしてまた戻ったり戻らなかったり)


しかし、主人公たるケイトですが作中では違います。「新・お披露目」では新人五対が主役に決まっているからです。エドワード風に言えば、主演は新人五対で、演出はエドワードといったところでしょうか。観覧者はもちろん偉大なるおじい様と重鎮達です。

そんな「舞台」の「裏方」となったケイト。

今回の第170話では、あの華やかなパーティーの「舞台裏」が描かれました。続きを読む

第169話 新たな五対【感想】

何だか久しぶりに各話感想記事を早く書き上げられた気がします。

なんでこんなに余裕あるんだろうかと考えたんですが、恐らく今回のエピソードは過去話とほぼ関係のない内容だったからでしょう。

つまり、過去話をそれほど振り返らず、目の前のエピソードだけを見て書いたからだと思います。こんな気分で記事を書いたのは、連載初期以来だなあと懐かしくなってきました。


しかし、それは裏を返せばシャドーハウスが新たな局面に入ったことを意味します。

シャドーハウスはそもそも、最新話でも「あれは伏線だったのか!?」と驚かせられることがあるくらい、初期から設定が綿密に練られた作品です。また、伏線だけではなく、過去のキャラ同士のやり取りや何気ない行動・台詞が後々のエピソードでも取り上げられることは数多いです。

さらに、第44話の主人公交代劇、第80話のアニメ化と同タイミングの新章開幕、第107話の事実上の”エピソード0”と、これまで何度も作品全体の大きな展開点がありました。そうしたリスタートを繰り返して本日まで物語が紡がれてきたのです。


ですが、ほぼ新規といえるキャラクターが10名も登場し、しかも主要キャラクターが姿を見せない此度の第169話ほど“新章開幕”という名にふさわしいエピソードはないでしょう。

主人公コンビの顔が遠目にしか、そしてはっきりと描かれていないのはそのせいもあるかも知れませんね。


「さあ お披露目を始めよう」


「特別な生き人形」によって、新たなお披露目が始まりを告げました。続きを読む

第168話 裏工作【感想】

またこの話題かと思われるかと存じますが、原画展についてヤングジャンプ本誌に新情報が掲載されていましたね。

その内容は、シャドーハウスの生みの親・ソウマトウ先生のご挨拶です!

ご挨拶については是非とも本誌をご購入いただき読んで欲しいですが、ソウマトウ先生が漫画家になられてから14年経っていることを初めて知りました。

本年で14年目と言うことは、デビューは平成22年(2010年)ということでしょうか?

ソウマトウ先生の公式HPを見てみますと平成21年(2009年)からの情報が記載されておりますが、その年に発表された作品は電撃大王の漫画賞受賞作品とのことですので、その翌年から本格的に漫画家生活をスタートしたと考えられます。

「黒」の連載期間は2011年~2016年、「ギリギリアウト」は2012年~2018年、そしてシャドーハウスの連載が始まったのは2018年からですので、キャリアのほぼ全ての時間を連載作品に充てられてきたということになります。漫画家の中には、デビューから長い間読切ばかり描いていた、なんていう声も時々聞きますが、そう考えると途切れることなく連載を続けているソウマトウ先生は本当に凄いですね。(ひっし先生はその前からさいとうたかを先生などのアシスタントをされておられたそうですが)


ところで、今号にはソウマトウ先生の原画展のご挨拶以外にも見逃せないものがありました。

「チラ見せ」原稿です。

事前にツイッターにて告知されていましたが、なんと原画展で公開予定の原稿の一部が掲載されたのです!これを見て興奮しないシャドーハウスファンはおりますまい……

内容はオリバー2号を操るエミリコと、作中に出てこないキャラが何名か描かれておりますが、もしかするとルウやリッキーやラムの初期デザインな感じがしました。加えて、ショーンを指していると思われる説明書きもあったりと見れば見るほど気になる事ばかり……。う~ん、早く原画展にて真相が知りたいです!

というか、小出しの割には情報量が多い多いっ!!もうこれだけでお腹いっぱいですよホントに。原画展に足踏み入れたら自分がどうなってしまうか今から心配になってきました。(当日はできるだけ低テンションで行こう)


さて、原画展のお知らせが来てから少々取り乱し気味な私ですが、膨大な情報に触れたら誰しもが多少は混乱することでしょう。そんな経験はどなたにもある筈です。

そして、それは実在する人間だけではなく漫画のキャラクターだって一緒でしょう。

此度のエピソードでは、あまりにも重大で膨大な情報に触れてしまい、驚愕する一対が描かれておりました。

ケイトはそれを武器に、ダグラスにあるミッションを切り出します。続きを読む
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